仲良くワイワイ喋ったり、お煎餅の入った袋を回したりしている
移動中の車内の様子が遠足みたいで
凄く微笑ましいなぁ…と思いながら見ていたけれど、
寺本(志尊淳)も同じく過去に傷を抱えていた者だったと分かってからは
そう感じていたのにも納得してしまいました。
まだ自我がなかった頃だったとは言え、そばにいる"はず"の存在がいないという現実を
子供の時から目の当たりにしてきた訳だから辛いですよね…。
時恵(板谷由夏)も連れて、痛みをみんなで分かち合おうとした巡礼旅。
いつにも増して聖哉(林田悠作)の回想が多いのが
見ている側をとてもいたたまれない気持ちにさせます。
でも、全体を覆う緑の風景が、最後の亜花里(上白石萌歌)の歌声が心を癒してくれる。
それらの演出がなかったら…ただ重苦しい余韻だけが残ってしまったでしょう。
今回歌われた「守ってあげたい」をなぞるならば、
ボケ封じの寺は、三井(山本學)を"孫が亡くなった"という悲劇から守り、
島田(江口洋介)と時恵を"十字架を背負った自分自身を責め続ける贖罪の日々"から
守ってくれた。
階段を上る島田が走馬灯のように過去の出来事を蘇らせていくシーンで
最後に出てきたのは仏像のカット…。
再びあの時の回想になった途端、「息子が守って欲しかったもの」を思い出した。
その一連の流れが「もう自分を追い詰めなくて良いんだよ」
「2人で本当の事を話し合ってみてごらん」と
神様が背中を押してくれているみたいで、自然と涙が溢れてしまいました。
「聖哉、すまなかったぁ…!本当にすまなかった……」
何度も謝り続けながら顔をくしゃくしゃにして泣く江口洋介さんを見るだけでも辛いのに、
声がたまに裏返っているのがもうズルいとしか言えない。
想いを全部出し切って少しでもモヤモヤが取り除かれたのか、
前半で車を走らせているシーンでは真顔だったのが、
帰りのシーンでは表情に柔らかさが漂っているのも"変化"で対比が効いていて印象的でした。
個人的には2話から本作の持つ魅力にグイグイ引き込まれていって、
特に今回の話はドンピシャだったので、次回でもう終わってしまうのか…という
寂しさが一気に込み上げてくるようです。
なんで5話なんだろう。
本作だけでなく、この枠は良い作品が多いのに、話数が短すぎるのが本当に勿体ない(泣)
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