2021年冬ドラマ-にじいろカルテ一覧

にじいろカルテ 6話 感想|病気=悪とは限らない

 

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「病気って面白い」

「病気になる事で起こる事は、悲しい事ばっかりではない」

真空(高畑充希)のこの台詞、私の中では結構衝撃的だったなぁ…。

ここ何年か医療を扱ったドラマを見てきたけど、幸せをもたらすきっかけとして

病気にかかる事をポジティブに捉えた内容には今まで出会わなかった。

難病なんて、本人からしたら生きているだけでしんどいし、

描きようによっては緊張感のあるシリアスな、

下手したらお涙頂戴なシーンになるでしょうに…

本作にとって病気にかかる事は「誰でも起こりうる普遍的な事」で

「生きていく上で、幸せを得る上で必然的に訪れる通過点」なのですね。

病気との向き合い方も次のフェーズに来たのだと、

世界が広がるような、新たな発見を得た気分でした。

 

メインである真空がカミングアウトするのを葛藤する話の他に、

緑川家と霧ヶ谷家の日常を描いているのも良い。

特に何が良いかって、 彼女が自分の想いを話している最中に別の場面で出てくる人物は

モブ的な扱いになりそうですし、基本脇役なので入れなくても何ら支障のないものなんですが、

そこに3話で雪乃(安達祐実)の治療に、真空と一緒に献身的に協力していた

嵐(水野美紀)と氷月(西田尚美)の家での様子を絡める事で、

挿入する意味のあるシーンになっている事。

雪乃に対して優しく接する人でも病気にはかかるし、それでも大切な人と笑い合って生きているし、

嵐の娘の日向を預かるという急な出来事でも

前向きに捉えて楽しみながら対応しようとする。

他の人には見せない違う一面が知れるのって、連ドラの醍醐味でもあるよなぁ…。

真空が村に越してきてから太陽(北村匠海)や朔(井浦新)に支えられてきた日々と

リンクさせていく形で、「人間は病気と付き合いながら生きていく」を平等に表したのは

中々粋な演出だと思いました。

 

真空が母に病気をカミングアウトするのを拒む理由を

幼少期からの回想で見せてくるのも泣けてきますね。

受験に合格して、白衣姿で母と一緒に撮った記念写真。

あれだけでも多分、何か良い事が起こる度に写真=記録として

残してきたんだろうなぁと思えますし、それだけ母も自分の事のように嬉しくなるほど

娘を可愛がって育ててきたんだろうなぁとも思えます。

そんな尽くしてきた母に、自分の病気のせいでまた人生を犠牲にしてしまったらどうしよう…と

考えてしまうのも無理ないですよね。

でも、真空は幸せに過ごしている。それが伝わる大量の写真。

母に娘の気持ちは届いたみたいで、本当に良かったです。

 

次回は再び雪乃のお話でしょうか。

年齢が思い出せなくなるっていうのは辛いですねぇ。

…中の人が何歳か分からなくなるほど全然歳とらないんだから、

知ってしまったらむしろ「そんな歳行ってたんだ…」とショックを受けて

進行が進みそうな気がしなくもないですが…ってこら(笑)

 

 

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にじいろカルテ 5話 感想|隣の芝生は青く見える…ってやつデスね。

 

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すごいわ…4コマ漫画のオチを見ているようだったわ。

最終的に命の尊さに行き着く事の多いイメージの医療を扱ったドラマで、

「俺以外みんな死ね!」で終わったものがあったでしょうか(笑)

主題歌も雰囲気も全てデスデスデスデスで吹き飛びましたよ。

でも、奇抜なオチも含めて、かえって良かった気がします。

「自分はこんな辛い過去を抱えていた」「どうして自分は周りより劣っているのか」

といった心の傷を利用してお涙頂戴にしないで、

「それはみんなで笑い飛ばそうぜ!」という勢いで押し通した所に好感が持てる。

 

歌関係なしに、常にオール5で、常に機転を利かせるなんて早々出来る事じゃないから

太陽(北村匠海)は良い意味で"普通じゃない"んだけど。

"普通"である事にコンプレックスを持った原因は、多分、通知表に書くコメントで

「特に何も問題はありません」の一文で済ませた

担任の存在から始まっていて(子供の個性に気づいてあげるのも大事な仕事なのに!!)、

もっと早くから村人達と交流出来ていたら

そんなに思い詰める事はなかったんだろうなぁ…と思います。

周りに凄い人達がいるから自分は何にもないんだと落ち込む。

「そんな事ないよ」と言われても「いや、それはあなたが凄いからじゃん」って

捻くれて捉えてしまう。

私も彼みたいなケースは仕事の時によく起こるから、

何で悩んでいるのかも何となく分かったし、彼の気持ちもひたすら共感出来る。

 

朔(井浦新)が2人に過去の出来事を告白するくだりはもう少し後かな?

2人が察してからかな?と思っていたけれど、前回からの流れでもう話すとは。

朔から出た話もすんごい頷けるものでしたねぇ。

出来事までの部分が端折られて、都合の良いように解釈されて、

自分なりに勝手にストーリーを作り上げてしまう。

「自分が語りやすい物語の中に人を閉じ込める」完全に的を得ている台詞。

本人も長台詞って言っていたけど、彼自身が日頃から抱えている想いだとか、

太陽を元気づけようもんなら"弱い部分"を見せてまで全力で向き合う姿勢だとか、

笑って楽しく生きると決めた意志の強さだとか…

あのカミングアウトに朔なりの人柄が滲み出ていたのも印象に残るシーンでした。

 

自分は普通だと思っているだけで、実は他とは違う個性を持っているのかもしれない。

自分が相手を羨ましく感じてしまうのは、向こうも同じだったりする。

医療ドラマではなくて、何と言うか、

心に寄り添った新たな治療法を教えてくれる…そんな作品です。

見ていて心地良いですね。

 

 

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にじいろカルテ 4話 感想|夢ならばどれほど…にならなくて安心。

 

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キャラクターのああいう描写…弱いんですよねぇ。

いつもはノリが良くて明るい人が、実は過去に大きな傷を抱えているというギャップのある設定。

それを井浦新さんが演じるから1つ1つの言葉に計り知れない重みを感じてしまうし、

悲しみを帯びた横顔を見ていると、某作品のように雪が舞っている景色も見えてきてしまう。

でも…本作が本作なので、脳内でLemonの歌が流れる

残酷な結末にはならずに済んで良かったですけどね。

それと、あのコラボCMは、今回に限っては緊張感のある雰囲気を壊しかねなかったので、

たまには放送をしないという選択があっても良い気はしましたw

 

予告の時点で凄く重い話になるのだと覚悟していましたが、

あまりにも重たくし過ぎると今までの作風と合わなくなるし、

フラッシュバックしてしまう視聴者も出てくるだろう…という事で、

太陽(北村匠海)のブヨ刺され&尻を叩かれるという下ネタを挟み込む形で

調和を図ったのだと思っています。

前回のを見てからだと、ガッツリ"医療ネタ"を取り入れているので

少し新鮮味はなくなるし、題材的にどうしても「コード・ブルー」と重なりはしますが、

"本作らしさ"がなくならないように展開を工夫しているのが見受けられるから、

これはこれで悪くないです。

 

「真空は友達でもあるけど、私の主治医でもあるから」

この村に来て初めて認められた真空(高畑充希)。さぞかし嬉しかったでしょうね…。

前回で雪乃(安達祐実)とのエピソードを書いた直後だからか、

真空も弱音を吐いた事で本当に"友達"として

対等の関係でもいようとしているのが雪乃にきちんと届いて、

本当に彼女を信頼しきっているのだというのがよく伝わる。

そして、意外にもサバッとした性格な事が発覚。

「男と女の約束は守らないの?」発言は面白かった(笑)

 

しかし、回を重ねるごとに、みんなキャラが立ってきましたねぇ。

いや、最初からキャラは濃いんだけれど、

中身が空洞だったものが徐々に身がぎっしり詰まってきたような感じがします。

それぞれの辛い出来事が描かれると、"生"が宿ると言いますか。

 

次回は太陽がメインの話みたいですが、

きっとこの村の人々なら大丈夫だと、安心しながら見られそう。

それにしても、お尻を叩き合いながら笑う3人を少し引きで撮るシーン…

凄く微笑ましい図だったなぁ(笑)

本当に3人を見ているだけでも心が満たされるドラマですわ。

 

 

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にじいろカルテ 3話 感想|新しい"心の治療"の在り方

 

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もう言う事なしでしたね。

前回までは岡田脚本らしい温かみのあるファンタジーな世界観の中に

医療ドラマの定番である急患のくだりが入り込んでくるのに

ちょこっと違和感を覚えていたのですが、

今回は「この村だからこそ出来る」「深く繋がり合う人々だからこそ出来る」やり方で

本作なりの"治療の在り方"を描いていった感じ。

なんなら、今回の内容を届けたくて

本作が出来上がったんじゃないかと思えるくらいの完成度でした。

 

一度発症したら2週間、1ヶ月間忘れてしまうのを繰り返す

まだら認知症の患者である雪乃(安達祐実)を、

嵐(水野美紀)と氷月(西田尚美)がどうやってケアしていくか…という

彼女のメイン回ではあったのですが。

「治す事が難しい病気」が共通している点では決して他人事ではなさそうな

遠くで思いつめた表情を見せる真空(高畑充希)のカットや、

廃校での3人との会話を通して自分の悩みも共有出来た安心感から

終盤の「付き合って行くしかないですね」と前向きに捉えられた姿も盛り込む事で、

主人公の今後の人生を覗き見するような作りになっていたのも良かったです。

 

また、向こうのラーメン屋で仲良く営業の準備をする中年夫婦や、

いつものようにアナウンスをするバスおじさんの様子を映していたのも効果的。

真空も雪乃も、嵐も氷月も、ラーメン屋の経営者の夫婦も、バスおじさんも

表向きでは元気だったり強がったりしているけれど、

実はみんな心に傷を抱えながら、それでも何とか乗り越えて生きていっているんだろうなぁ…

それは何も"特別な事"ではなくて、誰もが経験する事なんだよなぁ…と想像させられました。

 

「誇りに思って欲しいの、自分の事」

「あなたは愛されて生まれてきて、愛されて生きてきたから」

認知症の患者との向き合い方を新たに提示したのはもちろんですが、

コロナ禍で苦労や悩みを溜め込んでしまった人々との感情の共有の仕方だったり、

いじめで自殺してしまいそうな人だったり、

我が子から介護を受ける事になって「自分は情けない…」と責める人だったり。

今回の話は世の中のいろんな事柄にも繋がるような気がして、

身に沁みてしまう濃い1時間だったと思います。

 

 

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にじいろカルテ 2話 感想|スーパードクターじゃない…の意味が分かる

 

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本作の公式サイトのイントロページには

「全然スーパードクターじゃない3人の笑って泣ける、チーム医療ドラマ!」と書かれている。

視聴リスト&期待度の記事を作る際に目を通した時は、

この枠で「ドクターX」が以前放送されていた事から

普通に「技量が足りなくて経験も浅い未熟な医師」を指しているのかと思っていましたが、

今回の内容を見ると、それは違っていたようですね。

 

本来ならあらすじで軽くおさらいする所を、カミングアウトしてからのくだりを

アバンであえてノーカットで流す構成にしたのが効いていました。

言葉をつっかえて泣きながら自身の病気を告白する真空(高畑充希)の姿を

冒頭で見せる事で、「そういえば、初回からこれは意外だったよね」などと

視聴者が印象に残っているシーンを再び思い出させて。

そこから、料理が出来なかったり、優しいあまりに何人もの患者を待たせてしまったり、

お願いをすぐに引き受けてしまったり、「自分が悪いんです」と予防線を張ったり…と

いろんな形で彼女の"ポンコツ"っぷりを見せていく。

初回での村人達が「これは夢か?現実か?」と思うくらい寛容的な性格で、

その強烈さが物語の核を食ってしまったような感覚を覚えていた分、

通常放送となった今回は、主に主人公を通して、一見頼れてしっかりしてそうな存在だけど、

案外周りが思っているよりも"完璧じゃない"を描く話なのだというのが掴めた気がします。

 

「スーパードクター」が人間の内面的な部分を指していて、ファンタジーな雰囲気と相まって

これまでの医療ドラマとはまた違った作品を生み出そうとしているのだと分かった今、

緊急搬送や救急車での対応といった"医者のお仕事要素"は

わざわざ取り入れなくても良いのかもしれませんね。

現実的な面が絡んできちゃうと、一気に従来の医療ドラマっぽさが増してしまいますし、

"完璧じゃない"所は前半での日常的なシーンだけでも十分提示出来ていますから。

あ…でも、朔(井浦新)が真空に対して言った「先輩なんだからちゃんと怒らせろ!」は

印象に残りましたけども。

 

にしても…真空と朔と太陽(北村匠海)の3人による

ワンシチュエーション(施設内だけで繰り広げられる)形式でも

成立出来そうですよねぇ、本作。

それくらい、3人の会話は聞いていて楽しいし、時間があっという間にも感じられてしまう。

3色のおにぎりも妙に美味しそうだった。

最近のドラマは、飯テロジャンルじゃなくてもご飯が美味しそうに見えるものが多い。

 

 

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にじいろカルテ 1話 感想|医者で患者は最強説?

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もらったりんごを齧ったのが合図だとして、夢の国に誘(いざな)われたかのような…

かといって「癒される」というワードでは片付けられなくて、

時々チラつかせる"影"に地に足がつかない感覚を覚えるような…

世界観の強そうな主題歌も相まって、終始「不思議なドラマだなぁ」と思いながら見た初回でした。

 

上層部と権力を争ったり、失敗しない某スーパードクターが出てきたりして、

その痛快でキャッチーな話見たさに特定の視聴者層に支持されているイメージのある木9枠で、

こんなにファンタジーな雰囲気の作品を持ってくるのは結構な"賭け"だと思いますし。

テレ朝っぽくはないんだけど…

かと言って、フジかTBSが作りそうか?と言われたらすぐに首を縦にも振れない感じで、

かつて金曜ドラマナイト枠で放送されていた「僕とシッポと神楽坂」があるくらいだから

きっと"テレ朝の作品"ではあるのでしょう。

(強いて言うなら、ジャンルの幅広い作品を生み出す傾向にあるテレ東深夜枠で

放送されていてもあり得そうな気はしたけれども。)

 

ちなみに、監督は「僕とシッポの〜」を担当された深川栄洋さん。

予告映像の時点で既に「ぽいなぁ」とは感じていたので、

その作品を思い浮かべながら見る事になるんだろう…というのは予想はついていたものの…

まさかそれ以上に「Dr.コトー診療所」やジブリらしさを覚えたのはちょっと意外でしたね。

村社会の設定でさ、(行った動機は違うものの)雨の中山奥で倒れて治療される

たけひろくん的エピソードでさ、しかも光石研さん&泉谷しげるさんのキャスティングは…

どうしても「コトー」を思い出さずにはいられませんし(笑)

劇中に時々出てくる女の子は、視聴者をこの世界に引き寄せる

案内人みたいな描かれ方をしているような。

こんな感じでいろんな作品と重なりはするんですけど、みんなちょっとずつ違っているから

既視感がある訳ではなくて。

そこが「不思議なドラマだなぁ」と思った原因なんだと考えてます。

 

ただ、1つだけ分かったのは、

「医者で患者は最強」をテーマにしたいんだろうな…という事。

真空(高畑充希)が村に引っ越すまでの流れを見てからだと、

この言葉に「医者は専門的知識を持っていて憧れられる存在だけど、

"傷"も抱えているから"普通の人間"と同じ身近な存在にもなれる」という

作り手の描きたいメッセージが集約されているのがよく伝わってきました。

 

最初は、このご時世に医療を取り扱ったドラマで、

なんでファンタジーな雰囲気に?と思いましたが、

最前線の現場で戦う中、精神的に疲弊したり、時には誹謗中傷を受けたりする

医療従事者に対しての「そんなに強がらなくていいんだよ」という

ある種のエールを送るために作られた作品なのかもしれませんね。

 

真空や雪乃(安達祐実)に今後大きな展開が待ち受けていそうですが、

岡田脚本なので、どん底まで暗くなるよりかは

ほんの少しの希望が持てる結末になるんじゃないかと。

通常運転となる次回にも期待します。

 

ところで、子供が提供を読むのにはほっこりとさせられて…

つぐみちゃんにも読んで欲しいなぁって思ってしまいました(笑)