2022年冬ドラマ-恋せぬふたり一覧

恋せぬふたり 2話 感想|2話にしていきなり家族と衝突!

 

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見方が分かってきた感じかなぁ…。

前回で言及があった「恋愛には興味はないが、1人でいるのは寂しい」が

まさしく軸となっている物語。

家族や友達との単なるルームシェアではなく、

お互いがアロマンティック・アセクシュアルの人間であると認識した上で、

果たして、家族…いや、"味方"のような心地良い関係が作れるのか?を

実験的に描く作品なのかもしれませんね。

その上で、照らし合わせて描かれるのは

「男性との付き合いには恋が芽生える」を前提とした人間関係なんでしょう。

 

例えば、今回の場合は、両親と妹夫婦とのやり取りが描かれました。

前回はアロマアセクじゃなくても嫌悪感を覚えるような人物設定で不自然さがありましたが、

今回に関しては無理がなかったです。

妹の旦那は余計な口を挟み過ぎ感は否めませんが…

中々恋人が出来ないまま長年実家に暮らして居る姉を心配していた妹、

特に両親に至っては、長年手をかけて面倒を見てきた経験があるからか

「娘の事は分かっている"つもり"」でいる事を考慮すれば、

自分の出来事かのように喜んで、2人を囃し立てるのも頷けるんです。

それに、最初は付き合っている設定で通していたのが、急に嘘だとバラされて

(世間にとっては)訳の分からないカタカナ用語を並べ立てられたら、

混乱して思いがけない言葉を吐いてしまうのかもしれません。

 

そして、この一連の様子を見て気づかされたのは、

この両親や妹夫婦のように、私たちの周りにも、

現実生活で気持ちを思いっきり口にしていないだけで

同じ価値観の人が身近にいるんじゃないか…という事。

実際に、本作ほどではないですが、両親からは「孫が欲しいな〜」なんて

冗談っぽく言われた事はありました(結婚願望は一応あるので、私は嫌ではありませんが)。

今の世代ならまだしも、親世代なら子供の幸せ=結婚を願うのが

必然とも言えるんでしょうね。

 

この実体験も加えて、「人のふり見て我がふり直せ」じゃないですが、

周りにはこんな風に感じている人がいて、こんな考えの人がいるのだ…という事を

俯瞰的に見て初めて考えさせられる面白さ(と例えるのも何ですが…)もあった気がします。

また、頭の中がぐしゃぐしゃになって、どうしようもなくなっているのが伝わる

岸井ゆきのさんの怒りの演技や、

冷静でいるようで、口を開けば徐々に闇を覗かせていく高橋一生さんの演技のお影もあって、

"自分たちと世間の認識のズレ"によるショックを追体験させられる点では、

視聴後に大きな余韻が残りました…。

 

最後に登場した新たな勘違い男も含めて、まだ気がかりな部分はあるにはあるんですが、

いろんな価値観を持つ人々を絡める事によって

現在における"夫婦"の在り方への問題提起をする意図も込めているんじゃないかなぁと。

そして、昨今のドラマではお馴染みと言えるであろう、

あえて"恋愛感情を育む過程の1つ"である同棲を2人にさせる展開で、

「愛するとは?」を愛"抜き"で描こうとしているようにも見えます。

 

同じアロマアセクでも、アンケートの結果で

また考えの違いが浮き彫りになりそうで…

結末よりかは"結末に至るまでの紆余曲折"に興味がある私としては

次回を早く見たい気持ちが高まりました。

それに、2話の段階で、物語の核心となる両親との対立エピソードを持ってくる辺り、

意外性もあって目が離せませんね。

 

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恋せぬふたり 1話 感想|"人"に恋する前提の日常に苦しむふたり

 

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はぁ〜…なるほどねぇ……。

「アロマンティック」ってそういう意味なのか…と。

恋愛に興味がないというのは何となく分かっていても、

じゃあ仕事が生き甲斐なんだな…とか、1人で自由に過ごすのが好きなんだろうな…とか

"他人と一緒にいる時間に縛られたくない"を指す事から生まれた言葉なのだと

思い込んでいた私としては、

「恋愛には興味がないが、1人でいるのは好きじゃない」でハッとさせられる感覚があり、

中々興味深く見られそうな仕上がりになっていました。

 

ただ、題材が題材だけに、部分部分の描写に違和感を感じたのも事実で。

すぐ恋愛に直結させる上司と、感情の起伏が激しい勘違い後輩の描き方が

個人的には記号的過ぎたんですよね…。

「恋愛をしない私っておかしいのかな?」というモヤモヤを生むきっかけの人物である事、

アロマンティックがどんなものか?を説明をするための配置である事は分かるんですが、

もう少しマイルドに描いても良かったような気がします。

特に上司の方は…何かにかこつけて「恋始まっちゃった?」

「仕事だけじゃなく恋愛もな?」って茶化されたら、誰だって嫌な気分になるでしょう。

ましてや、今は部下に恋愛を過剰に勧めるのもセクハラだと捉えられがちな時代ですから、

上司と近い世代の人なら、まず訴えられないように気を遣う人の方が多いかもしれません。

友達とのケーキバイキングでのエピソードが一番しっくり来る例で、

初回でアロマンティックを映像で説明する以上、

多くの人にとっては他愛もない、何の悪気もない会話ややり取りでも、

咲子のように深く傷ついたり、仲間外れにされた気分を味わったりする人もいるのだ…といった

(語弊が生まれそうな表現ですが)"マイノリティ側とマジョリティ側のズレ"を

もっと自然と描き分けてはじめて、

本作をあえて放送するだけの価値が増したんじゃないかという勿体なさがありました。

 

とは言え、意味はもちろん、アロマンティックという名前すら知らない状態でも、

咲子(岸井ゆきの)に自然と寄り添いたくなるような演出には好印象でした。

例えば、彼女目線で日々何となく感じている"孤立感"を

顔部分のアップで劇伴の音量を徐々に大きくさせていく形で強調したり、

検索ワードを打つスピードで、自分の考えといまいちリンクしていない感じや

これを付け足して希望通りの結果が出てくるのかな?という一瞬の躊躇いを表現したり。

腑に落ちた途端、次々と出てくるカラフルな枠や

カラフルな服を着た人々が通るカットで「私だけじゃないのかも…?」と

一気に"広がり"を覚える様子を視覚的に表したりと、

彼女の心情変化をじっくりと描いていたからこそ、

彼女がこれからどんな生活を送っていくのか見守ってみようという気にさせたのだと思います。

 

最近は多様性を取り扱ったドラマは多くあれど、

「アロマンティック・アセクシュアル」というあまり聞き慣れない言葉を題材にする所は

NHKのこの枠らしいですね。

あとは、結末を見ない事には分かりませんが…

もしかしたら、「"人に恋する"事が前提とされている日常」に嫌気がさしているのを

軸として描いている辺り、

最近では推し文化が世間で広がっているように、

"人"ではなく、音楽とか本とかペットとか…キャベツとか、

とにかく"物"を推す="物"に恋して、最終的に"自分"に恋する=自分らしくいる 過程を

描いていくのかな?という気もしています(あくまでも思いつきですが)。

 

まぁ、少なからず、恋愛に興味ない者同士が恋をしました!っていう

なんじゃそりゃな結末にはならないでしょうから(笑)

次回以降も楽しみです。

 

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