大団円の最終回。
今期のドラマの最終回はこのご時世を反映させているのか、
どのジャンルでもハッピーエンドになる事が多いですねぇ。
しかし、どんなに優しい世界でも、どんなにファンタジーでも…
こんなにも人の幸せを願いたくなるのは、本作が一番だったと思っています。
「生きるって事は、幸せってやつに片想いし続ける事なのかもしれないね」
和輝(高橋海人)のこの語りが、本作が描く世界観は勿論、
現実を生きている私たちの心情を表しているようで刺さる。
幸せが欲しくて欲しくて堪らない人々が、
目の前にある小さな幸せを見つけて積み重ねていったら
やがて大きなものになって私たちの元に訪れてくるかもしれない…
これを伝えたかったのだと思うと、数々の幸せムードも納得で。
(それにしても…臼井(スミマサノリ)の"捨てられた椅子"のくだりにも
しっかりオチが用意されていたのは意外でしたな(笑))
「あったかもしれなかった」「まだ続いていたかもしれなかった」
私たちがコロナ禍でその幸せを理不尽に奪われたように、
桃子(有村架純)は家族を事故で失い、吉岡(林遣都)は元恋人に傷つけられた"過去"を背負った。
後者の方が理不尽という言葉では済まされないほど辛い想いをしている訳で、
並べて書くものではないとは思います。
けれども、みんなそれぞれに悩みや不安を抱えていて、大きな壁も立ちはだかって、
それでも前を向いて生きて行く…といった登場人物の描写は
日常生活や人生にもリンクする部分が多々あり。
リンクするだけでなく、1年後のクリスマスの世界、
赤裸々に想いを伝えて共有し合う関係性を通して
「こんな世界になれたら良いよね」という
"そう遠くはない未来"=プチファンタジーの要素も加わった事が、
今あるべくして生まれた作品だったと感じる最大の理由だと考えています。
本作の脚本家が、温かい気持ちになれるファンタジーを得意とする
岡田惠和さんで良かったです。そして、この時期に出会えて良かったです。
良い人ばかりの優しい世界だからこそ、その分悲劇が際立ってしまうのだけれども、
それがなければただの空想で終わって印象も薄くなってしまいますから。
フィクションではあるものの、その世界で生きる人々と一緒に
2021年が幸せ溢れる一年になりますようにと願いたくなる最終回。
みんなで、いつか来るかもしれない大きな幸せを夢見て、前に進もう。
「とある小さな惑星の物語」を覗いている感覚にさせるような
地球のモチーフがOP映像や劇中に使用されている所、
そして、"惑星"絡みで、毎回絶妙なタイミングで流れるMr.Childrenの主題歌も。
どこかキュートで、ロマンチックで、切なくて…
見ているだけでいろんな感情が込み上げてくる、大好きな作品でした。
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