2022年夏ドラマ-純愛ディソナンス一覧

純愛ディソナンス 11話(最終回) 感想|協和音の始まり…ですね。

 

 

お、おう…そうなるのね…な最終回。

前々からバッドエンド説を唱えていた私としては、

あんなにどこもかしこも大団円で綺麗に収まるとは全く想像していませんでしたよ(笑)

まぁ、ある意味「先が読めない」着地点ではありましたけどね…。

 

でも、個人的には、賢治(光石研)が冴(吉川愛)を刺しに行くとか、

階段から突き落とすとか、幸せムードから一変して、

最後の最後で「やはり宿命からそう簡単には逃れられない」というのを物語る

不穏なラストも見てみたかったなぁって気はしてます。

…いや、元々は恋愛モノだから別にそこまで悲劇の方向に行かなくとも、

全部回収する必要はなかったんじゃないですかね。

近年の作品と同じ全11話での放送なのに、

なぜか打ち切りで話数が短縮されて、一気にまとめに入ったように感じてしまうのは、

やっぱり描くべき個々のエピソードを増やし過ぎたのが最大の原因でしょう。

それぞれの物語が絡み合って、化学反応が起こる様は面白く見られたんですが…

登場人物を2〜3人減らす…特にシェアハウス内での三角関係の描写をカットしたら

まだ最終回という名のケースに物がぎゅうぎゅうに詰まるなんて事はなかったのかもしれません。

 

ただ、本作を好意的に見てきた分、今回もポジティブに捉えるとするなら。

人間関係の変化を描く上で、今までの話が「不協和音」ならば、

最終回は「協和音」という表現の仕方も出来るのかなぁ…と。

これはちょっと強引に例えになるかもしれませんが、

正樹がピアノで伴奏する曲は、どの曲も"完成形"になるように

最終的には美しく聞こえる「協和音」に調整されていくのが一般的ですよね。

(不協和音で魅せる音楽もあるにはありますが…とりあえずそれは置いといて。)

本作もそれにちなんで、ドラマまるまる1本を"音楽"だと考えれば、

ハッピーエンドで終わるのも不思議ではないのかも…?と思えている自分もいます。

 

まっ…「親子の物語」である本作に因んで、

息子にらっきょうをよそう賢治の"どこにでもいる家庭的なお父さん"っぽさが見られたのと、

冴の屈託のない笑顔が見られたお陰で、

4割がた「これで良いか〜」って気持ちにはなったんですけどね(笑)

父と楽しく過ごせるのがCM(=妄想の世界)だけだった北都(和田正人)が

ようやく報われ始めた最終回…とも言いましょうw

碓氷家のその後があんなアットホームな感じで見られるとは、何だか意外でした。

 

静(富田靖子)が急に物分かりが良くなったのは、自分に素直についてきてくれる娘は

やっぱり「おもしれー娘」じゃないと気づいたからなのか…とか、

治療費は結局どうなったのかとか、そもそも最初から2人で遠くに引っ越していれば

あんなに面倒な事に巻き込まれなかったんじゃないか…とか、

あとは…海のシーンでのちょっと太って見える衣装問題とか。

↑羽織物が薄紫で、下がベージュのダボっとしたパンツの組み合わせが悪かったのか…??

いろいろツッコミどころはあったものの、

それでも、最終回まで惹きつけるだけの引力を感じさせる作りだった事には間違いありません。

 

ライティングへの強いこだわりはもちろん、

流れただけで哀愁感漂う世界観を作り出してくれる劇伴も、

個人的には少年のイメージがあるHey! Say! JUMPが歌っているとは思えないほど

雰囲気に馴染んでいた主題歌も好きでした。

 

美しい一面よりも醜い一面を見せる事が多かった人間模様の中で、

もがき足掻いていく人々の姿を見守る面白さのある作品だったと思います。

 

 

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純愛ディソナンス 10話 感想|タイトルの真意がやっと分かった気がする…

 

 

いやはや、衝撃のラストでしたなぁ…。

でもまぁ…確かに、第一部で取り上げられていた殺人事件については

あっさり終わった印象は強かったんですよね。

完結した…のかな?加賀美(眞島秀和)が逮捕されたんだからそうなのかもな。

完全に5年後の世界に飛んだから、そういう事にしておこう…って感じで

当時は解釈しておりましたが、全然終わってはいなかった(笑)

 

冴(吉川愛)と正樹(中島裕翔)を主軸において、愛の深さや尊さを描いてきたかと思いきや、

2人の恋愛は不協和音の1音目に過ぎなかった…という転調っぷりにまんまと騙されました。

これだから連続ドラマは楽しい。

連続ドラマの特徴である「どこに着地するか最後まで見てみないと分からない」を

まさに具現化している作品です。

 

そして、今回は3組の親子にまつわるエピソードも描かれました。

「冴ちゃんに看取られたい」と書かれたエンディングノートをきっかけに、

賢治(光石研)の手切れ金を受け取り、あんなに憎んでいた静(富田靖子)への

手術費に充てる事にした冴(吉川愛)。

実は父・秀雄(神保悟志)が自分を今も気にかけてくれていたと知る正樹(中島裕翔)。

あとは…加賀美が家族の幸せのために自ら去る選択をとった一方で、

母を精神的に殺した父を恨み続ける晴翔(藤原大祐)。

(↑今頃思い出しましたけど、「おじカワ」で親戚だったお2人じゃないですか…(泣))

 

冴と正樹の2人の物語と捉えていた自分としては、

やっぱり、純愛っぽさは全面的に出ていないのでは?と感じていた部分もあったんですが、

今回の内容を見て、なぜ「純愛ディソナンス」というタイトルにしたのかが

何となく掴めた気がしています。

 

今回で共通して描かれたのは、親から子供に対する"一方的な想い"…なんですよね。

で、「純愛」の意味を調べてみると、「ひたむきな愛」

「その人のためなら自分の命を犠牲にしても構わないというような愛」といった意味が出てくる。

でも、本作の登場人物の中でも、繊細な性格の冴と正樹は

家族での付き合いが昔から上手くいっていなかった影響で、

親の子供に対する想いには気づこうとせず、自ら心をぴしゃりと閉ざしていた。

要は、「純愛」は親から子への視点の事を指していて、

「ディソナンス(=不協和音)」は想いが通じ合わない親子関係の事を指すのではないかと…。

本作がそんな親子の物語だと気づいた時、

絵は見えていても、数箇所欠けていたパズルのピースがかっちりハマったかのような

妙な爽快感を覚えました。

 

晴翔の件については、Hermitの正体も、本当の顔もヤバいんじゃないかとは

前々から察していましたが、想像以上の恐ろしい本性を見せてくれましたね。

一番ぽわっとしていた人が、まさか一番怖い人だったなんて思いもしないでしょう(笑)

元々の甘いマスクが消え去るほどの、口角をゆっくり動かしてのにた〜っとした表情には

特にゾッとさせられました…。

 

一方で、愛菜美(比嘉愛未)だけが唯一、

初回の頃のジメジメしたダークな感じが戻ってきている雰囲気とは

真逆の方向に行っているのも、別ベクトルで想像出来なかった未来ではあります。

「過去の自分を捨てて生まれ変わる」を体現しつつある点では、

もしかしたら彼女が最終回でのキーパーソンになってくるのかもしれません。

 

最後に、もう1つ良かった所を書くとするなら、

慎太郎(髙橋優斗)が、Hermitが晴飛だと思われる写真を挟んでいた本のタイトルが

罪と罰』になっていたのも、芸が細かいなぁと思わされました。

次回予告を見る限り、冴は一旦助かったようですが。

ハッピーエンドになるのか、ならないのか…本当に気になりますね。

 

 

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純愛ディソナンス 9話 感想|もう1人お忘れではありませんか?感漂うラスト

 

 

「あんたじゃなきゃダメなんだよ」「冴の暗黒時代、一番救ってくれたのは新田だろ?」

急に当て馬らしい事を言うようになった路加(佐藤隆太)と慎太郎(高橋優斗)の2人…

なんか、切ないです…(泣)

 

路加が何気に、嫉妬や憎悪にまみれた世界の中では一番善人になったし、

慎太郎もちゃんとピアノ教室と正樹(中島裕翔)へ反省の意を示してくれたし、

静(富田靖子)も冴(吉川愛)にお金を渡してくれたし。

↑「お金を返して欲しい」の間違いでは?2人とも70万の事忘れてる??とは思うけどw

冴と正樹の2人の幸せを奪い続けてきた者たちの毒素が抜けきっていく流れで、

このまま愛菜美(比嘉愛未)も関係を断ち切るのかと思いきや…

まさかの、離婚届をまだ提出していなかった事が発覚。

それも、集中して見ている視聴者だけに静かに明かしてくるもんだから、

過去の綻びを1つ治したつもりでも、いつまでもつきまとうものなのだ…というのを

具現的に表しているようで恐ろしかったです。

 

もう1人お忘れではありませんか?感を漂わせながら

登場してきた彼については、なんとな〜く予想はついてました。

だって…恐らくその息子であろう晴翔(藤原大祐)の件も片付いていなければ、

プチ同窓会で小坂先生(筧美和子)との話題を出してからの

「これが俺たちの卒業式だな」という、

前触れだと分かりやすい"吹っかけ"もありましたので…(笑)

そんな感じで、ああ、また二転三転するんだろうなぁというのが

読めてはいるんだけれども、それでもワクワクしちゃうんですよねぇ。

なんてったって、あのお方ですから。

さらっと退場するような役者さんじゃないって期待出来るから、

今までの登場人物も含めて、やっぱり中々上手いキャスティングだと思うんですよ。

 

実は、愛菜美が正樹に抱きつくくだりは…

抱きついた時の音が無音で、スローモーションで映してきた辺り、

もしかして刺しに行ったんじゃないか…?と思っていましたが、そこは違いましたね。

でも、どちらにせよ、冴か正樹が刺されて

バッドエンドになる運命からは逃れられないのかも…?

まだまだ問題は山積みですし、果たして残り2話でどう収めるつもりなのか、気になります。

 

 

はぁ〜それにしても…今日のドラマはどちらもラストが盛り上がりましたなぁ。

あっちの場合は、黒の衣装と眩しいくらいの光の対比のお陰で、

彼女が再び表舞台に現れた時の周囲の喜びや安堵感を

より際立たせていたように感じられたし、

何より、激しいギター音から始まる主題歌と相性バッチリでした。

違うドラマの感想も合わせて書いてしまってすみませんが(苦笑)

これだけはどうしても書き残しておきたかったので、つい…。

 

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純愛ディソナンス 8話 感想|ピアノ教室の先生が何気に一番可哀想…

 

 

はぁ………火曜に続いて、中々しんどいドラマですわ…。←褒めてる

ドラマを見ながら、人の優しさに触れて泣くとか、

成長っぷりを肌で感じて泣くとかはよくあったんですが、

息もつかせないほど、あまりにもドロドロした雰囲気に呑まれて

涙が出てきてしまうっていうのは本当に初めてで(笑)

正直でいる事で少しずつ凛とした表情を見せる冴(吉川愛)と正樹(中島裕翔)とは引き換えに、

2人に翻弄されてどんどん脆く危うくなっていく人たちの様子を堪能しまくった1時間でした。

 

愛菜美(比嘉愛未)は小説も書けなくなるほど精神的に追い込まれ、

慎太郎(高橋優斗)は自分では到底振り向かせられそうにない…といった

絶望を味わう姿が描かれていく中で、

「明日一緒にお昼どう?」「12時に〇〇で」っていう何て事ないやり取りをする

冴と正樹のシーンなんかは、本来だったら唯一の"救い"になるはずなんですけど。

周りの闇が深過ぎるせいか、その"救い"も夢物語のように

すぐさま散ってしまいそうに感じるんだから恐ろしい。

幸せを手に入れたように見えて、幸せな方向に向かって行きそうな気が微塵もしない。

これは連続ドラマとしての積み重ねがないと成せない技です…。

 

周りの闇と言えば…初回から"みんな訳あり"な雰囲気を醸し出していた事を考えれば

妥当ではあるし、前回でも莉子(畑芽育)がドロドロ恋愛模様に参戦する

気配を漂わせてもいたんですけど、

一番平和なポジションにいた晴翔(藤原大祐)も闇を抱えていたというのは何だか意外でしたね。

シェアハウスの同居人まで絡んでくるとなると、もうカオスの極みです(笑)

晴翔も只者ではなさそうと思えるのは、

彼の父親が加賀美(眞島秀和)だからなんじゃないかと想定出来るからであって…。

彼が関わっていない時点でも、相関図には矢印がびっしり書き込まれているであろうに、

これ以上相関図を拡大して行ったら、本当に風呂敷を畳めなくなるんじゃないかという

不安もちょっぴりありますし。

でも同時に、身を任せてこの混沌とした感じを楽しみたい…という気持ちもあるんですよねぇ。

 

愛され方も愛し方も分からない人になってしまった愛菜美に関しては…

比嘉愛未さんの自由自在な演技にはいつも圧倒されてしまうんですけど、

特に割れた鏡に顔を映すシーンなんかは、一瞬、

表情を何一つ浮かべず影のオーラをまとっていた"あの頃"の顔と錯覚して

ゾッとさせられるようでした。

"愛菜美"ではなく"碓氷先生"に見えてしまった事が、彼女の孤独を物語っています。

もうここまで苦しい展開続きとなると、

既に死にそうになっている静(富田靖子)がいるにしても、

愛菜美の自殺をきっかけに、2人に復讐の矢が降り注ぐ…という流れになっても

おかしくないのかもしれません。

 

まぁ………どの登場人物も見ていて辛かったものの、

最も可哀想なのは、夢見ていた開業が赤の他人の痴話喧嘩で台無しにされた

ピアノ教室の先生なんですけどね(泣)

なんで教師を辞めた理由を根掘り葉掘り聞かなかったのか…。

 

 

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純愛ディソナンス 7話 感想|5年経ってやっと叶った2人のキス

 

 

本作のTwitterアカウントでは、視聴者の質問にスタッフの方々が答える企画をやっていて、

私もたまに見たりするんですけど。

たった1シーンにかけるテイク数の多さとか、登場人物の細かい裏設定とか、

前髪のかかり方が良い感じに来るようにカットを微調整したりだとか、

どこの箇所もこだわって作られているのが1つ1つの呟きから伝わってきて、

その積み重ねで本作が出来上がっているのだと思わされるんですよねぇ。

以前の感想でも演出の緻密さについては度々言及していますが、

今回も目を見張るものがありました。

何と言っても…3つの対比の表現方法が素晴らしかったです。

 

まずは、正樹(中島裕翔)と冴(吉川愛)、慎太郎(高橋優斗)と冴の対比。

この2組なら何と言っても、キスシーンのイメージが先に来るかもしれないんですけど、

個人的に良い意味で落差を激しく感じさせたのは、ラストの見せ方。

"恋人と時間を共に過ごす幸せ"をロマンチックに魅せるには定番の場所になりつつある

誰もいない夕方の海で、画面の右上の方に柔らかな夕陽の光に包まれながら

冴と正樹がキスするシーンは、まるで"夢"のような時間で

うっとりさせられたかと思いきや…

次のカットでは、面倒臭くて避けがちな掃除であろうシンク洗いを

慎太郎がひたすらし続けるという"現実"を見せられる。

何かワンクッション置くのではなく、

ゴシゴシ懸命に洗っている慎太郎のカットから彼のターンに切り替わる所が、

冴には今後も振り向いてもらえそうにない、自分は初恋の相手には到底及ばないという

彼の無力さを感じさせて、妙に切ない気持ちにさせられました…。

 

次に、5年経ってからの正樹と、

退職を告げ、愛菜美(比嘉愛未)に離婚を切り出してからの正樹の対比。

高校時代の話では、どのシーンでも冴がほとんど制服を着ている事で

「生徒と教師の恋愛」の物語であるとさり気なく伝えていったように、

衣装にも本当に気を配られているな…と思います。

5年後になってからは、基本的に黒を主体とした服装だったのに、

上記の事に加え、嘘をつくのはやめようと決心してからは、

"あの時の新田先生"を象徴する、ストライプ状の爽やかな服に袖を通した正樹が現れる。

さっき「夢のような時間」と書いたのも、そこも関係しているのかもしれませんね。

衣装で今までの変化や状況を印象づけさせたお陰で、今回でまた"一区切り"と言いますか…

生まれ変わろうとしている正樹と冴による大恋愛で

最終回まで大きく盛り上げてくれそうだという期待が膨らみました。

 

そして、最も唸らされたのは、前回のラストと今回のラストの対比。

前回で正樹の姿がガラスに映るカットがあって、

左側に実際の正樹、右側にガラスに映った正樹

という構図になるように撮られていたんですよね。

で…その次には、正樹には見えていないはずの

冴と慎太郎が手を繋いで歩く幸せな様子が右側に重ねられ、

それを左側にいる正樹が悲しそうに見送っている…と想像させるシーンも描かれた。

前回のテーマは「人生は、何を選択するかで全てが変わる」だったから、

この2点からして、右側での世界は、どう考えてももう叶いそうにない

正樹視点から見た"もしもの世界"で、

左側の世界はストレートに、正樹の生きる"現実世界"と捉えても無理はないと思うんです。

(○側を何回言うんだよって話ですし、回りくどい説明になっているかもしれませんが…(汗))

けれども、今回のラストは、画面の左側で、冴と正樹が両想いになっているシーンで終わった。

これ…あえて左側に寄せて撮っているのが良くて、

前回では冴が遠くに行ってしまったと痛感した正樹が、

一転して以前の関係を取り戻せた所にドラマチックさを感じさせて

グッと来てしまったんですよねぇ。

 

バッドエンドからのハッピーになりそうなエンドで、

印象をガラッと変えて視聴者を翻弄させる作りは、

"連続ドラマ"ならではの醍醐味があって良いですね。

でも、7話の時点で両想いだと、この先暗雲が立ち込めそう…。

 

静(富田靖子)に関しては、恐らく死期が近づいているんでしょうし、

あの男の人もきっと医者でしょう。

登場人物それぞれの背景が複雑に絡み出してきて、解像度が上がってきて、

最終的にはどんな形になるのか…まだまだ楽しみです。

 

 

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純愛ディソナンス 6話 感想|毒牙を剥き出しにした愛菜美が今回のMVP!

 

 

いやぁ…凄いですね。

「感情の底も見えてこないから、誰が一番怖いのかが計り知れない」とは書いたけれども、

まさか今回になって急に、その肝心の本心が見えにくい2人だった

路加(佐藤隆太)と愛菜美(比嘉愛未)が本領発揮してくるとは思いもしませんでしたよ。

あ…正しく言えば、愛菜美の毒牙の向け方が強烈過ぎて、

路加の裏切りが霞むくらいだったかな(笑)

冒頭のシーンにあった正樹(中島裕翔)が紙で手を切った時の傷が

"前触れ"として良い味わいを生み出していて、

あんな些細な傷でも痛みが気になって、日常生活にも影響を与えてしまうように、

彼女が彼を束縛してどんどん離れられないようにしていくんだろうな…と思うと

ゾゾッとしてしまいました。

 

感情をじっとり…ねっとり…と見せていけばいくほど

"迂闊に近づけない女"感を滲ませていく比嘉愛未さんと、

剥き出しの感情で怒ったり泣いたりと、喜怒哀楽をはっきり示している

吉川愛さんの演技の対比も興味深く視聴。

興味深いと言えば…正樹視点で展開される、ラストの演出の畳がけも凄かったですね。

今回のテーマである「人生は、何を選択するかで全てが変わる」になぞって、

ガラスに正樹を映して分身に見せる事で、

「ここまで来てしまった自分」と「やり直せていたかもしれない自分」を表現。

そして切ないのは、"後悔""絶望"の表現の仕方が

冴や愛菜美との思い出を回想で振り返って終わり…じゃなくて、

冴との関係を断ち切ったのは自分である事、

愛菜美との結婚が足枷になって、冴の気持ちに気づこうともしなかった無力さを

強調するために、実際には知らない冴と慎太郎(高橋優斗)が手を繋いでいる様子を

フェードアウトするように、2つのシーンを重ね合わせた所…。

あえて涙を流す表情を映さないカットも、彼は今何を考えていて、

どんな感情が襲ってきているんだろう…と、想像を膨らませるものになっていました。

 

今回の演出家は初担当の菊川誠さんでしたが、

正樹の立場を思うと、中々容赦ない作りでしたね。

あまりの切なさに、一瞬、死を選んでしまうのではないか?と過ってしまうほどでした。

次回以降、彼がどう動くのかが気になります。

 

一方で、個人的に本筋からちょっとズレている気がするのは、

静(富田靖子)のお金絡みの描写について。

今の所、冴と正樹の恋愛を描くのに特に関係なさそうで、

ただ周り(と出番を心待ちにしている視聴者の心)を引っ掻き回して

楽しませるだけの要素に思えるんですが、本筋と繋がる時が来るんでしょうかね?

でも、静のスマホに謎の人物から冴の写真が送られてきている事が判明したので、

そことお金のくだりが結びつく展開があれば…と、期待はしております。

 

 

最後に…5年間を描くスピンオフをTVerで配信する件に関してですが、

個人的には、テレビドラマはテレビドラマ内で完結して欲しいなぁというのが

正直な気持ちですね。

私は頻繁にTVerを利用しない方なので、噂が出てくるまで知りませんでした。

知らずに完走してしまう視聴者も多いかもしれません。

某月額配信サービスのように、本家では大きく活躍しない脇役を主演にして

本家の内容からはみ出したサイドストーリーを配信する分には悪くないでしょうけど、

"1つの話"を見たかどうかで、

視聴者のドラマの見方や、登場人物に対しての印象が左右されるような内容は、

テレビドラマ内にちゃんと含めるべきだと思います。

 

…丸々そこで掘り下げられるとなると、きっと、

冴が実家を出て行ってシェアハウスするまでの流れとか、

路加が崖っぷちから社長に上り詰めた経緯とか、

見ながら「いつの間に!?」と思っていたものが詳しく描かれるんでしょうね。

ざっと時間を確認したら約15分間だったので、

それならある程度は盛り込めただろうに…とツッコミたくもなるんですが(笑)

まぁ、無料で見せてもらえるだけ良心的だと捉えて、後日チェックしてみます。

う〜んでもね…これは本当に自分勝手なんですが、TVerに見に行くのに"手間"を感じて

ちと面倒臭いなぁって気持ちも出てきちゃうんですよねぇw

 

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純愛ディソナンス 5話 感想|吹っかける路加と迫り来る母親

 

 

冴(吉川愛)と正樹(中島裕翔)のシーンだけは"純愛"を保っていたけれども、

今回は全体的に言えば、劇中でも「毒牙が迫り来る」というモノローグがあったように、

各々の登場人物が冴と正樹の関係性を侵食し始める…といった感じでしたね。

つまり、大きな進展はなし。

後半戦に入るタイミングで、最終回に向けての種蒔き回とも言いましょうか。

でも、唯一儚さを感じさせる2人が、アクの強い面々に翻弄されていく構図はやっぱり面白く、

今回もヒヤヒヤさせられながら、あっという間に見終える事が出来ました。

 

愛菜美(比嘉愛未)が慎太郎(高橋優斗)に接近したり、

アシスタントという形で冴を利用して、最終的に罠にかけようとする意図はまだ分かるんです。

ただ…一番意味不明 ←褒めてる なのは、路加(佐藤隆太)と愛菜美の2人の関わり。

両者ともなぜ関係を持とうとする事を全く拒まないのか?なんですよねぇ(特に路加)。

で…彼の場合、冴と正樹の関係を壊すのを楽しんでいるようにも見えます。

彼女が異性として気になっているとか、嫉妬しているとかそういう訳ではないし、

その行為の動機も、かつて自分を惨めな目に遭わせた

賢治(光石研)への復讐から来てはいるんでしょうけど、

なぜそんなに遠回りを…?それとも彼にも何か深い因縁があるとか…?なんて、

いろんな謎が出てきます。

おまけに、今回再登場した静(富田靖子)はまだちょい出し状態で、

大きなバッグ抱えていた辺り、大金を横領して逃げたようにも思えますし…

まだまだ分からない事だらけです。

 

本作の登場人物って、1つ1つの言動で何を企んでいるのか、何を考えているのか

良い意味で掴めないのもそうなんですが、

感情の底も見えてこないから、誰が一番怖いのかが計り知れなくて、

そこが「もっと見たい」という視聴意欲に繋がってくるんですよね。

静はかつて感情を大爆発していたけれども、

彼女とは別ベクトルで"本性"を見せてくる人が出てくるのかもしれないし、

そのギャップの強さに慄いてしまう事だってあるのかもしれない。

みんなどことなく影のヴェールに包まれているような気がして、

いつ"本性"をさらけ出すのか…と「怖いもの見たさ」でワクワクしている自分がいます。

 

二面性と言えば、5年後に突入してからずっと言及できずにいたんですが、

愛菜美との前では自然体でいるようで無意識に取り繕っているのに対して、

冴との前ではナチュラルな声色や表情が隠しきれずにこぼれ落ちてしまう

正樹の"人間らしさ"が、冴との恋愛への感情移入度をグッと高めていて良いですよね。

冴は冴で透明感をまとっているから、つい引き込まれちゃう。

次回からまたガンガン攻めた話になってくるでしょうかね?期待しています。

 

最後に余談ですが…

静が冴に引き剥がされてまず机にしがみつく辺り、

妖怪っぽさが出ていて最高でした(笑)←あくまでもご本人ではなく役に対して

晴翔(藤原大祐)に家を案内された時のぱちくり目も、

少女漫画ちっくな動作なのが余計にゾゾっとさせられましたわ〜w

富田靖子さん…恐るべし。

 

 

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純愛ディソナンス 4話 感想|誰が一番ゲスいか選手権

 

 

人情に溢れた善人役もカラッとした悪人役も、基本何でもこなせる光石研さんですけど、

私はあそこまで腹黒くて、思わず声を出して怯えてしまうほどダークな光石さんを

今までで見た事ない気がしますよ…(笑)

終盤の「は」だか「ふ」だか分からない発音で、2音目のトーンが僅かに上がる笑い方が

本当に人に対して心を持っていない感じが伝わってきて恐ろしい。

前時間の某ドラマの龍河くん…ますます可哀想可愛く見えてくるんだろうなぁw

 

さて、内容の方は、一休みさせる気なんてないと言っても良いくらいには

もの凄い展開になってきていますね。

現時点で第一部のみ出演の冴の母・静(富田靖子)を筆頭に、

愛菜美(比嘉愛未)や賢治(光石研)で繰り広げる「誰が一番ゲスいか選手権」に

路加(佐藤隆太)も参戦…といった所でしょうか。

相関図のあちらこちらで、複雑に絡み合っています。

複雑に絡み合い過ぎて、先が全く読めなくなってきております(笑)

 

ただ、第一部でもそうでしたが、大風呂敷を広げるだけ広げて

主人公の存在感や話が霞んでしまう…なんて事がないんですよね。

それぞれに事情は付き物だけど、恐らく、全てのエピソードに共通しているのは"因縁"。

何と言うか…"因縁"から生まれる物語である事を、ブレずに描き続けている印象があります。

嫉妬だったり、憎悪だったり、束縛心だったり、欲望だったり…

そういった感情が高ぶるまでの過程を各方面で描写する形で、丁寧に肉付けしていって、

最終的に冴(吉川愛)と正樹(中島裕翔)の"禁断の関係性"を強調する。

この盛り上げ方が中々上手いですし、構成もよく捻られていると思いますし、

何度も言うようですが…これを複数体制の脚本でやっているっていうのが驚きなんです。

 

愛菜美のおもちゃにされている冴と、

賢治のおもちゃにされている正樹の構図も興味深く視聴。

大人になって家族から離れれば、自由を得られると思いきや、

今度は別の誰かによって翻弄されていく2人…というのが

ずっと描きたかった話なんだろうなぁ…と、想像しながら見ております。

クールに見せているつもりでも、弱っている所に目の前に差し出された優しさに

つい寄りかかってしまう辺り、正樹も"しがらみ"から逃れる事はないのかもしれません。

 

次回予告はまた…何だかボリューミーな香りが漂っていますねぇ。

「誰が一番ゲスいか選手権」をしばらく棄権していた静がやっと復活!?

という事で、今からワクワクそわそわしております(笑)

 

今期のコミカル系ドラマの何作品かに、哲学的な要素がほんのり込められている分、

ひたすら"されるがまま"を楽しむサスペンスはかなり貴重ですね。

 

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純愛ディソナンス 4話 感想|誰が一番ゲスいか選手権

 

 

人情に溢れた善人役もカラッとした悪人役も、基本何でもこなせる光石研さんですけど、

私はあそこまで腹黒くて、思わず声を出して怯えてしまうほどダークな光石さんを

今までで見た事ない気がしますよ…(笑)

終盤の「は」だか「ふ」だか分からない発音で、2音目のトーンが僅かに上がる笑い方が

本当に人に対して心を持っていない感じが伝わってきて恐ろしい。

前時間の某ドラマの龍河くん…ますます可哀想可愛く見えてくるんだろうなぁw

 

さて、内容の方は、一休みさせる気なんてないと言っても良いくらいには

もの凄い展開になってきていますね。

現時点で第一部のみ出演の冴の母・静(富田靖子)を筆頭に、

愛菜美(比嘉愛未)や賢治(光石研)で繰り広げる「誰が一番ゲスいか選手権」に

路加(佐藤隆太)も参戦…といった所でしょうか。

相関図のあちらこちらで、複雑に絡み合っています。

複雑に絡み合い過ぎて、先が全く読めなくなってきております(笑)

 

ただ、第一部でもそうでしたが、大風呂敷を広げるだけ広げて

主人公の存在感や話が霞んでしまう…なんて事がないんですよね。

それぞれに事情は付き物だけど、恐らく、全てのエピソードに共通しているのは"因縁"。

何と言うか…"因縁"から生まれる物語である事を、ブレずに描き続けている印象があります。

嫉妬だったり、憎悪だったり、束縛心だったり、欲望だったり…

そういった感情が高ぶるまでの過程を各方面で描写する形で、丁寧に肉付けしていって、

最終的に冴(吉川愛)と正樹(中島裕翔)の"禁断の関係性"を強調する。

この盛り上げ方が中々上手いですし、構成もよく捻られていると思いますし、

何度も言うようですが…これを複数体制の脚本でやっているっていうのが驚きなんです。

 

愛菜美のおもちゃにされている冴と、

賢治のおもちゃにされている正樹の構図も興味深く視聴。

大人になって家族から離れれば、自由を得られると思いきや、

今度は別の誰かによって翻弄されていく2人…というのが

ずっと描きたかった話なんだろうなぁ…と、想像しながら見ております。

クールに見せているつもりでも、弱っている所に目の前に差し出された優しさに

つい寄りかかってしまう辺り、正樹も"しがらみ"から逃れる事はないのかもしれません。

 

次回予告はまた…何だかボリューミーな香りが漂っていますねぇ。

「誰が一番ゲスいか選手権」をしばらく棄権していた静がやっと復活!?

という事で、今からワクワクそわそわしております(笑)

 

今期のコミカル系ドラマの何作品かに、哲学的な要素がほんのり込められている分、

ひたすら"されるがまま"を楽しむサスペンスはかなり貴重ですね。

 

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純愛ディソナンス 4話 感想|誰が一番ゲスいか選手権

 

 

人情に溢れた善人役もカラッとした悪人役も、基本何でもこなせる光石研さんですけど、

私はあそこまで腹黒くて、思わず声を出して怯えてしまうほどダークな光石さんを

今までで見た事ない気がしますよ…(笑)

終盤の「は」だか「ふ」だか分からない発音で、2音目のトーンが僅かに上がる笑い方が

本当に人に対して心を持っていない感じが伝わってきて恐ろしい。

前時間の某ドラマの龍河くん…ますます可哀想可愛く見えてくるんだろうなぁw

 

さて、内容の方は、一休みさせる気なんてないと言っても良いくらいには

もの凄い展開になってきていますね。

現時点で第一部のみ出演の冴の母・静(富田靖子)を筆頭に、

愛菜美(比嘉愛未)や賢治(光石研)で繰り広げる「誰が一番ゲスいか選手権」に

路加(佐藤隆太)も参戦…といった所でしょうか。

相関図のあちらこちらで、複雑に絡み合っています。

複雑に絡み合い過ぎて、先が全く読めなくなってきております(笑)

 

ただ、第一部でもそうでしたが、大風呂敷を広げるだけ広げて

主人公の存在感や話が霞んでしまう…なんて事がないんですよね。

それぞれに事情は付き物だけど、恐らく、全てのエピソードに共通しているのは"因縁"。

何と言うか…"因縁"から生まれる物語である事を、ブレずに描き続けている印象があります。

嫉妬だったり、憎悪だったり、束縛心だったり、欲望だったり…

そういった感情が高ぶるまでの過程を各方面で描写する形で、丁寧に肉付けしていって、

最終的に冴(吉川愛)と正樹(中島裕翔)の"禁断の関係性"を強調する。

この盛り上げ方が中々上手いですし、構成もよく捻られていると思いますし、

何度も言うようですが…これを複数体制の脚本でやっているっていうのが驚きなんです。

 

愛菜美のおもちゃにされている冴と、

賢治のおもちゃにされている正樹の構図も興味深く視聴。

大人になって家族から離れれば、自由を得られると思いきや、

今度は別の誰かによって翻弄されていく2人…というのが

ずっと描きたかった話なんだろうなぁ…と、想像しながら見ております。

クールに見せているつもりでも、弱っている所に目の前に差し出された優しさに

つい寄りかかってしまう辺り、正樹も"しがらみ"から逃れる事はないのかもしれません。

 

次回予告はまた…何だかボリューミーな香りが漂っていますねぇ。

「誰が一番ゲスいか選手権」をしばらく棄権していた静がやっと復活!?

という事で、今からワクワクそわそわしております(笑)

 

今期のコミカル系ドラマの何作品かに、哲学的な要素がほんのり込められている分、

ひたすら"されるがまま"を楽しむサスペンスはかなり貴重ですね。

 

 

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