2022年冬ドラマ一覧

となりのチカラ 9話(最終回) 感想|新居人の話が蛇足だったとしか…

 

f:id:rincoro_ht:20220120233355p:plain

 

近年の遊川作品の傾向を考慮すれば、本作も駆け足気味の

綺麗なハッピーエンドで終わるんだろうなぁ…とは思っていましたが、案の定でしたね。

 

チカラ(松本潤)の成長も、住人たちのトラブルも、家庭内での悩みも、

何もかもやんわりで片付いてしまった原因はただ1つ。

個人的には…前回から越してきた新居人のエピソードは要らなかった気がします。

というか、新居人の登場自体が。

チカラの変化を感じさせる集大成的なエピソードを盛り込むんだったら、

(それでも多少駆け足にはなるけれども)まだまだ山積み状態だった住人たちの問題に

新たな方法で向き合っていく展開か、

灯(上戸彩)に宣言した通りに、住人たちよりも子供たちの悩みを優先する形で

実行に移す展開にした方が良かったんじゃないでしょうか。

 

じゃないと、前回でのシーンがまるで意味ないんですよね…

悩みを話せないまま子供たちの世話を丸投げされた事に腹が立っていたのに、

今回でも、小日向(藤本隆宏)の動機を心配するばかりで

我が子が襲われないかという不安な気持ちが働いている様子は見えない。

(悪の方に寄った動機にも、やって良い事と悪い事の線引きはあるし…)

でもって、友達付き合いでつまづいていた愛理(鎌田英怜奈)も、

勉強に興味が持てなかった高太郎(大平洋介)も、

ふわっとしたアドバイスか積極的に関わる事のないまま解決。

で…最後はまた、決意表明のシーンでしょう?

似通ったくだりをやるんじゃあ、また口だけじゃないのか?

なんか具体性のないまま終わってないか?と思えても仕方ないんですよね。

 

そのシーン自体にしても、今までで両親への確執がじっくり描かれた上で、

毎回父に投げかけるモノローグから始まる流れだったんならグッと来たんでしょうけど…

あまりにも唐突過ぎて引き込まれず。

まるでミュージカルを見ているみたいで、逆に笑えてきてしまいましたとさ(苦笑)

 

あとはまぁ…前回の感想と被りますが、

住人たちが自己中であるという印象を前々回と前回で強く与えてしまったために、

最終回で"チカラに影響を受けて"問題に向き合うようになった…

とは映らなかったのも大きな欠点でしたかね。

 

せっかく個性的な登場人物や、現代社会を連想させるテーマを扱っているのに、

全て宙ぶらりんにしてしまった…そんな典型例を見た作品だった気がします。

そして…いくらファンタジーな世界観でも、

警察や弁護士など法的な機関が一切存在しないのはどうなの?という

受け入れがたい気持ちの方が勝ってしまうのは、私の頭が固いからなんでしょうかね?(滝汗)

 

↓今までの感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


妻、小学生になる。10話(最終回) 感想|妻が家族に残したもの

 

f:id:rincoro_ht:20220122024909p:plain

 

今期のドラマの中では、連続ドラマならではの醍醐味が味わえた点で

最も美しい形で終わった最終回でした。

 

前回のラストを見た時は恥ずかしながら、また辛い目に遭わせるだけだし、

圭介(堤真一)を中心に前向きになろうとしている最中なんだから、

もうこれが最終回で良かったんじゃなかろうかと思っていましたが…

10年前には叶えられなかったレストランが実現出来たシーンで、

今回の内容を最終回として描く価値は十分にあったと納得させられました。

 

それ以外にも、本来なら買えなかった麻衣(蒔田彩珠)への

一生モノのプレゼントを買ってあげたり、本来なら見届けられなかった

蓮司(杉野遥亮)による新島家への挨拶=麻衣が自立する"瞬間"だったり、

本来なら放置されっぱなしだったであろう畑の手入れをしたり、遺影を決めたり…

小学生となって再び現実世界に戻ってくる事で叶えられた1つ1つの夢が、

まるでエンディングノートに書いた目標を達成して行っているかのよう。

 

魂が巡り巡って転生するケースはあるかもしれないけれども、

本作の場合は、成仏出来なかった貴恵(石田ゆり子)が小学生に乗り移って

新島家の前に現れるという、いかにもファンタジーな設定。

ファンタジー…つまり、現実性に乏しくあり得ない設定だからこそ、

新島家と白石家を繋ぐ小さな"奇跡"にも思えたし、

現実世界で生きる私たちも、その"奇跡"で不思議と元気づけられる…

そんな作品だったと思います。

そして、上記で「最終回として描く価値は十分にあった」と書いた理由もそこにあり、

何事にも終わりがあり、人にもいつかお迎えが来るのだから、

それまではどうか後いを多く残さないように精一杯生きる事が大切だと、

新しい風がまもなく訪れる時期に、そう優しく教えてもらえたような気がします。

 

匂わせは匂わせでも、守屋(森田望智)とはどんな関係性にでもなれる

含みを持たせた終わり方だったのも、

唯一次のステージへと向かっていた友利(神木隆之介)には

あえてそっと背中を押すだけだったのも好印象。

新生活のスタートに合わせて、それぞれの幸せを願いたくなる、

登場人物の個性に合わせた描写が施されていたのが良かったです。

 

再生物語というより群像劇に偏りがちだったり、

オカルト要素を盛り込むなどして、ファンタジーの線引きが曖昧に感じられたり、

似たようなエピソードを繰り返したりと、

ここまで見てきて色々惜しい部分があったのも確かですが、

終わり良ければ全て良しかな…と思ってます。

 

絶え間なく泣かされ、かつ、ほんの少しの生きる知恵を与えてくれた、

素敵なラスト。素敵な作品でした。

また、"再生の兆し"を感じさせる主題歌のふわりとした入りも、毎回好きでした。

 

↓今までの感想はこちら↓ 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 


ミステリと言う勿れ 12話(最終回?) 感想|一緒に行こう→いつどこに?

 

 

まぁね…新幹線での話を広げている時点で

縦軸は今シーズンで終わらないんだろうなぁと思いながら見ていましたが…

それにしても、全10話以上ある"連続ドラマ"という形をガン無視した最終回でしたね。

構成においても、誰かの言葉で涙を浮かべる人物のカットで感動系に走る演出を3回、

主題歌の中途半端なフェードアウトの仕方、「そこで?」な劇伴のタイミング、

そして、10話の焼肉屋での設定と被る上に

最終回にしてはこぢんまりしている紘子(関めぐみ)の真相と…

急激にやっつけ感満載の仕上がりになったのが残念。

 

これには1つはっきりとしている理由があって、

続編制作を視野に入れているから…なんですよね。

でも、あそこまで「連続ドラマで完結させる気なんてさらさらありません〜」って

開き直った作りにされてしまうと、

むしろ(真相はHuluで!という手法には賛同しないものの)地上波で一旦はピリオドを打つ

日テレ日10枠のドラマの方がまだマシだと思えてしまうのでした(汗)

 

現在進行形で続いていたはずの物語が、

最終章のepisode2.5でバスジャックの頃の話に戻した時間軸の分かりにくい構成も、

次へと繋げるための話題作りの一環だったんでしょうけども。

私が考えるに、シーズン1内ではさらっと匂わせる程度に描いて、

いつぞやの劇場版公開に向けての準備段階として、

序盤で今までのダイジェスト=あらすじを加えた上で

今回の内容を2時間SPの形で放送していたら、

いろんなモヤモヤも和らいだのかもしれません。

 

旬な役者さんではなく、実力派の役者さんをゲストに起用して

演技のぶつかり合い重視で魅せる所も、

ただの犯人探しでは終わらせない人の心の奥底を突く心情描写も、

謎に謎が塗り重ねられている"仕掛け"も、1つ1つのパーツは好きで見ていましたが…

それでもあまり手放しで褒める事が出来なかったのは、

原作の良さをテレビ用に"再構築"するのではなく、

原作の画になる部分や、テレビ的にハイライトとなる部分をかじって出来た

"寄せ集め"になってしまったからなんだと思っています。

まぁ…"寄せ集め"化した決め手は、原作既読の読者さん曰く

原作にはない風呂光(伊藤沙莉)の恋愛要素を絡めたのが一番大きいんですけどね!(汗)

三角関係を散々押してきた割に、最終回では特に交流もなく、

彼女のお手柄(?)を挙げた事での成長エピソードと今までの様子に

矛盾を感じさせる描写をした辺り、

恋愛要素がいかに蛇足だったかが露呈されたとしか言いようがないでしょうね…。

個人的にはやっぱり、風呂光押しで行くよりも、風呂光と池本(尾上松也)のトリオ体制で

事件に踏み込んでいく回をもっと見たい気持ちもありました。

 

イカとの別れの回、爆弾処理の回、天使の回と、刺さる話もいくつかあっただけに…

絶賛したいのに、秀作だって堂々と言いたいのに

あらゆるセンスの悪さがそうさせてくれない、

そんなむず痒さが残る作品として記憶に残りそうです。

最終回のモヤっと加減が余計にね…(泣)

 

↓今までの感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 


となりのチカラ 8話 感想|やってる事が極端すぎる件

 

f:id:rincoro_ht:20220120233355p:plain

 

前回の話の動きがあまりにも遅かったし、今回も中盤までは特に進展がなかったので、

このまま最終回まで「我が家のチカラ」を引っ張るのかな〜と思って見ていたら…

何だか素っ頓狂な感じで解決しましたね。

長台詞は確かに凄かったけれども…

うーん、今までのチカラ(松本潤)の性格を見ている身からしたら、

終始良い事言っている"風"にしか聞こえなくて(汗)

灯(上戸彩)が元々家を出て行った理由は、家庭内の問題を彼が後回しにしていた所にあって、

家出するまで自分に何の原因があるのかも分からなかった人なのに、

変化を行動で少しずつ示す訳でもなく、あんなに言葉を並べ立てただけで

和解出来るものなのかと。

何というか…勢いだけで押し切ったように映って、個人的には腑に落ちないのでした。

 

そして、住人たちはとにかく面倒臭い(苦笑)

自分の身の回りの事を放り出してまで助けてくれていたのに、

今度はその自分の悩みでいっぱいいっぱいな状態になっているチカラを助けないとは

なんて自己中な住人たちなんだと思っていたら…

まさか、自分の事よりもチカラ自身の問題に目を向けて欲しいという

思いやり()から来ていたとはねぇ。

これもまぁ…失礼ですが、前回から何を見せられていたんだ感が半端ないです(汗)

実は手を組んでました!展開でまとめるくらいだったら、

わざわざ2話分で引っ張らなくても成立する内容だったんじゃないでしょうか。

 

で、ある意味綺麗に終わった今回で最終回にすれば良いものを…

「もうその時点で終わりで十分なのに」ってパターンをやってしまいがちなのが遊川脚本。

言ってしまえば、描くべき問題が多くて、風呂敷を広げすぎた結果がこれなんですよね。

素直に、本作のコンセプトである「チカラの動きによって

ひとつの"コミュニティ"が出来上がり、強い絆で繋がっていく」通りに、

最終章に入るまでに隣人の悩みを全てスッキリさせてから、

家庭問題に直面し、今度はお返しとして住人たちがチカラの悩みに関わっていく…

というシンプルな構成で良かったのに…。

 

エピソード単体で見れば面白いのかもしれないけれど、

チカラの問題に向き合ったり、隣人の問題に向き合ったりで、

あっちこっち行き来していて話にまとまりがないので、

"本作らしさ"が活かしきれていない勿体なさを強く感じてしまいます。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


DCU 9話(最終回) 感想|2時間スペシャルの無駄遣い

 

f:id:rincoro_ht:20220116223155j:plain

 

わ〜驚いた!まさか成合(吉川晃司)じゃなくて佐久間(佃典彦)が黒幕だったとは!

これがどんでん返しってやつか〜〜!!!

…ってなりますかいな(苦笑)

もう、一言で言ってしまえば、2時間スペシャルの"無駄遣い"…これに尽きますよ。

 

本作の特徴であるはずの「海上保安庁で捜査に特化した組織」

「水中事件が舞台」といった初期設定すら活かさず、

施設内で時限爆弾を探したり、危機的な状況の中で人を救出したりする、

まるでどこぞのSF洋画かぶれみたいな事をやっている作品ですから、

1つ1つツッコむのも野暮かもしれませんが…

それにしても、物語の節々で理解しがたいような描写が頻繁に見受けられたのも気になりました。

例えば…さっきまで料亭にいた笠原(岡田浩暉)が

なぜかセキュリティが強化されているはずの地下倉庫に寄り道感覚で入れているとか。

彼に刺されて大怪我を負った新名(阿部寛)が

数分後には何事もない状態で仕事に戻れているとか。

水中では広がらない傷口が、都合の良いタイミングで広がるとか。

佐久間の仕業によって溺れていた2人が瞬間移動しているとか。

そして、新名と成合は"いつの間にか"和解するまでの関係性に発展しているとか。

挙げたら本当にキリがないんです。

こんなに出しても、まだツッコミ足りないですもん(汗)

つまりそれだけ、他のスタッフや脚本家とチェックもしていないんじゃないの?

レベルの粗が多過ぎるって事なんですよね。

 

2時間内に入れる必要性を感じない、かつ、俗に言う"間"ではなく

ただ経緯を"すっ飛ばしている"だけのエピソードを盛り込んだ割には、

今まで散々引っ張ってきた隆子(中村アン)の死の真相は1台詞であっさり解明。

…で、長時間使っておきながら、成合を取り押さえる事は出来ず、

15年間何をしていたかも一切明かされないモヤモヤを残して終了。

ぶっちゃけ、劇場版(恐らく)までわざわざ引っ張るような内容か…?とすら思います。

 

初期設定だけに留まらず、縦軸の絡め方も、拡大スペシャル内での構成のバランスも、

1クールという長さだからこそ味わえる"連続性"の活かし方も、

何もかも下手だったとしか言いようがなく。

前作でさえガッカリさせられたのに、

正直、日曜劇場というブランドも地に落ちたか…と考えさせられる仕上がりの作品を

見る事になるとは、想像もしていませんでした。

これ、邪推するに…表向きはハリウッドとの共同制作をうたう事で、

あたかも高額な予算を使って力を入れているように印象づけておいて、

実は、若手や次世代の脚本家を育成するための企画だったんじゃないかという気もしています。

だって、最初の頃はCGでも海に潜る演出はしていたはずなのに、

プール→水族館→旅館→9割泳ぐシーンがない最終回 とどんどん迷走していく辺り…。

本当の意図を知らないハリウッドの制作会社と揉めて

上手く行かなくなったと考えても無理ないんですよね(苦笑)

 

こんな作品になるくらいなら、最初からブラックバタフライにまつわる縦軸を取っ払って、

テレ朝の「木曜ミステリー」枠や木9のような

「1話完結型」の海での捜査に焦点を当てたシンプルな作りの刑事ドラマにした方が、

"本作らしさ"も物語の面白味も増したのかもしれません。

何度も言うようですが、変に話を大規模に見せようとすればするほど

破綻していく傾向にあるのがこの枠なので…(滝汗)

 

最後に、元々期待していなかったにせよ…

お願いだから、日曜日はどっちかでも面白くあって……というのが、ここ最近の本音ですね。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 

 

 


ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇 11話(最終回) 感想|凛々子の知りたがりはまだまだ続く

 

f:id:rincoro_ht:20220106235810p:plain

 

ひたすら"誠実"な作品でした。

一時期は恋愛方面に傾きがちだったり、

初回の感想では「キャラが弱い」なんて事を書いてしまったりしていましたが、

最後まで見てみれば、凛々子(黒木華)を始めとした

傷を抱えながら生きるメンバーたちが、日々感じている"ざわざわ"の真相を追い、

そして自分の言葉で「届けたい人に届ける」までの成長物語として

1本のブレない軸が通っていた…そんな印象が残る仕上がりになっていたと思います。

 

最終回の内容自体は、解散間近のチームが再集結、連名、ボス=仁和(安藤政信)との決別と、

今の時期に相応しい卒業式を彷彿とさせる王道展開。

でも、初回からずっと見続けてきた者にしか分からない、"連続ドラマ"ならではの良さが

この1時間で存分に活かされていたので、ベタはベタでも感慨深いものがありました。

それは、前々から感じていた、凛々子の仁和への依存っぷりや、

当初はやる気のなかった一本(石井杏奈)がカンフルNEWSの仕事観を代弁する…

といったシーン・描写も挙げられますが、

個人的に最も見入ったのは、いつものマフラーを外して

依頼相手に「PVが伸びる」に対する想いをはっきり伝えてみせた所だと思っています。

 

黄実子(りょう)の言葉を借りるとするなら、

「あの子の感情にはいろんなものが渦巻いている。それを上手く表現出来ないだけ」が、

視聴者がずっと見てきた彼女ではあったんですが…

(時期的にとったと考えられるにしても)あのシーンを見て、

ああ…首にいっぱい巻きつけているマフラーが、

彼女の中々言葉に出来ない感情を埋(うず)める先だったのかもしれないな…と。

マフラーをとった事で、淀みなく、迷いなく、ありのままに言葉をぶつける。

首回りがスッキリしたというぱっと見の"視覚的"な変化を見ているだけでも清々しいけれども、

その時の凛々子の目は吸い込まれるように真っ直ぐで。

視覚でも、黒木華さんの"知りたがり"を体現する演技でも、

今までの集大成である"凛々子の成長"を真正面から描く締め方には実に好感が持てました。

 

以前の感想にも同じような事を書きましたが、

話の腰を折ってしまいがちな縦軸も、本作の場合は上手くいったケースで、

主人公の変化とリンクさせて地続きで物語を紡いでいった所も良かったです。

そして、ゴシップを扱うとなると、大体ゲスで癖の強い作風になり、

人の真相を暴いて面白がる所に重きを置いているイメージがあって、

そういう意味で「お腹いっぱい」であまり期待はしていなかったんですが…。

そのイメージを払拭する、全体的に漂う静かで少しミステリアスな雰囲気に落ち着いていた事、

その雰囲気の中で人物描写を丁寧に積み重ねていった事を考慮すると、

最近は(昔なら月9でやっていたはずの)ラブコメや胸キュンラブストーリーといった

大衆的なコンテンツが頻繁に放送されつつあった木10枠が"原点回帰"した…

つまり、久々に"木10らしい"じっくり味わう良さのある作品だったかな?という気もしています。

 

まだ最終回を迎えていない作品もあるものの、

現段階では有終の美と言っても良い幕引きとなりました。

次回作は題材的にテレ朝作品っぽいのですが(笑)

この調子で面白くなれば良いなぁ…と願っております。

(そして、今更過ぎる感想ですみませんm(_ _)m

もしも待っていてくださった方は、大変お待たせいたしました。

明日は日9の最終回の感想を上げる予定です。)

 

↓今までの感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 


ファイトソング 10話(最終回) 感想|ベタな群像劇になってしまった理由を考えてみる

 

f:id:rincoro_ht:20220111234330p:plain

 

「終わった」というより「終わらせた」感満載の最終回でしたね…。

登場人物が多いとそれだけ話の幅は広げられる利点はあるけれども、

その作りに限って、最終回"だけで"全ての着地点を描こうとしがち。

これでは、物語の展開が駆け足であっさり気味に見えてしまうし、

花枝(清原果耶)が頑なな性格なのにも説得力がないように見えてしまう。

うーん…せめて、「ファイトソング」にちなんで、先に恋が成就した(しそうな)

直美(稲森いずみ)と智也(戸次重幸)のエピソード、

慎吾(菊池風磨)と凛(藤原さくら)のエピソードを前回の終盤に持ってきて、

「次は花枝の番だよ」と背中を押す…という流れにした上での今回の方が、

芦田(間宮祥太朗)に心が解かされるのにもまだ頷けたのかもしれません。

 

いや、物足りなかったのは最終回だけではありませんね。

総じて言えば"欲張り過ぎ"な作品だった…に尽きるでしょう。

では、なぜそうなってしまったのか?

なぜベタな"群像劇"でまとまってしまったのか?を自分なりに考えるとすると…

恐らく、メインの「耳が聞こえなくなった」エピソードを掘り下げず、

花枝が挫折から立ち直るための一種のアイテムとして

他と同等に扱ってしまったのが原因なんだと思います。

 

本作ならではの要素が何かって言ったら、主人公の耳が聞こえない設定くらいで、

それにまつわるろう者のエピソードや演出を除けば、

あとはこの枠でもよくあるラブコメディに落ち着くんですよね。

「恋の取り組み」というワードも、あたかも斬新な印象を持たせていますが、

恋愛初心者が経験値を積み、恋とは何かを知る指南モノと同じ括りになる。

なので、全体を通して見たら、特に真新しさはありません。

だからこそ、耳の描写を深堀りするべきだったのに、

「聞こえていた自分」から「耳の聞こえない生活に慣れた自分」までの

2年間をすっ飛ばしてしまった事…これが個人的には大きいんです。

2年という長い期間、花枝は密度の濃い経験をいくつも味わってきたのではないでしょうか?

 

例えば、昔なら当たり前に聞こえていたものが、ある日を境に

まるで異世界にいるかのように聞こえなくなってしまった時の動揺。

それに慣れるための苦悩や訓練。

耳が聞こえなくなった自分だけが感じている事。

逆に、周りが気づいて、自分だけが気づかなくなった事。

いろんな経験を過ごしていたはず。

途中で"先輩"となる葉子(石田ひかり)のエピソードを挟んで

参考にしているような描写をした割に、

その機微な心情変化を丸々省略しているのであれば、

耳の設定を加える必要もなくなってしまうのです。

 

そこで、素人ながら1つ提案させていただくとするなら…

「小さい頃から欠かさず聴いていた曲」という設定は同じにして。

耳については"途中から"聞こえなくなるのではなく、

"大人になってから"(初回で既に)聞こえなくなっていた設定にしておけば

上記の数々の違和感は払拭され、

耳の聞こえない主人公がミュージシャンと出会い、1つの音楽を作り上げていくまでの物語として

2人の関係性の描写に没入出来たんだと思います。

初回で初期設定を済ませておけば、あとは説明はいりませんしね。

 

この枠ではありがちな俺様キャラや、元カノやライバルが出てきて引っ掻き回すキャラは、

(そこは岡田脚本らしさだと思いますが)本作では珍しく登場せず、

そこは見やすくて良かったですが…

全体の話の構造の粗さや胸キュン演出に"本作も"押し潰されてしまった感は強い、

個人的には惜しい作品として記憶に残りそうです。

 

↓今までの感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 

 


ミステリと言う勿れ 10話 感想|儚く美しい別れ

 

f:id:rincoro_ht:20220110223129p:plain

 

final episodeとうたっていた事から、今回含めた残り3話で

原作の長編エピソードをじっくり描いていくのかと思いきや、

事件パートをサクッと解決させ、ライカ門脇麦)との親睦や別れに丸々1話分割くという

ある意味"番外編"的な作りになっていたのには意表を突かれましたが。

次回以降ようやく我路(永山瑛太)の件に触れるとなると、

いろんなエピソードが入り乱れて複雑になる前に1つの物事にピリオドを打ち、

クライマックスに集中させるように整理整頓した…と考えれば、

良い判断だったのかもしれません。

いや…あれこれ前置きを並べ立ててみたものの、

神秘的なラブロマンスにうっとり魅入ってしまった…というのが素直な感想でしょうか。

 

前々から本作だけにかかわらず、いろんな作品の感想でも、

恋愛要素を前面に押し出して盛り上げる展開は、

本作の持ち味が失われがちで苦手だといった旨の言及をしてきました。

でも、そんな私が、今回の恋愛色の強い内容を

(後述する一部を除いて)なぜ受け入れられたのか?

それは、ライカが登場し、整(菅田将暉)の目の前に現れてからの今までの内容そのものを、

今回で種明かしする"ミステリー"として

意味を持たせるように紡いできた構成が大きいんだと思っています。

つまり、何が言いたいかって言うと、

今回の話は"ラブロマンス"メインに見せかけて"ミステリー"の顔も持ち合わせているんです。

 

イカにまつわる今までの断片的なエピソード・描写を

まるでパズルのように1つずつはめて行き、

最終的に、彼女の繊細で儚い存在を1つの人格として浮かび上がらせる。

そして、ラストの魅せ方も素晴らしく…ライカの正体が判明し、事件も解決し、

2人が"あの"いつもの木の下へと走って、同じ時間を同じ場所で共にする一連のシーンが、

周りの仄かな照明と夜の風景のコントラストも相まって

映画を見ている感覚にも陥ってしまいました。

 

幼少期、喜和(水川あさみ)から考える知恵を学び、

現在の姿を形作るきっかけを与えてくれたように、

自身の傷を「整くんの痛みも代わってあげられたら良かったな」と

言ってくれる存在に出会う事で、誰かと何かを共有する多幸感も知った整。

ここ最近の主題歌と物語のシンクロ具合も上手くハマっていて、

今回の場合は、そう言ってもらえて"心の傷"が和らいだ気がした心境と、

同時にお別れが刻々と近づいている寂しい心境で揺れ動く

整の心理描写をもろに表している感じがして良くて。

天達(鈴木浩介)の言葉も含めて、この余韻に包まれたまま終わりたかった、んですが…

 

後述すると書いた内容が、今回の話を見た多くの視聴者ならお気づきかと思いますが…

作り手側はどうしても、風呂光(伊藤沙莉)の出番を作らないと気が済まないんでしょうね。

そこだけが若干のマイナスポイントでした。

ソメイヨシノのクローンのお話は興味深かったです。

ただ、別に彼女がその話の聞き相手じゃなくても、物語としては成立出来たはずです。

逆に、仕事よりも整への恋心で頭がいっぱいになっている

"典型的なドジっ子女子"の彼女が現れる事で、

ベタで一昔前の月9の雰囲気にガラッと変わってしまうんですよねぇ…。

(個人的には、前回の描かれ方に、風呂光というキャラ"そのもの"に嫌悪感を覚えてしまってね…)

例えば、病院の温室管理者の梅津(阿南敦子)もいるんですから、

彼女が「今年も綺麗に咲いたわねぇ」と一言言って近づき、

一緒に見ている流れで整からその話題を持ちかける流れにするとか。

あるいは、ライカとの思い出を噛み締める時間=無音の演出を活かすとするなら、

クローンであるソメイヨシノにライカを重ねて、

彼女を想いながら1人でじっくり味わうシーンにしてみた方が、

今回の不思議で切ない世界観が保たれていたのかもしれません。

 

でも、今回の話は、まさしくお別れシーズンである今の時期も相まって、

とても印象に残るお話でした。

一部はなかった事にしておきます(苦笑)

 

で…噂ベースによると、続編の放送も決まっているようですが。

それよりも、我路の件を劇場版まで引っ張らずに進めてくれる事が

私としては嬉しい限りですね。

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 


冬ドラマの雑感いろいろ⑦〜となりのチカラ・DCU〜

 

今回はこちらのラインナップになっております(時系列順)↓

※タイトルをクリックすると、そのページに飛びます。

・となりのチカラ 6話

・DCU 8話

え〜と、記事タイトルの通り、各々の感想は長くありません。そして雑です。

それでもよろしければ… ※しばらくテンプレです。

 

  

となりのチカラ 6話(3/10放送分)

 

f:id:rincoro_ht:20220120233355p:plain

 

初回での木次家のDV問題に関しては、

チカラがコミュニティを作ってから再び挑むんだろうと思っていたので、

残り3話控えている段階でその話を持ってくるのは妥当ではありましたけど…

う〜ん、以前も言いましたが、"あれだけ"人数がいて

警察に通報する発想はないの?っていうのが引っかかります。

最終的に住人たちが解決する…そんな作品だとしても、

誰かがスマホで通報する(しようとする)カットを入れる事は出来たはずで。

結局、灯の言う通り「覚悟しろ」ってオチにはなったものの、

いじめられた相手が逃げるばかりで、いじめた人は平然と暮らす話と一緒で、

根本的な解決にはなっていないんですよね。

 

今の時代にしては、シェルターの案が出てこないのも変ですし。

バレないように名前や居住地を変える人だっているのに、

実家に逃げたままじゃあ、あの旦那なら「営業先の近くだから寄ってみた」感覚で

また追いかけかねないでしょ…と思えてなりませんでした。

 

遊川作品の癖は今までも強けれど、本作の場合は、

団地住まいのトラブルがテーマである事、そして主人公が"こんな人いそう"な

キャラになっている事を考慮すると、至って普通。

普通だからこそ、現代にはびこる社会問題を取り扱う割に

公共団体の存在もチラつかせずに終わり…という所に違和感を強く感じるのです。

 

で、次回からはやっぱり"奥さんのチカラ"になれなかったチカラが、

灯の悩みに初めて向き合う展開に突入、ですか…。

まぁでも、彼のペースについ乗っかっちゃう彼女の事だから、

案外ひょろっと戻って来るに一票しておきます(笑)

 

  

DCU 8話(3/13放送分)

 

f:id:rincoro_ht:20220116223155j:plain

 

すみません。前提として、旅館は決して悪くないんですが…

海上保安庁&ハリウッドの制作会社という大きな組織がバックについた作品である事、

かつ今回が最終回前だというのを考慮すると、

もうただ一言…内容が「しょぼいな」としか思えなくて(苦笑)

特に、にごり湯でもない、歩いて探せば済むような浅い温泉に

ゴーグル姿で潜らせるシーンなんて…"本作らしさ"を残すには苦し過ぎて、失笑もんでしたよw

 

ここに来て、成合やブラックバタフライについて衝撃的な真相が明かされる訳でもなく、

"成合を追う"展開を引っ張り続けているだけなので、

山場らしい山場が何もないんですよね。だから盛り上がりに欠ける。

テロリストの存在であたかも大規模な設定に見せていますが、

むしろこの設定が足枷になっている気がしてなりません。

 

海上保安庁で捜査に特化した架空の組織ってだけでも

オリジナリティがあって、十分に惹かれるのに…

日曜劇場は視聴者を呼び寄せたいのか、どうしても大掛かりにしがち。

普通に、海や湖など、刑事では手がつけられないような深い場所を

"チームで"捜査する姿を描く事に特化させるだけでも、面白かったと思うんですけどねぇ…。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


ミステリと言う勿れ 9話 感想|今回の風呂光の存在意義がよく分からず…

 

f:id:rincoro_ht:20220110223129p:plain

 

佐々木蔵之介さんの、頬を伝う涙ではなく大粒の涙がぽろぽろと零れ落ちる演技に、

人知れず罪悪感や悲哀感を心の奥底に溜めながら過ごしてきたんだ…という

"描かれなかった背景"みたいなものが感じられて、魅了されはしたものの…。

うーん…時間を置いて考えてみたら、(※初視聴も感想も3/13時点のもの)

言い方は悪いですが、蔵之介さんの演技の上手さで

あらゆる物事の違和感をねじ伏せた気がしないでもないんですよね。

 

例えば、橘高(佐々木蔵之介)が起こした事件のきっかけについて。

喜和(水川あさみ)から

「若宮から電話がかかってきたら私の居場所を知らせて欲しい」という旨の電話を

橘高の勤める市役所にかけてきた所にあるんですが…

5年前ならばLINEやメッセージなどいろんな連絡手段がある訳で、

なぜ橘高に、しかも市役所を通して伝言を頼んだのか?

そもそも、なぜ天達(鈴木浩介)ではなく橘高に電話したのか?が疑問に残るんです。

私が補足の台詞を聞き逃していただけかと思い、ここの部分だけ見返してみましたが、

やはり経緯はカットされていた模様。

彼が犯人だと印象づけるためなのか、説明不足感は否めませんでした。

 

そして、パン(渋谷謙人)とデラ(田口浩正)の正体についても、

気配を薄めて 周りよりも異質に描かれていたのは、

事件の関係者ではなく刑事だったからなのか!とは納得出来ましたが。

そうなると今度は、同じ刑事である風呂光(伊藤沙莉)が同行する必要性を

ますます感じにくくなってきます。

刑事なのにどちらか一方でも顔見知りではないの?というのはもちろん…

彼女が彼らと裏でタッグを組むなどして刑事らしい活躍もするのでもなく、

「何も気づけなかった」で"一般人扱い"で終わらせるとなると…

これ、今回の彼女の役割って、原作で元々いたキャラと置き換えられたか、

あるいは原作にはない設定を追加し、

結果的に上手く改変出来なかったんじゃないかと思うんですよね。

 

よくよく考えてみたら、

女性は1人もおらず、しかも半分以上初対面かつ歳の離れた男性と別荘で宿泊する…

年頃の女性なら躊躇してしまいそうな行動を平然と起こしているのも不思議ではあります。

もし仮に、風呂光のポジションが彼女ではなく、

整(菅田将暉)と頭脳戦で張り合える男子大学生にして物語が展開されていたとしたら、

この違和感は払拭され、今エピソードのメインである

「ゲーム」「ミステリー会」ならではの面白味も増したかもしれませんし。

潔く男性ばかりの舞台にする事で、

紅一点である喜和の謎めいた存在感も引き立ったのかもしれません。

 

恋愛要素に関してはですねぇ…あんまり書きたくないんですが、

ジャンプしてバランスを崩して倒れた先が整でドキッ!なんていうシーンをやらないだけ

まだマシだと途中まで思っていたのに…

最後の明らさまな時代錯誤エピソードを加えられるとモヤっとしますね。

個人的には、池本(尾上松也)のキャラも好きで、

初期の頃は整と風呂光で3人組として描かれていたイメージがあるんですが…

回を重ねるごとにただの脇役に回り、

しかも今回は、短絡的な上司へとキャラを変えられてしまって寂しい限りです(泣)

 

脚本家は女性の方なんですけどねぇ。

キャスティングも主人公の魅せ方も、謎解き部分もせっかく面白いのに、

風呂光を"恋するドジっ子ヒロイン"として押し出している作りが

全ての良さを壊している気がしてなりませんなぁ…。

うーん…勿体ない。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

↓前回の雑感はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ