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忍者に結婚は難しい 11話(最終回) 感想|エンディング映像に最後まで助けられる

 

 

今期の最終回は、何かと回想を盛り込んでは、

視聴者にも今までの出来事を懐かしんでもらう内容になっている作品が多いですね。

本作も、回想は比較的少なめだったものの、そのうちの1つ。

ただねぇ…出だしが失敗していたのが響いていて(泣)

ピリピリした夫婦生活の描写を最初の方で結構長い事見せられて、それが強烈だったからか、

手紙で「私たちの結婚が上手くいかなかったのは、敵同士の忍者だからじゃなくて、

"普通の結婚"にこだわろうとしてお互いをちゃんと見てなかったからかも」と書かれていても、

いや…あのすれ違いの大半は悟郎(鈴木伸之)のだらしなさのせいだから…

としか思えなかったのが残念でしたねぇ。

エンディングの方では「上手くいっていた頃」は一応描かれていたにしても、

本編が終わった後でサラッと…では、スピンオフの域を抜け出せていないので。

やっぱり、幸せを噛み締めるかのような笑顔を見せる蛍(菜々緒)と悟郎の様子を

初回で少しでも描かれていたら、手紙を読み上げるシーンも

夫婦の幸せをより願いたい気持ちにさせられたんじゃないでしょうか。

 

肝心のアクションシーンも、最終回だから、甲賀一族の面々も駆けつけて全面戦争か!?

なんて期待している部分もありましたが、そうはならず、ちょっと消化不良感。

竜兵(古田新太)は登場しましたけど…

恐らく、大御所ならではの熟練した俊敏さを魅せたかったのであろう

あの城水(市村正親)の所まで乗り込む動きも、

風を彷彿とさせるCGを加えてデフォルメ化していたら、彼の凄みが際立ったのかも…とか。

アクションシーンを長尺にして、そのタイミングで挿入歌が流れ始めたら

ブーストがかかって盛り上がったのかも…とか、見ながらいろいろ想像してしまいましたね。

 

忍者たちの迂闊な行動を中心に、ツッコミながら気軽に楽しめたには楽しめましたが、

本作のうたう「忍者×夫婦ラブコメディードラマ」としては

終始弾け切れていなくて(一番コメディしていたのは6話の夫婦バトル回くらい?)、

ある意味、お利口さんな印象が残る作品だった気がします。

結婚や組織内の格差、男女平等と、社会的な問題をさり気なく取り入れるのは良いとしても、

その分、演出でメリハリをつけて欲しかったです。

 

まぁ、エンディング映像に関しては最後まで上質な作りで、

そこが本作の唯一の救いでもあったのかなぁと。

最終回では"補足"的な立ち位置なのを活かして、空白の2年間だったり、再会だったり、

蛍目線で描かれた物語になっていたのが良かったです。

あと…そう来たか!と思ったのは、"今週の山田"の二段重ね。

そのもう片方は…「ファーストペンギン!」と、脚本家も含めて「恋です!」繋がりで

ニヤニヤしちゃいました(笑)

 

結局、本編からはみ出した小ネタ(?)が好きだったんですよね、私…w

 

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リバーサルオーケストラ 10話(最終回) 感想|後日談もなく終わった最終回

 

 

見終えてからの第一声は、お、おう…といった感じ。

王道の作りではあるから、演奏も大成功して

ハッピーエンドで終わるんだろうなぁとは読めていましたし、実際そうはなったんですけど。

う〜ん…何と言うか、玉響で目指してきた目標(=物語の着地点)が

本来のテーマだった「ポンコツオーケストラの立て直し」というよりかは、

こけら落としで勝利を収める事」に挿げ替わっているような気がして、

何だか駆け足で終わってしまった感の残る最終回でしたね。

 

元々玉響の存続がかかっている対決だったので、

今後も大好きな仲間たちと音楽をやれると分かって、凄く嬉しくなったはず。

個人的には、◯年後に飛ばす形で、後日談も少し見たかったなぁ…と思ってしまいました。

本番が終わって、各々が家族や恋人と会うシーンで

クレジットが流れ始めるのも「えっもう!?」なんて驚きましたけど。

まさか…初音(門脇麦)と朝陽(田中圭)が帰り道で手を繋ぐシーンで終わりだなんて

思いもしないじゃないですか(笑)

例えば、1年後に飛んで、初音が身支度でバタバタしている姿が描かれて、

家を出た後に映った玄関前には

こけら落としの時に撮った記念写真が額縁入りで飾られていた…

そんなラストの方が、今も同じ場所で同じ仲間と充実した日々を送っている事が察せられて

良かったんじゃないかという気がします。

 

まぁ、駆け足っぽくなってしまった原因は分かっていて、

話の腰を折る蛇足なエピソードが8話以降多かったからなんですよね。

特に、これって盛り込む必要があったのかな?と思ったのは、

朝陽の高階フィルとの交換条件にまつわる話。

藍子(原日出子)が終盤で

「ご本人が言い出してご本人が撤回した。ただそれだけの事です。」と言っていたように、

彼女はそもそも、玉響に恨みを長年抱いているキャラとして描かれていなかったですし。

対戦相手である三島の父・光太郎(加藤雅也)にしても、

玉響に対して敵対心を持っているというよりかは、ただ単に自分の信念を貫いている音楽家

唯一の悪役である本宮(津田健次郎)は、小悪党の立ち位置にしか過ぎません。

なので、舞台に立たせて下さいと頼み込めば

すんなり了承してくれる訳で(本当にそうなりましたしね…)、

結果的に、朝陽の独り相撲だった…ともとれるこのエピソードで

時間を割く意味がよく分かりませんでした。

オーケストラの部分だけでは話が単調になるだろうから、どうせなら盛り上がりやすい話を…

って事で入れたんでしょうけど、

入れた以上は、藍子の過去を掘り下げるなどして、説得力のあるものにして欲しかったです。

 

しかし、ここまで勿体ない点を書いてきましたが、良かった点もありました。

まずは、「私たちは、オーケストラです。」で、条件に縛られて舞台に立つ事を拒む朝陽を

必死に呼び止める初音のシーン。

3話では、トラウマを思い出して逃げてしまいたい気持ちに駆られているのを見て、

「僕たちは、オーケストラです。」と朝陽に声をかけてもらい、勇気づけられていた彼女が、

今では後ろに頼もしい仲間を引き連れて、同じような言葉を…っていう所に、

主人公の成長と連続ドラマならではの集大成を感じさせて、

自然と胸が熱くさせられるシーンになっていました。

 

あとはやっぱり…約7分にもわたる演奏かな。

メインテーマにもなっている曲を演奏し始めたのをきっかけに、

今までのエピソードを順々に振り返りながらも、

曲調に合わせて、団員が"覚悟"を思わせる強い表情を見せたり、

表情が和らいで徐々に笑顔になったりする一連の流れは、

まさしく本番前に朝陽が言っていた「今日(事故に遭って)死ぬかもしれません」

「悔いのないステージにしましょう」が具現化されているようで、

瞬きを忘れるほどの緊張感を漂わせていました。

 

したがって、王道の良さをきちっと踏襲されている所もあれば、

時に登場人物の多さが短所にも繋がっていて、

もっとそこのバランスがとれていれば秀作になったかもしれない…という

むず痒さが残る作品だったかなぁ…と思います。

でも、「むず痒さ」と書いたのも、

応援したくなるような登場人物の描写の積み重ねが上手いのと、

役者さんとの相性が抜群だったからで、

そうでなければ、本作に抱く印象は大きく違っていたかもしれません。

 

後日談も見たかった…という気持ちに変わりはありませんが、

現在進行形で終わったって事は、続きの話が書ける可能性が高いって事にもなりますよね。

この枠のドラマは、何年か後にSPドラマとして帰ってくるパターンも多いので、

本作の"その後"もSPで見てみたいです。

その際は、対決じゃなくて、高階フィルとのコラボ演奏なんていう展開もアリかも…?

と思っております。

 

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大奥(2023) 10話(最終回) 感想|赤面疱瘡の駆逐はシーズン2で!

 

 

まさか時代劇で、現在の渋谷のスクランブル交差点が見られるとは!

最終回のハイライトはそこでした(笑)

まぁでも…最初は面食らったものの、

赤面疱瘡は消え、この国は決して滅びないという吉宗(冨永愛)の"願い"でもあり、

未来への"希望"でもあったのかもしれませんね。

 

正直言えば、吉宗の改革編も展開が少々忙しなかったかな…

秋に放送されるシーズン2に回せば、もっとじっくり描けたんじゃなかろうか…と

思う部分もなくはないですが。

しかし、これから半年間期間が空くタイミングであえて現在の映像を盛り込み、

残り3話で吉宗の死までを描き切るって所に、

何か作り手の意図があったんじゃないかという気もしています。

 

本作ではこれまで、「SF」というジャンルで括るにはあまりにも勿体ない、

例えば…「女性は〇〇であるべし」といった固定観念

上に立つ者ならではの苦悩、そして疫病など、現代にも通じる事柄が描かれてきました。

それを踏まえて書くとするなら…

現に、リアルの世界でも3年が経って、マスクの着用が個人の自由になるほど

ようやく緩和されてきているけれども、

感染者は毎日出ていて、まだまだ収束とは程遠い状態にいる訳で。

そこは、最終回で少し兆しが見えた赤面疱瘡の描写とリンクしているんですよね。

シーズン2へと繋げるかのような"含み"を持たせた内容にした事で、

視聴者も、半年後にはもっとより良い世界になって欲しいと自然と願ってしまいたくなる…

そんな明るさの漂う最終回になっていたのが良かったです。

 

とは言え、やっぱり、原作未読者でも

度々端折られている感は否めない仕上がりではあったので、

全10話じゃなくて、和数を増やして13〜15話やって欲しかったなぁ…

という気持ちではいます。

この枠の以前のドラマだと、好評を受けてSPを放送したケースもあったように、

NHKなら多少イレギュラーな編成も、やろうと思えば実現出来たと思うんです。

↑上からになっちゃってすみませんが…(汗)

いや…いっその事、シーズン2まで時間が空いているなら、

連続ドラマの放送が終わってからのインターバル期(2,3週間分?)に

"番外編"として特別放送を挟んでもアリなのかもしれません。

そして、深夜の時間帯ではシーズン1をぼちぼち再放送して、

ぽっかり空いた部分を補填しつつ、今までのおさらいも…なんて形式をやっていただけたら…

わがままですね(苦笑)

 

役者さんの演技に新鮮味を感じつつ、重厚な物語を魅せていただいた作品なので、

それだけシーズン2も熱い期待を寄せてしまうのです。

半年間待ち遠しい…!ですが、首を長くしてお待ちしております。

 

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星降る夜に 9話(最終回) 感想|同じ空の下、日常は続いていく

 

 

まず、惜しかったな…という点を1つだけ。

どうしても、伴(ムロツヨシ)のエピソードが消化不良だったのは否めなかったかなぁ…と、

そこだけちょっぴり複雑な気持ちにもなりましたね。

鈴(吉高由里子)や深夜(ディーン・フジオカ)、春(千葉雄大)など

皆それぞれ辛い過去や深い傷を追っていた者が、

固定観念に囚われず伸び伸びと生きる一星(北村匠海)との関わりによって

前を向いて歩いて行くまでを描く物語。

そこに伴の心情変化を含む事自体は否定しませんが、

やっぱり罪を犯してしまっている以上は、自分の過去の過ちに目を向ける描写もあった方が

伴のこれからの人生を応援出来たのかな?というのが私の考えです…。

 

彼が働き出した職場に鈴と一星と偶然会ってからのシーンにしても、

私がもし鈴だったら、「雪宮先生は人殺し」と言いふらしてクリニック内を暴れられ、

自宅にレンガを投げられるといった恐怖が真っ先に蘇ってきて、

笑顔で「また来ます!」なんて言えないかもしれません。

2人との再会はなしにして、どこか少し離れた場所で

伴は娘と一緒にやり直そうとしている…という落とし所にしても良かった気がしました。

 

ただ、そこを除けば、"らしい"感じにまとまった最終回だったのではないんじゃないかなぁと。

鈴が1人で星空を見上げてから今までの回想が盛り込まれる流れで

ああ、なるほどな…と思ったのは、「みんな同じ空の下で繋がっている」

本作が送るメッセージだったのだ…という事。

例えば、鈴と一星の出会いは星空の下。

佐々木夫婦が安産祈願にと、神社に参拝しに行った際に見つけたのは一番星。

"雪"宮鈴、柊一"星"、佐々木"深夜"、佐藤"春"、"北斗"千明と、

主要人物の名前の共通点に、気象に関するワードが入っていたのが印象に残っていたんですが、

そのネーミングも、エピソードを広げてきたのも最終回のためのだと気づかされました。

 

挿入歌を流すタイミングも良くてね…。

"始まり"を象徴する夜空をLINEの背景に見立てて

2人の現在進行形でのトークが繰り広げられた後で、

今度は、向こう側に一星が立っていたシーンを彷彿とさせる踏切をチラ見せする形で、

「空の下で続いていく日常」を表現した所で流れた歌詞が

「♪何度でもね これからも 思い出 重ねよう」だったのには、刺さらずにはいられず…。

いやはや、あまりにもバッチリ過ぎる演出でした。

 

キスシーンの頻度はもちろん、それをロマンチックに見せようと

画面を切り替えてはいろんな角度から映したり、

今回で言えばタイミング良くイルミネーションを点灯させたりと、

何かと"若者向けのドラマ"を意識した胸キュン演出が多かったですが。

内容そのものは胸キュンとは一転して、骨太なヒューマンドラマ仕立てで、

最後まで登場人物に愛着を持ちながら

彼らの幸せを願いたくなるような温かい作品でした。

 

最後に、間を挟まずの放送なのもあり、どうしても比較されるだろうと分かっていて

あえて言及してこなかった某静寂についても、最終回なので少し触れながら書くとすると…

静寂が"陰"なら本作は"陽"で、どちらが「あり得る」「あり得ない」って訳ではなく、

どちらも1つの世界に存在し得る作品だったのではないでしょうか。

また、2クール連続でその順番だったからこそ、

放送される意味もより深く感じられたと言いますか。

寒さが増して、空気がひんやり感じてくる秋〜冬の季節に、

静寂では「"伝わらない"苦しみは、中途失聴者だけでなくろう者も聴者も誰もが抱えている」

「それでも、一歩でも踏み出してみれば優しい世界は徐々に広がって行くのかもしれない」

を描いてから、

寒さから春の陽気へと変わり、もうすぐ新生活が始まる冬〜春の季節に、

本作では「"音のない世界"にいる人だって普通に恋愛するし、下ネタだって言う」

そして、「皆それぞれが新たな道へと進み始める」ラストを描く…

苦悩から、"普通"と言われている日常へとグラデーションがかかっているようで、

通しで見る意義のあった2作品だった気がします。

 

何だか2作品の総括になっちゃいましたが(苦笑)

本作"も"素敵な作品だったと思います。

 

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罠の戦争 9話 感想|黒鷲津の誕生と敵の再集結。犬飼もそのうち復活します?

 

 

辰吉(岩谷健司)の件に関しては、いつもの如く

鷲津(草彅剛)の煽り文句に押されて思わず口を滑らせてしまう流れだったので、

そこはあっさり気味ではありましたが。

ただ、そのエピソードを除けば今回は、掴み所のないミステリアスさや

クレバーな人々による"駆け引き""探り合い"が強まった内容になっていて、

少し盛り返したような気がします。

 

中でも、個人的に面白いなぁと感じたのは、

竜崎(高橋克典)と鷹野(小澤征悦)の、最近の鷲津の活躍を見ての発言。

時系列に沿って具体的に書くとするなら…

まず、鷲津の声を聞きたいと国会議事堂に押しかけてきたマスコミへの取材をきっかけに、

彼の株がうなぎ登りに上がっていっているのを示す記事を読んで、竜崎がこう言うんですね。

「ふふふっ、良いんじゃない?庶民の代弁者。権力に立ち向かう正義の味方。

どんどん書いてもらうと良いよ。彼の記事。」

そして…後半になって、鷲津が内閣総理大臣補佐にまで出世した一方で、

自分たちの手柄はとられてしまっている旨を言及した秘書に対して、

鷹野がこんな言葉で返すんです。

「ふっ…まぁ、良いんじゃないの?鷲津先生にはどんどん出世してもらおうよ。」

この「良いんじゃない」「どんどん」というワードと、高みの見物をしながらも

鷲津を自分の計画の"コマ"として利用するタイミングを伺っているかのような言い回しの

絶妙な被り具合にワクワクさせられました。

 

実際、竜崎はあの発言をした後、鷲津と鶴巻(岸部一徳)の2人を呼び、

鷲津には議員としての仕事を全うする事、

鶴巻には幹事長を辞職してもらうよう"提案"をするんです。

なぜわざわざ同時に呼んだのか?は…

この件を鷲津が、鶴巻を落とすためのネタとして使う事まで読めていたからなんでしょうねぇ。

で…自分の思い通りに動いてくれた後は、支持率維持のためにも補佐に任命して、

好き勝手に扱いやすい位置に留めさせます。

 

鷹野の発言が竜崎と被っていたのには恐らく意図があり、

いずれ鷹野も、彼のように鷲津を利用する立場に回るのかもしれないよ?…という

暗示にもなっていて。

残り2話でどんな展開を繰り広げていくのかが未知数な中で、

彼が敵か味方なのかどうかに自然と注目が行くようになる構成の仕方は

中々よく出来ていました。

 

あと印象に残っているのは、鴨井(片平なぎさ)のエピソード。

内容というよりかは、挟み込まれたタイミングでしょうか。

先程の会談シーンでの3人の姿や、

鶴巻に関するニュースを見ながら笑みを浮かべる鷲津の表情など、

陰影をくっきりさせる演出を施す形で、政界に漂う"影"や"悪"を際立たせた後に、

少し憑き物がとれたかのような鴨井のエピソードを挟んで、一旦対比をとってきたんですね。

それが、悪に染まり切った結果、真実を知った眞人(杉野遥亮)に刺されるバッドエンドか、

あるいは、彼女と同じく自身の過去の過ちに気づいて、

一からのやり直しを図るハッピーエンドか?

今まさにそんな分岐点に立たされている…という

鷲津の現状を表しているような気もしました。

 

いやはや、良い意味で「分からない」回でしたね。

眞人の意味深なカットも何度も挿入されていて、

きっと"あの書類"を読んでしまったのでは?とも想像させられます。

鷲津の闇落ちについては…悪に染まるまでのスピードは確かに早かったですが、

5話で「あれ?」と思える言動だったり、

6話での「権力を使って弱き者を救う」エピソードだったりで

ぼちぼち助走はつけてきていたので、彼がああなるのにも違和感はないのかなぁと。

 

で…まだ来週が最終回じゃないと言うのに、

今回のラストでは、集まって欲しくない敵が一気に再集結。

逆襲の展開になる事は想定内でしたが、一気に…ってなると、

もしかしたら犬飼(本田博太郎)も再登場するのでは?なんて期待してしまいますね。

正直言うと、あの「ワッシッヅ!」の声が恋しい自分もいるのです(笑)

 

 

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罠の戦争 9話 感想|黒鷲津の誕生と敵の再集結。犬飼もそのうち復活します?

 

 

辰吉(岩谷健司)の件に関しては、いつもの如く

鷲津(草彅剛)の煽り文句に押されて思わず口を滑らせてしまう流れだったので、

そこはあっさり気味ではありましたが。

ただ、そのエピソードを除けば今回は、掴み所のないミステリアスさや

クレバーな人々による"駆け引き""探り合い"が強まった内容になっていて、

少し盛り返したような気がします。

 

中でも、個人的に面白いなぁと感じたのは、

竜崎(高橋克典)と鷹野(小澤征悦)の、最近の鷲津の活躍を見ての発言。

時系列に沿って具体的に書くとするなら…

まず、鷲津の声を聞きたいと国会議事堂に押しかけてきたマスコミへの取材をきっかけに、

彼の株がうなぎ登りに上がっていっているのを示す記事を読んで、竜崎がこう言うんですね。

「ふふふっ、良いんじゃない?庶民の代弁者。権力に立ち向かう正義の味方。

どんどん書いてもらうと良いよ。彼の記事。」

そして…後半になって、鷲津が内閣総理大臣補佐にまで出世した一方で、

自分たちの手柄はとられてしまっている旨を言及した秘書に対して、

鷹野がこんな言葉で返すんです。

「ふっ…まぁ、良いんじゃないの?鷲津先生にはどんどん出世してもらおうよ。」

この「良いんじゃない」「どんどん」というワードと、高みの見物をしながらも

鷲津を自分の計画の"コマ"として利用するタイミングを伺っているかのような言い回しの

絶妙な被り具合にワクワクさせられました。

 

実際、竜崎はあの発言をした後、鷲津と鶴巻(岸部一徳)の2人を呼び、

鷲津には議員としての仕事を全うする事、

鶴巻には幹事長を辞職してもらうよう"提案"をするんです。

なぜわざわざ同時に呼んだのか?は…

この件を鷲津が、鶴巻を落とすためのネタとして使う事まで読めていたからなんでしょうねぇ。

で…自分の思い通りに動いてくれた後は、支持率維持のためにも補佐に任命して、

好き勝手に扱いやすい位置に留めさせます。

 

鷹野の発言が竜崎と被っていたのには恐らく意図があり、

いずれ鷹野も、彼のように鷲津を利用する立場に回るのかもしれないよ?…という

暗示にもなっていて。

残り2話でどんな展開を繰り広げていくのかが未知数な中で、

彼が敵か味方なのかどうかに自然と注目が行くようになる構成の仕方は

中々よく出来ていました。

 

あと印象に残っているのは、鴨井(片平なぎさ)のエピソード。

内容というよりかは、挟み込まれたタイミングでしょうか。

先程の会談シーンでの3人の姿や、

鶴巻に関するニュースを見ながら笑みを浮かべる鷲津の表情など、

陰影をくっきりさせる演出を施す形で、政界に漂う"影"や"悪"を際立たせた後に、

少し憑き物がとれたかのような鴨井のエピソードを挟んで、一旦対比をとってきたんですね。

それが、悪に染まり切った結果、真実を知った眞人(杉野遥亮)に刺されるバッドエンドか、

あるいは、彼女と同じく自身の過去の過ちに気づいて、

一からのやり直しを図るハッピーエンドか?

今まさにそんな分岐点に立たされている…という

鷲津の現状を表しているような気もしました。

 

いやはや、良い意味で「分からない」回でしたね。

眞人の意味深なカットも何度も挿入されていて、

きっと"あの書類"を読んでしまったのでは?とも想像させられます。

鷲津の闇落ちについては…悪に染まるまでのスピードは確かに早かったですが、

5話で「あれ?」と思える言動だったり、

6話での「権力を使って弱き者を救う」エピソードだったりで

ぼちぼち助走はつけてきていたので、彼がああなるのにも違和感はないのかなぁと。

 

で…まだ来週が最終回じゃないと言うのに、

今回のラストでは、集まって欲しくない敵が一気に再集結。

逆襲の展開になる事は想定内でしたが、一気に…ってなると、

もしかしたら犬飼(本田博太郎)も再登場するのでは?なんて期待してしまいますね。

正直言うと、あの「ワッシッヅ!」の声が恋しい自分もいるのです(笑)

 

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忍者に結婚は難しい 10話 感想|ここにきて日産のPR臭が凄い件。

 

 

今回の山田は、松下洸平さん。

出演される件はたまたまネットニュースアプリの通知で目に入ったので

事前に知っていましたけど、来期の月10ドラマの設定なんですねぇ。

「それは合理的ではないですね」の台詞や、名刺に記載された「上水流エージェンシー」で

おや…?と思わせる遊び心が楽しい。

短い間でも、しっかりインパクトを残して下さいました。

 

そして、今回の漫画風エンディングは、もしも2人が忍者じゃなかったら…のifの世界。

今まで本編とエンディングとで分離していたように感じた世界観が

前回でようやく重なり始めた所で、

今度は、一見"叶わない願い"っぽく描きつつも、

2人の未来予想図とも捉えられそうな内容を持ってくるとは。

最終回がどんな形で終わるのか?という問いに対する、

良い匂わせ映像になっていたと思います。

 

…正直言うと、個人的には結末よりも、最終回にも山田が登場するのかどうかと、

エンディング映像の方が気になっているんですよねぇ(笑)

まぁ、結末も気になると言えば気になりますけど、

悟郎(鈴木伸之)は生きているでしょうし、夫婦はバラバラにならずに済むんでしょうし。

題材的に、ある程度先は読める訳で。

そう考えると…今回は最終回での大きな展開を意識したのが原因なのか、

少し引っ張り過ぎな印象を受けました。

蛍(菜々緒)の母を殺害した"斎藤"は、

キャストからして「そうなるよね」なんて思いましたもんw

 

あとは、今回のツッコミどころとしては…

宇良くん(藤原大祐)が子供の頃からパーティに出席してたんなら、

さすがに郵便局員の誰かは顔覚えてるんじゃないの?とか、

自分があんな事しておいて、息子には月乃家の人間に秘術使わせて

救ってもらおうと考えているのは自分勝手過ぎる!!とかもありますが、

何と言っても、日産の車の出番がやたら多かった件でしょうか。

運転席に乗ろうとしている所はCMかと錯覚しましたし、

あまりにもハイテクなビジュアルだったもんで…車のシーンだけ異質に見えました(笑)

 

以前の感想でもふわっと書いた通り、

「夫婦の本当の顔は、伊賀一族の忍者と甲賀一族の忍者だった…」という

設定を盛り込んでいる以上は、

最初は敵対関係にあった二者間が、蛍と悟郎の様子に影響を受けて徐々に改心していって。

赤巻議員の事件に最も関わっていたのが第三組織だと発覚してからは、

その組織を倒すべくやがて共闘するようになる…みたいな

流れになってもアリだった気がしますが、

最後まで「伊賀一族vs甲賀一族」の構図にこだわるみたいですね。

 

何か一捻りあっても良かったかなぁ…とは思いますが。

ここまで見てきたので、最終回もツッコミつつ、気軽に楽しませていただきます。

 

 

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リバーサルオーケストラ 9話 感想|本宮、さすがにやり過ぎ!

 

 

「今、僕たちがやるべき事は音楽に真摯に向き合う事、それ以外にないんです!」

朝陽(田中圭)のこの言葉、今回の内容を見ていて、本当それな…と思いましたよ(汗)

大舞台が控えているとなれば空気が引き締まるはずなのに、

な〜んか、ガチャガチャしているなぁ…と。

 

恋愛パートは今までは、登場人物の個性を引き出すためのサブエピソードとして

描く事に徹底していた印象で、

初音(門脇麦)がトラウマを克服出来てからは、

本題とケンカするくらいには強まってきている所に引っかかりも覚えるのですが。

他にも、スパイは誰で、なぜ接近したのか?を考察させる展開や、

印刷会社にも手を出して、観客にも被害を及ぼすという

もはや犯罪行為に等しい本宮(津田健次郎)の嫌がらせ行為と…

音楽には特段関係のない…

むしろ、ノイズになってしまっている要素を盛り込み過ぎな気がするんですね。

 

4話で「ヨーロッパだとオケと市民の距離が近い」という話もあったように、

本作ってそもそも、音楽には縁のない家族や友達を巻き込んでいく様子や

聞き馴染みのある選曲も含めて、

「音楽って楽しい」「クラシック音楽は決して敷居が高くない」を

描き続けている物語だったと思うんです。

いや…そこがおざなりになっているとは言いません。

例えば、朝陽が人を頼るようになったり、当初はやる気のなかった団員たちが

相手のプライベートまで自分事のように喜ぶ表情を見せていたり、

団員と関わりのある人が率先して観客を集めたりと、

"音楽に影響された人々"は確かに描かれました。

描かれてはいるんですけど…

何と言うか、どこで盛り上げるかの取捨選択を間違えているが故に、

本来の見所が薄まってしまっているって感じです。

 

そして、そこに因んでもう1つ気になったのは、

(主要人物のみではあるものの)団員が集まっての、谷岡家での打ち上げシーン。

仲間の絆を感じさせる、純粋に良いシーンではあったんですが…

だからこそ、今までの回でも、こういった大人数で本音を語らう姿が

何か一仕事終えるたびに挿入されていたら、

より"団結力"が伝わってきて良かったのかもしれません。

1対1で気持ちを共有する話か、1人1人の抱えている問題を取り上げて、

他の誰かが介入する形で解決へと向かう話が多かったのも、

今となってはちょっと勿体ないなぁと思えてなりませんでした。

 

あとは…一応既にトラウマは克服しているとは言え、

10年ぶりの"大舞台"での披露なのに、チャイコの演奏は前半カットしちゃうの!?なんて

視聴時は疑問に思ったのですが。

まぁこれは、最終回での最大の見せ場のためにとっておくのだと

ポジティブに捉える事にしておきました。

構造自体は王道で、ハッピーエンドにはなる可能性は高いでしょうから…

納得行く形で終われる事を願います。

 

 

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大奥(2023) 9話 感想|"将軍の器"を持つ者。想いは次世代へと受け継がれていく。

 

 

今回は、今の時代を統治している吉宗(冨永愛)と久通(貫地谷しほり)に、

次世代で"隠れた才能"を感じさせる家重(三浦透子)と龍(當間あみ)を重ね合わせながら、

世代交代を緩やかに描いていった回でした。

 

前半は吉宗のお仕事パートで、後半は主に後継ぎの話になるので、

途中までは、バラバラなエピソードなのではないか?と思うかもしれませんが、

終盤の吉宗による家重への説得シーンで

あえて前後に分けた構成が効いてくるんですね。

「己の無力と向き合わされ、投げ出す事も許されず、時として世の恨みまで買う。

将軍とは誠に左様な役回りじゃ」

これは吉宗が、赤面疱瘡をなくそうとして国の大改革に励んだ

実体験から出た言葉ではあるんですが、ある意味、家重とも共通しているような気がします。

 

家重の場合、自身が言語障がいを患っていて、人とコミュニケーションを取るのに

コンプレックスを抱えているにもかかわらず、

"将軍の娘"で、しかも後継ぎで有力候補になりやすい長女であるがために、

否が応でも表舞台で先陣を切る役割を全うしなければならない…。

そして、知能は人並みにあるのに、言葉を上手く発せない事から批判にさらされ、

ついには「家重は将軍に向いていない」ともとれる悪口を言われてしまう…。

そんなやるせなさを日々痛感する様子が描かれました。

 

前半では吉宗の、トップに立つ者だからこその挫折や絶望感を味わいながらも、

どんな困難な時でも「己よりも他人や国の事を考える」のを怠らない

将軍としての覚悟が描かれていて。

そう考えると長い間、自身に与えられた役割を途中で投げ出さず、

漢詩を覚えるなどして努力を重ねてきた家重にも、

その器は十分に備わっているとも言えるんです。

 

「役立たずだから死にたい」は「生きるなら人の役に立ちたい」の裏返しではないかと説得し、

その言葉にハッとさせられる家重のシーンは印象的でした。

で…特に何がグッときたかって、吉宗が優しく抱きしめた時のライティングですね。

(以前から度々演出は褒めてはいますが)

両方にではなく、比較的家重の方に強く光を当てている辺りに、

まさしく親が我が子に未来を託す瞬間を感じさせました…。

シーズン2に向けて、次回から家重編になるのかどうかは分かりませんが、

バトンタッチを象徴する優れたシーンだったと思います。

 

今回は他にも、冨永愛さんに貫地谷しほりさん、三浦透子さんに當間あみさんと

女優劇場があらゆる所で繰り広げられていて、みっちみちな45分間でしたね。

もうその言葉がしっくり来ます(笑)

當間あみさんは、語尾の残し方や抑揚から、時代劇ではまだ初々しさは感じられたものの、

相手の本質を見抜く聡明さや、家重を知ろうと積極的に仕える健気さを持つ

今回のキーパーソン的立ち位置ではあって、存在感を遺憾なく発揮されていましたし。

三浦透子さんは…家重が言語障がいだというのは見ながら初めて知りましたが、

言葉が聞き取れるか聞き取れないかの絶妙な喋り方が上手くて、

家重へのもどかしさがより伝わってくるようでした。

 

シーズン2があるというのを既に知っているので、そこまで寂しさはありませんが、

どのようにして一旦ピリオドを打つ事になるんでしょうかね?

吉宗が倒れている予告も含めて、気になります…。

 

 

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星降る夜に 8話 感想|犯した罪はビッグラブでは帳消しにできないよ…

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前回の感想で「あ、もちろん、営業妨害や名誉毀損に値する行為をしてしまったのは

事実ではあるので、そこを認めた上で。ちゃんと救われて欲しいです。」と書きましたけど…

いざ蓋を開けてみたら、優しい結末で終わりましたね。

しかし、あまりにも優しい人ばかりで、優しい空間で溢れ過ぎていて。

私としてはいろんな意味で、どうも煮え切らない印象が残ってしまいました…(汗)

 

感情をぶつけられないまま長年抱えてきた伴(ムロツヨシ)の孤独も、

憎い相手が良い人であればあるほど、

人を恨む事でしか生きられない自分が情けなくなる気持ちも分かるんですよ。

ただ…だからと言って、それが罪を犯して良い理由にはならない。

これはあくまでも個人的な考えですが、人情劇は好きでも、

過去の罪や悪事には向き合おうとせず、

人の繊細な部分だけに触れて美しい話に持っていこうとするのは

ちょっと冷めた目で見てしまうと言いますか。

器物損壊に営業妨害、名誉毀損に脅迫罪、傷害罪、さらには育児放棄

散々周りに迷惑をかけておいて、警察や児相に通報する考えが誰も浮かばないのが

不思議に思えてしまいますし…。

そもそも、蓄積されたストレスは、一星(北村匠海)のたった1回のハグでは

治らないんじゃないかなぁという気がしました。

 

せめて、一星のハグを受けてからの"その後"も今回の中で描かれて、

自分を冷静に見つめ直す機会が出来た伴が、

今までの事を反省して、警察に自首をし逮捕される…

で、次回の終盤辺りで数年経って、鈴(吉高由里子)や一星の前に再び現れて

打ち解け始める…といった流れだったら

あのシーンも受け入れられたかもしれませんが。

次回予告を見る限り、どうやら普通に過ごしているようなので、

自分の意思で罪を償う行為は描かれないのでしょうね…。

 

うーん…ここまで柔らかい終わり方にするんだったら、

あんなに"悪"や"因縁"を強調したキャラにしなくても…

いや、伴を登場させなくても……という、なんとも複雑な気持ちです。

前回も彼の破壊力は凄まじかったものの、それに対抗するように、

「なんじゃそりゃ!(笑)」なカップルエピソードを筆頭に

コミカルな要素が挟まれていたので、まだ本作"らしさ"は健在でしたが。

今回に関しては、設定と残り話数の都合上、伴により焦点を当てた内容になったために、

本作が今までで築いてきた温かみやほわっとした癒しの雰囲気が

かき消されてしまったような感覚を受けましたから。

 

最終章で盛り上げるために用意された人物だったのだと思いますが、

その分、もっと鈴と一星の日常生活や、今後の人生について真剣に考え始める姿を

掘り下げて描いて欲しかったかな…と。

そして、前回と今回で伴に時間を割いた所で、深夜(ディーン・フジオカ)の件も含めて

どうやってまとめに入るんでしょうかね。

(基本好意的には見ておりますが)もう、終わり良ければ全て良しと捉える事にします。

 

 

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