2023年春ドラマ一覧

風間公親−教場0− 6話 感想|"あのシーン"再び。

 

 

前半は通常通りの1話完結型ミステリーで進んでいったので、

予告詐欺で終わるんじゃないか…とも一瞬頭に過ぎりましたけど、

「教場Ⅱ」のラストにあった風間(木村拓哉)と遠野(北村匠海)が

千枚通しの男に襲われるエピソードが、尺を加えてようやく描かれましたね。

刺される様子をストレートに見せるのではなく、

あえて傘で姿を隠して血が大量に飛び散る様子を映す事で

惨劇を物語らせるシーンは当時も衝撃的でしたが、

2年経って改めて見ても、やっぱり力が抜けるような感覚を覚えました…。

 

ただ、そんなショッキングな展開が最後にやってきたからなのか、

肝心の事件パートの方は…正直霞んでしまって、特筆する部分があまりないのかなぁと(苦笑)

まぁそれだと感想にならないので、もう少し膨らませますけど。

今回の内容って、視聴者の多くが求めていたであろう

「風間自身の過去」に触れる事が事前に予告されていたのもあってか、

ラストのための前座扱い感が否めなかったんですよね。

今までの回も含めて、トリックも殺害動機の描写も甘さはありましたが…

今回のに関しては、着地点もあっさりし過ぎて、放置している箇所も多過ぎて極めて雑で(泣)

シングルペアレントではないものの、またしても"子供を想う父"の話だった訳ですが、

そもそも、本当に子供を想っているのであれば

遺体のパーツを切断しようなんていう猟奇的な殺人行為を思いつかないはずですし。

柱にぶつかって意識を失ったくらいなんだから、

自己保身のためにも救急車に連絡するのが自然でしょうし。

最後は息子の絵で落ちて自首したのも…

物証がないのに?(息子の選択待ちだったとは言え)たった数分でコロッと変わる?以前に。

彼が犯してきた行為と釣り合わなくて、何だかむず痒さだけが残りました。

 

ミステリーはミステリーでも、本作の場合は倒叙型なので

その形式からズレるのかもしれませんが。

個人的には、息子・匠吾(城桧吏)が実は犯人で、

向坂(筒井道隆)はそんな息子を庇おうと自首してきたものの、

彼が最後に残した"あの絵"で匠吾の考えが変わり、罪を告白する…という流れだったら、

"あの絵"を通して父の想いを受け取った匠吾の心情が

切なさも漂わせて、印象深いものになったんじゃないかなぁとも思います。

せっかく「原風景」を絡ませているだけに、勿体なかったです。

 

気を取り直して…次回は白石麻衣さんだけでなく、隼田(新垣結衣)が再び登場するとの事で。

加えて、男に襲われた風間と遠野の"それから"も並行して描かれるそうなので、

本作が公式サイトで事前にアナウンスしていた

「点と点が結びつき、“風間教場”の先へとつながる線となっていく」に

徐々に近くなっている感じはしますね。

新しい登場人物の活躍で一旦ぼかして、

最終章辺りで再び千枚通しの男の件に触れるのかどうか?

まぁ、毎回ツッコんではいますが(苦笑)

残り話数の構成や真相が気になるのは確かなので、次回も見届けます。

 

 

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日曜の夜ぐらいは… 3話 感想|日曜の夜なのに…になってしまった(泣)

 

 

なんて事ないけど、どこか孤独を抱えながら生きてきた日常が

友情をきっかけに色付き始める…そんな物語になるのだと想像していた分、

宝くじ1等が当選するという斜め上の展開が訪れて、半ば呆然としてしまった前回。

岡田脚本の事だから、この"ミラクル"も何か意図があるとは言え、

もしかしたら3人にあまり共感しづらい方向へと進んでしまうんじゃないかと

不安だったのですが、今回を見て、その不安は少し払拭出来そうで安心しました。

 

1億円、5億円…というあまりにも非現実的な金額ではなく、

3000万(3人で山分けすれば1000万)に設定している所がミソなのかもしれませんね。

「豪邸も買えない」といった台詞がありましたが、

1000万円では豪邸どころか、普通の一軒家すら買えないですし。

年収200万円で計算すれば5年程度なので、一生遊び尽くせる訳でもない。

貯金も稼ぎも中々そこまでは到達出来ないけれども、

手にした所で一気にバラ色の生活には変われない、何とも中途半端な金額です。

だからこそ、3人が私たち視聴者と地続きである事をまだまだ感じさせてくれたと言いますか。

もし仮に上記の金額で当選していたとしたら、

2話の途中まで3人を等身大の人物として見ていたのが、幸福度で圧倒的に差がついて

置いてけぼりになっていたでしょうから…

今回で早速、宝くじ3000万が当たったエピソードを盛り込んだ理由が

見えてきたのは良かったです。

 

あとは、まぁ…サチ(清野菜名)の性格上、

「大金もらえて嬉しい!」「当選したお陰で生活が充実し始めた!」などと浮かれる

展開にはならないだろうとは踏んでいましたが、

「お金=幸せ」な安易な話に持っていかない作りもリアルでしたね。

私の場合、宝くじに応募はしないけれども、

倍率の高いチケットが当たった時とか、幸運が何度も続いた時とかに

こんな幸せで良いんだろうか…後々大丈夫なんだろうか…と

素直に喜べない気持ちの方が先行してしまいがちなので、

サチのネガティブな考えにも、翳りのある表情を浮かべた3人の姿にも共感出来ました。

 

いざ不幸が訪れた時に、「あの時が一番良かったな…」と回顧する事も人生にはあるある…。

で、3人はまさにその「あの時(宝くじが当たった奇跡を共有した時)が一番良かったな…」

の状況になりかけているんですよねぇ。

前回の感想で「宝くじに当選した情報を聞きつけたその中の誰かが接近し、

ピンチになりそうな所を…」と書いていたので、

中盤以降の流れも大体予想はついていたものの、

それにしても、まどか(矢田亜希子)とサチの父・博嗣(尾美としのり)の

疫病神っぷりが凄まじかったですね。

車椅子の話題を耳にした時に博嗣が食べていたのが

某コンビニの金のソフトクリームっぽかった所が、余計にイラッとさせるんです(笑)

 

今後、恐らく翔子(岸井ゆきの)の家族もお金に集ってくる事を想定すると、

基本的に善人の多い岡田脚本にしては珍しい人物描写な気がするんですけど。

3話でこの内容になってくるとなると、

お金を手に入れてからの3人の日常を蝕む展開は

しばらく続いていくのかもしれません。

 

通帳の残高が追記される演出も下手なホラーより怖かったですが、

若葉(生見愛瑠)と祖母・富士子(宮本信子)が

風で微かにギシギシ音を立てている玄関を見るシーンも、

嵐の前の静けさを物語っているようで印象的でした。

果たして3人が報われる日が来るのか?引き続き、結末まで見届けようと思います。

 

 

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ペンディングトレイン—8時23分、明日 君と 4話 感想|新キャラ登場でやっと話が進むかな?

 

 

3話の感想も書いてじわじわ追いつく気でいましたが…

話の進みが遅い以上、本作への印象もほぼ一緒なため、1話分飛ばす事にしました(笑)

でも、3話の内容にちょこっと触れるとするなら。

直哉(山田裕貴)の「動け。働け!」の喝のお陰で、

電車に乗っている人々全員ではないとは言え

やっと自主的に食料や道具を探す人が増えてきたのと、

何より、おばあちゃんがみんなに明かしていた心臓の手術の件は良かったかな?と思います。

「目が覚めたら…動いてた。頑張る理由、それだけよ。心臓が動いてるから…」

それを聞いて、ご飯を食べる気になった寺崎(松雪泰子)の流れがね…

どんなに信じられない出来事に遭遇したとしても、現状が絶望感に溢れていたとしても、

今自分がこうして普通に立てて、歩けて、

物を食べられるほど元気で生きている"小さな奇跡"を信じてみれば

いつか"大きな奇跡"だって生まれるかもしれない。

そんなちょっとした光は感じられて、心にスッと刺さるエピソードでした。

 

さて、前回の感想はそこまでにしておいて、今回の感想に入りますが…

まぁ〜〜何と言うか…こちらはこちらで「今更?」が目立つ回でしたねぇ。

前回の時点では「発生から間もなく1週間」、

で、今回の中盤で「三日三晩寝てたのよ」という台詞があった辺り、

少なからず1週間は経っている事を想定すると、

サバイバル生活の基礎であろう火おこしを"今"練習するの?

しかも、まずは優斗(赤楚衛二)しかやっていないって?っていう疑問も

もちろん出てくるんですけど。

中でも私がズッコケてしまったのは、

田中(杉本哲太)による防犯指導が"1週間後に"始まった事にあるんです。

 

以前の感想でも書きましたが…観光地ならともかく、

どこに何があるのか、人や生き物が住み着いているのか、

どんな場所かすら分からない得体の知れない山にいるんですよね?

いつもの世界に戻れないまま何日も滞在しなければならないと分かった時に、

何とか生き延びられるよう、個人個人で危機管理や周りに対して警戒心は持つでしょうし。

大体、まともな水や食料も探せていないまま何日か経っているならとっくに飢餓状態で、

初回の玲奈(古川琴音)みたいに、他人のカバンから物を盗み取る人も

ゾロゾロ出てくる気がするんです。

実際はあんなに乗車人数が多ければ、自分の利益しか考えない人も1人や2人はいるはずなのに…

そこを誰も考えずに行動しているのも、あまりにもファンタジー過ぎると思います。

 

ファンタジーと言えばもう1つ…

「懸命に生き、元の世界に戻ろうとする姿を描く(公式サイトより)」物語なのに、

登場人物の回想の盛り込み具合が緊迫感を削いでいるのも、やっぱり気になりますね。

言い換えれば、パーソナルな描写が話の腰を折ってしまっているんです。

いつも多いなぁと思って見てはいましたが…

今回は優斗(赤楚衛二)の過去を掘り下げた回だっただけにより顕著になっていて、

もう過去は良いから、早くワープした真相に触れる話を進めて!と

焦ったい気持ちにさせられてしまいました。

 

終盤の方で6号車の面々との対面があり、マンネリ化した展開に

やっと新風を吹かせてくれそうな期待感は微かに持てましたが…

本作の作風が作風なので、しばらくは両者でのいざこざが続くのかもしれませんね。

 

 

…最後に話は逸れて、どうしても書き残しておきたかった事を。

これはただの思いつきですし、もう中間地点に突入するので

テコ入れする可能性は低いんでしょうけれども、

先ほど書いた「間もなく1週間」とか「三日三晩」とか、時間経過の描写を曖昧にせずに、

例えば…冒頭か終盤で「ワープしてから◯日間経過」のテロップを

端に出す演出を施すだけで、"らしさ"が増して、大分違ったんじゃないでしょうか?

サブタイトルは「8時23分」でやけに明確なのに、

本編はなんでそんなに大雑把な…というのもいっつも気になるんですよねぇ(苦笑)

 

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それってパクリじゃないですか? 5話 感想|知財部の空気感が良くなってきただけに…

 

 

公式サイトだと「凸凹コンビが、知的財産をめぐり巻き起こる様々な問題に立ち向かう!」と

記載されていた事から、視聴前は、二人三脚で目の前の問題に向き合っていく様子を

コミカルに描いていく物語になるのだと想像していた私からしたら

少し違う方向には行っているんですけれども。

それでも、今回で初めて、2人とも息が合っているなぁ…

この2人のやり取りをもっと見ていたいなぁ…と魅力的に思えましたね。

前回で北脇(重岡大毅)が親会社から送り込まれたスパイではないと分かり、

彼は弁理士を目指す動機を亜季(芳根京子)に明かした事で、

お互いようやく1歩ずつ踏み出せたって所なんでしょうか。

北脇の新たな一面が垣間見えたのが関係性の変化を物語っていましてねぇ…。

以前からごく稀にタメ口にはなっていましたが、何だかんだで世話焼きで、

しかもサポートの仕方がかなり遠回りで(笑)

見ていて楽しいし、微笑ましかったです。

 

コンビだけでなく、知財部3人+助っ人社員・又坂(ともさかりえ)のチームの空気感も、

それぞれのキャラクターも良い感じに描かれてきています。

"知財部の社員"としてまだ初々しさが残る亜季と北脇を、

ベテラン2人が見守るという構図が素敵。

見守るスタンスも違っていて、

北脇をちょっと揶揄いながら、場を和やかにしてくれる又坂と

周りを俯瞰的に見ながら時々アドバイスをし、

巧みな話術で社員のやる気を向上させる熊井(野間口徹)で、

適材適所で見せ場が用意されているんですよね。

そんな訳で、前回は若干キャラにブレを感じて、心配にはなりましたが…

脚本家が再び丑尾健太郎さんに戻ったお陰でもあるのか、

人物描写においては満足のいく作品になっています。

 

ただ、ここまで見てきて、1つだけ惜しいなぁ…と思える点はやっぱり話の構成にあって。

以前の感想でも言及しましたが、本作って、メインエピソードに他のエピソードを持ってきて

内容を複雑に見せるきらいがあると思うんですね。

今までは複数案件の同時並行でも、クライアント企業や、登場人物の言動などで

何かしらの関連性を持たせていた上に、尺も調整されていたのでまだマシでしたが、

今回の場合、「窪地の特許出願の引き継ぎ」と「ポスターの写真の無断使用」のこの2つは

特に共通点がある訳でもなかったため、

わざわざ1話内で同時に盛り込む必要はあったのかな…?というのが気になってしまいました。

実際、片方の案件を描いたらもう片方は放置…で、途中でCMが開けた途端に

もう片方の案件に戻る流れになっていましたから。

個人的には、その場面転換でややこしさを感じましたね。

 

いや、熊井が序盤で「知財部の仕事は調整に次ぐ調整」と言っていた事や、

亜季が「調整」のワードを頻繁に発していた辺り、

きっと、案件をたくさん抱える知財部の大変さを表したかったのだろうとは思うんですが。

それだったらせめて、一気に2つの案件が…という見せ方ではなく、

一仕事終えそうな所でまた次の案件がやってきて中々休まらない…という見せ方でも

良かったのかもしれません。

 

にしても、ポスターに使用した写真については…

ネットから拾った画像で、よく大判ポスターのサイズに対応出来るほどの解像度があったなぁ

っていうツッコミもそうなんですけど。

社長(赤井英和)…本当に間抜けなんじゃないかと(笑)←これでも言い方和らげた方w

上司も上司で、完成してから画像の出典元を確認したりしないんでしょうか。

大企業だろうと中小企業だろうと関係なく、著作権に配慮するのは

社会人(特に作り手側)として当然の行為な気がするんですが(汗)

前回の結果オーライ!もそうでしたが…お仕事の描写の甘さも

今後控えめになって欲しいなぁと思う限りです。

 

 

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王様に捧ぐ薬指 4話 感想|綾華と東郷2人のシーン不足?

 

 

新キャラ・神山(坂東龍汰)の紹"回"…って所ですね。

前回の箱根旅行で綾華(橋本環奈)と東郷(山田涼介)の関係性の変化に

よりブーストがかかり、さらに三角関係の勃発ともなれば盛り上がりそうなものなんですが…

ライバルの登場を強調づけたいからなのか、

あまりにも神山と、"学生時代の初恋"を思わせる綾華との描写が多過ぎて、

2人の夫婦パートが減った事に物足りなさを感じてしまいました。

 

先ほど「紹介」ではなく「紹回」とわざと書いたのもこのためで。

ざっくり言ってしまえば、回想が多めに挿入されていたのもあり、

正直、今回は神山に関する説明の回にしか過ぎなかったと思います。

 

自身の存在が周りを不幸にする綾華の悩みに気づく東郷のくだりも

編集でそれとなく見せてはいましたが、

もっと上手く話を紡げたんじゃないかなぁ…というモヤモヤが。

これ、きっと、「職場で悪口を言われて心半ば傷ついている綾華」や

「クレーマー対応している綾華」や「神山としょっちゅう一緒にいる綾華」を…

何でも良いですが、彼女が仕事している姿を

遠くで東郷が目の当たりにするシーンを時折盛り込むだけで、

彼の出番が少なくても"パートナー"として気にかけているのは

伝わってきたのかもしれませんね。

個人的にはせめて、「慣れても良い事ないよ。本当に辛かったら言って?」と励ます

佐々木(小林きな子)との様子を見る東郷を描写しても良かったのかな?という気がしました。

 

まぁそんな感じで、全体としては惜しい仕上がりでしたが…

後半では、料理の振る舞いや「ネギ」呼び、

そして、前回お土産で渡された1つの形になるストラップなど、小道具を絡めながら

お互いの想いが表現されていたのが、唯一の救いではあったかと思います。

そのお陰で、最終的に"ラブコメディ"で成立しているようには見えましたしね。

 

小夜(小林涼子)の時は割とすぐに解決出来ましたが、

何か闇めいた佇まいの神山だと、どうやらそうも簡単には行かないようで…

せっかく新キャラを投入したんですから、次回で東郷の嫉妬や揺らぎが

強く描かれる事を期待します。

 

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風間公親−教場0− 5話 感想|遠野回。やはり空気が引き締まる…

 

 

演出家が交代したからなのか、通常よりも「風間道場」特有の異様な雰囲気が薄まり、

新人刑事が活躍する刑事ドラマに見えました。

この若干の作風の違いが他の回だったら、

"連続ドラマ"としてはブレがあってどうなんだろう…?と

疑問符を浮かべて終わったかもしれませんが、

遠野(北村匠海)の登場が上手く化学反応を起こしていたような気がします。

今までの中で、物語への没入感が最も高い回でした。

 

今まで没入感を覚えなかった理由として…

今更なのですが、個人的には、ダークで重厚な劇伴・演出と

トンチキ寄りの事件パートの取り合わせにぎこちなさを感じていたんですよね。

SPドラマ「教場」「教場Ⅱ」の時は、「複数の学生vs風間教官」の構図で

風間(木村拓哉)の不気味なキャラクターに焦点が当たった話になっていたから

その劇伴・演出もハマっていたけれども、

連続ドラマかつ、指導官時代を描く本作の場合だと、どちらかと言うと風間よりも

"風間が指導している"新人刑事と、刑事が担当する事件に重きを置いた話になっているので、

そこが内容にイマイチのめり込めなかったのかな…?と言いますか。

 

しかし今回は、指導官時代のみの登場だった新人刑事2人とは違い、

遠野は「教場Ⅱ」のラストで描かれた、

風間が右目を失う現場にいた重要人物の1人でもあります。

よって、この先彼がどんな運命に遭うのかを既に知っているため、

彼の性格や刑事としての価値観が

"あのシーン"にどう繋がってくるのかを見届ける感覚があり、

そこにいつもの劇伴・演出が重なった事でより緊迫感が増して、

空気がピリッと引き締まった印象を受けました。

 

そして、面白いなぁと思ったのは、今回のサブタイトル「妄信の果て」のネーミングの妙。

妄信とは、劇中の言葉を引用すると「訳も分からず信じてしまう事」を指します。

表向きでは、犯人が教授の論理をそのまま鵜呑みにする意味合いで使われていましたが、

これって、刑事になる事への執着心からか、

人一倍洞察力があってヒントを探す能力も長けている遠野自身にも

かかっているようにも思えたんですよねぇ。

終盤のシーンでも明かされていた通り、彼は一見優秀な新人ではあるんだけれども、

唯一の欠点は、危機的な状況に遭遇した時に、咄嗟の対応が出来ない所だった。

刑事だろうと交番勤務だろうと関係なく、不審者には対応せざるを得ない訳で、

仕事上割と致命的な気がするんですが…

彼の今回の描写だと、自分のそんな欠点や訳ありな過去に向き合う素振りが

ほとんど見えないんです。学生時代の回想も盛り込まれていなかったですしね。

だから、あの千枚通しでの暴行がきっかけで千枚通しがトラウマになり、

刺される事態となってしまったのか…それを「果て」と掛けているのか…

とも想像させられて、中々興味深かったです。

 

ツッコミどころ満載の事件パート自体も、

地図の印刷時間がご都合だった所は除いて(笑)特に違和感はありませんでしたね。

まぁ…北村匠海さんの佇まいがそうさせたのかもしれませんけども。

 

千枚通しの犯人の名前も分かり、坂口憲二さんも登場し、

次回はとうとう"あのシーン"に触れるようで…着実に原点にも近づいていっています。

後半戦がどんな展開になるのか?ちょっとだけ楽しみになってきました。

 

 

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日曜の夜ぐらいは… 2話 感想|まだ信じ切れてないぞ!w

 

 

とぼとぼ歩いて途中で立ち止まるサチ(清野菜名)に、バス停で待つ若葉(生見愛瑠)に、

駅のホームでお土産を見ながら電車を待つ若葉(岸井ゆきの)から始まった今回。

周囲から少し離れた所で1人でいるシチュエーション自体は何ら珍しくはないのですが、

個人的には、「ごく平凡な日常を送る中での孤独」を抱えて生きる3人の心情を

表しているようにも思えて、アバンからじわっと切ない気持ちにさせられました…。

 

本作を見ていると、そう…何だか「じわっと」という表現がしっくり来るんですよね。

それが一番当てはまるのは3人の"日常"の描写で、

日常を1人ずつ覗き見していくと、みんな一定の収入はもらえていて、

家族と同居している人がいて、安定した職に就けている人もいて。

衣食住で考えれば決して貧しい訳ではないんだけれども、

人間関係や自身の苦い過去などが原因で、どこか満たされない想いをしながら生きている…

この等身大な描かれ方が、自分の生活と重なってしまい、

3人の言動についつい共感してしまいたくなるんです。

 

サチが自然と思い浮かべるのは「あのカフェで3人で楽しそうに会話をしている図」だし、

自分に悔しさとやるせなさを感じるのは、友達は作らないと言い聞かせていたはずなのに

「友達といる時の自分」を想像し、その感情に蓋をしようともしている素直じゃない所。

翔子が悲しい感情を出せるのは、1人で高いアイスを食べている時で、

若葉があれからずっとモヤモヤしていたのは、

心を許せる友達が出来た!と思っていたのは自分だけだったのかもしれない…という気持ち。

物語が進むにつれて、ひた隠しにしてきたつもりだった本心を

三者三様で見せていく様は、特に印象的でした。

 

そんな孤独が丁寧に描かれたのが効いていて、

再び行われたバスツアーを通して3人が再会し、

髪の毛を揺らしながらキラキラとした笑顔を浮かべる終盤のシーンには

純粋に「また一緒の姿が見られて良かった…」と思いましたね。

でも…ここで意表を突かれたのは、まさかの宝くじが当たった件(笑)

等級や桁数を間違えた訳でもなく??って感じでまだ信じ切れてはいないんですけど、

次回予告を見る限りはどうやら本当みたいですねぇ。

(ちなみに、あのED映像は「宝くじが当たってからの世界線」にも捉えられたんですけど、

何か意図が込められているのかも気になります。)

 

正直、2話にしてぶっ飛んだ展開が来たので、

良い意味で"ドラマチック"じゃない本作の世界観が好きな私としては

今後どんな方向性で行くのか若干不安ではあるんですが。

ただ現時点だと、3人の周りには、セクハラ発言をする上司もいれば、

娘をもう娘だと思っていない家族もいて、未だ写真のみ出演の若葉の母に

居場所の分からない父もいて…と問題を抱えていそうな人物がちらほらいるので、

宝くじに当選した情報を聞きつけたその中の誰かが接近し、ピンチになりそうな所を、

出会いを重ねて出来た「強い絆」で乗り越える…という

話にもなっていくのかな?とも思っております。

少なからず、"あえて"盛り込んだはずなので。

当選させた事にどんな意味を持たせたのか、そこにも注目しながら見ていきたいですね。

 

 

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あなたがしてくれなくても 4話 感想|人によって変わる"3分間"の体感

 

 

人間の感情というのはいかに移ろいやすく、曖昧で不器用なのか…

4人の心がすれ違っていく様を見ながら、そんな事を思ってしまいました。

 

最も印象的で、芸が細かいなぁと感じた所は、

カモミールティーを作る過程と、オリオン座の形に似た砂時計による3分間の体感の見せ方。

本作はその時の登場人物の抱える感情をあえて台詞では表さず、

まるで代弁してくれているかのような演出で

視聴者に想像を促す作りになっているのが魅力の1つではあるんですが、

今回もそれは健在で、適度なタイミングで差し込まれる

上記の2つの小道具のアップが効果的だった気がします。

相手と話せる時間が3分"も"あるのか。3分"しか"ないのか。

前までは「唯一会話が出来る時間」として楽しみにしていたカモミールティー作りの時間が、

自身の行為を突かれてからは「気まずい時間」に変わり、

その場から今すぐ逃げ出してしまいたくなった新名(岩田剛典)の心境だったり…

でも、みち(奈緒)と話している時は

砂時計の砂が完全に落ちるほど夢中になってしまったり…と、

誰といるかで3分間が長く感じる事があれば、

あっという間に感じる事もあるという対比の演出で

人間の生々しさを物語っているのが興味深かったです。

 

社員旅行のエピソードについては、2人部屋で組まれていたのが、女性社員の人数が奇数だから

みちだけ1人部屋に…の設定には、この後の見せ場ありきな気がして

都合の良さは感じましたし(あの広い部屋を1人か2人って、随分大盤振る舞いだなぁ…ともw)、

新名が女性部屋に入る所を北原(武田玲奈)に見られる可能性は十分に高いのに、

さらに押し倒したりなんかして、おいおいなんて無防備なんだ…とも思いましたが(笑)

まぁでも、あくまでも未遂で終わり、みちは目を潤ませて

まだ陽一(永山瑛太)への想いがある事が分かったのには一安心でした。

今まで感想に書きませんでしたが、個人的には、みちと新名の描写次第では

「昼顔」のスタッフが集まっているためか、

ただのしっとりした不倫ドラマの作風に成り果ててしまうんじゃないか…

という懸念点がちょっとあったのでね。

お互い相手への想いを募らせていて、その想いが交わったりもするんだけれども、

一線は超えない状態で留まらせたのは良かったです。

 

次回は、みちと楓(田中みな実)がいよいよ対面するそうで。

もし新名との浮気がバレたらどんな反応を見せるのか?

中の人が田中みな実さんとなると、何かあるんじゃないかと

ドキドキ、ソワソワしてしまう自分がいます…。

 

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それってパクリじゃないですか? 4話 感想|主人公への好感度が少し下落

 

 

うーーーん……気のせいか、亜季(芳根京子)のキャラがいつもより幼く描かれてる?と

思いながら見ていたんですが、今回はオリジナル脚本かつ

脚本家が交代したからだと知って納得しました。

あの結末にはさすがにモヤモヤさせられましたね。

"どんでん返し"な展開で爽快劇に見せたかったから、

ライバル会社に商標出願されてしまい、月夜野ドリンクはチャンスを失ったかと思いきや、

世間の声もあって、結果的に自社の炎上防止に繋がった…という結末にしたんでしょうけど、

そうするんであれば、せめて「たまたま上手くいった」ではなく、

亜季か北脇(重岡大毅)に何か考えがあるかのような描写にして欲しかったです。

 

1人の若手社員が仕事に私情を挟んで独断で物事を決めたら、

社員みんなの努力を踏みにじるだけでなく、

会社の今後の業績に大きな影響を招くかもしれない。

本作は基本的にハッピーエンドの傾向にあるので、今回は結果オーライで終わりましたが、

実際はライバル会社に商標を取られたが故に損害を食らう方が多いはずなんですよね。

その恐れがある事を誰も指摘せずに、「お手柄なんじゃない!?」「先見の明ですね」

なんて周りが褒め称えるのも…

正直、いくらフィクションとは言え甘過ぎない?と思ってしまいました。

 

後々調べたら、商標登録出願の取り消しは一応出来るみたいで。

それを踏まえて、例えば…最初は無事に出願完了して、

SNSや動画などでツキヨン関連の事をチェックしながら

商品展開を楽しみに待っていたものの、

ある日土器子(北香耶)が言った「ツキヨンはみんなのものなのに?」が

ずっと心の中でぐるぐる引っかかっていた亜季が、

彼女の想いを汲んだ北脇と一緒に代替案を考え、取り消しを決意する…。

こんな流れになっていたら、結末への拍子抜けな印象も減ったのではないでしょうか。

 

亜季が「感情に流されやすい・少し自信なさ気・優柔不断」な性格である事は

今までの描写で十分理解していますが、

そこを活かすエピソードにしたって、今回はあまりにも強調し過ぎてましたね。

そして、商標と言えば…以前、某大手広告代理店がアマビエを商標出願して

炎上騒ぎになった事件もあったほど身近な題材ではあるので、

描きようによっては、社会性もさり気なく含んだ

考えさせられる内容に出来たかもしれないのに。

本当、いろんな意味で勿体ない…と思わずにはいられない回でした(汗)

 

 

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王様に捧ぐ薬指 3話 感想|綾華の小気味良さを堪能する回。

 

 

温泉旅行…火10枠ではもう鉄板のエピソードですね。

個人的にはこういった、心の中で抱いている感情に向き合う事で

互いの関係性が進展していくようなお話は、5話辺りで描かれるイメージがあるので、

3話で持ってきたのにはちょっと意外だったんですが…

最後まで見てみれば、東郷(山田涼介)が綾華(橋本環奈)に惹かれ始める心情変化も

納得出来るものになっていましたし。

何より、「契約で結ばれた関係が本当の愛に変わるまで」の物語である事を考えれば、

ブコメではど定番の三角(四角)関係の描写を

ズルズル引き延ばさなかったのも正解だった気がします。

 

今期は橋本環奈さんを始め、高畑充希さん、芳根京子さん、波瑠さん、奈緒さんなど

若手女優をメインに起用したドラマが多い印象ですが、

役者さんの好みを抜きにしても(いや、苦手な役者さんはいませんが)、

やっぱり、本作のヒロインが純粋に好感が持てるんですよねぇ…。

着飾らないし、正直だし、口は悪いけど家族想いで、

恋愛に強い憧れを抱くがあまり、仕事を疎かにする事もない。←ここ、感情移入する上で大事!!

今回はそんな彼女の魅力が最大限に活かされた内容になっていて、

小夜(小林涼子)への想いを断ち切れないでいる東郷をリードする様子を

微笑ましく見守りました。

 

特にお気に入りのシーンは、「(1人に)しません!」と言って流れをバッサリ断ち切る所と、

中学時代の話をした統合に対して、真っ直ぐな目で見つめながら心強い言葉を送ってくれた所。

後者に関しては、ご本人の色素の薄い瞳が効いているのか、

彼にかける言葉が嘘偽りないように感じられて、より頼もしい存在に映りましたね。

 

上記の2点以外にも…同じく正直者である小夜との学生時代のエピソード(回想)が

現在の綾華と時々重ねながら描かれていたお陰で、

東郷にとっては綾華が、自分を変えてくれる運命の相手なのだと思えるのも頷ける、

説得力のある話になっていた気がします。

また、今回で脚本家も演出家も交代したにもかかわらず、キャラクターにブレがなく、

雰囲気もきちんと踏襲されていた点においても特筆しておきたいです。

 

東郷の件が解決した所で、今度は綾華の番になるんですね。

ところで…桜庭(北村匠海)は今後も再び登場してくるんでしょうかね?

 

 

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