ライオンの隠れ家 1話 感想|凪のような日々に新しい風を入れてみたい

 

 

タイトルロゴもポスタービジュアルも、公式サイトもオレンジ推しの本作。

作品の情報を全然仕入れていなかった頃に見た予告映像が、

弟を兄が支え、突然家に現れた少年と

徐々に"家族"になっていくらしい事が描かれていたのも含めて、

肌寒くなってきた季節に心をほっこりさせてくれる作品になりそうだな…という

ふわっとした期待を寄せていたんですね。

でも、いざ内容をチェックしてみたらヒューマンサスペンスって事で、

ん?あの雰囲気でサスペンス?真相??と、ちょっと困惑。

「視聴リスト&期待度」にも「やっぱりこっちだけで良かったんじゃ…って

ドラマにならないかどうか…(汗)」と書いたのですが、

初回を見た感想も視聴前と変わらずで、ヒューマンドラマだけで

作品として十分面白そうなんだけどなぁ…という不安の方が残ってしまったのでした。

 

映像は朝焼けや夕焼けを取り入れた画が多ければ、

全体的にオレンジ調のトーンでまとまっていて、

予告映像でも感じた通り、温かくどこか懐かしさもある雰囲気を醸し出している。

なのに、随所に不穏な影をチラつかせる。

何でしょうね。ヒューマンかと思ったら急にサスペンスに切り替わる…みたいな

バランスの悪さも感じませんし、ぎこちなさもないんです。

むしろ、2つのジャンルが調和して、違和感なく見られる作りにはなっているんですけど、

個人的に、ヒューマンの中にサスペンスが入り込んでくる事が受け入れがたい…

と言った方が適切なのかもしれませんね。

 

そんな訳で、本作がどんな質感になっていくのかはまだ読めません。

ただ一方で…きっとこうなるのかな?という方向性がうっすら見えたのは確かです。

終盤、洸人(柳楽優弥)は美路人(坂東龍汰)に

「今の生活が壊れて一番困るのはみっくんなんだよ?」と言っていましたが、

本当に困るのは洸人の方なんじゃないかなぁ…と思いました。

幼少期に自分の知らない世界を教えてくれた姉の誘いを断ってまで、

美路人との生活を選び、長年大切にし続けている。

いつもの生活にライオン(佐藤大空)の世話を加えたら

そりゃあ大変になるだろう…というのもあるけれども。

最初は美路人のためにも「凪のような生活」を心がけようとしてきたつもりでも、

美路人のライオンへの順応具合を見る限り、その生活にこだわるようになってきたのは洸人で、

いつしか変化を拒んでしまっていたのでは?とも想像出来ます。

 

そしてそれは、朝食のワンカットにも反映されているように思えまして。

今期は光の取り入れ方が凝っていると感じるドラマが多く、本作ももれなく含まれるんですが、

序盤でチラッと映った、強い光に照らされたそのカットが

輝いて見えて美しかったんですよね…。

直後に入った洸人の"日常"を大事にするモノローグも相まって、

何気ない日常でも彼にとっては煌めきのようなものであり、

これからもずっと守っていきたいものなんだろうという、彼なりの強い想いを感じさせたのです。

 

警察に届けて"元に"戻ろうとしていた洸人に、

違う景色を見てみたいというほんの好奇心が湧いた。

たとえ、ポロポロと崩れ落ちていく未来が待っていたとしても…。

サスペンスと同時に、洸人が一歩前に踏み出す物語でもあるのかな…と思えた初回でした。

 

金曜と土曜は私にとっては鬼門で、平日の疲れがドッと溜まりやすいがために

すぐ怠けて感想を諦めがちになる事が多いので(事実、投稿が遅れてますし(苦笑))、

本作の感想は初回のみにしておこうかと考えたんですが、初回で切るのもなんか違うかなと。

とりあえず、書けるだけ書いてみようと思います。

 

 

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