
面白い。本当に面白いわこのドラマ。
毎回毎回、いろんな顔を見せてくれる。
まだ鮎美(夏帆)の事を元カノだとは割り切れない勝男(竹内涼真)ですけど、
終盤では、そんな彼だからカッコいいと思えるシーンがありましたね。
鮎美の手料理は美味しく食べてあげて欲しい。
安いので良いって言うけど実は手が荒れやすいから、食器用洗剤は植物性で。
本当はダブルが好きだから、トイレットペーパーはダブルで。
「アイスクリーム」記載のアイスが彼女は好きだから、時々買ってきてあげて欲しい。
それから、俺が鮎美に出来なかった事を、たくさんしてあげて欲しい。
勝男のミナト(青木柚)への頼み事を聞きながら、
関白宣言が脳裏に過ぎってしまったけれども(笑)
それでも、彼女についてこれだけ知ってくれているのって、素敵な事だと思うのです。
まぁ、勝男から鮎美への想いはあっても、彼女自身の気持ちに気づけなかったから
別れてしまった訳ですが…
付き合っていたエピソードの時の彼って、
大体は彼に「勝男、そういう所だぞ!」と言いたくなるほどの落ち度があるように
描かれていただけに、ここに来て良い所を見せてきて、感動さえ覚えました。
一方で、託されたミナトは、変わらず冷静な様子。
「大丈夫です。鮎ちゃんは誰かに任せなくても大丈夫。
だって強いですから。僕らよりずっと…。」
鮎美に対する勝男との熱量差が歴然としていたのと、この"僕ら"発言が妙に気になって。
ミナトからしたら、やっぱり鮎美は重いんじゃないかなぁと思っちゃいましたね。
ミナトが特に他意のない天然な人たらしであるように、
鮎美が大切な人のために料理を振る舞うのも、大学時代のエピソードからしても自然なもの。
元カノ同士がギスギスしていないのが不思議だとは思いましたが、
たまたま、ミナトの人との付き合い方に共感出来る人が集まった感じで、
それは"友達の延長線上"みたいな関係性で。
2人の時間を大切にしたい思考の鮎美とは恋愛観が合わないのかもしれません。
…外食のワードも2回言っていましたし。そこで既にズレがありますね。
鮎美のオムライスが食べたくなって、でもそれはもう食べられなくて。
自分で作った、卵が完全に焼き上がって不器用なケチャップ文字が書かれたオムライスを
1人食べている勝男を見るのには(そしてテーブルを使ったすれ違い演出も)
しんみりするものがありましたが、
鮎美がミナトに「食べて欲し」くて作ったオムライスが、
翌日の夜になっても残っているのもまた切なかったです…。
本作は「別れから始まる二人の成長&再生ロマンスコメディ」とうたっているので、
私としては、2人がヨリを戻す事がゴールだと思って見ています。
勝男がきちんと反省を言葉にして、コツコツ成長を積み重ねている今、
誰かに「食べて欲しい」と思って作った料理を
美味しく「食べてくれる」人がいる幸せを味わえるとしたら、
勝男の方なんじゃないでしょうか。
↓前回の感想はこちら↓