今回のキーワードは「ペースメーカー」と「パンダ」。
複数の患者を巻き込むという最終章らしい壮大な展開だったので、
3人の患者のエピソードの詰め込み感は強くなり、結末もベタにまとめた印象はありましたが。
その分、松本(伊藤英明)と濱田(ムロツヨシ)の関係性は明確になり、
医者としての考え方の違い、それぞれの見せ場をドラマチックに魅せてくれた
満足感を覚えた回でした。
某ドラマを思い出させるシロクロのパンダをメタファーにし、
時に対立し、時に交錯し合う二人の関係。
どちらかが完全に"悪"という描かれ方ではない、境界線の曖昧さが良いですね。
濱田の性格もはっきり映し出されました。
「医者は金でも法でも正義でもない、命の奴隷だ」
これは"彼そのもの"を表す言葉なのでしょう。
彼がどんな考えを持って医者をやっているかが分かった所で、
最後の田沼(前田公輝)とのシーンは作品を盛り上げさせてくれるものになりましたし、
今回は「濱田回」と言っても過言ではありません。
しかし、一人の登場人物を前面に押し出すと
存在感が薄くなってしまいがちな主人公も、押さえる所はしっかり押さえる。
普通だったら「医者の仕事の範疇を超えてないか!?」とツッコむ
警察の指示を無視して子供のいる家に突撃するくだりも、命を人一倍重んじる僧侶と
兼業している人だから納得出来るのであって、
更に、主人公の魅力である「猪突猛進さ」「青臭さ」が強調された
エピソードになっていたと思います。
今回、そんな松本が唱えた言葉は「両忘」。
生と死。善と悪。二者択一の世界から逃れるという意味。
つまり、「自由」とも捉えられる訳で、
濱田の言う「奴隷」と対になっているとも考えられます。
何事にも縛られない自分らしい道を進む松本と、
ハートセンターを開設する為なら、目の前の命には絶対服従する濱田。
どちらが医者として相応しい行為なのか。
その問いに対する答えを出す上で、
意外にも"憲次(泉谷しげる)"という存在が重要になってくるのかもしれませんね。
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