初回の感想で「悪くないね」と書いた当時の自分に、これを見せてやりたい。
最初は「アンナチュラル」を少しライトな方向で仕上げてきたんだろうな〜
くらいの印象だったんですよねぇ。それが間違いでした。
だって…奥深くまで切り込まれた内容に圧倒させられて
何も言えなくさせる話が出てくると思わないじゃないですか…(泣)
ドラマの中の出来事だと分かる空想の話なら感想は何とでも書けますけど、
本作の場合は、取り扱った問題は我々にも投げかけている訳で。
伊吹(綾野剛)の言う通り、ロボットにされた何十万人の留学生に対して
一人が謝っても何も変わらない。
だから、素通りしてきた問題をこうやって娯楽の形で伝える事で
多くの人の目に触れさせるしかない。
そこで初めて現実に気づかされて、しっかり平等に接しようと動いてくれる
経営者や店長が出てくるのでしょうが、
逆にそういう権力のある人がアクションに移さない限りは
今の状態は大きく変わる事はないのだろう…という皮肉も突きつけられているようで、
マイ(フォンチー)達の姿を通して、自分がいかに無力であるかを思い知らされた内容でした。
遠い国からやってきてくれた人々に対して、
日本にも良さがあるから嫌いになって欲しくない…
日本の文化や自然に触れてずっと好きでいてくれたら嬉しい…
って思ってしまうのも、多分、日本人のエゴなんですよね。
でも、あんな事があっても、終盤で水森(渡辺大知)と見ていた木漏れ日のシーンを見て、
まだ日本が好きである気持ちが残っていて欲しいと期待してしまう。
ああ、なんてわがままなんだろうなぁ。
今度こそは素敵な環境で、素敵な人に巡り会えると良いんですけども。
留学生の労働問題=悪い所には目をそらして、良い所ばかり見させる。
そんな伊達眼鏡社会を生きている私たち。
ここで伊吹のサングラスを比喩的に使うのは上手いな〜!と感心させられましたし、
社会問題へと話を広げながらも、
最終的にはマイと水森の2人の物語に無理なく帰結出来ている
野木先生の脚本はやっぱり凄い。
本人のTwitterアカウントによると、前回の「手取り14万」の件も今回の「GO TO」の件も
たまたま被ったとの事ですが、
意図して挿入していないから逆に凄いんですよねぇ。
渡辺大知さんは視聴時は「べしゃり暮らし」の相棒役だったとは認識出来ず。
心が荒んでいて、自暴自棄になっているのが伝わる上での
「来るなーーーーーーーーー!」と叫ぶ演技には、
その言葉以上に色んな感情や経験談が混ざっているようで印象深いシーンでした…。
役者の扱い方が上手いドラマは信頼出来る説。
成川(鈴鹿央士)とユーチューバーが絡み出して新たな相関図が生まれたのと言い、
菅田将暉さんが何者かがまだ読めないのと言い、
志摩(星野源)の過去にミステリー要素が増したのと言い…
早く次回が見たいなぁ。いや、もう一気に見たい!!
余談:
前回でキーアイテムとなっていた「少年海外協力隊(女の子の顔が写った広告)」は
コンビニ店内の後ろにポスターとして貼られていて、
ウサギさんのぬいぐるみは機捜隊のキッチンの隅っこに置かれてました。
小さなネタでも、別の世界で青池さんは立派に生きているんだろうなぁと
思わされる感じがして良いですね。
(いつもこの手のものには鈍感なもので、
見返した時に初めて発見出来た事がちょっと嬉しくなっちゃって。つい♪)
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