2019年秋ドラマ-シャーロック一覧

シャーロック 特別編 感想|守谷も獅子雄の真相もアントールドのままなのね…

 

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2時間、長かったなぁ(笑)

スピンオフ的な話を有料じゃなく、地上波で見せてくれるのはありがたいけど…

想像通りシューロック済の映像多めの、総集編の作りだっただけに、

途中から集中力を切らしてしまいました。

 

ジャーナリストの門司(木南晴夏)が過去の犯罪者と1人ずつ面会していく形で、

獅子雄(ディーン・フジオカ)とは何者なのか?といった背景を探る展開になっていたので、

ほとんど総集編じゃん…と思いつつ。

でも逆に、丁寧に振り返っていく事で、

最後にはいくつもの謎=ピースがはまっていくかのような衝撃の真実が待っているのかと

ほんの少しの期待をしてみましたが、

あのオチを見るに、結局は「別に全部見なくても良かったような?」と思えるほどの

曖昧な結末になっていた印象でした。

 

で、公式がうたっていた肝心の「獅子雄という男は一体何者なのか?」も、

守谷の真の正体もわからず仕舞い…。

長く感じたのは、守谷はまだか!と焦れったい気持ちになっていたのもありますが、

あの面会シーンで犯人が語る獅子雄の事が、どれも過去に本編で見てきた

視聴者でも分かる情報ばかりだったのもあるかもしれません。

本作サブタイトルの「アントールドストーリーズ」らしく、未公開映像を加えるなどして、

「当事者しか目撃していなかった獅子雄の"その後"」が見える脚本&演出にしたら、

特別編と銘打った事に意義があったと思います。

 

獅子雄の生い立ち、探偵になるまでの背景といった過去も語られないまま

3年後になりました!彼は実は生きてました!ってやられてもなぁ…

私としてはメリーもりあがりませんでした(泣)

 

番組表では月9枠の番組名が、最終回放送当日になっても「調整中」だったものが、

放送が終わってから特別編があるのを発表する形で

視聴者を喜ばせる事を優先して作らずに、

もっと時間をかけて、内容重視で作っていただきたいものです。

 

最後次第で作品自体の受け取り方も変わってくるのに。勿体ないな。

 

 

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シャーロック 最終回 感想|結局守谷は誰やねん!真相は全てモヤモヤーティ…

 

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えっと…どうしよう…色々何か書こうと思っていた事が

守谷(?)の正体で全て吹っ飛んでしまった…(笑)

まぁ、ぼちぼちと書いていきますか…

 

江藤(佐々木蔵之介)の意味深な君が代、結局何だったんでしょうね。

前回で見せたシーンの続きがある訳でもなく、理由を語る事もなく終了。

後から見たらさ、俺、急にどうした?って恥ずかしくならないだろうか。蔵之介さんw

 

エレベーターに乗っている時の北原里英さん。

得体の知れないような不気味なオーラが滲み出ていて、

いつの間にこんなに雰囲気のある役者さんに…という驚きはありました。

伊藤歩さんの艶のある声も素晴らしかった。

(正体はとりあえず置いといて)守谷と対峙する獅子雄(ディーン・フジオカ)のシーンも、

ダークサイドに陥った人々を映す画作りも、

全てがカッコイイドラマでした。

そこだけは本当に最後まで見る価値があったと思うくらい。

 

で、話を戻して、肝心の守谷の正体…

いや、誰やねん。

このスティック感、日曜劇場でお馴染みの落語家枠の方なのか?

と思ったら、「柴公園」に出演されてた大西信満さんだと後から気づく。

メガネがないと全然分からない…小手さんとスギちゃんの

ハーフっぽい方だと思ってしまってごめんなさい。

でもなぁ。看板枠の月9なんだから、

もうちょっと知名度ある役者さんにしたら、

話にももう少し集中出来た…ような…(滝汗)

想像とかなり違っていて、内容が全然入ってこなかったよ、こちとら…

 

モリヤーティのくだりは原作にはお馴染みのネタなんでしょうが、

全11話の中で名前だけたま〜に出したり、最終回でドンドン展開を進めるくらいなら、

本作に関しては一切盛り込まない方が面白く出来たんじゃないですかね。

個人的には4、5話辺りが好きでした。

井上由美子さんがお得意の、心の闇を映し出す物語をもっと見てみたかったです。

 

スタッフとディーンさんの組み合わせで、

また「モンテ・クリスト伯」のようなドンデン返しがあるんじゃないか。

バディ×推理モノ、菅野祐悟さんの劇伴、初回でチラッと描かれた人間模様で

「刑事ゆがみ」の時の高揚感が再来するんじゃないかと思い、

期待してみましたが…

なんか、今振り返ってみれば、守谷の件は勿論だけど、

トリックも構成も、シリアスにしたいのかユニークにしたいのかも、

色々と中途半端で終わってしまった感じで、むず痒さだけが残ってしまいました。

 

そして、来週はもはや恒例行事の特別編。

普通に、今回がセミファイナルで、次回は最終回2時間スペシャル!で良くないですか?

あの結末じゃあ、真相は全て闇の中…なんて余韻には浸れませんよ(泣)

 

登場しながらも、結局の所は本物なのかは不明なまま終わりましたし、

もしかしたら、守谷は神様のような尊き存在だったりするのかも…ですね。

 

 

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シャーロック 10話 感想|灯台下暗しはもう一人?

 

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今回の事件の内容とは全く同じではないけど、

今朝、いじめとまともに向き合わず、相談の手紙はシュレッダーで証拠隠滅する教師…

なんてニュースを見かけたから、ちょっとタイムリーに感じてしまいましたね。

 

保身に走る大人に失望する、子供による反抗。

これが昔の時代だったら、いやいやそんな大人気ない人がいるもんか…と

思いたくなるもんですが、

実際に目の前で苦しんでる子供すら守ってやれない人がいるから辛いし、

気づいて欲しくてわざわざ天井裏に隠れたりする椋介の気持ちだって同情出来ます。

 

秘書が隠し子で鵜飼(大鶴義丹)が事件に関わっていた…というのは

何となく読めてしまって、トリックはそこまで意外性はなかったものの。

(最初からあの苦しそうにしている部員の動画を晒せば、早いと思ったのは気のせい?)

冒頭での若宮(岩田剛典)の台詞「導く」が

江藤(佐々木蔵之介)が一課長に上り詰めるための思惑や、

鵜飼が秘書を利用するのにかかっていて、さり気ない伏線回収を思わせる

展開になっていたのは面白かったです。

 

で、意味深に君が代を歌う江藤からの「悪について」ねぇ…。

元々コンビものだから、ポスターに3人が載っている時点でも

ちょっと怪しいなと疑っていたし、

以前にも書いたようにミステリーでは身近な存在が実は…というのが鉄板の法則なので

「やっぱり?」になっちゃうのかしら。

最後に飛び降りる所まで見せなかったのはミスリードだと思いたいけど…

昇進したのに浮かれて会議に出るのを忘れた事に気づいて、

「あ!まぁ、いっか〜」のつもりで歌っていたとか…ないですね(笑)

 

 

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シャーロック 9話 感想|推理小説要素が詰まったフルコース。こんな回もアリ!

 

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レストラン内にいるお客様とシェフが全員疑わしき人物、洋風の室内、

1人1人から情報を聞き出す展開や

獅子雄(ディーン・フジオカ)が最後には全員を集めて推理を披露するシーンなどを見て

何年も前に読んだ事のある「オリエント急行殺人事件」を彷彿とさせられました。

 

海外の推理小説のあるある要素が詰まった、定番っちゃ定番の話ではありましたが、

ディーンさんが元々異国風の雰囲気を漂わせる役者さんなので、

今回のようなある意味日本のドラマらしくない 変わった設定の舞台でも

何の違和感もなく溶け込んじゃいますねぇ。

ワンシチュエーションの試みも、ぴったりハマっていました。

これはこれでアリだと思います。

 

事件部分も、先ほども書いたように1人ずつ事情聴取をしたり

お客さんを観察して獅子雄が考察をしたりするシーンをじっくり見せてくれた事から、

この人はどんな形で事件に関わったんだろう?

夫婦とこの店にどんな繋がりがあるんだろう?と想像する余裕が生まれましたし。

床に散らばった謎の物体、震える片方の手、ろれつが回らない…など

「おや?」と思わせる要素も比較的分かりやすく画面上に映し出していたので、

バイオリンタイムの時までにはある程度の推理が準備出来ました。

前回同様に置いてけぼりにならない感覚を味わえて良かったですが、

今回はキャスト頼りではなく映像的な処理に工夫が施されていた点と、

シャーロックらしい世界観を満喫する楽しさがプラスされて

最後まで面白く見られたような気がします。

 

まだ「アントールド」な部分はやはり守谷に関する話で、

忘れた頃に取り上げられたり、終盤に差し迫った回でも新情報が出てこないとなると

残り2話で上手くおさまるのかちょっと心配ですが

(同じ枠で放送されていた某科捜研ドラマの件もあり…)、

とりあえず、何やら予告で不穏な感じを見せていたコンビが

解消してくれなければそれで良いかなぁと思っております。

 

 

そうそう、新井さんの件…現実では同じ名字の方が実刑判決される形で

取り上げられていたけれども、

このダブルブッキングはたまたまなのか、意図的な名付けなのか。

モンテ・クリスト伯」から本当はあの役者さんも呼びたかったけど

叶わぬ状態となったから、

せめて名前だけは…って事で新井さんの名前にしたのかしら。(考え過ぎかな?(笑))

 

あと、これは完全に余談なんですけど…

加藤役の田邊和也さん、永井大さんと同じ系統の顔に見えたのは気のせい?

 

 

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シャーロック 8話 感想|真海さんと入間さんが巡り巡って兄弟!

 

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今までよりも「モンクリ」要素強め&ちょこっと「レミゼ」要素も含まれていた回。

 

次回予告は「殺人フルコース」とうたっていたけど、

個人的には高橋克典さんの登場にテンションが上がり、

長谷川京子さんと牛山役の久保田悠来さんの共演でキャストが充実し…で、

今回は今回で「フルコース」だった気がします。

 

しかし、前世では敵だった真海さんと入間さんが兄弟とはねぇ…

あんまり似てはいないんだけど(笑)

皮製の椅子に座っていて、それでいて視線が直接合わず、

自然と斜めに向かうようになっている絶妙な配置での対話シーンには

思わず見惚れてしまいました。

(指紋取られないかと、ちょっとヒヤヒヤもしちゃったり。)

 

もう1つはやっぱり、長谷川京子さん演じる亜蘭と

獅子雄(ディーン・フジオカ)の心理戦。

長谷川さんに悪女を演じさせたら安定感はあるし、

自分の罪も守谷の正体も全てチョコレートに溶かし込んで

赤い血を流しながら死にゆく姿は美しいったらなかった…。

そして、獅子雄にとっては初めての敗北。

目の前で守谷の鍵を握る人を失ってしまった事は、

"苦い"記憶としてずっと残り続けるのでしょうねぇ。

 

そんな感じで、キャストの面では今まで以上に贅沢感を覚えた回となりましたが、

肝心の1話完結パートの方は真相をアッサリまとめ過ぎていたような気がして、

秘書(谷村美月)目線で語られる「柴田(久保田悠来)への強い想い」に

いまいち入り込めなかったのが残念でした。

三崎(佐伯大地)の方も、愛する人が亡くなったらこの手のドラマなら

敵討ちをしそうなものですが、

二人がどれだけ愛で結ばれていたのかもあまり明確でないから、

死んだと気付いた途端追うようにして…という行為に走るのもちょっと不思議。

 

まぁ、今回はディーンさんと共演された役者を揃える事で

「モンクリ」「レミゼ」ファンを掴んで、

兄弟での対話シーンと心理戦を「最大の見せ場」にするのを

前提とした上でのシナリオだったのかもなぁ…と思います。

 

そういえば、これは前から思っていたんですが、

紅一点の山田真歩さん、特に情報屋役のゆうたろうさんの扱い方も

勿体ない気がしてなりませんね。

獅子雄・若宮・江藤の絡みは楽しいですが、

本作は少数精鋭なんですから、もっと上の二人の出番も増やして

「チームワーク」を強く出した回があっても良いんじゃないでしょうか。

 

で、最後の最後でまた気になった事…

スーツ店に勤めるテーラー役の清水紘治さんが

守谷の可能性もなくはないような?

 

 

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シャーロック 7話 感想|欲を出すとロクな事がない。

 

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シャーロックと少年シャーロックの新バディ。

今回は最近の重たげな話に一息入れた「番外編」の気持ちで見ておりました。

 

私としてはちょっと置いてけぼりな部分が多かった

獅子雄(ディーン・フジオカ)が事件の手がかりを見つけるカットに関しては、

比較的「彼が怪しいと思った要素」としてある程度提示している印象で、

一緒に推理している感覚になれたのは良かったです。

 

いつもの獅子雄&若宮(岩田剛典)バディのやり取りの愉快さも

虎夫(山崎琉飛)が加わる事により、獅子雄の変わり者っぷり、

若宮のツッコミ的立ち位置が引き立っていたような気がして、

数々のシーンには大いに笑わせられました。

グラウンドでバイおディーンタイムしている所にボールが当たるというのは…

まぁ、その場所なら当たってもしょうがないよねとは思ったけれど(笑)

 

しかし、肝心の犯行動機やトリックに…少しモヤる。

登場してきた時点で黒沢あすかさん&遠山俊也さんだろうな〜と予想はしていたものの、

お金が欲しいという欲が出過ぎての共犯とか…ありきたりな感じ。

そして個人的によく分からないのが、

近所をグルグルして2時間遠い所に行かせたフリをしたというトリック。

河川敷での犯行なら、序盤で獅子雄が言った通り人目に触れやすいのに、

なぜわざわざそんな まどろっこしい動きをする必要があったのか?

ラジオだって、栃木や茨城(北関東)を中心に流れているのに

(本作が東京を舞台とうたっているので恐らく今回も)

東京でもなぜその番組がはっきり聞けたのか?と、

色々な部分が気になってしまいました。

 

で、最後は鼠男のエピソードで「銀次は死ぬまで俺の相棒だった」で

良い話風に幕を閉じましたけど…

う〜ん、事件解決の展開になってから一気に畳み掛けてきたようで、

キャラクター以外は全体的に描写が浅かったのかなぁと。

 

今回初めて脚本を担当された"東山狭"さん。

グーグル先生で調べても経歴とかが出てこない…新人さんなのかしら。

 

 

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シャーロック 6話 感想|冷たい家族と対抗する少女。そして再びモリアーティ!

 

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前回は過保護な愛情が故に、我が子を追い詰める母親が事件の発端で、

今回は子育てと愛情を与える行為を放置したが故に、

我が子に良い気味と言われるまでになった母親が事件の発端だった…という

対照的な構成に。

両極端の"行き過ぎた"親の姿が描かれるのも今の時代だからこそなんだろうなぁと、

ちょっと考えさせられちゃいました。

 

さて、内容に関して。

少し整理させて良いですかね?

平田(伊藤洋三郎)を見殺しにした犯人=宇井(和田正人)で、

20年前のじゅんちゃんの殺人犯=ビデオに映っていた女性。

で、その女性が命令を受けた相手は守谷=モリアーティ。

宇井が綾香(吉川愛)に記憶操作の実験をした理由は

学生時代に綾香の母・美樹(霧島れいか)にラブレターを破られた上に

冤罪で高校中退までさせられた事への恨みから利用。

綾香が「私がじゅんちゃんを殺した」と言った理由は

冷たくあしらう家族への小さな対抗心から。

…で、合っていたかな。確か。

 

カナリアがピンポイントで何度も映っていたので

そこがヒントなんだろうとは思って見ていましたが。

真相が明かされてからの流れに、個人的にはいっぱい要素が詰め込まれているようで、

それを追うのに必死で、前回と前々回ほどの登場人物への深みは

感じられなかったのかなぁという気がしました。

 

事件自体よりは綾香の誕生日会での家族の態度の方が気になり、

綾香が構って欲しかったからと告げる場面は最後の台詞だけで落とし込むのではなく、

「なぜ今の状態に至ってしまったのか」を幼少時代からの回想を通して見せる事が出来れば

もう少し彼女の若干突飛な考えにも共感出来たと思います。

 

そして、3話以来の守谷=モリアーティ。

守谷の名前は出てきて、最後にサラッと紹介した記憶はあるだけで

詳しい過程を覚えていないんだけど…(笑)

とりあえず、20年前にもじゅんちゃんの事件に関わっていた事が分かりました。

これは…蔵之介さんの可能性、あるんじゃないですか〜??

(年齢的に全くおかしくないし)

 

今回はそこまで見応えは感じられなかったものの、

次回の少年シャーロックとの絡みは楽しみです。

 

 

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シャーロック 5話 感想|パワハラは犯罪。報われない親子の結末に苦い余韻が残る

 

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息子の敵討ちなら、最初から加害者の町田(永井大)を刺しに行けば良いものを、

なんで息子の血液を使ってまでまわりくどい方法で脅したのか?

それに、愛していたんだという過去は台詞で解決しちゃうのか…と

途中まで疑問に思いながら見ていましたが。

なるほど、「いつまでも小さい子供の時のように、

想いがそのまま通じ合う関係が続くとは限らない」という

母親側の苦さと皮肉を描きたかったんだと理解出来ました。

 

子供の愛し方をどこかで間違えてしまった母・千沙子(若村麻由美)。

家には母から、会社には上司の呪縛から逃れるためには

命を経つ方法しか考えられなかった貴之(葉山奨之)。

自身にはどうしようも出来ず、

父として向き合おうとせず現実逃避してしまった父(小市慢太郎)。

現代の家族にある"ゆがみ"を垣間見たような気がして、

バラバラになったまま迎えてしまった貴之の死に、

母と一緒にやるせない気持ちになったラストでした。

 

内容的には(良い意味で)モヤっとするもので、

貴之を追い込んだ根源の町田がお咎めナシなのも、

過保護な母が悪いように捉えられ、ネットニュースのターゲットにされるのも

むず痒くなる余韻が残りましたが。

でも、「確実な証拠がないと逮捕出来ない」

「真相を知らないまま簡単に人を叩ける」のが今の世の中でもあって。

そんな社会事情を反映したという点でも、見応えのある話になっていたと思います。

 

本作の見所でもある「魅せる演技」に関しては、

今回の場合は若村麻由美さんが特に光っていました。

穏やかに話していたのが、沸点が急に上がるかのような怒りの感情を露わにする様には

思わず背中が震えるほどでした。

粗のある殺害方法でも、なんだか勢いで圧倒されちゃいます。

 

強いて言うなら、やっぱり勿体ないなと感じるのが

トリック部分と獅子雄(ディーン・フジオカ)が証拠を掴む見せ方の2つで。

トリックの方は、本来死臭がしそうなものを部屋に隠したり、

あからさまにツリーを置いたり、なぜ水槽ポンプを捨てなかったのか?と、

探偵じゃなくても十分怪しいです。

「それがヒントになっていたのか!」という捻りが欲しい感じです。

 

で、その「それがヒントになっていたのか!」ですが、

獅子雄が証拠を見つける→解決の流れにそれが使われていると思うのですが、

こちらは獅子雄の脳内だけで完結してしまっている気がして

もっと視聴者が一緒に推理を楽しめるような見せ方をして欲しいと考えてしまうんですよね。

例えば、ドアノブをチラッと見ていたのは「あ、何か気づいたな」と分かりましたが、

ダンボールや水槽ポンプが事件に関係しているのも、そもそもいつ映していたかも

分からないくらいあっさりしていて。

録画でもう1回見返せば良いじゃん…の作りじゃなくて、

もうちょっと獅子雄の目線で物語が繰り広げられて行ったらなぁと思ってしまいました。

(何か見落としがあったのならすみませんが、(犯人の分かりやすさ関係なく)

 今回だけでなく「あれ?いつどこで掴んだ?」と思う部分が度々あったので

 自分なりに文章にしてみた次第です。)

 

それでも、OPの入り方のスタイリッシュさや役者の演技、洒落た主題歌で

いつも良いものを見た気分になってしまうので、決して面白くない訳じゃないんですけどね。

獅子雄と若宮(岩田剛典)、江藤(佐々木蔵之介)のトリオの楽しさなど

好きな部分もあるんですけども…本筋の事件パートがなぁ…!と

ついつい欲してしまいますねぇ。

 

 

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シャーロック 4話 感想|男の嫉妬ほど面倒臭い事はない…

 

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個人的には、最後に一気に畳み掛けて頭を混乱させる感じのする

ちょっとモヤっとしていた事件パートも、

今回は今までより比較的全貌が掴みやすく、3人のやり取りも含めて楽しめた気がします。

いつものバイおディーンタイムまでに、梶山(矢野聖人)と潤(小林喜日)、

優子(小島藤子)との関係性を把握する事が出来、

もしかして石橋(金子ノブアキ)は…?と、彼の心情を想像する余裕も生まれました。

 

また、回を重ねるごとに物足りなかった人間模様の"深み"も復活してきた印象で。

犯行の動機は男の嫉妬。男の嫉妬ほど面倒臭い事はない。

天才を育て上げたどんなに優秀な人間でさえも、結局は感情と憎しみには勝てない…

という少し皮肉めいたお話に。

 

趣味のボクシングなだけあり、

いつもよりノリノリに見えたディーンさんのコミカルっぷりも。

15年間温めてきた想いを一気に吐き出すかのような「嫌いだったんだぁ…」の

金子ノブアキさんの目を見開く表情も。

傘の持つ鮮やかなオレンジと、哀愁漂う彩度を落とした風景の対比を効かせた映像も。

ゲストの演技力で魅せる作風に定評のある本作ですが、

ストーリー面、演出面、役者面どれにおいても、

いつも以上に「良いものを見た」気分にさせられた回でした。

今回の作りが自分には一番合っているのかもしれませんね。

 

誰にも真似出来ない鋭い推理力を持つのが獅子雄なら、

女心に対する理解力に秀でているのは若宮(岩田剛典)。

「それが彼女の一度きりの勝負だったんだ。

この矛盾した感情はあいつには分からないだろう」

この一言だけで、同じ「真実を追求する」という共通点があっても

二人がいかに相反する立場にいるのかがサラッと分かる結末には痺れました。

 

良いですねぇ…切れ者のコンビを見ていたい。

そして、江藤(佐々木蔵之介)のおどけたキャラに癒されるのが、またお気に入り。

こらっ1人だけ自転車漕いで楽するな!(笑)

 

 

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シャーロック 3話 感想|守谷の正体は江藤さんだったりして?

 

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捜査過程での獅子雄(ディーン・フジオカ)と若宮(岩田剛典)のやり取りに

江藤(佐々木蔵之介)が加わるコミカルな描写が増えた事で、

今回が一番、気軽に楽しく見られる点では良い作りだったと思いますし、

犯人を追い込む獅子雄の姿には、その切れ者っぷりにワクワクさせられる所があります。

ゲストのキャスティングも上手く、毎回爪痕をしっかりと残せていて、

「役者の演技で魅せる」点でも申し分ないです。

そんな訳で、全体的には面白いのです。

 

ただ、ちょっとだけ物足りなく感じてしまうのはトリック部分で…

ゲスト=犯人という設定で行くのだとは最初から分かっていますし、

本作は「誰が犯人か?」を予想する楽しさよりも

犯人の動機を映し出す描写で見せるのが「らしさ」だと思って見てもいるのですが、

もう少しトリックに意外性があったらなぁ…とついつい求めてしまうんですよね。

 

今回はモールス信号によるダイイングメッセージという

ミステリーでは王道のトリックが扱われていた分、

謎解きも凝っているんじゃないかと期待しましたが、

「ほなみ」の「ほ」だけって、ねぇ…(笑)

意味深に映していたハイライトも、結局何だったんでしょうね。うーむ。

もっと「これが繋がっていたとは!」っていう驚きが欲しいところ。

 

そして、先ほど"犯人の動機を映し出す描写で見せるのが「らしさ」"とは書きましたが、

それから生まれる人間模様の深さや心の闇も回を増すごとに薄まっている気もして、

ごちゃっと解決しては結局「役者ありき」で作っているんじゃないかとも

感じられてしまうように…。

 

 

ミステリーの話はここまでにしておいて、

今回は守谷が何者か?誰なのか?がおそらく最終章に向けての縦軸となる

重要な回だったのではないかと思います。

前回の佐和子の死の真相もハッキリ明かされないままなのも含め、

最終回に近づくにつれて散りばめられた伏線が回収される

怒涛の展開になると良いけども、さて、そこはどう進めていくか…?

 

で、その守谷=モリアーティの正体ですが、

個人的には江藤なんじゃないかと予想してます。

これと言った確信的な理由はないんですけど、

主人公に一番近い存在が実は裏の顔を持っていて、「そんな風には全然見えなかった…」

と視聴者の盲点を突く流れは、ミステリーでは鉄板だと思うので。

あとは、「意外に頑張ってるな」「本当に刑事だったんだな」は笑いを誘うシーンでしたが、

今回のテーマにも絡めて「騙す人」だというヒントにもさり気なくなっていたりして…?

まぁ、ファン目線で言えば、愉快な蔵之介さんも良いけど

影のある蔵之介さんも見たい!って気持ちもあるんですけどね(笑)

でも、それは暫くお預けという事で…。

 

今までは女性が犯人の回のみでしたが、

来週は金子ノブアキさんが登場してくるようです。

キャラクターは面白いので、あとは本当に、トリック次第なんだなぁ…!

 

 

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