2022年11月一覧

親愛なる僕へ殺意をこめて 5話 感想|渋い声の山田くん、良い!!

 

 

怒濤の答え合わせ回でしたね。

白菱(佐野史郎)が実の父だったって事は、考察出来ていた視聴者はいたのかしら…

それが一番の衝撃です(笑)

 

門脇麦さんに関しては「ミステリと言う勿れ」でも二面性のある役を演じられていたので、

本作でも何かしら訳ありの役なんだろうなぁとは最初から分かっていましたが。

普段朗らかな雰囲気を纏わせている分、まぁやっぱりパンチ力があるもので…。

京花から語られる真相はどれも惨(むご)くて、ただでさえ耳を塞ぎたくなるほどなのに、

愛嬌を振りまきながらも軽やかな口調で話し続けているから、

闇の深さが余計に際立つんですよね。

話し方と内容に矛盾がある所が何とも気持ち悪くて、

その気持ち悪さが見る側の心をどんどん支配していって。

情報量が多かったのもあって、

カミングアウトが終わった頃にはぐったり疲れてしまいました(笑)

 

でも、それ以上に目を惹かれたのはB一ですよねぇ…。

個人的には、最近の役柄的に、おどおどしているイメージが強かったのでw

あんなに低くて渋い声を出す山田涼介さんがとっても新鮮。

肝心の二重人格の部分は引っ張りまくって、まだかまだかと待ち侘びていた

B一の動く姿と、B一の声。

第一声が「とっとと車出せ」だったのは、もうインパクトがデカかったですね。

本体のB一と、仮の姿のエイジと、エイジのふりをするB一で

3パターンを演じ分けなければならなかった訳ですが、

演じていたと知った状態で終盤のあのシーンを見てみると、

ちょっとばかし(別人格だから)硬さが伺えて。

ぎこちなさはなく、柔軟にキャラを切り替えていっている

山田さんの演技力の高さを、改めて思い知らされる回でもありました。

 

っていうか…B一と打っていて今更気づいたんですが、

エイジってA二とも変換出来るんですね。

15年前に作られた仮の姿と言われるのも納得が行きます。

 

今回が最終回と言われてもおかしくないくらいの内容でしたが、

残るは、エイジに罪を被せた件と、連続殺人事件の犯人探しって所でしょうか。

あっという間で見入ってしまう感覚でここまで視聴してきたので、

残り4話も期待出来そうです。

桃井(桜井ユキ)や猿渡(高嶋政宏)、亀一(遠藤憲一)と、

まだまだ膨らませられる人物もたくさんいます。

B一とエイジの二重人格のメカニズムも不明のままです。

さて、どうなるかな…?

 

 

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エルピスー希望、あるいは災いー 3話 感想|"正しさ"の中に潜む狂気

 

 

お…今回のモノローグは拓朗(眞栄田郷敦)なんですね。

初回でも彼が担当していて、その時は単純に、登場人物やそれぞれの置かれた状況を紹介する

"語り手"として見ていた訳ですが。

拓朗→恵那(長澤まさみ)→正一(鈴木亮平)とローテーションでやらなかった辺り、

恵那の変化を描く物語だと思わせた前回を踏まえて、

今度は「別視点から見た主人公」を描こうとしているんだな…というのが窺えました。

視聴者にも客観視させた事で、彼女がどんな風に変わったのか?が

より強調されるようになった感じです。

 

拓朗がモノローグ側に回って、彼の持ち前の呑気さを表す描写が若干薄まった代わりに、

シリアスな雰囲気は強めに。

今回の内容を考えれば、この手法も成功していました。

突然のゲストにも驚かされましたけど…

特に凄かったのは、主人公サイドと上司の二者間で

"正しさ"と表裏一体になっている危うさや狂気も、さり気なく提示してきた所。

 

岸本がふと呟いた「正しい事がしたいな〜」も、

被害者遺族に「救われた」という言葉をもらえたから

やり遂げなければいけないみたいな恵那の義務感も、

一見ヒーローっぽくは見えたんですけど、欲が増したようで

ちょっと怖くもあったんですよね。

確かに、警察たちによって理不尽な目に遭わされ、

冤罪をかけられたまま今も牢屋で暮らしている松本(片岡正二郎)の実態を

隠蔽するなんておかしい!こんなマスコミ業界ぶった斬ってやる!と思う気持ちは分かるんです。

でも…彼女らの行為が本当に"正しい"のか?と聞かれたらはっきりと答えられませんし、

極端に言えば、自身の過去の罪を償うために冤罪事件を追っているとも捉えかねません。

被害者遺族の目にはどう映るのか?

「真相を突き止める」のが"つもり"に変わって、家の前を張ったり

配慮のない言葉を投げかけたりしてズカズカ踏み込んでは遺族を傷つけてきた、

"当時のマスコミ"と同じ立場に回ってしまうんじゃないか?と考えると…

最後の恵那の騙し討ち作戦も、ただ「スカッと」では終わらない苦い余韻が残りました。

 

上司たちにしても、チャレンジ精神を取り入れずに

ぬるま湯にずっと浸かっているのが"正しい"っていう風潮になりつつあるのが怖いです。

ここの描写は、ある意味、皮肉にもなっていますよねぇ。

報道すべき事実には目を逸らし、目先の欲望や願望に従い続けた結果、

マスコミ業界が大きく変わる事なく現代を迎えてしまった…というのを示しているようなもの。

「フライデーボンボン」で芸能人が若い女性たちに囲まれながら

足つぼを押してはダル絡みする画なんかは、もう時代錯誤も甚だしくて(笑)

セクハラ感満載なのに、なあなあにやっていたら

いつの間にか長寿番組になってしまったのが伝わってきて、

僅かなシーンでもリアルを押し出してくる辺り、

本当に隅々まで凝って作られているんだな…と思わされました。

 

「くたびれた女が缶チューハイ飲みながらだらだら見ている」と分かっていても、

変化を恐れて全くテコ入れを図ろうとしない「フライデーボンボン」という番組がある事。

冤罪事件を取り扱う事に意欲的ではない上層部の存在。

生々しいがために、フィクションなんだから…と却下されそうな設定に、

関西テレビとフジテレビがGOサインを出したという事実は

しかと受け止めておかなければなりませんね。

そして、スポンサーとなっている企業にもね。

 

果たして、最後まで見届ける覚悟はあるのか?を試されているような1時間でした。

面白いのでもちろん見ますけども!(笑)

 

 

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PICU 小児集中治療室 5話 感想|絞り込んで描けば良いものを…(泣)

 

 

う〜ん…「散漫」以外の言葉が見つからないですな…。

今回の内容を簡潔にまとめるとするなら、こんな感じ。

・意識不明の状態の悠太(高杉真宙)を気にかける武四郎(吉沢亮

・裁判が終われば治ると思っていた手の震えが悪化して心配になる綿貫(木村文乃

・研修医時代から交流のあった患者・日菜(小吹奈合緖)の治療

・ドクタージェットを利用して搬送されて来るらしい圭吾(柊木陽太)の説明

・片道6時間もかかる網走の自宅が恋しい淳之介(松野晃士)

・淳之介を網走に戻してあげたいという想いから、知事に交渉しに行く武四郎と植野(安田顕

もう、箇条書きになっちゃうんですよね(苦笑)

 

本作の原点回帰のためにも、ここで再び現代の医療問題を取り入れたい。

医者や看護師が増えて医療体制が徐々に整いつつあるから、

受け入れられる患者の数も増えてきた。

そういう解釈も出来るんですけど…

ジャンルや程度の違ったいろんなエピソードを1度に盛り込み過ぎで、

最早、彼らがPICUを通して何をやりたいのか?が掴みづらい状態になってしまっています。

 

私としては、5話というターニングポイントを踏まえても、

まるまる"悠太回"にしても十分だったと思うんですけどね。

最終的には仲間になるのだと踏んでいるから。

まぁそれはそれで、いつもの「理想のPICUが出来るまでの話じゃないの?」

みたいなツッコミは入れていたでしょうが…

今回の内容よりは全然見やすかったかもしれません。

「生きたくてももう長い事生きられない」運命を背負った日菜と、

「まだ生きられる健康体なのに、死のうとしている」絶望を味わう悠太で、

命の対比を描こうとしているのが伝わっただけに、

なんで二者間とは関係のない患者エピソードも入れちゃうのか…

盛り上がる材料は揃っているのに、なぜ絞り込まないのか?

勿体ないと感じずにはいられませんでした。

 

お陰で、武四郎の仕事の取り組みも中途半端に見えてしまいましたしね。

患者の対応をしないといけないし…でも悠太が無事か気になってしょうがないし…で、

患者と親友で行き来している様子が描かれたために、

そんな風に見えたのだと思います。

 

で、どうやら…というかやっぱり?

母・南(大竹しのぶ)が患者として搬送されるフラグも立ててきましたね。

妊婦の桃子(生田絵梨花)も、そのうち"候補"に入ってくるのでしょう。

主人公にとって身近な人が病気を患う展開は、医療ドラマではお馴染みではありますが…

それ、本作でもわざわざ踏襲しなくても良いんじゃないのかなぁ。

やればやるほど、本題が霞むだけなのに。

 

 

あ…ちなみに、最後に感想とは全く関係のない話をしますが、

来週は恐らく「エルピス」の感想の方を優先すると思います。

実は、日曜日がワクチンの接種日でして。

今までの経験上、副反応で熱が出て体調が悪くなる可能性が高いので、

もしかしたら2本ともは1日で書けないかも?というお知らせだけさせていただきます。

(キャパ次第では視聴のみに切り替える事にもなりそうですが…)

 

 

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アトムの童 4話 感想|鵜飼が迂回ルートで再起動

 

 

前回の内容はなんだったんだろう…って思うくらいには、盛り返してきましたね。

社長の海(岸井ゆきの)は社員たちのサポートの仕方を模索し、

じいさんズは事務作業をしながら会社の原点となっている"遊び心"演出を作り、

那由他(山﨑賢人)と隼人(松下洸平)はゲームの修復を目指す。

前回では曖昧になっていた役割分担がきっちり描かれた事で、

アトム玩具を立て直す物語であるという根幹が見える作りになっていました。

 

まぁ…ぶっちゃけ、日曜劇場ではド定番の"裏切り者"展開じゃなくて、

データがある日突然、クラッシュを起こしてしまって大ピンチ…で始まっても

成立出来そうな話ではあったんですけどね(笑)

でも、先が読めたとは言え、会社の人々との出会いを通して、

自分自身と向き合っていった上での鵜飼(林泰文)の決断・変化と、

彼を改めて迎え入れてくれる社員たちの懐の広さには、純粋に胸が熱くなりましたし。

彼のエピソードが加えられたからこそ、一致団結した感じもより強まったのかもしれません。

パソコンのポップアップ画面の「再試行」「キャンセル」の表示が、

正社員となってここでリスタートを図るか?

それとも、こことの関係を断ち切って、今後もずっと銀行にこき使われていくのか?で、

鵜飼に選択肢を委ねているようにも思えて、粋な見せ方でもありました。

 

そして、よく出来ているなぁ…と思わされたのは、今回の脚本の構成力。

変な例えにはなってしまうんですが、何だか、植物の観察日記にも見えたんですよね。

種を蒔いて(前フリ)、芽が出ているか確認して(登場人物のぶつかり合い・試行錯誤)、

花が咲いて(投資家に認められる)、やがて実がなる(試練を乗り越え、結束力が強まる)…

この過程が、各々順を追って描かれているというか。

 

ただ種を蒔いただけじゃ育たない。

育てたつもりが中々芽が出なかったり、しぼんだりして、失敗も経験する。

それなら今度は水をあげる頻度を変えるか、日光を浴びやすいように場所を変えるか、

土を耕して肥料を追加するか…いろいろ工夫を凝らす事で、初めて立派な植物が出来上がる。

 

今回の結末を「実がなった」とするなら、那由他も言っていたように

1人の力では心折れて諦めてしまっていた訳で。それは他の人も一緒で。

那由他のピュアさと、彼と"子供な大人"同士である隼人との結びつきと、

繁雄(風間杜夫)の元祖社長としての頼もしさと、

父に社長の理念を教えてもらった海(岸井ゆきの)の優しさと、鵜飼の健気さと、

デジタルにはある程度詳しい各務(塚地武雅)のアシストの上手さと、

八重樫(でんでん)の感の鋭さ…皆強みもあれば、不器用な部分もある。

社内の話に限定したのが良かったですね。

1つの壁を乗り越えるまでの流れを、

それぞれの目線で、"個"と"個"の交わりも含めながら余す事なく描いていったのが、

今回の見応えに繋がったのだと思います。

 

新作ゲームに関しても、実は、おもちゃを売りにしているアトム玩具がゲーム事業?

それって会社ならではの良さが出るの??と疑問だったんですが、

デジタルとアナログの融合で打開策をとってきたのにはなるほどと思わされました。

初回の那由他の「おもちゃなんてなくても困らない。でもあったらワクワクする」

という台詞が最も活きた話にもなっていた気がします。

実際、面白そうでしたしね。もし現実世界で発売されたとしたなら、本当にやってみたい…

そんな気持ちにさせるには、十分に説得力のある内容でもありました。

 

で、興津(オダギリジョー)はどうやら、プランBに変更したようで…

頭が悪いので何となくでしか分からなかったんですが、

あの作戦だと、独占禁止法に引っかかりそうに思えたのは気のせいですかね?(笑)

土下座じゃなくて、警察に捕まるオチ??

 

 

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自転車屋さんの高橋くん 1話 感想|不思議ちゃんな2人にクスリ

 

 

鈴木伸之さん、最近は本当に役に恵まれてますねぇ。

不器用な男性を演じたら右に出る者はいない役者さんだと思っております。

本作の主人公もヤンキーって事で、

「恋です!」の獅子王や「お茶にごす。」のまーくんのように、

どこか可愛げがあって愛着の湧くキャラになるんだろうなぁ…と期待して

初回視聴を決めましたが、予想通り、そうなって行きそうです。

 

ぶっきらぼうだけど実は優しい一面も…という設定自体は、

近年増えつつある"ツンデレ"が主流のラブコメと同じ部類ではあります。

でも、本作の場合はちょっとだけ違っていて。

"ツンデレ"のギャップで魅せるとなると大抵は、

ツンツンツンツンツンツン…そして唐突のデレ…みたいに、

前半はとにかく相手側をドSキャラとして露骨に描きがちなんですが。

遼平(鈴木伸之)に関しては、

見た目やあまり聞き慣れない岐阜弁が怖いと感じさせるだけで

基本ずっと"良い人"なので、不快感を覚える事がないんです。

個人的には、最初の印象が最悪だと、それだけで視聴意欲は下がって、

後でイメージアップを図ったってもう無理だから…と若干冷めた目で見てしまうタイプなので、

初回から好感が持てるように描いていってくれたのには安心しました。

 

愛称が「パン子」の朋子役の内田理央さんも、

元々のおっとりした自由奔放な感じがしっくり来ています。

というか…2人とも変わり者で、何だか惹かれてしまうんですねぇ。

修理が終わるまでに時間がかかるから映画でも見てれば…以前に、

初対面の相手を自分の部屋に案内出来る、遼平の度量の大きさも面白いですし、

図書カードとかRPGの住人とか、朋子の独特な感性も楽しい(笑)

遼平もそうですが、朋子の人柄が「仕事は安定、運命の出会いを夢見がちな女性」

ではないのも珍しい気がします。

上手い断り方が出来なくてついつい誘いに乗っかってしまうんだけれども、

バナナを全部食べたり、映画でくつろいだり、ご飯代でチャラにしてもらったり…

相手の優しさには思いっきり甘えるアンバランスさなんかは人間臭さがあって、

そこも共感出来るのでした。

 

「距離感の近さ」が今後強調されていって、

あざとい演出が増えないかどうかだけは気がかりではあるんですが、

とりあえず、初回は「2人をもっと知りたいし、恋模様を見てみたい」

という気持ちの方が勝ちましたね。

演出も、1つの場所を長回しで撮ったり、ロケーションによる"画的な美しさ"を優先させて

極端な引きの映像でメリハリをつけたりと、目を引くものになっていました。

 

登場人物の動機付けにも無理がなく、

朋子が普段行く店はこんな店じゃないと察したのは、

あの映画のくだりで人となりが分かったからなんだろうな…というのが理解出来るように

説明台詞を入れずに描かれていた辺り、

心情変化の速さにモヤモヤする事もないのかもしれません。

次回も視聴してみようと思います。

 

 

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silent 5話 感想|2人の思い出だった"ぽわぽわ"

 

 

「うれしかった」

今回、一番涙腺に訴えかけてくる言葉はこれでした…。

ああ、良かったなぁ…想(目黒蓮)。そんな風に思ってくれてた(くれた)んだなぁって。

 

前回のフットサルシーン、良い感じの雰囲気ではあったものの、

本人は心から楽しめているのだろうかと

ずっとそわそわしながら見ていたんですよね。正直。

デフサッカーも考えていて、それでもその道も諦めてしまった想が

(「買った」という言及がされなかった辺り)まだ当時の運動着を持っていたんだから、

きっと、心のどこかでまた"前みたいな"サッカーがしたい…と思っていた部分はあったにせよ。

でも、交友関係をぱったり切った状態で3年ぶりに会うとなると、

自分のせいで上手くチームが回らないんじゃないか…

誰かとぶつかって怪我させてしまうんじゃないか…という不安は付き物な気がするんです。

実際見ていても、相手のペースで誘導されたり、集団に紛れ込んだりしている時に、

何が何だか分からず困惑しているような表情を見せていましたからね。

 

今回は贅沢に、紬(川口春奈)と湊斗(鈴鹿央士)がお互い前を向くまでの経緯に

1時間まるまる割いてきた訳ですが。

同時に、「2人が別れたのは自分のせい」「納得行かない」とモヤモヤしていた想が、

古賀(山崎樹範)との関わりによって、1人でゆっくり考え直して、

この再会にも意味があるのだと受け入れるまでの時間でもあったのかな…

と思える内容になっていました。

 

従来の恋愛モノだったら、一度別れて元恋人の関係になってからのエピソードって

あまり重点的に描かれないイメージがある分、

紬と湊斗にまつわるエピソードを存分に詰め込む構成だったのも、何だか新鮮でしたね。

男同志の友情をガッツリ絡めてきたり、

「話すならLINEで良い」と思っていた想が、紬に対して「顔見て話したい」と

直接会って伝えるようになった根底に、親友の湊斗の存在がいると分からせたり…

本作って、王道のラブストーリーに見せておいて、その定型を徐々に崩しに行っている

作品でもある気がするんです。

 

2人とも一緒にいて"ぽわぽわ"を実感していて、

当時の思い出をあれだけ大事にしてくれているんだったら、

別に別れなくても…と思う気持ちもなくはないです。

でも、それって、8年間の2人を隅々まで知らない

三者の立場だからこその考えなんですよね…結局は。

好きな関係性だったから別れないで欲しかった…という気持ちと相反して、

今別れるのが2人のためで、これ以上湊斗の優しさを傷つけないためにも

必然だったのかもしれない…という気持ちも同居しているというか。

想との付き合いが"恋"なら、湊斗との付き合いは"愛"で、

恋愛ならではのときめきは特になかったのかもしれないけど、

幸せで溢れていて、かけがえのない時間で、「好き」なのは間違いなかったよ…と

伝えてくれているかのような紬のあの電話での告白は実に誠実で、

ピリオドを打つには相応しい、

2人の決意にも納得出来る落とし込みになっていたのも良かったです。

 

で…これはちょっとした情報なのですが、

朝ごはんを食べながら紬が止めた曲は、スピッツの「みなと」という曲でした。

その曲の一部には、こんな歌詞があります。

「船に乗るわけじゃなく だけど僕は港にいる」

「君ともう一度会うために作った歌さ 今日も歌う 錆びた港で」

元々は、お互いが別々の道を歩み、最初は振り切ったつもりでいたものの、

どうしても大切な人との日常ばかり求めてしまう…という

未練を歌った曲だと捉えていたんですが、それがもう…湊斗の心境と重なるんですよね。

港で例えるとするなら、彼はいつだって紬と想の"見送り人"だった。

高校時代では紬を後押しするし、手話教室も勧めるし、

そして、2人が手話で楽しそうに話しているのを見て、勝手に別れを切り出しちゃうし。

大切な人を優先して、自分の事は後回しにしがちな性格だった。

だから今回も、紬と想が再び両想いになれるよう"受け渡し"をして、

船へと乗って旅立っていく2人を、見えなくなるまで見届けた…そんな風に思えました。

後者の歌詞は、紬と培った思い出を彼女もずっと忘れないでいて欲しいと願う他に、

同じベッドで目を向かい合わせながら寝ていた紬とのやり取りが

しばらく幻影となって引きずりそうな"湊斗の今後"とも重なりますしね。

 

今回の内容のためにこの曲を用意して、

湊斗という名前はこの曲が由来だったんじゃないかって。

本作だけでなく、もちろんどの作品も

1つ1つこだわりを持って作られているのは理解していますけど、

制作者側の意図がはっきりしているのが伺えると、

やっぱり、物語や登場人物の奥行きも広がってくるものですよね。

 

想が好きな髪型だと教えてもらったポニーテールをやってみたものの、

結局戻してしまった紬の一連の流れも、

やってみたからと言って、もう気軽に報告出来るような関係ではなくなったんだよな…という

友達同士の関係に戻ろうと頑張っている彼女の考えが覗き見えたようで、印象的でした。

 

とにかく、爽やかな余韻の残る、丁寧な"第1章の締め"回だったと思います。

次回からは第2章に突入ですね。

今回はあえて奈々(夏帆)の出番をなくしたのも、

想と再び付き合い始めてから襲ってくる現実っぽさを感じさせます。

正輝(風間俊介)の件も、光(板垣李光人)の件も、

律子(篠原涼子)の件も、萌(桜田ひより)の件も…

そしてようやく登場した想の姉・華(石川恋)の件も、まだまだ山積み。

それぞれの登場人物が2人の新たな恋にどう絡んでくるのか、楽しみです。

 

 

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一橋桐子の犯罪日記 4話 感想|失敗の決め手は「誘拐ごっこ」

 

 

※4話(10/29放送)の感想ですm(_ _)m

 

凄い…凄い結束力だわ。なんか見ていてワクワクしちゃいました。

楽しかった事があっという間に過ぎ去っていく青春の趣さえ感じさせます。

 

普通だったら、何か悪さをするって分かったら否定して止めに入るのが「犯罪」なのに、

本作の登場人物はなぜか肯定的…というか、むしろ協力的な人ばかり。

そこも面白いんですけど、特に今回の何に惹かれたかって、

「相手が報われて欲しい」と願う"親"と"子"それぞれの視点で物語が紡がれていった所。

現実が思うように上手く行かないもどかしさを抱えている榎本(長澤樹)が、

お互い夢を叶えるためにと桐子(松坂慶子)に持ちかけた誘拐計画に、

娘を幸せにしてやれなかったと後悔する久遠(岩田剛典)の本音も絡める。

それぞれの想いが交錯して、初めて一体感が生まれる…という展開の仕方には

そうきたか!と驚かされました。

 

「誘拐ごっこ」のエピソードも、思わぬ"ほっこり"でしたね。

まぁ、警察の父の事だから、この誘拐計画も娘の電話越しの喋り方で、

家出しているのもあって見抜いてしまうんじゃないか…とは予想していましたが。

まさか、幼少期の娘の電話に父が付き合った"楽しかった思い出"の1つである

「あの頃の誘拐ごっこ」が計画失敗の決め手となってくるとは。

ハワイ留学までは流石に許可してくれなかったものの、

今回の出来事に当時の思い出を重ねた事で、

今まで心を閉ざしていた親子関係に"再生"の欠片がちらりと見え始める…

そんなほのかな温かみを感じさせるオチになっていたのも良かったです。

前回の感想でも書いた通り、本作は、桐子のムショ活が周りをどんどん巻き込んでいって、

やがて影響を与えるまでになるという作風が魅力的だと思っているので、

それが最も活きたエピソードになっていた気がします。

 

しかし、犯罪を取り扱っている以上、ほっこり…微笑ましい…だけでは終わりません。

桐子が「誰にも迷惑かけない犯罪がしたい」と言っているのが、

いや、そんな犯罪ないだろう…と思えてしまって、いつも疑問だったんですよね。

ですが、今回の件で、彼女も「利害は一致していようが、人を巻き込めば

かえって迷惑をかけてしまう事もある」と気づいたようです。

雪菜の顔は世間に晒されるし、クラス中には笑われるし、警察も振り回されるし、

アパートの住民たちは、あと半年だとしても居心地の悪さを感じてしまうし…。

生配信していたYouTuberも後々叩かれるんでしょうし、

父・和也(神尾佑)が勘の鋭い人だったから大事にならずに済んだものの、

そうでなければ、同じパート仲間の坂井(富田望生)が

冤罪にかけられた可能性だってあったかもしれません。

「刑務所に入って残りの人生を楽しみたい」という

"自分の欲望"を満たすためにやってきた事が、不特定多数の人たちに迷惑をかけてしまった

桐子のショックな心境も描かれました。

 

もうどうしよう…まさかあんな事になるなんて…と迷っている桐子に

寺田(宇崎竜童)が提案したのは殺人計画。

最後の砦でもあり、桐子にとって一番遠い犯罪でもあります。

それを知っていて提案したんだから…余命わずかなのかもしれませんね。

 

そして、気になるのは、やっぱり最終回の結末について。

知子(由紀さおり)の過去を見る限り、ひょっとしたら、

桐子と出会う前までは彼女と同じ"ムショ活"をしていた?とも考えられそうです。

つまり、知子が学んできた事を、桐子が今学んできている。

 

どちらにしても…「幸せは衣食住だけでなく、"人との繋がり"によって成り立っている」

教えてくれるラストにはなりそうで、今から最終回が楽しみです。

(感想はまた1週間後になるかもしれませんが…(泣))

身を委ねて楽しもうと思います。

 

 

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ザ・トラベルナース 3話 感想|歩、本当にやり手だったんか?

 

 

歩(岡田将生)の外出先で人が急変した所を緊急処置する…

このドラマの病院には、仕事を舐めている医者が赴任してくる…

といった"定型"を外してきた今回。

おまけに、向坂(恒松祐里)の

ドジっ子(では済まない事やってるけど…)新人成長記が追加されたのもあって、

今までとは違う雰囲気に仕上がっていました。

 

向坂の他にも、患者・三雲(村杉蝉之介)が厄介者な上に、

ダメダメ男なのが滲み出ている彼氏(山口のりとも)や、

向坂を密かに想うもう1人の患者・礼(荒木飛羽)と、描くべき人物がとにかく多い。

そのため、当然ですが、複数のエピソードを同時進行させなければならなくなります。

今回が60分の「拡大スペシャル」である事が起因しているのか…この欲張り具合のお陰で、

正直、途中まで話の進みが遅くて、もしかして来週に続く?と思えてしまったのも事実です。

 

まぁでも、最後は静(中井貴一)の安定のクレバーっぷりで、

「ここを見せつけてやりたい!」と期待していた部分もきちんと回収して

三雲を成敗してくれたので、結果オーライって所でしょうか。

いっその事、実際にスカートを履いて出勤するくらいしてやった方が、

良い意味で"フィクションらしさ"が出てきて、コミカルさが増したとは思いますが。

…あそこで倒れて匂う量なら、検査したら間違いなく引っかかるだろうとか、

本来だったら医療過誤で裁判が長引きそうだとか、

いろいろツッコミどころもあるんですが(笑)

最後が楽しければ、それで良いや〜って事で…。

 

というか、それよりも気になったのは、歩の描写について…なんですよねぇ。

彼がストレートに物を言う性格なのは理解しているし、

三雲があまりにもセクハラおじさんだったので、怒りたくなるのも分かるんですけど、

にしても…今回はキャラ付けが過剰気味じゃなかったですか?

主語をつけると必ず「日本のナースは〜」から始まったり、彼の発言にいちいち反応したり。

常にイラっとしていたからか、初々しいを通り越してちょっと面倒臭かったなぁとw

脚本家が違うのかと思いましたが、別にそうでもなかったですしね。

 

で…もう1つ思うのは、あの感じだと、アメリカでも本当に

シゴデキ(=仕事の出来る男)だったのか?って事。

腕前が良いのも大事ですけど、医療業界にいる以上は

チームワークの構築も欠かせないでしょうから。

アメリカならイエスノーもはっきりしやすい訳で、その世界で感情をぶつけていたら

すぐさま揉め事に繋がりそうなんですけど…違うのかな(苦笑)

クビになったのを、日本の病院に要請されたという体でオブラートに包んだとか?

だからトラブ トラベルナースなんですかねぇ。

 

とにかく、次回はまた通常放送に戻るようなので、そちらに期待ですね。

 

 

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PS.後で消すかもしれませんが…木曜日はやっぱり本作の感想を先に書いて、

「silent」の方は休日に回す方向で行こうかと考えています。

そっちの方が、どう書くか考える時間も、

感想にかける時間もじっくり充てられそうなので。

その代わり、早く上げられるように努めます!!(いつも遅くてすみません…^^;)

 

 

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ファーストペンギン! 5話 感想|なんの話だ?(汗)

 

 

後でTVerで見ようと思ったんだけど、6話の放送までに間に合わない!どうしよう!!

と迷われてる視聴者の方へ…(多分伝わらないメッセージですけどw)。

え〜…今回の話は、アバンの部分だけチェックすれば十分ついて行けます(笑)

琴平(渡辺大知)の正体はいろいろ明かされてましたけど、

検索すればまとめ記事が出てくるでしょうし。

つまり、そのくらいの内容だったって訳です。

 

和佳(奈緒)を取り巻く人物に、同年代の永沢(鈴木伸之)や

琴平(渡辺大知)が配置されている事から、実際は違ったとは言え、

そのうち恋愛事情を盛り込んでくるんだろうなぁとは予想していましたが…

まさか、ジェンダーも絡めてくるんだから驚いた。

ここ最近のドラマでも、"群像劇風"に仕立てる際に

誰か1人ジェンダーの設定が付け加えられるケースはたまに見かけますが、

それにしても、本作のテーマには全然関係なさ過ぎて…

「なんの話だ?」状態になって、途中から集中力が削がれてしまいましたよ…(滝汗)

 

っていうか、設定に対して否定的な事は言いたくはなかったんですが、

そうとしか感じられなかったのであえて言うとすると…

ぶっちゃけ、今回の内容って安易じゃなかったですか?

個人的には、女性が主人公で、身近に男性が複数いるなら、

四角関係にすればドラマとして盛り上がるだろうっていう、

何となくの発想から描かれたように思えてなりませんでした。

 

本作の感想で度々「騒動」だの「揉め事」だの、

そういった旨の文章を書いてきましたけど、

本当に本筋から脱線した"イベント"で膨らませるのがお好きなようで…。

もう5話まで到達しちゃいましたが、

紆余曲折や試行錯誤含めて「ファーストペンギン」を描いているように見える

お仕事パートだけをかき集めたら、1時間にも満たないんじゃないか?って気がします。

 

基本、ドラマを見る上で「2話・5話・8話」が重要な回だと思っている、

そのうちの5話で別物の話をやられるとなると、

今後改善される見込みは低いのかもしれませんね。

 

私もこのまま感想を続けていても、ネガティブ寄りの感想ばかりになるでしょうし、

読んで下さる読者さんも良い気がしないと思うので。

来週からは裏のドラマを優先して、本作の方はよほどの変化がなければ

視聴のみに切り替えるつもりです…。

 

はぁ…実話がベースになっているから、大きく失敗しないだろうと踏んでいたのに、

なんでこうなったかなぁ…(泣)

 

↓前回の感想はこちら↓

 

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ファーストペンギン! 5話 感想|なんの話だ?(汗)

 

 

後でTVerで見ようと思ったんだけど、6話の放送までに間に合わない!どうしよう!!

と迷われてる視聴者の方へ…(多分伝わらないメッセージですけどw)。

え〜…今回の話は、アバンの部分だけチェックすれば十分ついて行けます(笑)

琴平(渡辺大知)の正体はいろいろ明かされてましたけど、

検索すればまとめ記事が出てくるでしょうし。

つまり、そのくらいの内容だったって訳です。

 

和佳(奈緒)を取り巻く人物に、同年代の永沢(鈴木伸之)や

琴平(渡辺大知)が配置されている事から、実際は違ったとは言え、

そのうち恋愛事情を盛り込んでくるんだろうなぁとは予想していましたが…

まさか、ジェンダーも絡めてくるんだから驚いた。

ここ最近のドラマでも、"群像劇風"に仕立てる際に

誰か1人ジェンダーの設定が付け加えられるケースはたまに見かけますが、

それにしても、本作のテーマには全然関係なさ過ぎて…

「なんの話だ?」状態になって、途中から集中力が削がれてしまいましたよ…(滝汗)

 

っていうか、設定に対して否定的な事は言いたくはなかったんですが、

そうとしか感じられなかったのであえて言うとすると…

ぶっちゃけ、今回の内容って安易じゃなかったですか?

個人的には、女性が主人公で、身近に男性が複数いるなら、

四角関係にすればドラマとして盛り上がるだろうっていう、

何となくの発想から描かれたように思えてなりませんでした。

 

本作の感想で度々「騒動」だの「揉め事」だの、

そういった旨の文章を書いてきましたけど、

本当に本筋から脱線した"イベント"で膨らませるのがお好きなようで…。

もう5話まで到達しちゃいましたが、

紆余曲折や試行錯誤含めて「ファーストペンギン」を描いているように見える

お仕事パートだけをかき集めたら、1時間にも満たないんじゃないか?って気がします。

 

基本、ドラマを見る上で「2話・5話・8話」が重要な回だと思っている、

そのうちの5話で別物の話をやられるとなると、

今後改善される見込みは低いのかもしれませんね。

 

私もこのまま感想を続けていても、ネガティブ寄りの感想ばかりになるでしょうし、

読んで下さる読者さんも良い気がしないと思うので。

来週からは裏のドラマを優先して、本作の方はよほどの変化がなければ

視聴のみに切り替えるつもりです…。

 

はぁ…実話がベースになっているから、大きく失敗しないだろうと踏んでいたのに、

なんでこうなったかなぁ…(泣)

 

↓前回の感想はこちら↓

 

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