昨日に引き続き、強引なハッピーエンド。
しかし、ちゃぶ台を返したくなるほどでもなく、ガッカリするのでもなく。
「ふーん」「まぁそうだよね」としか言えない、
最終回で真相に辿り着いても何にも感情が湧いてこなかったのも、随分珍しい作品でした。
あ…でも、伯朗(妻夫木聡)の妄想が最後に叶った事だけは解せなかったけれども(笑)
この1時間で展開されてきたのは
遺産相続とはあまり関係のない「研究記録」にまつわる話。
しかも、その真相に辿り着くきっかけとなった描写も、今まであちこち話を膨らませたり、
楓(吉高由里子)と共に家を調査したりしてきたくだりをナシにして、
最終回になっちゃったからもうこの流れで良いだろうと言わんばかりに
「随分、あっさり見つかったなぁと思って…」という一言で済ませて終わり。
これなら最終回まで引っ張るべきではなかったですよ。
犯人はキャスティングの時点で、初回から分かりきっていた事だからさ…
せめて"紆余曲折"の部分が面白ければ良いんですけど、
女性同士の修羅場や色恋で肉付けして、どうでも良い内容でだらだら引き延ばしていった結果、
東野圭吾ならではの独特の世界観を薄めた作品になってしまったのが残念でなりません。
以前の感想で「5話くらいで良い」と書きましたが、
あれだけあっさり解決させるのであれば、お正月の2時間半スペシャルにした方が
原作の持つスピード感が活きた内容になったのではないでしょうかね。
オリジナルエピソードや妄想を追加したりして尺を埋める手間が省けますし、
短時間なら、豪華キャストで"曲者"だらけという所に新鮮味を感じたまま
最後まで見終える事が出来る。
作り手も視聴者も、原作ファンもメリットしかない。
まぁ…連ドラ向きではなかったって事です。
いくつもの謎を引っ張っては、最終回で強引に回収。煽る演出。
本筋とは関係ないネタで引き延ばす。
ここらへんは同じ枠で放送されていた「テセウスの船」と共通していますが、
そちらの方は、ドラマでは珍しい雪山が舞台になっていた点、
過去を変えてしまうという禁忌を犯すタイムスリップを扱っていた点が
緊迫感を生んでいたのに対して、
本作は現在進行形の話で、後は妄想しか取り柄がないですからね(苦笑)
「テセウスの船」の反響に味をシメた結果、本作が放送される事になったんでしょう。
どんなにグダグダでも、数字がそれなりに取れたのは「日曜劇場」というブランドの"お陰"。
しかし…ブランド力が高い枠だからこそ、
もっと作品の選定には慎重になっていただきたいです。
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