其の五「カボチャと喫茶店」
前回でも前々回でも話の筋は通ってるんだよなぁと感心してしまった
満(生田斗真)ですが、今回は極論が面白過ぎる。
ハロウィンとヘロインを一緒くたにするって!!
終いには、武器を持っていたら戦争が始まるとか!!
次々発せられる満の言葉にツッコミっぱなしでした(笑)
しかし、屁理屈を言っていても、意地でもカボチャをもらおうとしていても、
母・房枝(原田美枝子)は息子の本当の気持ちを見抜いていたようで。
やっぱり、子供が大人になったとしても、いつまでも親には敵わない…
そんな「親子あるある」なお話だったと思います。
他に印象に残ったのと言えば、ラジオで自分の投稿が読まれた時の
春海(清原果耶)のソワソワしたシーン。可愛らしかったなぁ。
しばらく立ち上がりっぱなしだったり、それからどうして良いか分からず
カーテンをぎゅっと掴んでみせたり、今度は座り直したり…という
落ち着かなさが妙にリアルでさ。
(これではないけど、私も興奮したら部屋中歩き回る事があるので気持ちが分かる。)
心を閉じ込めてしまいがちなナイーブな年頃の女子高生を、
何の飾りっ気もなく演じる清原さん。本当に良い役頂いたなぁ…なんて。
毎回褒めている気がするけど(笑)それくらい上手いんですもん。
其の六「酢豚と墓参り」
前半パートに満と父の関係性が垣間見える「カボチャと喫茶店」を
持ってきたのはしっかり意味があったのだなぁ…と思えるお話。
「カボチャ」が過去ならば、「酢豚」は現在。
「親子が当時どんな風に接していたか」を示してから
「残された子供は今どんな心境で過ごしているのか」を描く。
この流れのお陰で、家族の背景が徐々に見えてきたような気がしました。
…と同時に、満は満で、綾子(小池栄子)は綾子で、
父から与えられた愛情を自分なりに受け止めているのだとも伝わる作り。
言い合いになってその場がギクシャクしたとしても、反論出来なくて困ったとしても、
父が好きだったという酢豚餡かけチャーハン(=同じ釜の飯)を食べれば
結局は家族に戻ってしまう。
怒って、泣いて、ご飯を食べて、気持ちが落ち着いて…
家族でいる以上、そんな繰り返しの日々なんだという
さり気ない教訓も込められていて、温かいながらも考えさせられる内容でした。
個人的には、素直じゃなくて意地っ張りな性格の満の事を考えると、
お見舞いに行ったのは1回だけじゃないんじゃないかなぁと思うんですけどね。
優しい子扱いで褒められるのが恥ずかしくて、それを隠すために…とかあり得そうな。
どうなんでしょう。
***
喫茶店や中華屋と、今回は「景色」「街並み」を映す引きの画が多い印象でしたね。
今までもホームコメディとして充実した出来でしたが、
その演出によって更に「人の家を覗き見している感じ」が出ていて
面白みが増した気がします。
どこか懐かしいような雰囲気は、ホームドラマおなじみの「昭和らしさ」ですが、
社会人への道を閉ざしたニートの設定、マシンガントークが見所となっている点は
「令和らしさ」で、昔と今が交わりあった作りも楽しい。
コメディ部分もドラマ用に面白おかしく作ってるギャグではなく、
神頼みのアドバイスを信じちゃう春海とか、綾子の悪口につい乗っかる光司(安田顕)とか、
免許を取ろうとする牧本(西村まさ彦)がズバッと言われちゃう所とか。
ささいな日常から生まれる会話&やり取りから笑わせるのが良いですよねぇ。
光司と高校生との仮装バトル(?)も気になるし…
既に1クールじゃ短いんじゃないかという気持ちにさせられています(笑)
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