緊急取調室(2025) 5・6話 感想|罪を被る者

 

 

遅れをとってしまったので、5・6話は2話合体感想とさせていただきます。

 

5話「みどりのいえ」

 

今回のハイライトは、やはり監物(鈴木浩介)のあのシーンでしょう。

矢代家の子供2人に自身の過去を打ち明ける親身な姿も、優しい語り方にもやられました。

特に、「ナベ…ハンカチ、ある?」の時の声はすこぶる優しかったですね。

最初に子供2人と会った時の話しかけ方はぎこちなくて、

ああ、子供と接するのは上手くないんだな〜wと笑って見ていただけに…

最近の鈴木浩介さん演じる役は、冷酷そうな役が多かっただけに(個人的イメージ)…

後半で見せてくるギャップには、ズルいと感じざるを得ませんでした。

 

中学時代に再婚相手と上手くいかなかった過去を持つ堅物以外にも、

矢代(高橋ひとみ)と同じくママである真壁(天海祐希)だったり、

息子と雪解けしないままお別れとなった春夫(小日向文世)だったり、

今回は登場人物複数人の家庭事情が事件に絡んでいました。

それぞれが自身の中で決して消える事のない"後悔"や"傷"と向き合い、

まさしく自分と同じような状況に立ってしまいそうな人と

真摯に対話する描写がなされた事で、

未成年が罪を犯してしまった奥深さが際立っていたと同時に。

ラストは真壁が息子にみかんのお礼の電話をする形で、

「理想の家族には中々なれないけど、生きている限り、想いは届けられる」という

"家族愛"に帰結したストーリーになっており、

やりきれない気持ちの中にほんの温かさも残る余韻が味わえました。

 

長男の矢代卓海を演じた坂元愛登さんは、去年の「不適切にもほどがある!」で認識して以降

お見かけしてまだ間もないですが、名だたるベテラン俳優陣の前で

堂々とした演技を披露されていました。

長女・初美(新垣来泉)が告白してもなお「俺が…俺がやったんだぁ…」と

涙ながらに訴えて庇い続ける姿は、もちろん妹や弟を絶対に守るという

意志の強さもあるんですけども、

個人的には、心の奥底では救いを求めているようにも聞こえて見入っちゃいましたね…。

で、先ほど↑で役者名を調べて思い出したんですが、

あの女性は稲垣来泉さんだったんですね。

いつの間にか大きくなられて…順調にキャリアを積み重ねている気がします。

 

強いて言うなら、いくら夜の時間帯だったとは言え、

血のついた制服を着ている中学生がよく目撃されなかったな…とか、

証拠隠滅の際に、弟・光輔(長岡壱成)にも

ゴミ収集場まで行って捨てるよう頼んでいたなら、

それまでの間、監視カメラで撮られていないもんだろうか…とか

気になる部分はありましたが…。

今回の話が、シーズン5に入ってから一番興味深かったのは確かです。

あ、でも、次回のイッセー尾形さん回もまた面白そう…。

 

6話「白いスケッチ」

 

私…イッセー尾形さんのとぼけた声、好きなんですよねぇ。

ドラマでお見かけするたび、演技を見聞きしているだけで

その人物や物語に何だか興味が湧いてしまう俳優さんなんです。

なので、先週の予告映像の時点で楽しみにしていましたが、

イッセー尾形劇場」を堪能出来たのでもう十分♪と思える回でした。

 

イッセーさん演じる山田弘は、定年退職後に契約社員として再雇用されたものの、

若者がやりたがらないデータ消去の仕事を20年以上続けている人物。

一緒にスケッチを楽しんでいた妻は病気で亡くなっています。

だからか、自分の事を「私のような人」「消しゴムみたいな人生」とへりくだる発言が多く、

とぼけた声で訥々と語るので、山田の年齢や状況も相まって

何かを諦めてしまっている人なのかな…と勝手に切ない気持ちで見ていたんですね。

 

でも、面白かったのが、これらは実は全て真犯人を探し出してもらうための作戦で、

刑事たちよりも一歩上手だった事が終盤になって判明するんです。

確かに言われてみれば、蓮沼(近藤公園)の眼鏡の事も、スケッチブックの事も

自分から話していたな…と思い出して、してやられた感がありましたし。

また、今回は二課の2人との対立構造に仕立てて、一課の、連携しながらの

スマートな仕事ぶりを強調した描写が多かったのが効いていて。

先に「キントリチーム」の優秀さを印象づけた事で、

もう長年の積み重ねで、心理誘導もお手の物な真壁たちを翻弄出来る人がいるのかという

山田ののらりくらりしたキャラクターが、かえって活きていた気がします。

 

11年前から長きにわたってシリーズ化されているが故の安定感は

シーズン5で顕著になっていただけに、

たまにはこういう、優秀なままでは終わらない回があったって良いですよね。

山田という人物を演じられたのがイッセー尾形さんなので、やはり説得力はあります。

真壁の似顔絵も含めて(笑)楽しめました。

 

 

↓前回の感想はこちら↓

 

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