ブラッシュアップライフ 10話(最終回) 感想|何でもないような事が幸せだった232年の人生

 

 

いやぁ、良かったですなぁ……。

中村(神保悟志)のフライトキャンセルを始め、

物事が麻美(安藤サクラ)と真里(水川あさみ)の思惑通りにあまりにも進み過ぎていたため、

どこかで不幸が訪れたりしないかと、ラストまで内心ヒヤヒヤしながら見ていましたけど、

幸せな形で終わって安心しました。

ハッピーエンドはハッピーエンドでも、見終わった後に多幸感が残る最終回でした。

 

入念に対策を重ねてパイロットという立派な職業にまで上り詰められたのなら、

働き続ければ収入は多くもらえて、豊かな生活を続けられそうなものを、

そういった"花形の人生"を手放し、地元で親友と過ごす事を選んだ所も潔かったです。

最初は「オオアリクイになるのを防ぐために徳を積む」のが目的で

やり直しの人生を歩んできて、周回を重ねるごとに

"徳"に縛られ過ぎてしまっている様子もずっと見てきただけに。

最後のやり直し人生を通して、麻美は、何が自分にとって一番の"徳"であり"幸せ"なのかに

やっと気づく事が出来たんだな…と、感慨深い気持ちにもさせられました。

 

そして、4人は約束通り、老人ホームで他愛もない話をしながら人生を全うし、

転生後は、初回の冒頭でもちらっと出てきたハトの姿で仲良く過ごす。

一見ファンタジーなラストではありますが、

いろんな意味で、この時期に放送する意義を

感じさせた作品でもあったんじゃないかなぁと。

例えば…3月と言えば、新生活や新学期を控えていて、

日常が変化する事にワクワクする人もいれば、

充実した日々を過ごせるかと不安に感じる人もいて。

複雑な心境を抱えて生きる人々に対して、

「何を大切にするかで、人生はこんなにも未知なる可能性を秘めているのかもよ?」と

元気づける応援メッセージになっている…っていうのもそうですし。

それに、放送当時は3/12なのも踏まえれば、

人々にとって決して忘れられない日となった3/11の翌日で、

地元に戻れば家族が今でも健康に生きている事、

歳をとっても友達と定期的に会えている事の"普通の日常"の尊さをしみじみと感じては、

日々をもう少し大事に、丁寧に生きてみようと改めて考えさせられる

きっかけにもなったんじゃないかという気がするのです。

日曜日の夜に、この日で、この時期で本作を放送…もう奇跡みたいなものですよね。

 

最終回の主題歌は「Hello, Again 〜昔からある場所〜」なのも、

ああ、4人は青春が詰まったこの場所に帰ってきたんだな…と実感させられるようでした。

1人とぼとぼ帰る時に流れる17時のチャイムに、

もうやり直せないと分かった途端、

覚悟を決める麻美の心を和らげるかのような「笑えれば」と、

1つ1つの場面に余韻を残す選曲もそうですが。

今回で言う「バタフライマッサン」「4チラ」「カツカツポテト」など

話が弾んだ時に出やすいパワーワードを織り交ぜては

テンポの良さを生み出したりなんかして、最後まで細部も抜かりなかったです。

 

最終回の日は、用事があって録画視聴だったものの、

日10枠のドラマをリアタイしたのは、個人的にはかなり久しぶりでした。

約2年前の「極主夫道」以来かな…?(感想執筆もその作品が最後。おぉ…)

時間が遅くてあまり集中して見られないというのと、

基本的にその枠とは相性が合わないのもあって

録画で後回しにする事が多かったんですけど、

本作はどうしても次がどうなるのか気になってしまう、

そんな吸引力のある作品でもあったと思っています。

そして、本作を見て、日10枠はやっぱり、

サスペンスよりも気軽に楽しめる作品の方が当たりが多い説

(今までだと「今日から俺は!!」「親バカ青春白書」「極主夫道」「新・信長公記」)が

より一層強くなりましたね。

 

次作も同じような系統な気はするんですけど、

枠が新設されて、ただでさえドラマが増えてきているのでねぇ…(苦笑)

来期はその新枠が日曜日の本命ではあるので、

とりあえず、日9枠も含めて、最大3話くらいまでチェックするつもりではいますw

 

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