2023年冬ドラマ一覧

罠の戦争 11話(最終回) 感想|竹は枯れて終わりではなかった

 

 

仲間を次々と失う享(草彅剛)の孤独が描かれた前半と、

泰生(白鳥晴都)の発していた言葉や

今でも父の教えを守っている様子を目の当たりにしたのを機に、

自身のこれまでの過ちと向き合い覚醒する姿が描かれた後半で、

ある意味2部構成になっていた最終回。

この構成が、最終回を上手く盛り上げてくれていたんじゃないでしょうか。

奥底に眠っていた良心を取り戻し、原点回帰していく…

思わず「あの頃の享が帰ってきた!」と喜びたくなるような、

高揚感溢れる内容に仕上がっていました。

 

ただ、闇堕ちするにしても、目を覚ますにしても駆け足気味で、

そうなるまでの"間"の描写が不足している所だけが、本当に勿体なかったなぁとも思います。

前回の感想と似たような事を書きますが…例えば、復讐計画の実行と並行しつつ、

本来の政治活動を通して権力で人を助ける事のやり甲斐を感じる様子に尺を割いていれば、

鶴巻(岸部一徳)の「気持ち良いだろう」という言葉の持つ

おぞましさも増したのかもしれませんし。

目を覚ます過程も、妻から聞かされた息子の言葉で急にハッとさせられる…というよりかは、

ターゲットを潰すごとに仲間を徐々に失っていき、妻にもとうとう家を出て行かれ、

このまま「上へ上へ」志向を変えずに進むべきか?

それとも後悔する前に一旦立ち止まるべきなのか?と葛藤する享の心境に

焦点を当ててみてもアリだったのかもしれません。

まぁ何にせよ、8話からの話の進め方にムラがあった…そこに尽きますね。

 

他にも、そんなに上手く行くもんなの!?という描写も

多い気はしましたが(笑)←今回で言えば、2人ともよく当選出来たね…とか

でも、善から悪、「当初の顔つきに戻りかけ」など

様々な表情を見せて下さった草彅剛さんの演技を筆頭に、

毎回挟み込まれる眞人(杉野遥亮)の植物うんちくが物語のアクセントになっていたり、

それぞれで複雑な心情を見せる登場人物の奥行きだったり、

政治の闇と、それに飲み込まれそうになる様を引き立たせるライティングだったり。

諸々のセンスの良さが、本作の持つ魅力に繋がる作品だったと思っています。

 

最後に…犬飼(本田博太郎)の久々の登場は嬉しかったですねぇ。

出番があるだけでなく、(恐らく)台本にわざわざ「わしづっ」と書かれていた辺り、

想像以上に好評で、急遽最終回も出演する事になったのかもしれませんねw

前作同様、主人公を固める人物たちにもきちんと見せ場が用意されている所も好きでした。

役者さんも含めて、毎話毎話キャラに愛着を持ちながら見ておりました!

 

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夕暮れに、手をつなぐ 10話(最終回) 感想|終盤は"すれ違い"頼りになってた感は否めないかも。

 

 

"エモさ"を感じさせる映像美に、その雰囲気にさらに拍車をかけるヨルシカさんの曲に、

広瀬すずさんと永瀬廉さんのキャラクターの消化力の高さに…と、

この3つに魅せられた作品でしたね。

そして、本作が描きたかったのは「日常の中の小さなときめき」なんだろうなぁ…

とも思いながら見ておりました。

 

ただ、個人的には、恋愛モノは恋愛モノでも、

キャッチーな胸キュン演出を盛り込むよりかは

緩やかで落ち着いたトーンで進む本作の作風の方が好きで、

毎回そこは好んで見ていた訳ですが…。

空豆広瀬すず)と音(永瀬廉)がそれぞれ別の場所で

目の前の物事に直向きに取り掛かる様子を重点的に描き過ぎていたのと。

それに伴い、場面転換も多かったためか、

2人がお互いを気になり出す過程に「夢を追い求める者同士」はあれど、

肝心の「いつ・どうして好きになったのか」といった心の機微は、

映像美で誤魔化しながらやんわりと済まされていたのかな?

という疑問は最後まで拭えなかった印象です。

要は、日常描写と恋愛要素の比重が極端だったんですよね。

 

しかし、最終回に関しては、どこの空港かも分からないまま走って、

なぜか空豆のいる空港に辿り着いてハグ!というベタな展開でも

やるんじゃないかと想像していたので、そこはなくて安心したなぁと。

パリの様子が一切映らなかったのは予算削減のため?とか、

3年後の実感が湧かないから髪型だけでも…とか、

その距離で声聞こえるのかしら…とか、他にもいろいろ気になる所はあるにしても、

初回の出会いを絡めながらの両想いシーンは、今までになくロマンチックで。

恋愛モノとしては、綺麗な形で終われたんじゃないかとは思ってます。

 

あの脚本家の最新作なので批判も多かったかもしれませんが、

あまり期待していなかったのもあってか、良い意味で"普通"で、

割と世界観にすんなり入り込める作品ではありました。

それだけに、要素の調整次第では、従来の火10枠ドラマに風穴を開ける

作品になれたかもしれないのに…と、勿体ない気持ちにもさせられた感じでしょうか。

 

 

ちなみに…8話が神回だと事前に言及されていた件に関しては、

すれ違い展開が2回(音が先に寝ていると勘違いし、声をかけづらくなってしまったシーン&

空豆が事務所に直接向かって、2人のあの様子見てしまったシーン)もあって、

ああ…この"もどかしさ"に力を入れたからなんだろうなぁ…

っていうのが透けて見えてしまって、特に神回とは思わず(汗)←捻くれた人ですみません^^;

いや、8話だけじゃなくて、それ以降は本当にすれ違いで話を持たせる流れが続きましたかね。

LINEのメッセージ送信取り消しを使っての演出は、中々新鮮ではありましたけど、

何度も何度もやられるとね…当初の空豆の元気な性格はどこ行ったんだ!と

ツッコんでしまう自分もいたんですよねぇ(苦笑)

 

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罠の戦争 10話 感想|幹事長に図星を突かれる鷲津(泣)

 

 

「同じだろ?君だって。気持ち良いだろ?力を使って誰かを助けるの。」

「誰かのために善をなす。でもそのためには、もっと力が必要になる。

いくつかの善を重ねるうちに、いつしか悪になる。」

「君も、すっかり囚われているんじゃないのかな?」

長い間、誰よりも権力を利用してきた者だからこその説得力ってやつですよね…。

享(草彅剛)の現在のありさまを的確に言語化し、彼に図星を突かせるこのシーンは、

鶴巻(岸部一徳)にとっては、享の企みがかすり傷程度にしかならないのを

表しているようでゾクゾクさせられました。

 

しかし、それと同時に、今までで不足している部分を、

この簡潔な台詞で全て補おうとしている感じも否めなかったかな?という気もしています。

前回の感想にも書いた通り、闇堕ちするまでの過程を全く描いていないとも言い切れないので、

いろいろ思い返して、そこに繋がる要素を探しては好意的に解釈はしていたのですが…

今回の別人っぷりを見ると、やっぱり変化が早かったな…とは思えてしまうんですね。

 

というのも、享が議員として仕事をしていて、

真正面から悩みに向き合うが故に壁にぶち当たったり、

その苦しみを乗り越えてやり甲斐を感じたりする描写はほとんどなかったんです。

だから、「上へ上へ」の思考になるのが唐突過ぎると言いますか。

それに、元はと言えば、息子を突き落とした犯人を明らかにするために

政界入りを決意して議員になっているので、当然「どうやって復讐するか」を考えてばかり。

本来の職務である議員活動を疎かにしてきた新人が

たった半年で副大臣のポストを要求してくるのも、ちょっと疑問でした。

 

元々は"復讐劇"がベースの物語だったのが、

途中から政界でのパワーゲームを盛り込んだ事が、

ここ最近の展開のグラつきを生んだ原因でしょうね。

せめて、鶴巻の言っていた言葉を映像化してじっくり見せて行っていれば、

享の急な変わりようも腑に落ちたのかもしれません。

 

そんな感じで、引っかかる所は多々見受けられたものの、

ここまで見てきた以上は、結末がどうなるかは気になりますねぇ。

享が落ちぶれたとなると…ハッピーエンドというよりかは

"原点回帰"エンドを望みたいです。

享が失脚してから数年が経ち、今度は可南子(井川遥)が議員になって、

同じく議員として返り咲いた鴨井(片平なぎさ)と一緒に女性のための活動を…

そして享は秘書として2人を静かに支えていく…とか?

こんな結末もアリなんじゃないかと思っております。

 

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ブラッシュアップライフ 10話(最終回) 感想|何でもないような事が幸せだった232年の人生

 

 

いやぁ、良かったですなぁ……。

中村(神保悟志)のフライトキャンセルを始め、

物事が麻美(安藤サクラ)と真里(水川あさみ)の思惑通りにあまりにも進み過ぎていたため、

どこかで不幸が訪れたりしないかと、ラストまで内心ヒヤヒヤしながら見ていましたけど、

幸せな形で終わって安心しました。

ハッピーエンドはハッピーエンドでも、見終わった後に多幸感が残る最終回でした。

 

入念に対策を重ねてパイロットという立派な職業にまで上り詰められたのなら、

働き続ければ収入は多くもらえて、豊かな生活を続けられそうなものを、

そういった"花形の人生"を手放し、地元で親友と過ごす事を選んだ所も潔かったです。

最初は「オオアリクイになるのを防ぐために徳を積む」のが目的で

やり直しの人生を歩んできて、周回を重ねるごとに

"徳"に縛られ過ぎてしまっている様子もずっと見てきただけに。

最後のやり直し人生を通して、麻美は、何が自分にとって一番の"徳"であり"幸せ"なのかに

やっと気づく事が出来たんだな…と、感慨深い気持ちにもさせられました。

 

そして、4人は約束通り、老人ホームで他愛もない話をしながら人生を全うし、

転生後は、初回の冒頭でもちらっと出てきたハトの姿で仲良く過ごす。

一見ファンタジーなラストではありますが、

いろんな意味で、この時期に放送する意義を

感じさせた作品でもあったんじゃないかなぁと。

例えば…3月と言えば、新生活や新学期を控えていて、

日常が変化する事にワクワクする人もいれば、

充実した日々を過ごせるかと不安に感じる人もいて。

複雑な心境を抱えて生きる人々に対して、

「何を大切にするかで、人生はこんなにも未知なる可能性を秘めているのかもよ?」と

元気づける応援メッセージになっている…っていうのもそうですし。

それに、放送当時は3/12なのも踏まえれば、

人々にとって決して忘れられない日となった3/11の翌日で、

地元に戻れば家族が今でも健康に生きている事、

歳をとっても友達と定期的に会えている事の"普通の日常"の尊さをしみじみと感じては、

日々をもう少し大事に、丁寧に生きてみようと改めて考えさせられる

きっかけにもなったんじゃないかという気がするのです。

日曜日の夜に、この日で、この時期で本作を放送…もう奇跡みたいなものですよね。

 

最終回の主題歌は「Hello, Again 〜昔からある場所〜」なのも、

ああ、4人は青春が詰まったこの場所に帰ってきたんだな…と実感させられるようでした。

1人とぼとぼ帰る時に流れる17時のチャイムに、

もうやり直せないと分かった途端、

覚悟を決める麻美の心を和らげるかのような「笑えれば」と、

1つ1つの場面に余韻を残す選曲もそうですが。

今回で言う「バタフライマッサン」「4チラ」「カツカツポテト」など

話が弾んだ時に出やすいパワーワードを織り交ぜては

テンポの良さを生み出したりなんかして、最後まで細部も抜かりなかったです。

 

最終回の日は、用事があって録画視聴だったものの、

日10枠のドラマをリアタイしたのは、個人的にはかなり久しぶりでした。

約2年前の「極主夫道」以来かな…?(感想執筆もその作品が最後。おぉ…)

時間が遅くてあまり集中して見られないというのと、

基本的にその枠とは相性が合わないのもあって

録画で後回しにする事が多かったんですけど、

本作はどうしても次がどうなるのか気になってしまう、

そんな吸引力のある作品でもあったと思っています。

そして、本作を見て、日10枠はやっぱり、

サスペンスよりも気軽に楽しめる作品の方が当たりが多い説

(今までだと「今日から俺は!!」「親バカ青春白書」「極主夫道」「新・信長公記」)が

より一層強くなりましたね。

 

次作も同じような系統な気はするんですけど、

枠が新設されて、ただでさえドラマが増えてきているのでねぇ…(苦笑)

来期はその新枠が日曜日の本命ではあるので、

とりあえず、日9枠も含めて、最大3話くらいまでチェックするつもりではいますw

 

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Get Ready! 10話(最終回) 感想|綺麗に終わらせたな…という印象。

 

 

青葉の母・広江の再登場の件。

その中の人である菊池亜希子さんは調べてみた所、現在40歳なので、

年齢を踏まえて考えると、13年前は青葉(志水心音)が7歳だったから

遅くとも20歳で産んだ設定になる…?

で、今も赤ちゃんがいるんだから、若年出産も高齢出産のどちらも経験してるのは

中々タフだなぁ…と思いながら見ておりましたが、それはもう置いといて(笑)

 

最終回はまぁ…何と言うか、綺麗に終わりましたね。

いや、広げた風呂敷を畳むのに躍起になっていたという表現が近いんでしょうか。

出番を急に増やして、いつの間にか仮面ドクターズの"最大の敵"のように

描かれている高城(沢村一樹)も、

冒頭で書いた主人公の過去話も、8話で明かされた事実な訳で…

紹介してから回収するまでのスパンがあまりにも短過ぎて、

高城と広江の改心の早さには、正直、ついて行けませんでした。

 

全体の構成が勿体ないドラマは、今期でいくつかありましたけれども、

本作はその中でも極めて「もっとこうだったら…」と言いたくなってしまう

ドラマだったと思います。

最終回だから、今更でも言わせていただくと。

そもそも論として…滑稽な笑いを取り入れるのが特徴の堤監督演出はもちろん、

光る仮面を被った黒い集団で、名称は「仮面ドクターズ」といういかにも漫画的な要素と、

「お前に生きる価値はあるか?」という真面目で哲学的な問いかけの食い合わせの悪さを

強く感じさせたんですね。

 

そういった声が多かったからなのか、5話以降は演出面で徐々に改善が見られて、

噂話ばかりする若い医者たちや、コケるのと大声がお約束だった警視庁、

"表の顔"絡みで描かれていたケーキ屋の常連客・水面(當間あみ)、

そして占い師といった、"ガヤ"的な人物の出番は削られていって。

それ自体は見やすさに繋がって良かったんですけど…

やはり、最初の段階で情報を整理整頓し切れていなかったのが響いていた気がします。

作風においても、後半になってから主要人物の過去エピソードを詰め込んで

軌道修正を図ろうとしたために、

波佐間(妻夫木聡)が当初こだわっていた「生きる価値」の基準が何なのかが霞んでしまい。

結果的に、犯罪や不正行為をした"訳あり"な人物に、

果たして「生きる価値」はあるのかどうか?を

仮面ドクターズが見定めて救う前半(1〜3話)と、

仮面ドクターズのメンバーそれぞれの過去を重ねながら、

患者とそのパートナーの未来を後押しするかのようなヒューマンドラマ寄りの話が

多かった後半(4話〜(特に過去が深掘りされるようになった5話〜))で

別作品に映ってしまった所も残念でした。

 

当時青葉を救えなかったトラウマもあって手が震えていたのが、

広江との再会を機に止まり、患者・結衣(小田愛結)を前に

その手を確認し微笑みながら言う「Get Ready」のシーンは、

最後まで見てきて一番印象に残るシーンで。

「スーパードクター」と「傷を抱えた1人の人間」の両方の顔を持つ

波佐間の再起を描く物語として捉えれば、そんな良い部分もあっただけに。

最初から「生きる価値」とかいう理屈は抜きにして、

純粋に、違法な医療行為をする仮面ドクターズを良く思っていない

警察や病院に追われながらも、

手術不可と診断され、行き場を失くした患者を救い上げる…

という設定を軸に置いた話にした方が、最終章への違和感も薄まったのかもしれません。

 

メイン監督は堤幸彦さんだから、最終回はさすがに堤監督に戻るのか?と思いきや、

5話の担当で最後になっていた辺り…

恐らく、本作も映画化される可能性は高そうですね。

映画化といえば…鈴木亮平さんは、よくあのチョイ役を引き受けられたなぁ…と。

個人的には、「TOKYO MER」の宣伝も兼ねているのか?

なんて目で見てしまっていました(笑)

 

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忍者に結婚は難しい 11話(最終回) 感想|エンディング映像に最後まで助けられる

 

 

今期の最終回は、何かと回想を盛り込んでは、

視聴者にも今までの出来事を懐かしんでもらう内容になっている作品が多いですね。

本作も、回想は比較的少なめだったものの、そのうちの1つ。

ただねぇ…出だしが失敗していたのが響いていて(泣)

ピリピリした夫婦生活の描写を最初の方で結構長い事見せられて、それが強烈だったからか、

手紙で「私たちの結婚が上手くいかなかったのは、敵同士の忍者だからじゃなくて、

"普通の結婚"にこだわろうとしてお互いをちゃんと見てなかったからかも」と書かれていても、

いや…あのすれ違いの大半は悟郎(鈴木伸之)のだらしなさのせいだから…

としか思えなかったのが残念でしたねぇ。

エンディングの方では「上手くいっていた頃」は一応描かれていたにしても、

本編が終わった後でサラッと…では、スピンオフの域を抜け出せていないので。

やっぱり、幸せを噛み締めるかのような笑顔を見せる蛍(菜々緒)と悟郎の様子を

初回で少しでも描かれていたら、手紙を読み上げるシーンも

夫婦の幸せをより願いたい気持ちにさせられたんじゃないでしょうか。

 

肝心のアクションシーンも、最終回だから、甲賀一族の面々も駆けつけて全面戦争か!?

なんて期待している部分もありましたが、そうはならず、ちょっと消化不良感。

竜兵(古田新太)は登場しましたけど…

恐らく、大御所ならではの熟練した俊敏さを魅せたかったのであろう

あの城水(市村正親)の所まで乗り込む動きも、

風を彷彿とさせるCGを加えてデフォルメ化していたら、彼の凄みが際立ったのかも…とか。

アクションシーンを長尺にして、そのタイミングで挿入歌が流れ始めたら

ブーストがかかって盛り上がったのかも…とか、見ながらいろいろ想像してしまいましたね。

 

忍者たちの迂闊な行動を中心に、ツッコミながら気軽に楽しめたには楽しめましたが、

本作のうたう「忍者×夫婦ラブコメディードラマ」としては

終始弾け切れていなくて(一番コメディしていたのは6話の夫婦バトル回くらい?)、

ある意味、お利口さんな印象が残る作品だった気がします。

結婚や組織内の格差、男女平等と、社会的な問題をさり気なく取り入れるのは良いとしても、

その分、演出でメリハリをつけて欲しかったです。

 

まぁ、エンディング映像に関しては最後まで上質な作りで、

そこが本作の唯一の救いでもあったのかなぁと。

最終回では"補足"的な立ち位置なのを活かして、空白の2年間だったり、再会だったり、

蛍目線で描かれた物語になっていたのが良かったです。

あと…そう来たか!と思ったのは、"今週の山田"の二段重ね。

そのもう片方は…「ファーストペンギン!」と、脚本家も含めて「恋です!」繋がりで

ニヤニヤしちゃいました(笑)

 

結局、本編からはみ出した小ネタ(?)が好きだったんですよね、私…w

 

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リバーサルオーケストラ 10話(最終回) 感想|後日談もなく終わった最終回

 

 

見終えてからの第一声は、お、おう…といった感じ。

王道の作りではあるから、演奏も大成功して

ハッピーエンドで終わるんだろうなぁとは読めていましたし、実際そうはなったんですけど。

う〜ん…何と言うか、玉響で目指してきた目標(=物語の着地点)が

本来のテーマだった「ポンコツオーケストラの立て直し」というよりかは、

こけら落としで勝利を収める事」に挿げ替わっているような気がして、

何だか駆け足で終わってしまった感の残る最終回でしたね。

 

元々玉響の存続がかかっている対決だったので、

今後も大好きな仲間たちと音楽をやれると分かって、凄く嬉しくなったはず。

個人的には、◯年後に飛ばす形で、後日談も少し見たかったなぁ…と思ってしまいました。

本番が終わって、各々が家族や恋人と会うシーンで

クレジットが流れ始めるのも「えっもう!?」なんて驚きましたけど。

まさか…初音(門脇麦)と朝陽(田中圭)が帰り道で手を繋ぐシーンで終わりだなんて

思いもしないじゃないですか(笑)

例えば、1年後に飛んで、初音が身支度でバタバタしている姿が描かれて、

家を出た後に映った玄関前には

こけら落としの時に撮った記念写真が額縁入りで飾られていた…

そんなラストの方が、今も同じ場所で同じ仲間と充実した日々を送っている事が察せられて

良かったんじゃないかという気がします。

 

まぁ、駆け足っぽくなってしまった原因は分かっていて、

話の腰を折る蛇足なエピソードが8話以降多かったからなんですよね。

特に、これって盛り込む必要があったのかな?と思ったのは、

朝陽の高階フィルとの交換条件にまつわる話。

藍子(原日出子)が終盤で

「ご本人が言い出してご本人が撤回した。ただそれだけの事です。」と言っていたように、

彼女はそもそも、玉響に恨みを長年抱いているキャラとして描かれていなかったですし。

対戦相手である三島の父・光太郎(加藤雅也)にしても、

玉響に対して敵対心を持っているというよりかは、ただ単に自分の信念を貫いている音楽家

唯一の悪役である本宮(津田健次郎)は、小悪党の立ち位置にしか過ぎません。

なので、舞台に立たせて下さいと頼み込めば

すんなり了承してくれる訳で(本当にそうなりましたしね…)、

結果的に、朝陽の独り相撲だった…ともとれるこのエピソードで

時間を割く意味がよく分かりませんでした。

オーケストラの部分だけでは話が単調になるだろうから、どうせなら盛り上がりやすい話を…

って事で入れたんでしょうけど、

入れた以上は、藍子の過去を掘り下げるなどして、説得力のあるものにして欲しかったです。

 

しかし、ここまで勿体ない点を書いてきましたが、良かった点もありました。

まずは、「私たちは、オーケストラです。」で、条件に縛られて舞台に立つ事を拒む朝陽を

必死に呼び止める初音のシーン。

3話では、トラウマを思い出して逃げてしまいたい気持ちに駆られているのを見て、

「僕たちは、オーケストラです。」と朝陽に声をかけてもらい、勇気づけられていた彼女が、

今では後ろに頼もしい仲間を引き連れて、同じような言葉を…っていう所に、

主人公の成長と連続ドラマならではの集大成を感じさせて、

自然と胸が熱くさせられるシーンになっていました。

 

あとはやっぱり…約7分にもわたる演奏かな。

メインテーマにもなっている曲を演奏し始めたのをきっかけに、

今までのエピソードを順々に振り返りながらも、

曲調に合わせて、団員が"覚悟"を思わせる強い表情を見せたり、

表情が和らいで徐々に笑顔になったりする一連の流れは、

まさしく本番前に朝陽が言っていた「今日(事故に遭って)死ぬかもしれません」

「悔いのないステージにしましょう」が具現化されているようで、

瞬きを忘れるほどの緊張感を漂わせていました。

 

したがって、王道の良さをきちっと踏襲されている所もあれば、

時に登場人物の多さが短所にも繋がっていて、

もっとそこのバランスがとれていれば秀作になったかもしれない…という

むず痒さが残る作品だったかなぁ…と思います。

でも、「むず痒さ」と書いたのも、

応援したくなるような登場人物の描写の積み重ねが上手いのと、

役者さんとの相性が抜群だったからで、

そうでなければ、本作に抱く印象は大きく違っていたかもしれません。

 

後日談も見たかった…という気持ちに変わりはありませんが、

現在進行形で終わったって事は、続きの話が書ける可能性が高いって事にもなりますよね。

この枠のドラマは、何年か後にSPドラマとして帰ってくるパターンも多いので、

本作の"その後"もSPで見てみたいです。

その際は、対決じゃなくて、高階フィルとのコラボ演奏なんていう展開もアリかも…?

と思っております。

 

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大奥(2023) 10話(最終回) 感想|赤面疱瘡の駆逐はシーズン2で!

 

 

まさか時代劇で、現在の渋谷のスクランブル交差点が見られるとは!

最終回のハイライトはそこでした(笑)

まぁでも…最初は面食らったものの、

赤面疱瘡は消え、この国は決して滅びないという吉宗(冨永愛)の"願い"でもあり、

未来への"希望"でもあったのかもしれませんね。

 

正直言えば、吉宗の改革編も展開が少々忙しなかったかな…

秋に放送されるシーズン2に回せば、もっとじっくり描けたんじゃなかろうか…と

思う部分もなくはないですが。

しかし、これから半年間期間が空くタイミングであえて現在の映像を盛り込み、

残り3話で吉宗の死までを描き切るって所に、

何か作り手の意図があったんじゃないかという気もしています。

 

本作ではこれまで、「SF」というジャンルで括るにはあまりにも勿体ない、

例えば…「女性は〇〇であるべし」といった固定観念

上に立つ者ならではの苦悩、そして疫病など、現代にも通じる事柄が描かれてきました。

それを踏まえて書くとするなら…

現に、リアルの世界でも3年が経って、マスクの着用が個人の自由になるほど

ようやく緩和されてきているけれども、

感染者は毎日出ていて、まだまだ収束とは程遠い状態にいる訳で。

そこは、最終回で少し兆しが見えた赤面疱瘡の描写とリンクしているんですよね。

シーズン2へと繋げるかのような"含み"を持たせた内容にした事で、

視聴者も、半年後にはもっとより良い世界になって欲しいと自然と願ってしまいたくなる…

そんな明るさの漂う最終回になっていたのが良かったです。

 

とは言え、やっぱり、原作未読者でも

度々端折られている感は否めない仕上がりではあったので、

全10話じゃなくて、和数を増やして13〜15話やって欲しかったなぁ…

という気持ちではいます。

この枠の以前のドラマだと、好評を受けてSPを放送したケースもあったように、

NHKなら多少イレギュラーな編成も、やろうと思えば実現出来たと思うんです。

↑上からになっちゃってすみませんが…(汗)

いや…いっその事、シーズン2まで時間が空いているなら、

連続ドラマの放送が終わってからのインターバル期(2,3週間分?)に

"番外編"として特別放送を挟んでもアリなのかもしれません。

そして、深夜の時間帯ではシーズン1をぼちぼち再放送して、

ぽっかり空いた部分を補填しつつ、今までのおさらいも…なんて形式をやっていただけたら…

わがままですね(苦笑)

 

役者さんの演技に新鮮味を感じつつ、重厚な物語を魅せていただいた作品なので、

それだけシーズン2も熱い期待を寄せてしまうのです。

半年間待ち遠しい…!ですが、首を長くしてお待ちしております。

 

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星降る夜に 9話(最終回) 感想|同じ空の下、日常は続いていく

 

 

まず、惜しかったな…という点を1つだけ。

どうしても、伴(ムロツヨシ)のエピソードが消化不良だったのは否めなかったかなぁ…と、

そこだけちょっぴり複雑な気持ちにもなりましたね。

鈴(吉高由里子)や深夜(ディーン・フジオカ)、春(千葉雄大)など

皆それぞれ辛い過去や深い傷を追っていた者が、

固定観念に囚われず伸び伸びと生きる一星(北村匠海)との関わりによって

前を向いて歩いて行くまでを描く物語。

そこに伴の心情変化を含む事自体は否定しませんが、

やっぱり罪を犯してしまっている以上は、自分の過去の過ちに目を向ける描写もあった方が

伴のこれからの人生を応援出来たのかな?というのが私の考えです…。

 

彼が働き出した職場に鈴と一星と偶然会ってからのシーンにしても、

私がもし鈴だったら、「雪宮先生は人殺し」と言いふらしてクリニック内を暴れられ、

自宅にレンガを投げられるといった恐怖が真っ先に蘇ってきて、

笑顔で「また来ます!」なんて言えないかもしれません。

2人との再会はなしにして、どこか少し離れた場所で

伴は娘と一緒にやり直そうとしている…という落とし所にしても良かった気がしました。

 

ただ、そこを除けば、"らしい"感じにまとまった最終回だったのではないんじゃないかなぁと。

鈴が1人で星空を見上げてから今までの回想が盛り込まれる流れで

ああ、なるほどな…と思ったのは、「みんな同じ空の下で繋がっている」

本作が送るメッセージだったのだ…という事。

例えば、鈴と一星の出会いは星空の下。

佐々木夫婦が安産祈願にと、神社に参拝しに行った際に見つけたのは一番星。

"雪"宮鈴、柊一"星"、佐々木"深夜"、佐藤"春"、"北斗"千明と、

主要人物の名前の共通点に、気象に関するワードが入っていたのが印象に残っていたんですが、

そのネーミングも、エピソードを広げてきたのも最終回のためのだと気づかされました。

 

挿入歌を流すタイミングも良くてね…。

"始まり"を象徴する夜空をLINEの背景に見立てて

2人の現在進行形でのトークが繰り広げられた後で、

今度は、向こう側に一星が立っていたシーンを彷彿とさせる踏切をチラ見せする形で、

「空の下で続いていく日常」を表現した所で流れた歌詞が

「♪何度でもね これからも 思い出 重ねよう」だったのには、刺さらずにはいられず…。

いやはや、あまりにもバッチリ過ぎる演出でした。

 

キスシーンの頻度はもちろん、それをロマンチックに見せようと

画面を切り替えてはいろんな角度から映したり、

今回で言えばタイミング良くイルミネーションを点灯させたりと、

何かと"若者向けのドラマ"を意識した胸キュン演出が多かったですが。

内容そのものは胸キュンとは一転して、骨太なヒューマンドラマ仕立てで、

最後まで登場人物に愛着を持ちながら

彼らの幸せを願いたくなるような温かい作品でした。

 

最後に、間を挟まずの放送なのもあり、どうしても比較されるだろうと分かっていて

あえて言及してこなかった某静寂についても、最終回なので少し触れながら書くとすると…

静寂が"陰"なら本作は"陽"で、どちらが「あり得る」「あり得ない」って訳ではなく、

どちらも1つの世界に存在し得る作品だったのではないでしょうか。

また、2クール連続でその順番だったからこそ、

放送される意味もより深く感じられたと言いますか。

寒さが増して、空気がひんやり感じてくる秋〜冬の季節に、

静寂では「"伝わらない"苦しみは、中途失聴者だけでなくろう者も聴者も誰もが抱えている」

「それでも、一歩でも踏み出してみれば優しい世界は徐々に広がって行くのかもしれない」

を描いてから、

寒さから春の陽気へと変わり、もうすぐ新生活が始まる冬〜春の季節に、

本作では「"音のない世界"にいる人だって普通に恋愛するし、下ネタだって言う」

そして、「皆それぞれが新たな道へと進み始める」ラストを描く…

苦悩から、"普通"と言われている日常へとグラデーションがかかっているようで、

通しで見る意義のあった2作品だった気がします。

 

何だか2作品の総括になっちゃいましたが(苦笑)

本作"も"素敵な作品だったと思います。

 

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罠の戦争 9話 感想|黒鷲津の誕生と敵の再集結。犬飼もそのうち復活します?

 

 

辰吉(岩谷健司)の件に関しては、いつもの如く

鷲津(草彅剛)の煽り文句に押されて思わず口を滑らせてしまう流れだったので、

そこはあっさり気味ではありましたが。

ただ、そのエピソードを除けば今回は、掴み所のないミステリアスさや

クレバーな人々による"駆け引き""探り合い"が強まった内容になっていて、

少し盛り返したような気がします。

 

中でも、個人的に面白いなぁと感じたのは、

竜崎(高橋克典)と鷹野(小澤征悦)の、最近の鷲津の活躍を見ての発言。

時系列に沿って具体的に書くとするなら…

まず、鷲津の声を聞きたいと国会議事堂に押しかけてきたマスコミへの取材をきっかけに、

彼の株がうなぎ登りに上がっていっているのを示す記事を読んで、竜崎がこう言うんですね。

「ふふふっ、良いんじゃない?庶民の代弁者。権力に立ち向かう正義の味方。

どんどん書いてもらうと良いよ。彼の記事。」

そして…後半になって、鷲津が内閣総理大臣補佐にまで出世した一方で、

自分たちの手柄はとられてしまっている旨を言及した秘書に対して、

鷹野がこんな言葉で返すんです。

「ふっ…まぁ、良いんじゃないの?鷲津先生にはどんどん出世してもらおうよ。」

この「良いんじゃない」「どんどん」というワードと、高みの見物をしながらも

鷲津を自分の計画の"コマ"として利用するタイミングを伺っているかのような言い回しの

絶妙な被り具合にワクワクさせられました。

 

実際、竜崎はあの発言をした後、鷲津と鶴巻(岸部一徳)の2人を呼び、

鷲津には議員としての仕事を全うする事、

鶴巻には幹事長を辞職してもらうよう"提案"をするんです。

なぜわざわざ同時に呼んだのか?は…

この件を鷲津が、鶴巻を落とすためのネタとして使う事まで読めていたからなんでしょうねぇ。

で…自分の思い通りに動いてくれた後は、支持率維持のためにも補佐に任命して、

好き勝手に扱いやすい位置に留めさせます。

 

鷹野の発言が竜崎と被っていたのには恐らく意図があり、

いずれ鷹野も、彼のように鷲津を利用する立場に回るのかもしれないよ?…という

暗示にもなっていて。

残り2話でどんな展開を繰り広げていくのかが未知数な中で、

彼が敵か味方なのかどうかに自然と注目が行くようになる構成の仕方は

中々よく出来ていました。

 

あと印象に残っているのは、鴨井(片平なぎさ)のエピソード。

内容というよりかは、挟み込まれたタイミングでしょうか。

先程の会談シーンでの3人の姿や、

鶴巻に関するニュースを見ながら笑みを浮かべる鷲津の表情など、

陰影をくっきりさせる演出を施す形で、政界に漂う"影"や"悪"を際立たせた後に、

少し憑き物がとれたかのような鴨井のエピソードを挟んで、一旦対比をとってきたんですね。

それが、悪に染まり切った結果、真実を知った眞人(杉野遥亮)に刺されるバッドエンドか、

あるいは、彼女と同じく自身の過去の過ちに気づいて、

一からのやり直しを図るハッピーエンドか?

今まさにそんな分岐点に立たされている…という

鷲津の現状を表しているような気もしました。

 

いやはや、良い意味で「分からない」回でしたね。

眞人の意味深なカットも何度も挿入されていて、

きっと"あの書類"を読んでしまったのでは?とも想像させられます。

鷲津の闇落ちについては…悪に染まるまでのスピードは確かに早かったですが、

5話で「あれ?」と思える言動だったり、

6話での「権力を使って弱き者を救う」エピソードだったりで

ぼちぼち助走はつけてきていたので、彼がああなるのにも違和感はないのかなぁと。

 

で…まだ来週が最終回じゃないと言うのに、

今回のラストでは、集まって欲しくない敵が一気に再集結。

逆襲の展開になる事は想定内でしたが、一気に…ってなると、

もしかしたら犬飼(本田博太郎)も再登場するのでは?なんて期待してしまいますね。

正直言うと、あの「ワッシッヅ!」の声が恋しい自分もいるのです(笑)

 

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