人物描写にしろ、設定にしろ、
夜間救急医が「普通じゃない」「普通じゃないから幸せになれない」前提で
物語が展開されているのが引っかかる。
トラック運転手とか、工事現場の人とか、印刷オンデマンド会社勤務とか、
夜間で働く職業は色々ある訳で、今回の露骨な"普通"押しには
そういう人たちの人生を否定しているともとれるような感覚を覚えました。
中でも一番意味が分からないのは、
夜間勤務だから浮気される事になるんだ!みたいな理論を唱える美月の父。
それは大輔(戸塚純貴)の方が120%悪いし、
活動時間が一緒の方が恋愛成就する確率が高くなるのかって言ったら…完全にそうとは限らない。
そして、働く女性を支える男性が基本的に「働く恋人を邪魔する人」か
「気に食わないから浮気に手を出す人」のどちらかしか出てこないのも偏見ですよね。
誰か1組くらいは相手を尊重してくれる所がいても良い気がするんですけど、
これからも男性は"人生における障がい"として描く方向性は貫いていくつもりなんでしょうか。
内容自体も、15分延長した割にはテンポが悪いし。
なんかもう…全体の構成が下手としか言いようがありません。
30分くらいまで食事したり、デートしたり、別れ話があったり、
本筋とは関係のないプライベートな話をダラダラと…(汗)
医療ドラマである事を一瞬忘れるくらいでした。
で、ラストは舌噛み男が襲ってくるというサスペンスのシーンで終わり。
前回はGカップの女性と浮気して〇〇が…というコミカル寄り。
果たして医療ドラマで、"変質者"括りで視聴者を煽るくだりが必要なのかどうかも疑問です。
1時間超の中で、医療ドラマ、ラブストーリー、ゆるゆる系コメディ、ホームドラマと
それぞれ違ったジャンルを盛り込む上に、通常だったら5,6話辺りでやりそうな
父との和解のくだりも入れてくるから、シーンごとの変化について行けなくて。
せっかく延長したなら舌噛み男も解決して欲しかったですし、
父の話と妊婦の話は別々の方が、最後の落とし所も納得のいく形になったと思います。
"繋がり"がないと言えば、美月(波瑠)と深澤(岸優太)のキャラ変もそうで。
美月に関しては、「夜間診療はコンビニ診療」だと軽視していて、
他の患者を怒鳴り散らしているのを鮎川(谷村美月)が聞いちゃって
病院に行きづらい雰囲気にさせた張本人なのに、
最後になったらいつの間にか「普通」について説教臭く語るキャラになっていたのが謎。
いや、偉そうな事言う前に、軽視していた自分に反省をする所から始めてくれって話ですし…。
で、深澤の場合は、"木偶の坊でダメダメな医者"から
"誰よりも早く変化に気づける優秀な医者"に急に変わっているのが気になりました。
まぁ、元々研修医上がりたてじゃなくて4年目の設定なので、今回の描写が妥当ではある。
そこらへんのズレが改善されたのは良かったと思います。(前回はとにかく不快感が残ったので…)
…タメ口でまともに仕事をしていないのは相変わらずでしたけどね(笑)
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