35歳の少女 10話(最終回) 感想|急にやっつけ感満載の最終回。

 

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あーー…遊川さん、"そっち"の方に行っちゃったかぁ。

最終回になって各登場人物が急に浄化されて、平和な世界になってハッピーエンド!

っていう流れにするの好きですよね。

全ての作品を見ている訳ではないけど、最近のを見ているとみんな着地点はそんな感じ。

別にハッピーエンドにしても構わないんですけど…

描写がとにかく雑。

これに尽きるんですよ。

 

デザインの勉強をしていないのに、コンクールに応募したら

いきなり優秀賞をとっちゃった愛美(橋本愛)。

結婚式の司会を無茶振りで頼まれたと思ったら、地方局の人にスカウトされて

一気にアナウンサーの道へと進む望美(柴咲コウ)。

喧嘩がなかった事になっている今村家に、夢を手に入れられた達也(竜星涼)。

おとぎ話かのようにポンポン良い方向に物語が動いていくから、

これは病院で入院している望美の"夢オチ"もあり得るか…?と構えていましたけど、

そんな事はなかった。

でも、みんながみんな幸せになっているのに素直に喜べない。

「時間」をテーマにしながら、その登場人物個々の「時間」が描けてませんからね。

夢を手にいれるまでの時間。努力するのにかかった時間。成長する時間。前を向くまでの時間。

結人(坂口健太郎)だけは、面接を受けたり、自信を失いかけていたり…という

"苦悩"は感じられたから分かるんですけども。

う〜ん…こうなってしまったのも、やはり描くべき要素を盛り込み過ぎたのと、

8話からの展開が足を引っ張ったからなのではないかと思っています。

 

8話でのYouTuberの設定もね。

1年間の話なら尚更、アンチが出てこないのがますます不思議で堪らないんですよ。

多くの人に見られれば見られるほど

嫉妬したりクソリプしたりする人が出てくるのが今のご時世でしょうに…

残り2話ではその問題は全く拾われないし、望美の家族に対する喋り方も以前の状態に戻っている。

視聴者の関心を向けさせるためだけに入れたのなら…蛇足としか思えないです。

 

そして、「時間」関係で言えば、「25年間眠っていた事」も

もっと活かしていけば面白さも増したのかな〜…という気もします。

だって、「何年間」じゃなくて、この間まで小学生だったのが

急にアラフォーに突入する年齢になるんですよ!?

今更でも思い浮かんだ事があるので例として書きますけども、

25年間の昏睡状態から目覚めた事が世間に知れたらビッグニュースになっていたでしょうし、

それから特集を組まれて「この奇跡が起こった理由には、

一日も欠かさず看病し続けた母親の献身的な"愛"があった」と報道されようもんなら

マスコミも飛びつくはず。

更に望美がアナウンサーになりたかったと分かれば、"お涙頂戴"じゃないですけど

是非雇いたいとスカウトしに来るテレビ局の人がやってくると思うんです。

だから、別にYouTuberとして動画配信やらなくても良かったんですよ。

「25年間〜」は前半では、望美が"理想と現実の違い"に気づく表現で使われていましたが、

8話になってからは本当に活かせてませんでしたからね。

 

役者の演技の巧みさがなかったら本作の所々のシーンの"深み"も変わっていったでしょうし。

また、惜しい所はあると感じつつも

主人公の成長を見守る意味合いで好意的には見ていましたし、

特に後半戦に突入してからはみるみる変化する展開の早さに

引き込まれる魅力はあったのに…

結果的に、なんでこうなっちゃったんだろう感が否めない

最終回になってしまった事が残念でなりません。

 

こんな綺麗過ぎる終わり方なら、まだ"夢オチ"で終わらせた方がマシだった気がします。

今まで"影"をまとっていた作りだったのに、

最終回でそんな急にファンタジーにしちゃったら世界観が壊れちゃわない?とも疑問でしたし。

 

 

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