2022年秋ドラマ-拾われた男一覧

拾われた男 10話(最終回) 感想|待って、お兄ちゃん!

 

 

武志(草彅剛)の言う「ごめん。ごめん。」の言葉に、うっかり涙が…。

15年ぶりに再会した両親を前にしたからなのか、

少年っぽいあどけなさが凄い滲み出ていたんですもん。

やっぱり、両親がそばにいると、その温もりが心地良く感じられて

いつの間にか子供に戻ってしまうものなんですね…。

武志が帰国して、あの桜の木の下で家族で太巻きを食べて…

そんな昔からの風習を通して、子供の頃から抱えていた「やっぱり苦手やわ。あの空気」を

再び思い出す諭(仲野太賀)の気持ちの変化も印象的でした。

 

そして、もう1つ印象に残ったのは、武庫川駅を使ってのラストシーン。

"昔みたいな"事をまた経験したからこそ、あのラストに繋がったのかもしれませんね。

駅の構造だけでなく、ホームもフルに活かしていて、見応えのあるシーンになっていました。

どうしても武庫川駅周辺が舞台でなければならない理由があるのかなぁ…と思いながら

今まで見続けてきましたが、最後を見て、なるほど…と。

 

駅に入ると奥の方に、線路に沿った細くて長い歩道が続く入り口があるんですが、

そこが何だか、秘密基地に行くための抜け道みたいで

子供心がくすぐられてしまったんですよね。(だから追いかけるのも頷けるというか。)

で…歩道自体は、出発点(武庫川駅)が"現在"なら、

到達点(向こうの土手)は"未来"にも思えるし。

その中間に位置するホームに武志がいるとなると、

未来へと進む諭を陰ながら見守ってくれているようにも思えたのです。

 

「お兄ちゃん」には二度と追いつけないけれども、

「兄貴」なら、故郷に帰ってきた時に、ホームでまた会えるのかもしれない。

待っていてくれるのかもしれない。

ホームには確かに「兄貴がいた」…アメリカ出発前に彼が野本(片山友希)と交わした

自分の話と共に、思い出として刻まれて行くのでしょう。

そして、いつものナレーション「…というのは、また別の話で」で締める。

結(伊藤沙莉)や福子(永尾柚乃)や長男、両親や武志の存在に支えられながら

これからも松戸諭の人生は続く…そう思わせるには、中々洒落た締め方だった気がします。

 

自販機の下に落ちている飛行機のチケットを拾った所から物語が始まった本作。

当初はドラマチックに、松戸諭の「ツイている」人生を描くのかと思いきや…

最後まで見てみれば、人生は"奇跡"と"後悔"の繰り返しなのだという事を

じっくり描く作品になっていました。

でも何と言うか…主人公が役者の設定なので、壮絶には見えるけれども、

どこか良い意味でありふれてもいるような?

もちろん、チケットの持ち主が事務所の社長で、おまけにスカウトしてもらえた!

っていう経験は中々出来ないだろうけど、

長年過ごしてきた街で、夢を諦めてしまった者から恋が実らなかった者、

自分にとっての後の支え人になってくれる者まで、いろんな人との出会いと別れを経験したり。

なんであの時あんな事言ってしまったんだろう…っていう後悔を後々になって抱えたり。

武志も同じく、"あの時の"諭や両親に謝れなかった事がずっと心残りで。

立派な人に見えて、みんなたくさんの悲しみや悔しさを引きずって、

時に思いがけない出来事に救われながら、何とか今を生きているんだろうな…

という片鱗が度々見えたからこそ、

自分自身の人生と重なって、刺さる部分があったのではないかと思います。

 

地上波で見られて、本当に良かったです。

そして、脚本家・足立紳さんが来年下半期に執筆される朝ドラ「ブギウギ」にも

期待が膨らみますね。

朝ドラには魔物が潜んでいる(個人的印象)ので、どんな脚本家さんでも

ハズレの週なし!は難しくはあるんですけど…

それでも、素敵な作品を作って下さると願いたいです。

 

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拾われた男 9話 感想|家族の想いを「六甲おろし」に乗せて

 

 

なるほど…晴子(末成映薫)が再会を心待ちにするほど

武志(草彅剛)がおばあちゃん子だったのにも、ちゃんと理由があったんですね。

おばあちゃん世代だと同性愛を理解するのが難しい人が多そうな分、

晴子が視野の広い人だったのは珍しいです。

「自分が生きやすい人と生きやすい場所で生きてったらええ」

その言葉が当時小さかった武志を突き動かし、

アメリカで生活すると決めたきっかけになったのかもしれない。

そして、ビザが切れて不法滞在扱いになってしまった事は不本意ながらも、

きっと本人はそこに居心地の良さを感じていたのだろうなぁと…

そんな風に思わせるエピソードでした。

 

小さい頃の思い出は、松戸家にも根付いていて。

150キロの球を投げると言い出したインチキ父さんの話も、

タイガースの制服を着て、風船を飛ばしながら試合を見ていた

あの頃も記憶に残り続けていました。

時間が経てば経つほど、もうダメだ…と最初は思い込んでいたものが、

それでも「やり直してみたい」とアクションを試みた結果、

家族再生という名の"奇跡"が起こり始める…という展開を

壊れていたラジカセと絡める形で描いていったのも、中々洒落た見せ方でしたね。

何度やっても閉まらないカセットテープが、父親になりきれていなかった事から長年目をそらし続け、

意地を張り続けていた平造(風間杜夫)自身と重なっても見えました。

 

諭(仲野太賀)がマスクを被る野球選手を演じ、

武志はそんな彼に自分の想いを託すかのように窓から必死に見届け、

兄弟の意思が合致している裏では、夫婦が2人で「六甲おろし」を自然と歌い始める。

自分を見つめ直さなければ、家族と向き合おうとしなければ起きなかったであろう

数々の奇跡が線となって一気に繋がっていく流れには、思わず胸を打たれてしまいました…。

 

100マイルのくだりが意図的に引っ張られたのにはもどかしさがありましたが、

野球選手じゃない限りさすがに飛ばせないと思うので。

諭の直向きさを見てショーンが何かを感じ取る…という着地点になるんでしょう。

そして、ショーンも今回の事が、大人になって楽しく振り返れる"思い出話"に変わる。

 

最終回、果たしてどんな結末を迎えるのか気になりますね。

(9話時点での)諭の最新出演作「シン・ゴジラ」は調べてみたら2016年の作品との事で、

初回で有村架純さんが登場した「ひよっこ」は2017年の作品なので、

終盤では"その後"として、初回の内容を再び掘り起こしてくれるような展開も

あるんじゃないかとついつい期待してしまいます。

現朝ドラにも触れるかどうかは不明ですが、

諭の半生がテーマとなっている以上、少なからず、未来の話はちょっとでも描いてくれそう?

 

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拾われた男 8話 感想|親子それぞれ遺伝してる!

 

 

武志(草彅剛)、とんだ大嘘つきだった(笑)

調べたらすぐ分かるような嘘から、聞いただけでもあり得ないだろうと思う嘘まで…

次から次へと重ねていくあのシーンにはもう、じわじわと笑いが止まりませんでしたよ…w

 

武志はアメリカの多くの人からは「ユーモアに溢れた人」「気さくな人」という

イメージを持たれていた一方で、

幼い頃から共に過ごしてきた諭(仲野太賀)だけは彼を

「何を考えているのか分からない人」「翻弄させて困らせる人」だと捉えていた。

でもそれは、相手が今立たされている状況や年齢、

出会った時期によって与える印象が異なっているだけで、

彼は現在まで「相手を想って、突飛な発想・発言で喜ばせようとする」

人である事は一貫しているし。

その性格は、スタッフに差し入れを配り歩く平造(風間杜夫)から

遺伝しているんだろうなぁ…とも思わされます。

 

他にも、どうしようもない人だから「けだもの」と呼ばれる所は、諭と平造で似ていたり。

いつも物を片付けるのは自分だと文句を垂れながらも、

結局また旦那の食べた痕跡をついつい拾ってしまったり。

今回はそんな、自分の心の中に"家族と過ごした時間"が

確実に存在している事を示す「遺伝」と、思い出や出来事が蓄積されればされるほど

縁を切れそうにない「家族」が描かれた回だった気がします。

 

諭にとっての"もう1つの家族"である福子(永尾柚乃)も

徐々に「ポスト結」になりつつありますね。肝の据わった感じがママそっくりです(笑)

特に、福子が先に「まずは冷静になれ!」って肩に手をぶつけてきて頼もしさを見せた後で、

結(伊藤沙莉)も無意識に同じ行為をとるというのが…

ああ、親子だなぁと感じられてほっこり。

内容自体は、武志がアメリカに残留すると決めた理由や、

その時武志はどうしていたか?を紐解いていく展開になっていて、

前回以上にシリアスさが増した分、今回は福子のキャラクターに癒されました。

 

諭が「2年後来れたら来るわ」と言って去ってからの、武志のまばたきの動きもね…

本当、なんて事ない動作なんですけど、

ゆっくりと閉じられていく間に、諭への想いとか、家族の事とか、後悔とか、

いろんな気持ちが込められているようで、ちょっとだけジーンと来ちゃいましたね。

そのシーンがあった上でのあの「もしもの世界」。

アメリカで1人、大切な人を長年考え続けていたのだというのが分かります。

 

15年間バラバラになっていた家族は、再び1つになれるのか?

そして、もちろん…1000万円をどうするのか?

(映画の脇役出演って、給料いくらなんでしょ??)

役者業の事もあるので、どんな結末に落ち着くのかが読めませんね。

 

 

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拾われた男 7話 感想|兄も"拾われた男"だった…。

 

 

"兄弟"をあらゆる角度から描いた回でしたね…。

 

いつも「一枚上手な兄に負ける」人生を送ってきた諭(仲野太賀)。

それは15年以来のアメリカでの再会でも健在でした。

脳卒中による後遺症、諭と同じく仲間に恵まれた人生、活躍する弟への想い、不法滞在…

自分の知らない兄の顔を一気に吸収しなければならない上に、

介護をしながら兄が遠のいて行くのを覚悟せざるを得ない状況に立たされる。

結局、武志(草彅剛)に追いつく事は一度もなさそうで…。

夢で見た自転車でのエピソードの挿入が、

武志との縁を切り、役者業が軌道に乗り出したからと言って、

「先に行こうとする兄」と「兄に追いつけない弟」の関係性は

一生涯揺らがないのだというのを物語っているようにも映りました。

 

諭が山村社長(薬師丸ひろ子)にスカウトされ、今ではすっかり有名俳優になったように、

武志もカラマズーの人々に愛され、雇ってくれたカフェでコメディアン的人気を博していた。

節々で共通している所はやっぱり、

子供の頃から行動を共にする事も多かった、血の繋がった"兄弟"らしいなぁと思わされます。

しかし…唯一違っていたのは「落し物に気づいたかどうか」。

諭は飛行機のチケットを拾い、武志は学費の入った封筒を拾い忘れたのを機に

運命を大きく変えてしまう。

回想も交えながら、初回からずっと"兄との確執"を描いてきたのがここで効いていて、

2人は表裏一体なのだと思わせるには十分に説得力のある内容だった気がします。

 

舞台も内容の方向性も変わるとなると、別ドラマに見えがちではありますが、

序盤での「おばあちゃんからもらった外国のお土産」が

今回のフックとして描かれていたので違和感も覚えません。

そして…武志のためにアメリカに行ったつもりが、結(伊藤沙莉)の予言の通り

内心では浮かれてしまっている諭の"変わらなさ"にもちゃんと触れていたのが、

シリアスな雰囲気が続く中で安心材料にもなっていました。

美人の看護師に飛びつく素振りを見せたり、

看護師にはそのまま握らせておいて、竹村(黒田大輔)が手を握ろうとしたら避けたり…

分かりやすい彼の様子に、今回も「おいおい!w」ってツッコませていただきました(笑)

 

ウォルト・ディズニー・ジャパンとの共同制作だからか、

アメリカの街並みも存分に見せてきて、外国人のキャスト陣もしっかり用意して…で

流石のスケール感でしたね。

そして…草彅剛さん、やっぱり素敵な役者さんだなぁと改めて。

本当に臭いが画面越しに伝わってくるような、気力の抜けた現在の姿と、

ムードメーカーとして活き活きしていた過去の姿の演じ分けが、

武志の人生において最も尊かったであろう"あの頃"を浮き上がらせているようで、

人物像を構築する丁寧な演技に、自然と涙してしまいました。

草彅さんの演技って何と言うか…

「役を演じる」じゃなくて「登場人物に命を吹き込む」感じなんですよね。

久々に堪能出来た事が嬉しいです。

 

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拾われた男 7話 感想|兄も"拾われた男"だった…。

 

 

"兄弟"をあらゆる角度から描いた回でしたね…。

 

いつも「一枚上手な兄に負ける」人生を送ってきた諭(仲野太賀)。

それは15年以来のアメリカでの再会でも健在でした。

脳卒中による後遺症、諭と同じく仲間に恵まれた人生、活躍する弟への想い、不法滞在…

自分の知らない兄の顔を一気に吸収しなければならない上に、

介護をしながら兄が遠のいて行くのを覚悟せざるを得ない状況に立たされる。

結局、武志(草彅剛)に追いつく事は一度もなさそうで…。

夢で見た自転車のエピソードの挿入が、

武志との縁を切り、役者業が軌道に乗り出したからと言って、

「先に行こうとする兄」と「兄に追いつけない弟」の関係性は

一生涯揺らがないのだというのを物語っているようにも映りました。

 

諭が山村社長(薬師丸ひろ子)にスカウトされ、今ではすっかり有名俳優になったように、

武志もカラマズーの人々に愛され、雇ってくれたカフェでコメディアン的人気を博していた。

節々で共通している所はやっぱり、

子供の頃から行動を共にする事も多かった、血の繋がった"兄弟"らしいなぁと思わされます。

しかし…唯一違っていたのは「落し物に気づいたかどうか」。

諭は飛行機のチケットを拾い、武志は学費の入った封筒を拾い忘れたのを機に

運命を大きく変えてしまう。

回想も交えながら、初回からずっと"兄との確執"を描いてきたのがここで効いていて、

2人は表裏一体なのだと思わせるには十分に説得力のある内容だった気がします。

 

舞台も内容の方向性も変わるとなると、別ドラマに見えがちではありますが、

序盤での「おばあちゃんからもらった外国のお土産」が

今回のフックとして描かれていたので違和感も覚えません。

そして…武志のためにアメリカに行ったつもりが、結(伊藤沙莉)の予言の通り

内心では浮かれてしまっている諭の"変わらなさ"にもちゃんと触れていたのが、

シリアスな雰囲気が続く中で安心材料にもなっていました。

美人の看護師に飛びつく素振りを見せたり、

看護師にはそのまま握らせておいて、竹村(黒田大輔)が手を握ろうとしたら避けたり…

分かりやすい彼の様子に、今回も「おいおい!w」ってツッコませていただきました(笑)

 

ウォルト・ディズニー・ジャパンとの共同制作だからか、

アメリカの街並みも存分に見せてきて、外国人のキャスト陣もしっかり用意して…で

流石のスケール感でしたね。

そして…草彅剛さん、やっぱり素敵な役者さんだなぁと改めて。

本当に臭いが画面越しに伝わってくるような、気力の抜けた現在の姿と、

ムードメーカーとして活き活きしていた過去の姿の演じ分けが、

武志の人生において最も尊かったであろう"あの頃"を浮き上がらせているようで、

人物像を構築する丁寧な演技に、自然と涙してしまいました。

草彅さんの演技って何と言うか…

「役を演じる」じゃなくて「登場人物に命を吹き込む」感じなんですよね。

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拾われた男 6話 感想|往復ビンタの次はメガトンパンチ(笑)

 

 

諭(仲野太賀)は本当に、良くも悪くものめり込みやすい性格なんですよねぇ。

彼の迂闊さに「バカよのぅ…」と何度思った事か(笑)

一旦1人にさせてあげれば良いものを、傷口に塩を塗るような発言を次々投げかけるから

あんなにブチ切れてしまう訳で。

三者で"フィクション"を見ている立場だからなんでしょうけど、

伊藤沙莉さんの感情をむき出しにする演技が強まれば強まるほど、

何だかクスッとさせられてしまいました。

「クッソ クッソ」からのメガトンパンチ…最高!w

 

しかし、それ以前に、炎が燃え上がんばかりの怒りを見せる結(伊藤沙莉)と冷凍餃子で

対比させている所が地味に面白かったです。

カッチコチだった冷凍餃子に、結の怒りが徐々に乗り移って火が通り…

でも、相手にはストレートに接する事が出来ても、

物に当たる行為をあまりしてこなかったが故に、調整の仕方が分からず

なぜか炒め物のように扱ったり、大量の煙を出したりするって流れに

彼女の人柄や今の心境が表れ出ているというのか。

食べたくてやったんじゃないんだけど、手を動かして気を紛らわしたくてしょうがない。

どんな人でも一度はそんな経験があるだろう…と思わせる

リアルさが窺えるシーンでもありました。

 

前半こそ「のめり込みやすい」性格の短所が強調され、

最低最低最低の積み重ねで展開されていったのですが、

その積み重ねがあったお陰で、レンタルショップでの

「今までの恩恵にきちんと感謝する」諭の誠実さが際立ったような気がします。

なんか…結婚式場かと一瞬錯覚してしまいましたね。

山下(安藤玉恵)が神父さんみたい。

「従業員としてここに来るのは今日で最後だ。俳優一本でやってけ!」という山下の言葉は、

「病める時も、健やかなる時も…(中略)真心を尽くす事を誓いますか?」という

式でのお決まりの言葉と近しいものを感じさせてくれました。

諭、本当に素敵な上司を持ちましたねぇ…。

 

大成するには、運や実力だけではどうにもならない時もある。

同局でつい最近まで放送されていた「一橋桐子の犯罪日記」でもそうでしたが、

幸福な人生は、いろんな人との出会いや人の繋がりがあってこそなのだと

改めて思わされる作品です。

もし飛行機のチケットを拾わなかったら、事務所で雇ってもらえなかったら、

レンタルショップで働いていなかったら、

そこで同じく夢を目指す仲間や結に出会えていなかったら…

役者道を歩む事を諦め、とっくに兵庫に戻っていたかもしれない。

今回の内容は、人生を歩んでいく中で生まれる"ドラマ"を

地道にコツコツ描き上げてきた賜物だと言っても過言ではありませんでした。

 

次回ではそんな"拾われてきた"諭が、

武志(草彅剛)を"拾いに行く"側に回るようですね。

平行線で描かれてきた兄弟のエピソードが、いよいよ交わろうとしています。

こちらも楽しみです。

 

 

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拾われた男 5話 感想|愛の往復ビンタを喰らう

 

 

ああ良かった〜……(泣)

松尾諭さんの半生を描く物語だから、今はすっかり売れっ子だって分かっていても、

長年かけてやっと報われた諭(仲野太賀)の姿にボロボロ涙してしまいましたよ。

結(伊藤沙莉)と掴むべくして掴んだ出世街道ですね。

諭の精神的支柱には結の存在が欠かせないと思わせる描写の畳み掛け方も凄ければ、

結という役が伊藤沙莉さんでなければ今回の内容は成立しないという

説得力の持たせ方も凄い。

…あ、でも、手厳しいツッコミをしつつも、何だかんだで事務所の中では

一番面倒見てくれている日立マネージャー(鈴木杏)も好きなキャラクターなんですよねぇ。

どちらも、肝っ玉っぷりと奥に潜んだ優しさのバランスが丁度良いのかな。

愛をストレートにぶつけるような往復ビンタで、諭を挫折から立ち直らせた結と、

陰ながらのサポートで再挑戦を後押しした日立の、

2人の女性の健気さが光るお話でもありました。

 

そして今回は何と言っても、諭のエピソードが刺さりましたね…。

「ちゃんとした仕事せい!」「ほんまもんの売れっ子になってからや」

「はよ大物になって結ちゃんを守ってあげなあかんな」

相手からしたら別に苦しめるつもりのない、何気ない言葉で、

最初は諭も誤魔化したり、笑ったりして済ませるんですけど。

オーディションに向けていざ役の練習をするとなると、

役と自身の置かれた状況がリンクするのもあってか

台本とは関係のない出来事がぶわっと蘇ってきて、いつしかプレッシャーに変わって

徐々に自分で自分の首を絞めていっている感じが…

何だか「分かる」ってなっちゃったんです。

平山(北村有起哉)と特訓する辺りから、画面を全体的にわざと手振れにして撮っているのが

彼の不安な心境を表しているようで、そこも印象に残りました。

 

中でも、オーディションで実際に演技するシーンなんかは

苦しい気持ちにさせられましたね。

本番に弱いタイプなのが災いして、名前も台詞も完璧に覚えてきたはずが緊張でド忘れして、

審査員の指示で止むを得ず、台本を読みながら演じる流れになったんですが。

その時に、まず画面が大きく横揺れして…からの、結の映像を合間合間に挟みつつ

諭しか映らないようにカメラが距離を詰めていく一連の演出をとった事で、

「大切な人を守らなきゃいけないのに自分は何やってんだ」という怒りと、

「今はちゃんと演技に集中しなきゃあかんのに…」という焦りと、

2つがごっちゃごちゃになって周りが見えなくなる余裕のなさが

ダイレクトに伝わってきて、とにかく辛かったです。

 

今回は台本にある「あなた1人で生きてるなんて思わないで」が、

全てのエピソードに繋がるキーワードになっていたと思うんですが、

その台詞を文字っての結の叱咤激励の回収には、あっぱれと言わずにはいられませんでしたね。

名前のくだりも、今までの失敗談を1話ずつ積み重ねてきたからこそ

込み上げるものがあります。

そこからの回想の連続といい…感情移入させるにはもう完璧な仕上がりでした(笑)

 

山村社長(薬師丸ひろ子)が繰り出すパンチに、

いかにも"ゲーム"って感じのコミカルな効果音を重ねてくるのも

遊び心があって面白かったです。

で、次回…「京都の魔法」であれって事は…浮気回も来るんですかね?

ラストシーンでは彼氏らしい頼もしさを見せてくれていただけに、

どんな流れで魔法にかかってしまうのか、それはそれで気になりますw

 

 

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拾われた男 4話 感想|「友達だから」から脱出!!

 

 

役者業の方は、今回は特に動きなし。

まぁでも、あの映画出演を機に本気で役者を目指したくなったからと言って、

そう簡単にチャンスをくれないのが現実ではあるんですよねぇ…。

それは塚本(要潤)も同じで。

夢を目指す者同士がひとつ屋根の下暮らす設定なら、

心折れかけ実家に帰りそうになった彼を説得して、

最後は互いに励ましの言葉を送って再奮起する…という展開には、残念ながらならなかった。

 

夢破れた男たちを見送り、空港チケットで役者の道へと拾われた諭(仲野太賀)は、

今度は結(伊藤沙莉)に拾われるんですね。

で…彼女の方も、彼が閉じこもった世界から自分を拾ってくれた、

自分を変えるきっかけを与えてくれた"恩人"に見えたのかもしれない。

前回に引き続き、次の者へと未来のバトンを託していく過程と、

必然だったとも言える2人の出会いを、微笑ましく見届けたお話でした。

 

多くは語らなくとも、いつ何時でも、

ある特定の曲を聴いている時だけなぜか辛そうな表情をする結の様子で

「ん?」と思わせ(あのDJシーンもミックスになる前は…でしたし)、

店内での会話で、その些細な引っかかりが

「ああ、きっと彼氏は束縛しい人なんだな」という確信に変わっていく

伊藤沙莉さんの演技が良かったです。

だからか、咄嗟に諭が「好き」と言ってしまったのも分かる気がしました。

どうすれば良いかよく分かんないけど、でも何か行動に起こしたい…

そんなパニック状態から来る火事場の馬鹿力ってやつですよねぇ。

涙の流し方も、二者二様で美しい。

伊藤沙莉さんは感情的にボロボロ流していくんですけど、

仲野太賀さんの涙は一粒がするん…と流れていくんですね。

2つの涙の対比が、今までストレスを溜め込んできた結と、

直感で行動に移しがちの諭の性格を表しているようで、そこも興味深く視聴しました。

 

「寒い」と呟くあの女性の存在も、場の緊張をちょっとでも解してくれる

良いアクセントになっていました。誰か上着着させてあげて(笑)

 

終盤の映像は、調べてみたらどうやら「電車男」だったようですね。

って事は、次回からお仕事の方は上り調子になる…?

それに反比例して、プライベート方面では

父・平造(風間杜夫)とのいざこざを…って感じでしょうか。

 

毎回思うんですけど、次回への繋げ方も煽り過ぎない程度に、

するする展開されていく話に対してナレーションでサクッと締める…

という作りになっているお陰で、純粋に次が気になってしまうんですよね。

桂三枝さんのモノマネ、見たいですw

 

 

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拾われた男 3話 感想|刺激し合って生きていく

 

 

はぁ〜〜〜〜………滅茶苦茶過ぎて楽しい…。

あの終盤のシーンのカオスさったらない(笑)

仲野太賀さんに、井川遥さんに、田辺桃子さんに、北香耶さんに、要潤さんに…

多くの登場人物が1つの場所に一気に集ってドタバタを繰り広げる事で生まれる可笑しみは、

やっぱり役者さんを揃えてこそ…だと思うし。

何より、諭(仲野太賀)が夢に向かってがむしゃらに突き進んでいく様を

描いていっている作品だから、あのシーンも"青春"の1ページに感じられていっそ清々しい。

事実は多少盛っているんでしょうけど、勢いがあるので全然気になりません。

笑えるやり取りのはずなのに、最後はなぜか目頭が熱くなってしまいました…。

 

今回は井川遥さんにもフォーカスを当てたお話に。

どう演じても「癒される」のレッテルばかりつけられて、殻を破れなくて、

もう女優を辞めようかと考える時期もあったのだそう。

諭と絡む人物としてもう1人、

映画撮影を共にした囚人役の男性(黒川大聖)の嫉妬も描かれましたが、

個人的には「求めたがっているのに求められない」不条理を経験する点で

2人は共通しているのかも…と思いながら見ておりました。

 

役者の話題で話が弾む諭と井川。

諭の生意気な態度にムカついた杉浦(田辺桃子)が

彼の住む家に殴り込みに行った事で、逆に井川の闘志を燃やす。

意外な繋がりもあってか、諭が運良く殴られ役になるまでを見ていて

不満そうにしていた男性が「あの表情じゃ通用しない」と本音をぶちまける。

で…そう言われたのがずっと心のどこかで引っかかり、1人練習を始めた諭が、

平山(北村有起哉)の後押しもあって

"ほんの好奇心"のつもりだった役者業を本気で目指すようになる。

 

いろんな人との出会いが巡り巡って、誰かの"役者魂"を刺激していく。

一歩踏み出す勇気にもなったりする。

人から人へとバトンタッチするかのように、

各々の変化を芋づる式で描いていく構成になっていたのが印象的でした。

まさしく「人生何が起こるか分からないからワクワクする」を体現した内容だった気がします。

 

フラメンコと振られる子(←無理やりw)のシンクロ具合にも笑わされましたね。

バン!と足を叩いて始まるショーで三角関係を匂わせる合図を出して…

諭のKYっぷりが加速していくのを拍手で表現して…

最後は怒った杉浦が「帰る!」と言った所でしっかりオチをつける。

あのシーンにフラメンコを選んだのも、

見た目はクールでも、中身は情熱的(衣装が赤いから)な

杉浦の人柄を表すためだったのでしょう。

再会した時は超ハード系になっていて、びっくりしましたw

 

一方で、唯一諭とは別世界にいる武史(草彅剛)の話は、何を意味しているのか気になります。

今の所、全く繋がっていませんからね。

向こうでは役者道を順調に歩んでいるようで…

彼も同じく、東京で頑張っている弟に対抗心を持っている事を示しているのでしょうか。

でも…今回のラストでようやく伊藤沙莉さんが登場してきた辺り、

そこの種明かしはまだまだお預けみたいです。

 

 

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拾われた男 2話 感想|兵庫の寅さん、運転手になる。

 

 

今回のオチに使われていた、「男はつらいよ」風の切ない恋の話。

この手の内容は、数話やった後で"味変回"として放送するイメージがある分、

俳優を目指すまでを描く本筋と繋がっているようで繋がっていない感じもするんですが、

それでも、なんか楽しいんですよねぇ。

(個人的には、衝動的に来る"なんか"は大事だと思っております…。)

目まぐるしい展開に、心踊らされています。

 

本作を見ていて、当時父から聞かされたエピソードをふと思い出してしまいました。

ちょこっと書くとするなら…上京したてで、まだまだ若かったから

「〇〇(上京先)と言えばあの有名漫画家のスタジオがあるじゃん!」

って思いつきだけで、アポも取らずにスタジオまで足を運んで

漫画家に会いに行った…という、今考えてみればあまりにも無謀過ぎるお話。

 

本作には、そんな若さ故の貪欲さや、がむしゃらな部分から来る

キラキラした"青春"が詰まっているような気がしています。

青春時代って、当時は、未知の世界に飛び込んでみてからは

新しい物を吸収しまくって、毎日を過ごすのに精一杯になっているから

時間の早さをあまり感じないものなんですけど、

大人になってから振り返ってみると、あっという間だったなぁ…って思えてくるんですよね。

そして、この20年でインターネットが発展し、SNSが生まれたお陰で、

大きな夢や目標を堂々と言って良いものが、

周囲の目を気にして言いづらい世界に変わってしまった。

 

だから、時々「ネットに囲まれていない時代」が羨ましく感じる時もあるし、

夢に向かって真っ直ぐ生きる松戸(仲野太賀)の青春時代に"憧れ"を抱いたりもするのです。

失恋も初演技も経験し、着実に自分の肥やしにしようとしている

彼の純粋な目は、とても生き生きして見えました。

 

ラストは、井川遥さんの登場にはびっくりさせられましたねぇ…。

看板でのご出演のみかと思っていたので、

「本物が目の前にいる!」非現実感を追体験したかのようでした。

次回以降描かれるであろう井川遥さんの"青春"がどんなものなのか、今から楽しみです。

 

 

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