途中までは「面白いっちゃ面白いんだけど、
どことなく演出が軽いのが引っかかるんだよな〜…」と思っていた本作で、
まさかうるっとしてしまう日が来るとはなぁ。
やはり、たった15分という違いだけで、
天国と地獄に分かれてしまった兄弟の運命を描こうとしているのが分かった回。
今までなんとなく悪役のイメージがあった迫田孝也さんだけど、
悲しさと苦労を背負いながらも
弟と再会出来た喜びだけを噛み締めるように逝ってしまった演技を見て、
あんな複雑で繊細な役もされるのかと、見る目が変わりましたわ…。
日高(高橋一生)と朔也(迫田孝也)の出会いや関係性を見ると、
物語の真相はいたってシンプルで。
入れ替わりもあの時が初めてだったらしい。
視聴者が考察する形で謎が一人歩きしていった…
で、結局それがミスリードに繋がってしまったのには、
本作が「入れ替わり」から始まる物語である事、
「入れ替わりをあっさり信じてくれる存在」がいる事という2つの非現実な要素が重なった作りに
原因があるのかも…ですね。
しかもその2つを初回〜序盤の段階で盛り込んでいる訳だから、
もっと驚くべき"何か"が待ち受けているんじゃないかという勝手な思い込みが生まれてくる。
視聴者と作り手の間で考え方に大きなズレが現れるようになったのは、
偶然だったのか、それとも計算済みだったのか。
もし後者だったとしたら、そんなに深く考察はしていなかった私でも
森下先生の「こう表現すれば、視聴者はきっと盛り上げてくれるだろう」という策略に
まんまと引っかかった事になるので…うーん、悔しい!(笑)
彩子(綾瀬はるか)と日高も元の姿に戻って、
(最終的には2人とも捕まっちゃったけれども)まぁ一安心と言えるのか。
日高が目を覚ましたときの、今にも人を襲いそうな獣のような目つきで
元に戻ったと分からせるんだから凄いよなぁ…。
そして、その後も「入れ替わり」の要素も「元に戻ったからおしまい」じゃなくて、
ちゃんと活かした話になっているのもまた凄い。
彩子が感情的になって朔也を殴ったのだって、
今回の殺人事件の真相を追い続けて、長い間入れ替わっていた日高の体を使って
"日高の人となり・人生"も家族や社員を通して知っていった過程があるから
説得力が増すんですよね。
ミステリー部分は今回までで複雑な構造にしていない事が分かったので、
目の前で殺したとかっていう確かな証拠がないのは気になるけれども、
朔也は空集合=犯人で、日高は共犯なのは、もうこれで確定なんでしょう。
でも、最終回のようで、まだ最終回ではない。次回こそが、本当の最終回。
一瞬だけ意味深に映したSDカードが、物語の鍵を握ってそうな気がしてなりませんねぇ。
あれには何が入っているのか。
入っているデータ次第では、真犯人は別にいて、
朔也は嵌められただけだという可能性もわずかに期待してしまうんだけど…
果たしてどうなんだろうか。
あとは、八巻(溝端淳平)は2人の入れ替わりを警察にバラすつもりなのか。
スマホの電源がついた事が吉と出るか凶と出るかも気になるし。
あれだけ片付いた感じに見えても、まだ75分もあるんですよ?
まだ何かどんでん返しがありそうだって思っちゃうでしょ!
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