いや、本当クソじじいですな(笑)
前回の「死に方が分からない」でしみじみしちゃったけどさぁ…
あの話を聞いちゃうと、意味、結構変わって来るよねぇ……。
だって、自分が自分じゃなくなる前に、後悔ない人生を送るために言ってしまおうか、
それとも子供のために言わないでおこうかっていう葛藤も含まれていた訳でしょ?
まぁ、結局はカミングアウトしてしまったし、
心が晴れやかになるのは当本人だけなんですけど。
でも…個人的には、ちゃんと意識がある前に言った方が良いと思うんですよ。
亡くなってから分かれば「なんでもっと早く言ってくれなかったんだ!」という
怒りをぶつける相手がいないモヤモヤは残りますし、
認知症が進行してきた場合、本人はボケた頭でもポロっと出ちゃう事だってあり得ますし。
そっちの方が精神的に来そうです。
それにしてもねぇ…さくら(戸田恵梨香)に凄いべったりだとは思ったけれど、
まさか他の女性の子供を作るほど女好きだったとは…印象が変わっちまいましたな(泣)
印象が変わったと言えば、O.S.D(秋山竜次)も。
場を盛り上げるために生まれたボケキャラのイメージがあっただけに、
深い言葉が彼から出てくるとは思いもしませんでした。
「ラーメン好きなやつってさぁ、
ラーメン好きなやつの気持ちしか分かんねぇんだよなぁ」
これ…自分なりに解釈すれば、今まで医者を目指して努力してきた親が
我が子にも医者になってもらいたいという想いで厳しく教育する
ある種の"願望"と同じ原理なんですよね。多分。
そして、その家族に影響されてきた秀生(羽村仁成)と大州(道枝駿佑)。
観山家の息子達も、繋がりを持つ人々も、
みんな「男なら男らしく継ぐべし」「男らしい意志を持つべし」という
見えないけど確固たる"しがらみ"の中で生きてきたんだろうなぁ…と考えさせられる話でした。
"長男なんだから"家を継がなければならない責任感を持つ寿一。
"弟子になったんだから"観山家のために尽くさなければならない任務を任される寿限無。
"能の才能がないのなら"違う職業で家に貢献しなければならない踊介。
"能一家の孫として生まれたのなら"能が好きじゃなくても踊らなければならない大州。
初回の感想で「父親の呪いもこの物語には含まれている」といった文を書きましたが、
今回は男性中心の話に絞って、
逃れたくても中々逃れられない"家族の繋がり"を描いてきたと。
これは今更の気づきで、俺の家の話の「家」は「いえ」とも読めるけれど、
家庭や家族を意味する「うち」とも読める訳でさ。二重の物語になっているんですよね。
長男は能とプロレスを掛け持ちしていて、父は要介護で、個性的な子達で…という、
一見風変わりの家族を紹介する話でもあるし。
寿一が現状を知って、介護に関わっていく事で、家族とどう向き合って行くのか…という、
長い間そこに存在している"家"そのものを建て直す話でもある。
いや〜、よう捻られてますわ。
前半も相変わらず笑いの連続でしたし。
で…ビューティフルライフごっこって、本当に当時からあったのかしら(笑)
世代じゃないので分からないw
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