宝子(永作博美)が二折に入るまでのきっかけ、ですね…。
ほぼ中間地点の5,6話でその話を持ってきたのは別におかしくないし、
登場人物の過去に迫るには必然的な内容だったと思うけれども…
そもそも今回の記事を書く対象が10年前に事件を起こしてしまった人で、
行動範囲から遠く離れた場所へ取材に行くとなると、
もうそれは、「ニュースにはならないけど、日々生きづらさを抱えながら過ごす
=半径5メートル以内に存在する女性の心境を描く」
作品ではなくなってしまうじゃん?という違和感は拭えないままでした。
森岡大臣の件はニュースになってしまっているし、巻上の過去は記事で大々的に載っている。
一折がメインなら分かりますが…
どう考えても、二折がやらなければならない取材ではないんですよね。
いつも記事を作る際に語られる風未香(芳根京子)のモノローグにしても、
巻上(緒形直人)が今でも子供達のために変わらずケーキを作り続けている事、
新しい居場所がある事は宝子(永作博美)が目の当たりにした出来事なのに、
まるで彼女自身がそれらを調べ上げたかのように聞こえてしまうのにもモヤっと。
終盤でせめてもの主人公らしさを残すんだったら、
巻上の実態に踏み込み、海辺で本音を聞き出そうとした宝子の動きは
全て風未香に置き換えて描写した方が、"現実に向き合う"点では説得力が増した気がします。
巻上が心を開くまでの変化は、積極的な風未香の言動が
当時の鶴川さんと重なって見えた…なんて動機でも通じそうですし。
何度断られてもへこたれない彼女の姿を見て、
自分もずっと約束出来ないでいた10年前の事件を明らかにする事を実現してみようという
勇気が湧いてくる…といった流れで別軸を絡めてもアリだと思いました。
それに、3話の終盤で、宝子と大沼(真飛聖)と2人っきりで語り合っている時に
風未香について触れていた台詞があったから
(「どう?前田さん。手をかけてるようだけど」)、
この重要な回で伏線として回収した方が、
「上司が部下の成長を見守る」連続型エピソードならではの
醍醐味も味わえたかもしれないのに…。
黒いサンタの内容自体は悪くなかっただけに、風未香メインで、通常回で見たかったですかね。
山辺(毎熊克哉)の件も盛り込むために前後編にしたのでしょうが、
しれっと戻っていたとなると…やはり、2話分使ってやるような話ではなかったんじゃないかと。
まぁ、宝子の過去も解決した事ですし、次回以降の内容に期待します。
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