シ村(松岡昌宏)達家族の回想シーンや、
「お客様は仏様ですから」のいつもの決め台詞で締める事など、
一応最終回っぽく見せてはいましたが…
全体的には物語が終わった感じはなく、
普通に今週も放送がありそうだと思わせられる最終回でした。
1人の死者の過去をじっくりと映し出すのが本作の大きな魅力だっただけに、
シ村のエピソードが意外にもメインではなく、イシ間(でんでん)の成仏のくだりも
満遍なく同時進行で描いてきたから、駆け足気味でちょっと消化不良…。
加護の会の蓮田(吹越満)達が結局どうなったのかは、
今までにも後日談を明かさない回があったのでまだ良いとして。
娘がなぜあの姿になっていたのか、幸子(安達祐実)がシ村の死刑判決を聞いて
どんな反応を見せたのかなどは一切描かれなかったので、
やはり、前半のミチル(黒島結菜)の詮索のくだりを削っていたら
もっと「描きたかった話」が存分に出せたのではないかなぁと思いました。
(正直、彼女がいなくなってからの方が見やすかったし…)
そんな訳で、せっかく本筋は面白いのに、構成のバランスが悪かったのが勿体無い…
という歯痒さを感じてしまったものの。
「諸行無常に抗う事の出来ない人間の無力さ」「運命の前ではどうする事も出来ない苦さ」
といったメッセージ性は全ての話で一貫しており、
作り手が視聴者に何を訴えたいのか?は直に受け止める事の出来たものとして
印象に残る作品にはなりそうです。
最初はミタゾノに似ているな〜と思ったシ村のキャラクターも、
回を増すごとに、目や表情で「感情」「過去の自分」をチラつかせる演技が良く、
また今回なんかは、パパだった頃の人間味ある"市村"の姿も伝わり、
最終的には松岡昌宏さんの新境地でもあったんじゃないかと思います。
ニシ川(松本まりか)の過去の話や、ハヤシ(清原翔)の成仏のくだりを
やらなかったって事は、きっと続編があるって事ですよね。
原作はまだ続いているみたいなので、いつでもお待ちしています。
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