2023年春ドラマ-風間公親−教場0–一覧

風間公親−教場0− そ…特別編 雑感|慣れてはいるけど、さすがにこれは…。

 

 

特別編の感想を箇条書きにすると、こんな感じです。

・9.5割ダイジェスト

・映画の告知はなし

・「妹はどこだ?」のシーンはカットされた上に、匂わせエピソードも一切なし

・伊上(堀田真由)と谷本(濱田崇裕)、尾山(結木滉星)の3人の絡みが見たい方向け

まぁ最後に関しては、そこだけ集めても恐らく30分にも満たないんですけどね(汗)

 

今まで見てきた経験上、どんな内容になるかは察していても、

新録部分は実質中身がなく、あまりの捻りのない作りで…

果たして最終回の翌週に放送する意義はあったのか?と頭を抱えてしまうほどでした。

正直、数々の月9の特別編の中でも最もガッカリさせられました。

 

蓋を開けばほぼ総集編なのに、頑なに「特別編」と言い張るのは何なんでしょうね。

せっかく特別編を放送するのならせめて、

メイキング映像や、本編でも(もし後々配信するのであれば)ディレクターズカット版でも

見られない未公開映像を挿入するなどすれば、名前に見合った作りになるんですが…。

それが難しいのであれば、最終回が終わってから…ではなく、

"予習・復習"のつもりで映画化公開直前の時期に放送した方が

視聴者も見に行こうと思う人が増えるだろうし、作り手側は観客動員数向上→功績に繋がって

両者WinWinな気がするんです。

 

月9の特別編は2021年10月期の「ラジエーションハウスⅡ」(約1年半)ぶり。

フジテレビ全体だと、去年は1月期に月10「ドクターホワイト」(※関西テレビ制作)が、

4月期に水10「ナンバMG5」でやっておりました。

3番目の作品は視聴者への敬意が感じられる作りではありましたが…。

 

ドラマが好きで、フジテレビドラマの復活を内心願っているからこそ

辛辣な言葉にはなってしまうのですが。

もし本作を機に、再び特別編を

レギュラー化するつもりなら(あんまりして欲しくはないけれど…)、

本来ドラマの面白さや深みを届ける立場のテレビ局自身が

ファスト動画まがいの制作を続けてしまっては、信用も落ちて

視聴者のテレビ離れ・ドラマ離れを加速させるだけだと思います。

 

これは「じゃあ見なきゃ良いじゃん」で済まされる話ではないんですよね。

限られた時間の内の1時間をその作品に費やして、

初回から録画やTVerなどで欠かさず見てきた気持ちを裏切る事になると考えているので…。

最終的にあの形をとるんだったら、日頃からドラマを見る訳ではない方からしたら

それを見れば良いか…って事にもなりますし、

そうなると、視聴率もTVer再生回数もSNSでの盛り上がりも、徐々に低迷していく一方。

 

ついこの間も最終回にまつわる考えを、素人ながら書かせていただきましたが、

特別編の制作&放送も、もっと慎重になっていただきたいな…と願うばかりです。

活気がなくなっちゃうと寂しいので(泣)どうか、今後改善されていきますように…。

 

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風間公親−教場0− 11話(最終回?) 感想|で、劇場版はいつですか?

 

 

まぁ、だろうな…………っていう最終回でしたね。

いくら十崎(森山未來)を連想させる千枚通しの事件が描かれたとしても

それは単なる"1話完結型エピソード"の1つにしか過ぎない事も、

十崎を逮捕してきちんと完結させない事も分かりきっていたので、

驚きもガッカリもしておりません。

 

あ、でも、中盤からの露骨な引き延ばしにはある意味驚きましたけどね(苦笑)

風間(木村拓哉)が取調室のブラインドを閉めるシーンに

特に尺稼ぎ感を覚えたのも束の間、

まさか本編とエンディング映像で新人刑事の回想を2回流すとは!

最近の月9は、次の時間帯にもドラマ枠を設立したからなのか

最終回はほとんど通常放送だったのに…

拡大放送するなら、構成をもう少し工夫して欲しかったですし、

回想を流すならどちらかでも十分だったんじゃないでしょうかね?

 

今回は「ここからは推測です」と補足する台詞があったのでまだマシでしたが、

事件パートは基本「犯人からの自供頼り」の印象が強く、

憶測を言ってたら解決しちゃったけど、もし犯人が黙秘を貫いたらどうするつもりだったの?

とツッコみたくなるような内容が多かった上に。

もちろんその役者さんが好きなのを前提として、

最終回で隼田(新垣結衣)のみが美味しい見せ場をもらっているのも気になって…。

(個人的には、遠野について伊上(堀田真由)に言及するのは

どちらも付き合いのあった谷本(濱田崇裕)と尾山(結木滉星)の方が、

そして"指導を受けた刑事の代表者"として挨拶に行くのは

最初に巣立っていった瓜原(赤楚衛二)の方がしっくり来たのでは?なんて。)

事件描写に、物語の着地点に、登場人物の活かし方に、重厚そうな演出の魅せ方に…

あらゆる面で違和感の残る作品だったと思います。

 

2年前の「教場Ⅱ」のラストで、風間が片目を失うきっかけが描かれて、

どうせ映画なんだろうな…と思っていた"風間教官のエピソード0"が

ドラマで見られるとの事で当初は嬉しかったですし、

それにつられて最後まで見てしまいましたが。

結局は…極端に言えば、軽くタイトル詐欺ではありましたよね。

だって、風間が警察学校へと異動する理由は分かっても、

十崎があの時逮捕された事件の詳細も、風間含む警察組織を恨んでいる理由も

不透明なままで終わりましたから(汗)

で…来週は特別編を放送するらしいですけど、

内容からするに、十崎の件は劇場版へと持ち越しでしょう。

 

そう考えると、もしかしたら本作も「教場」「教場Ⅱ」と同じく、

前後編(前中後編?)の単発ドラマ向きだったのかもしれません。

いや、むしろ、遠野を殺害した事件と「十崎vs風間」のエピソードが

"風間が指導官から教官になるまで"を直に示していますし、

視聴者が本当に見たいのは"その2つ"なはずですから、

そこに絞って、単発ドラマで放送すべきでした。

まっ、リアルな話、お金が欲しいから…と言われればそれまでですけども。

 

期待値は高かっただけにね…何だかな。

SPの頃の記憶で終わりたかったなぁって感じです(涙)

 

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風間公親−教場0− 10話 感想|続きは映画館で!になりそう…何となくですけど。

 

 

なんだろう…この、美談でねじ伏せられた感(汗)

過去のトラウマに向き合い、心に太い芯を持つまでの変化が伝わってきた

染谷将太さんの演技は見応えがありましたし、

見えない所で大切な人を想っていて…の描写は好みの部類ではあるんですけど、

今回の事件パートはあらゆる方向でモヤモヤしましたねぇ。

 

素朴な疑問なんですが、今回の犯行って何罪に当たるのかが気になって。

サワラに事前に毒を仕込んだ訳でもあるまいし、時間差のトリックを仕掛けた訳でもない。

そう…継秀(岡田義徳)は直接手を下していないんですよね。

仮にガスコンロが自動消化装置の付いていない古いものだったとしても、

果たしてあんな方法で致死量のガスが出るのかどうかっていうのも確証が持てませんし。

"まだら認知症"なのを考慮すると、継秀の思惑通りに事が進むとも限りません。

 

大体、冷蔵庫の中をしばらく整理整頓していたのなら、他の物に塩があちこちつくはずで…

サワラに塩をいっぱい振っていたから

指にまだ残っていたと解釈すれば良いんでしょうかね(苦笑)

冷蔵庫の中の写真を見てあの真相に辿り着くのも飛躍し過ぎていて、

今回は大分、憶測で強引にまとめたなぁという印象が強かったです。

 

それに、風間(木村拓哉)が新人刑事のプライベートに首を突っ込むのもいつもの事ですけど、

冒頭では演技について触れたものの、心理の専門家でもない人が

三者の前で自身のトラウマを語らせようとする荒療治をやってしまったのも

個人的にモヤモヤする原因だったかと思います。

いくら何でも残酷で、感動には結びつかず…

お陰で、肝心の遠野(北村匠海)のエピソードに入り込めませんでした(泣)

 

話は変わって、本作はここ数回は事件パートはもちろん、

千枚通しの男・十崎(森山未來)を追う件と遠野の病状の3つのエピソードで

同時並行させているため、ややガチャガチャした作りになってしまっているんですね。

これ…最終回で書こうとしていた事を今書くとすると、

「十崎を追い、逮捕するまでの話」を重点的に描いた方が、

「風間公親−教場0–」というタイトルと

風間の"原点"に相応しかったんじゃないか?って気もしております。

 

だって今までの話って、教官時代も指導官時代も風間の性格があまり変わっていなければ、

風間道場と銘打って、SP時代にやっていた「風間vs複数の生徒」の生徒を

1人に絞ったバージョンをメインとしているので、

どちらかと言うと「風間公親−教場0.5–」の方が近いですし…。

風間道場で物語を展開していくから、十崎の方の進展は小刻み程度です。

 

最終回は15分拡大との事で、一応事件パートも十崎が絡んではいるものの、

現時点では彼の後を追うだけで接近は出来ていませんし、仇を取る=逮捕するまでを考えると

とても1時間弱で収まるとも思えませんね。

最近トレンドの「続きは映画館で!」にならないと良いんですけど…(滝汗)

着地点次第で、本作が微妙で終わるか、何だったんだ…で終わるか

評価が決まる事になりそうです。(←どちらにせよ微妙ではあるのねw)

 

 

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風間公親−教場0− 9話 感想|なんでそうなる?としか言いようがない。

 

 

プライベートの描写は女性刑事2人の時にはありましたが、

男性刑事の中込(染谷将太)の回でもガッツリやるんですね。

まぁ、ブツ切れで挿入していたとは言え、

母親役の余貴美子さんの佇まいも相まってか事件パートとの温度差を感じず、

終始ジリジリとした緊迫感を保った作りにはなっていたので

そこは良かったですけども。

 

中込のキャラクター自体も、何か才能が見込まれて送り込まれた

今までの刑事たちとは違い、完全なる問題児で、

風間(木村拓哉)と張り合おうとする様子は少し新鮮味がありますし。

前回に引き続き、"風間道場"らしく風間が指導する姿もしっかり描かれています。

ただ…肝心の事件パートは、前回はせっかく上手くヒントを見せていたのに、

また「戻っちゃった」って所でしょうか。

あまりにも無理くりな展開で、おいおい、いくらなんでも…と思えてしまうほどでした。

 

ドラマは基本フィクションであり創作物なので、

全てを全てリアルに寄せる必要はないとは思います。

しかし、本作のような「刑事モノ」、あとは「探偵モノ」…

つまり、トリックの解明や推理が物語の鍵を握る作品ともなれば話は違ってきて、

「いかに視聴者を納得させられるか」「視聴者がいかに推理を楽しめるか」

重要になってくる訳で。

"ご都合主義=ファンタジー"が度を超えれば超えるほど、視聴者も一気に興ざめしてしまい、

終いには作品の雰囲気も壊しかねない気がするんです。

 

仮に例えば、頭脳明晰な子供が大人顔負けの観察眼で真相を見抜く「名探偵コナン」や、

特殊捜査課の面々がみんな子供の「コドモ警察」、

今期で言うなら、赤ちゃんが事件解決に導く「育休刑事」などのような

ファンタジーを取り入れた作風だったなら、

「その手の作品だから」と割り切って楽しめたかもしれませんが…

本作の場合はいたってシリアスで、リアル寄りではあるんですよね。

でも、リアルな描写をしている割には、真相や着地点はファンタジー

以前でも書きましたが、やたらと重厚な演出&劇伴も含めて、

そのチグハグさが本作の面白味を損なわせてしまっているんだと思います。

 

そもそも、「倒叙ミステリー」の描き方もずっと疑問で。

犯人を先に見せれば良いってもんじゃないのでは?というのも引っかかるんです。

犯行に及ぶのが頷ける動機だったり、証拠だったりを

視聴者に前もって提示するのが「倒叙ミステリー」だと捉えているんですが…

事前情報もなく、ただ殺害する様子を描くだけなので、

その後の情報が全て後出しジャンケンに感じてしまうと言いますか。

一応"ヒント"のつもりで、前半部分で伊上(堀田真由)を病院に連れて行くエピソードを

挿入していたんでしょうけど、それも事件に繋がるのがあからさまで、流れとしては強引。

もっと経緯を冒頭に盛り込めば、内容にもついて行けそうなのに…

何だか粗っぽいんですよね。

 

それにしても、刺した時にカメラがスポーン!と出たんだと想像すると失笑もんですし…

大体、広島行きの往復列車が帰ってきたお陰で、証拠品が見つかったって…(汗)

もうこうなってくると、気を衒わない方が得策な気がするんですけどねぇ。

って、あと2話の段階で書いても遅いか……。

 

 

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風間公親−教場0− 8話 感想|「教場Ⅰ・Ⅱ」の面影を感じさせた回。

 

 

前回は…路子(白石麻衣)のプライベートな部分を強調しただけでなく、

風間(木村拓哉)が新人刑事への指導を放棄した(と捉えられる行動をとった)事で

かえって路子単体での台詞量やカットが多くなってしまい、

「マイペースで肝の座った新人女性刑事が主人公の刑事ドラマ」に見えたのはもちろん。

事件パート自体も憶測と後出しジャンケンが著しく、"刑事ドラマ"としても雑な作りで

今までの話の中で最も満足度の低い内容だったのですが…

今回は前回とは打って変わって、最も良質な印象を受けましたね。

 

何と言っても、風間の魅せ方が明らかに違うのです。

個人的には「教場」「教場Ⅱ」を彷彿とさせるほど、

今回で初めて、彼がちゃんと主人公に映りました。

例えば…序盤で風間が後から現場入りしてきて

路子や谷本(濵田崇裕)とやり取りをするシーンがあったんですが、2人を平等に描き、

"風間にとっての部下"である2人と"捜査チームにおいての上司"である風間で

2:1の構図を作る事で、風間の存在感を際立たせていたのもそうですし。

何より、"風間道場"らしく、路子に指導する姿が頻繁に描写されていて、

それに伴い、彼の些細なカットを増やしていたのも効果的だった気がします。

 

そして、いつもお馴染みの「風間に全て見透かされている」

不安や恐怖を生み出す演出も冴えていて…。

一度は玄関に人がいなかったはずが、名越(小池徹平)の動向を映してから

恐る恐るカメラをずらしていったら、風間がいると分かった時のゾクっとした感覚だったり、

終盤の路子への取り調べシーンで、風間が確信を突く言葉を言うタイミングで

寄りと引きでカメラワークに緩急をつけたりしながら、

彼がいかに洞察力に長けた人物であるかを映像&演出で見せていったのが良かったです。

 

で…最後には、相手を想いやる一面も持ち合わせている事を分からせるエピソードまで用意。

前回で、いつもなら前編で交番勤務を推奨するくだりがあるはずなのに、

路子の時だけなぜ…?っていうのが気になっていたのですが、今回のためだったんでしょうね。

捜査情報を漏洩し、薬物絡みの彼氏と同居していた以上(調べが入るはずなので…)、

路子が交番で再起を図れるのは現実的ではないのかもしれませんが、

私はこのオチは中々好みでした。

風間流に言い換えて真似た「何となくだが」という、普段なら絶対言わないであろう発言は、

これからどうして行きたいかはお前が決めろ。俺は陰ながら応援するだけだ…みたいな、

さり気なく背中を押してくれているような彼なりの優しさと洒落を感じさせましたし。

回復に向かいつつある遠野(北村匠海)に「時間はかかるが、復帰出来るそうだ。」と

声をかけてからの交番で働く路子への場面転換も、

彼女の今後を願っているようにもとれて、秀逸な流れだったと思います。

 

そんな訳で今回は、"指導官"として、優れた刑事として、上司として、1人の人間として…と、

風間のいろんな顔を見られた点で充実感を覚えました。

事件パートも、基本は倒叙ミステリーなので、犯行の過程は明かされはするんですけど、

今回は視聴者に「ん?」と思わせるポイントを提示するなどして

いつにも増して親切設計だったのが良く、疑惑が確信へと変わっていく様を

畳み掛けて見せていく形をとっていたのが面白かったです。

 

本当、今回のようなお話が初回から描かれていれば、

脱落者ももう少し減ったんじゃないでしょうかねぇ。

車を使ってのダイイングメッセージとか、学校の銅像の溶接とか、

大皿で体液を全て受け止める…とか、

今となっては、トンチキ要素濃い目だった前半が懐かしいです(笑)

 

 

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風間公親−教場0− 7話 感想|女性刑事回の時だけに感じる違和感…

 

 

まず初めにおことわり。

出演者さん自体は好きな方ですし、ご本人には決して罪はないと思っています。

これを理解していただいた上で、感想を読んでいただけたら…と思います。

ではでは…

 

 

「知らんけど」のノリで「何となくですけど」をつい言ってしまう

路子(白石麻衣)の回がスタート。

同じく女性新人刑事である隼田(新垣結衣)の回が、刑事モノであるにもかかわらず

プライベートの描写があまりにも切り刻んで盛り込まれていたため、

今回も不安を抱えながら見始めましたが…

う〜ん…どうやら、その不安が的中したみたいですね。

 

隼田の時は、原作が原因なのか、脚本・演出が原因なのか判別がつかない状態でしたが、

最後まで見て、原作を未読の私でも、これは確実に後者が原因では…?と

思えてしまうほどでした。

 

男性刑事の時には深掘りされない"公私の私"の部分が、

なぜか女性刑事の時に限って深掘りされる。

捻くれ者の考えですみませんが、女性刑事側のキャストを踏まえると、

どうも大人の事情が絡んでいるように見えて仕方ないのです。

しかも今回の場合、特に異様だったのは、

路子単体でのカットや台詞の多さ、終いにはサービスシーンまで用意されていた所。

彼女といると調子が狂うのか、自身の目の事や遠野(北村匠海)が気がかりで

仕事に集中出来ないのか分かりませんが(だったら休んだ方が…とは思いますが)、

指導官であるはずの風間(木村拓哉)も本来の職務を途中で放棄していて、

お世辞にも「風間道場」とは言えない仕上がりになっていたのはもちろん。

その分、路子が自分のペースで捜査する描写が増えて、

「度胸のある新人刑事が活躍する刑事ドラマ」の作風へと

変わり果ててしまったような気がします。

 

でも、単独で捜査していた割には、本人の口から語られるのは

確実な証拠ではなく妄想ばかりですし。

ウインドブレーカーを頑なに脱がないのが気になるなら、

あの場で「なぜ脱がないんですか?」と聞いて反応を伺えばヒントに近づいた上に、

大体、業務で忙しいであろう刑事2人と事務員を巻き込んで徹夜で寸劇を練習する暇があったら、

その時間を捜査の時間に回した方が効率的では…とも思いました。

で、最終的には風間に「仕留めて」もらうという(苦笑)

事件パートの結末自体にも、女性には妙に甘い風間の対応にも

モヤモヤさせられっぱなしでしたね。

 

というか、遠野が勝手に飛び出していったとは言え、

風間には何のお咎めもないんでしょうかね?

遠野と同じで彼もかなり被害に遭っているのに、

事件の翌日にはもう現場復帰出来ているのも含めて…

何週間か時間経過させてからの今回…の方が、

まだここのツッコミどころも減ったのかもしれません。

 

軽い雰囲気をまとった物語に対しての重厚な世界観作りも

いつも以上にチグハグになっていて。

メインテーマが流れるタイミングも「えっそこで!?」って感じで、唐突感が凄かったです。

演出家が新しく担当されたのかと思って後で調べてみたら、

まさかの中江功監督だった事にびっくり(汗)

次回も引き続きの路子回なので、もうあまり期待出来ませんが、

内容にしても、演出にしても、次で少し"マシ"になるよう願うしかないですかね…。

 

 

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風間公親−教場0− 6話 感想|"あのシーン"再び。

 

 

前半は通常通りの1話完結型ミステリーで進んでいったので、

予告詐欺で終わるんじゃないか…とも一瞬頭に過ぎりましたけど、

「教場Ⅱ」のラストにあった風間(木村拓哉)と遠野(北村匠海)が

千枚通しの男に襲われるエピソードが、尺を加えてようやく描かれましたね。

刺される様子をストレートに見せるのではなく、

あえて傘で姿を隠して血が大量に飛び散る様子を映す事で

惨劇を物語らせるシーンは当時も衝撃的でしたが、

2年経って改めて見ても、やっぱり力が抜けるような感覚を覚えました…。

 

ただ、そんなショッキングな展開が最後にやってきたからなのか、

肝心の事件パートの方は…正直霞んでしまって、特筆する部分があまりないのかなぁと(苦笑)

まぁそれだと感想にならないので、もう少し膨らませますけど。

今回の内容って、視聴者の多くが求めていたであろう

「風間自身の過去」に触れる事が事前に予告されていたのもあってか、

ラストのための前座扱い感が否めなかったんですよね。

今までの回も含めて、トリックも殺害動機の描写も甘さはありましたが…

今回のに関しては、着地点もあっさりし過ぎて、放置している箇所も多過ぎて極めて雑で(泣)

シングルペアレントではないものの、またしても"子供を想う父"の話だった訳ですが、

そもそも、本当に子供を想っているのであれば

遺体のパーツを切断しようなんていう猟奇的な殺人行為を思いつかないはずですし。

柱にぶつかって意識を失ったくらいなんだから、

自己保身のためにも救急車に連絡するのが自然でしょうし。

最後は息子の絵で落ちて自首したのも…

物証がないのに?(息子の選択待ちだったとは言え)たった数分でコロッと変わる?以前に。

彼が犯してきた行為と釣り合わなくて、何だかむず痒さだけが残りました。

 

ミステリーはミステリーでも、本作の場合は倒叙型なので

その形式からズレるのかもしれませんが。

個人的には、息子・匠吾(城桧吏)が実は犯人で、

向坂(筒井道隆)はそんな息子を庇おうと自首してきたものの、

彼が最後に残した"あの絵"で匠吾の考えが変わり、罪を告白する…という流れだったら、

"あの絵"を通して父の想いを受け取った匠吾の心情が

切なさも漂わせて、印象深いものになったんじゃないかなぁとも思います。

せっかく「原風景」を絡ませているだけに、勿体なかったです。

 

気を取り直して…次回は白石麻衣さんだけでなく、隼田(新垣結衣)が再び登場するとの事で。

加えて、男に襲われた風間と遠野の"それから"も並行して描かれるそうなので、

本作が公式サイトで事前にアナウンスしていた

「点と点が結びつき、“風間教場”の先へとつながる線となっていく」に

徐々に近くなっている感じはしますね。

新しい登場人物の活躍で一旦ぼかして、

最終章辺りで再び千枚通しの男の件に触れるのかどうか?

まぁ、毎回ツッコんではいますが(苦笑)

残り話数の構成や真相が気になるのは確かなので、次回も見届けます。

 

 

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風間公親−教場0− 5話 感想|遠野回。やはり空気が引き締まる…

 

 

演出家が交代したからなのか、通常よりも「風間道場」特有の異様な雰囲気が薄まり、

新人刑事が活躍する刑事ドラマに見えました。

この若干の作風の違いが他の回だったら、

"連続ドラマ"としてはブレがあってどうなんだろう…?と

疑問符を浮かべて終わったかもしれませんが、

遠野(北村匠海)の登場が上手く化学反応を起こしていたような気がします。

今までの中で、物語への没入感が最も高い回でした。

 

今まで没入感を覚えなかった理由として…

今更なのですが、個人的には、ダークで重厚な劇伴・演出と

トンチキ寄りの事件パートの取り合わせにぎこちなさを感じていたんですよね。

SPドラマ「教場」「教場Ⅱ」の時は、「複数の学生vs風間教官」の構図で

風間(木村拓哉)の不気味なキャラクターに焦点が当たった話になっていたから

その劇伴・演出もハマっていたけれども、

連続ドラマかつ、指導官時代を描く本作の場合だと、どちらかと言うと風間よりも

"風間が指導している"新人刑事と、刑事が担当する事件に重きを置いた話になっているので、

そこが内容にイマイチのめり込めなかったのかな…?と言いますか。

 

しかし今回は、指導官時代のみの登場だった新人刑事2人とは違い、

遠野は「教場Ⅱ」のラストで描かれた、

風間が右目を失う現場にいた重要人物の1人でもあります。

よって、この先彼がどんな運命に遭うのかを既に知っているため、

彼の性格や刑事としての価値観が

"あのシーン"にどう繋がってくるのかを見届ける感覚があり、

そこにいつもの劇伴・演出が重なった事でより緊迫感が増して、

空気がピリッと引き締まった印象を受けました。

 

そして、面白いなぁと思ったのは、今回のサブタイトル「妄信の果て」のネーミングの妙。

妄信とは、劇中の言葉を引用すると「訳も分からず信じてしまう事」を指します。

表向きでは、犯人が教授の論理をそのまま鵜呑みにする意味合いで使われていましたが、

これって、刑事になる事への執着心からか、

人一倍洞察力があってヒントを探す能力も長けている遠野自身にも

かかっているようにも思えたんですよねぇ。

終盤のシーンでも明かされていた通り、彼は一見優秀な新人ではあるんだけれども、

唯一の欠点は、危機的な状況に遭遇した時に、咄嗟の対応が出来ない所だった。

刑事だろうと交番勤務だろうと関係なく、不審者には対応せざるを得ない訳で、

仕事上割と致命的な気がするんですが…

彼の今回の描写だと、自分のそんな欠点や訳ありな過去に向き合う素振りが

ほとんど見えないんです。学生時代の回想も盛り込まれていなかったですしね。

だから、あの千枚通しでの暴行がきっかけで千枚通しがトラウマになり、

刺される事態となってしまったのか…それを「果て」と掛けているのか…

とも想像させられて、中々興味深かったです。

 

ツッコミどころ満載の事件パート自体も、

地図の印刷時間がご都合だった所は除いて(笑)特に違和感はありませんでしたね。

まぁ…北村匠海さんの佇まいがそうさせたのかもしれませんけども。

 

千枚通しの犯人の名前も分かり、坂口憲二さんも登場し、

次回はとうとう"あのシーン"に触れるようで…着実に原点にも近づいていっています。

後半戦がどんな展開になるのか?ちょっとだけ楽しみになってきました。

 

 

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風間公親−教場0− 4話 感想|次回、遠野(北村匠海)が登場するってよ。

 

 

結局、「隼田編」は物語に惹かれずじまいだったなぁ…というのが第一の感想です。

今回も適度に"シングルマザー""子育て""トラウマ"のエピソードが

ブツ切りで盛り込まれていたために、前回で感じたのとほぼ同じ印象を覚えました。

途中で伊上(堀田真由)が「この間の事件だって、風間さんはお見通しでしたよ?

家庭で何かあって、捜査に集中出来なかった事に」と言っていたように、

隼田(新垣結衣)が仕事の部分とプライベートな部分で

公私混同しているキャラクターにしか見えなかったのが原因なんだと思います。

 

風間(木村拓哉)が隼田のプライベートに踏み込んで、

「家族でどんな事があったとしても、今は自分の気持ちを殺せ。

君がやるべき事は犯人の逮捕だ。」という言葉を真っ直ぐかけるシーンがありましたけど、

もしかしたら、それは前回に持ってきた方が良かったのかもしれませんね。

風間が助言する様子が早い段階で描かれていれば、

過去を引きずっていた隼田も刑事の覚悟を持ち、目の前の事件に真剣に取り組むうちに

精神的に強くなっていく"成長物語"としての面白味も感じられただろうし。

そうする事で、本作の特徴である「刑事指導官・風間が新人刑事を

マンツーマンで教育する『風間道場』」がくっきり現れ出て、

内容(事件パートそのもの)にも集中出来ただろうし。

何と言うか、隼田の設定と物語の絡ませ方が本当に勿体なかったです。

 

まぁ…それ以前に、確か「教場」「教場Ⅱ」の時もそうだったものの、

女性に対しては妙に優しい風間の態度は気になりましたけどね。

「厳しさの中に優しさあり」…って解釈しておけば良いのかな?(苦笑)

 

肝心の事件パートに関しては、相変わらずツッコミどころ満載で。

いろいろ言いたい事はあるけれども、とりあえずは…

・木と金属混合とは言え、出産直後にあの重そうな大皿を持てる体力ってあるの?

・大皿の上で産んだとしても、体液全部を受け止めきれないと思うんだけど…

・赤ちゃんが熱に触れたら大騒ぎして、近隣住民に気づかれない?

この3点だけはツッコんでおきたいです(笑)

 

でも、個人的に最も気になるのは、3話の椎垣(佐々木蔵之介)犯人回を除いて、

今までの犯人がどれも「シングルペアレント」で、殺害動機に子供が絡んでいるのが

共通点になっているって所でしょうか。

…今回の隼田もシングルマザーでしたしね。

これ、何か意図はあるんですよね。 風間の背景に繋がるとか?

今の所はSP含めて、風間の幼少期の話も、家族構成についても全く触れられていないため、

似通った設定が続くのに疑問を覚えてしまうんですが…。

ただ、スタッフは長年ドラマ制作に携わられている方々ばかりではあるし、

何なら原作があるので、1つずつのピースがハマったかのような感覚になれる展開が

後々訪れる事を信じてみるしかなさそうです。

 

最後に…次回からは遠野(北村匠海)編との事で。

白石麻衣さん、染谷将太さんと順々でやっていって、

彼は最終章に…とてっきり思い込んでいたので、

5話で本格的に登場してきたのにはちょっと意外でしたね。

時間軸を途中でいじる形になるんでしょうか?

このタイミングで全体構成が分からなくなって、先が読めなくなりましたねぇ…。

 

 

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風間公親−教場0− 3話 感想|「シングルマザー」を強調し過ぎて話が難解に

 

 

死ぬ間際に"あそこ"に行こうと考えるのは無理があるなぁ…とは思いつつ(苦笑)

でも、回を重ねるごとに、事件のトリックや犯行動機から漂う荒唐無稽さが

徐々に軽減されていっている気はします。

しかしその代わり、今回はストーリーの構成の拙さが気になって仕方ありませんでした…。

 

そう感じた理由として、今回から新たに"風間の育成相手"になった

隼田(新垣結衣)の設定が大きく関係しているんだと思うんですね。

彼女は新人刑事でもある一方で、娘を長年1人で育ててきた

シングルマザーの顔も持ち合わせています。

ですが、個人的にはその、シングルマザーの描写が過剰気味に映ってしまって…

度々交わされる「出来る事は1人で。出来ない事は2人で。」という親子間の合言葉も含めて、

切り刻んで本編の合間合間に挿入する形をとっているために、

かえって話の腰を折り、内容全体をややこしくさせているような印象を受けました。

 

仮に今回の事件が、登場人物や事件内容と、隼田にまつわる背景や"謎"で

何かしらの共通点が見えてくれば、

彼女の設定を濃く描こうとしたのもまだ理解は出来たんですが…

実際は、全く結びつきのないものだったので(汗)

「ややこしくさせている」をもう少し具体的に表現するとするなら、

「事件パート」と「シングルマザー・隼田のエピソード」の2つの要素が

喧嘩してしまっている…とも言えますかね。

 

別に、刑事の仕事にシングルマザーという設定を付け加える事自体を

否定するつもりはないんですね。

むしろ、現実的に考えれば、そういった人も多いと思うので。

ただ、"訳ありな過去"は終盤にまとめて描いた方が、

恐らく「隼田編」が完結するであろう次回への"引き"になって、

本編の内容にも影響しなかっただろうし。

娘が熱を出したくだりもなくても良さそうだし。

もっと極論を言えば、親子2人の写真がたくさん飾られていて…

娘を送ってから、風間(木村拓哉)と初めて対面した時を思い出して

「よし、行くぞ」と覚悟を決めたかのような表情を見せる…

そんな冒頭の一連のシーンだけに絞って。

残りは話の流れの通り、子育てしながらも

1人で仕事を家に持ち込んで調べるという見せ方をしても、

風間が転属願を渡す原因にもなった、彼女の「何でも1人で抱え込もうと、

自分を追い込もうとし過ぎていて、周りに助けを求められない」欠点(=性格)は

ある程度伝わったんじゃないかな?というのが、今回を見ての私の考えです。

 

まぁでも、ストーリーの構成にやや不満はあったものの、

今回の中で唯一良かったのは、

風間に関する描写でようやく動きを感じられた事でしょうか。

「1人の犯人を取り逃がしても、次の世代の捜査能力を育てる方が大事な事もある」

この言葉が、指導官時代の風間の行動理念をストレートに表している気がして、

今までの話を振り返れば、だから多くを語らず、奥の方で観察するかのような

態度をとっているのかな…と、少しだけ頷ける部分もありました。

また、後付けだったとしても、早い段階でそれを提示したのは英断だったとも思います。

 

あとはやっぱり、千枚通しの件。

割とサラッと済まされてはいましたが、

千枚通しを所持した犯人は、風間が以前逮捕した男性である事が明かされ、

そして、その犯人は今でも風間に復讐心を抱いている…?ともとれる描かれ方になっていた点で、

「風間がなぜ義眼になったのか?」という"あの"ゴールに少しだけ近づいた感覚も覚えましたね。

 

とは言っても、それらはまだまだ微々たるものなので、

「風間の原点に触れる話かと思っていたのに…」というもどかしさは未だに抱えております。

過去に大きく関わる遠野(北村匠海)は最終章あたりの登場でしょうから、

ジリッ…ジリッ…ではなく、もっとそこに踏み込んで欲しいなぁ…っていうのが正直な所です。

 

 

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