テミスの不確かな法廷 8話(最終回) 感想|いつか個性と思えるその日まで

 

 

(放送から11日経ってしまっていますが(毎度毎度遅くてすみません)…

最終回なのでそのまま投稿します。)

 

ああ、なんて素敵な終わり方…。

窓から暖かな日差しと、ふわりとした風が入ってくるような

静かな余韻の残る最終回でした。

 

最終回にして、安堂(松山ケンイチ)が発達障害の事をカミングアウトするのは

一瞬意外ではあったのですが、

以前の回で「法廷から嘘がなくなる瞬間が好き」と言っていた彼の事を考えたら、

法廷でなら打ち明けられたのは素直に良かったと思えますし。

(安堂の隣で、ずっと安堂の顔を見て話を聞いてくれていた

門倉(遠藤憲一)の存在も、本当に心強い…。)

カミングアウトのタイミングも、群像劇のごとく、

それぞれの境遇の描写を積み重ねた今だから響いたものになりました。

 

その上で、さらに本作に好感が持てたのは、主人公が抱えている特性について、

「特性は個性だから!」という優等生的な回答でまとめなかった所。

周りの人たちはそれを受け入れていて、孤独に感じさせないように、

優しさのつもりで「うちの裁判官も強烈な個性の持ち主」「安堂流で良いんだよ!」と

声をかけるものの、当の本人は、個性と言い切るには高いハードルがあると言います。

みんながそう言ってくれるのなら、個性と思って良いのかな…ではなく、

自分はまだそこまでは行けない、まだ怖さを感じているという本音を伝えたのも、

長年その苦しみと付き合い続けている当事者と同じ目線に立ち、

心境をそのまま映し出しているようで好意的に見られたのですが。

そこに加えて、「いつの日か、特性を個性だと言い切れるようになりたいと思います」と

ちょっとだけ前向きで終われたのが、静かな余韻に繋がったのではないかと思います。

私たちが見ている物語は今回で終わりだけれど、画面の中で描かれている世界で、

安堂はこれからも小さな変化・成長を重ねていく。

そんな"続き"を感じさせる言葉でした。

 

「私たちは、それぞれ立場が違う。だが、目的は一緒のはずだ。」という

序盤の門倉の言葉でハッとして、

安堂も法廷で「ただ…1つだけ。共通の想いがあるのではないかと思います。

正しいことがしたい。正しくありたい。」と言っていたのですが、

本作は、裁判官、弁護士、検察…と、それぞれ置かれている状況も、

負っている責任も違うものの、

「真実を明らかにしたい」その気持ちは共通して持っているはずだし、そう信じたい…

というのを一貫して描き続けた作品だった気がします。

 

法廷で無辜(むこ)について語った落合(恒松祐里)も、

その合間にあった津村(市川実日子)のカットも、

最後は「僕は宇宙人」で始まるナレーションではなくなった事も含めて。

最終回あるあるの、今までの回想を走馬灯のごとく流す演出に頼らず

(もちろん、作品の質と描写の仕方によって、それが感動に繋がるケースもありますが)、

回想の挿入はあくまでも登場人物の内なる感情を立体的に映し出す程度に留めて、

初回からずっと見てきた視聴者を信頼するような内容に仕上がっていた所も良かったです。

 

法廷の際の松山ケンイチさんによる数分間の長台詞も、見応えがありました。

自分自身について語る事への不安・緊張から、今回の前橋一家殺人事件にあたっての覚悟…

不安と覚悟を行ったり来たりしながら、最後には「分からないことを分かっていないと、

分からないことは分からないんです!分からなくてはいけない!」と声を上げて

真正面から向き合おうとする感情のグラデーションの演技には泣かされました…。

 

松山ケンイチさんの演技力を、改めて目の当たりにした作品でもありましたね。

来期は裏の火10に出演されるそうです。

連続ドラマへのご出演は年1のイメージだっただけに、2クール連続は何だか珍しいですね。

 

 

↓前回の感想はこちら↓

 

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