やっぱり良いですねぇ…親子でのやり取り。
個人的な好みですけど、昔から父親と息子の関係性にほんの憧れを抱いているんですよ。
清明(遠藤憲一)がきっかけで書道家を目指した清舟(杉野遥亮)の想いも頷ける、
素敵なお父さんでしたね。
突然の古代文字だったり、ひょろひょろ字だったり、
変化球の書で清明が子供の心を掴む術に長けているのは一目瞭然なんですが、
清舟も清舟で邪念は入りつつも、子供の目線に立った書を生み出そうと心がけていて、
そこもまた彼なりの良さではあるんですよね。
島の人々との交流がなかったら、独自の表現方法を追求するのにこだわり過ぎて、
誰が、どんな気持ちで自分の作品を見ているのかを考える余裕は持てなかったかもしれない。
清舟本人は父の凄さを改めて思い知って、自分は全然成長出来ていないんじゃないか…と
否定的になるんだけれども、自分自身を卑下していると悟ったのか、
そんな息子の書の向き合い方を"才能"だと認めて、
「お前の書は、努力と意地で人の心を打つ」と鼓舞してくれた清明の頼もしさには
グッと来てしまいました。
その後一瞬風が吹いた事で、清舟は斬新な作品を作り上げる。
それでますます、自分の知らない所で新しい事をどんどん吸収して
成長していっているのだと察した清明が、
今度は自分を超えてくる可能性のあるライバルだとみなし、
期待の意味合いも込めて、仕事を手伝ってもらおうと頼む気になったんでしょう。
そして、同時に"師匠"として、夕陽の見える防波堤で、
どんな状況でも書ける時を見つければ、それがお前にしか書けない書になる…
そう助言をするシーンは、実にロマンが溢れていました。
あの光景も含めて、清舟にとっては今回の出来事もまた
人生の1ページに刻まれていくんだろう…というのが想像出来るシーンでした。
ちょっと惜しいのは母・えみ(長野里美)の扱いで、
今回の内容において、存在意義があるような、ないような?で
中途半端な立ち位置で終わってしまったのは気になりましたね。
だって元々、清舟が島に「帰ろう」とする事に酷く反対していた人じゃないですか。
まぁ、前回の清舟と子供たちのやり取りを見て改心はしていたんですけど…
例えば、旦那と息子の書道対決で、差し入れを配るなどして2人を支えるとか、
防波堤のシーンにしても、あの場に2人だけしかいないと思いきや
実は遠くから見守っているのが分かるカットを最後に挿入するとかして、
島に行ってからの清舟の成長を強く実感する描写を加えてみても
良かったのかもしれません。
ついでに言えば、お見合い話も特に…ではありましたね。
書道家の父と子の話から、次回はなる(宮崎莉里沙)と父の話が描かれるそうです。
今回の冒頭では、前回のヤスば(鷲尾真知子)の死を受けて、
彼女が小さい頃からあったとされる
穴の空いた岩のある神社のエピソードが描かれていたように、
「伝統・世代交代」→「(世代と言えば)親子」→「もう1組の親子」で、
少しずつテーマを変えながら、緩やかに各話で繋がりを持たせる構成になっている所も、
原作の実写化とは言え、何気に工夫されていると思います。
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