僕達はまだその星の校則を知らない 2話 感想|繊細で不器用な主人公が愛しい

 

 

前回の感想終盤で「学校という名の宇宙で過ごす生徒たちの中で光る

"きれいなもの"を健治が掬い上げる…

そして、健治もいつしか学校への捉え方が…そんな物語になっていくのでしょうか。」

と書きましたが、今回でその輪郭がくっきりしてきた気がします。

大人の立場ではなく、スクールロイヤーの立場で生徒と関わっていく事で

学生だった頃の自分を見つめ直す、主人公の成長物語なのかもしれません。

 

今回の議題は「失恋は『いじめ』に入るのか?」

私個人の意見を言ってしまえば、相手を苦しめよう、傷つけようという

意図を含んでの行為ならいじめに値するけど、

その意図がなく、自分と相手の気持ちを想ってした決断なのであれば

いじめの内には入らない。

…という考えでいるんですが、最近できた「いじめ防止対策推進法」によれば、

被害者の主観的判断が基準となり、被害者が心身の苦痛を感じる行為であれば

法的には全ていじめなんだそう。

 

かつて小学校時代にいじめを経験した健治(磯村勇斗)だから、

藤村(日向亘)の「もうこれ、いじめの域だろ!」発言にも敏感で、

彼が何で心身の苦痛を受けているのか知りたくなったんでしょうね。

それで法にのっとり、彼を被害者、別れを告げた側の堀(菊地姫奈)と

今彼の井上(山田健人)を加害者と分けたのだけれども、

一方的な弁護がかえって新たないじめを生んでしまった。

 

「傷ついたと声を上げられるだけで、全部が全部加害者になるのだとしたら、

もう…人類は全員、飢えて死ぬしかなくなるじゃないですか」

という珠々(堀田真由)の主張もごもっともだと思います。

ハラスメントにしたって、何でもかんでもパワハラ、セクハラだと訴えられたら

何も指導出来なくなるのと同じようなもので…難しい時代になっているんですよね。

 

珠々の上記の言葉の他にも、自身の失恋経験談、生徒たちへの想いなど

彼女の本音を一気に浴びたからか、翌日、保健室まで山田(平岩紙)に運ばれてくる事に。

その時のヘトヘトで弱りきった健治を見ていたら…

ああ、彼はなんて繊細な人間なんだろうかと、愛しい感情が芽生えてしまったのです。

両者を傷つけたのを自覚した上で、次に彼がとった行動は

あまりにも生真面目で、真っ直ぐで、不器用で。

もしかしたら、スクールロイヤーを機に、

今は子供から大人へと成長している最中なのかもしれないと思うと、

学校が嫌いだという苦い思い出が少しずつ変化していくと良いな…と

応援したくなってしまったのでした。

 

1話完結エピソードに関しては、堀が初恋相手だったのかな?と思うくらい

藤村がとてもピュアな心の持ち主でしたね。

健治に湯船を勧められて即実践するほどなので、彼女と過ごした時間も、

傷ついた!苦しい!という叫びも嘘偽りないんですよね。

珠々や生徒たちから"気づき"を得た健治が、模索しつつ藤村に想いを伝えて、

最終的に前向きな方向へ進んでいったのには安心しました。

お前に会えなくて寂しい男もいる、かぁ…。

そう言ってくれる友達がいるのは、藤村の人柄あってこそでしょう。

 

最初は、「失恋はいじめ」だと断定して進むストーリーに少々困惑してしまい

どんな解決方法になるのかとハラハラしましたが…

健治と藤村、それぞれ別ベクトルで、

不器用ながらも自分なりの答えを出すまでの過程を見守りたくなるようなお話でした。

 

 

↓前回の感想はこちら↓

 

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