人間の感情というのはいかに移ろいやすく、曖昧で不器用なのか…
4人の心がすれ違っていく様を見ながら、そんな事を思ってしまいました。
最も印象的で、芸が細かいなぁと感じた所は、
カモミールティーを作る過程と、オリオン座の形に似た砂時計による3分間の体感の見せ方。
本作はその時の登場人物の抱える感情をあえて台詞では表さず、
まるで代弁してくれているかのような演出で
視聴者に想像を促す作りになっているのが魅力の1つではあるんですが、
今回もそれは健在で、適度なタイミングで差し込まれる
上記の2つの小道具のアップが効果的だった気がします。
相手と話せる時間が3分"も"あるのか。3分"しか"ないのか。
前までは「唯一会話が出来る時間」として楽しみにしていたカモミールティー作りの時間が、
自身の行為を突かれてからは「気まずい時間」に変わり、
その場から今すぐ逃げ出してしまいたくなった新名(岩田剛典)の心境だったり…
でも、みち(奈緒)と話している時は
砂時計の砂が完全に落ちるほど夢中になってしまったり…と、
誰といるかで3分間が長く感じる事があれば、
あっという間に感じる事もあるという対比の演出で
人間の生々しさを物語っているのが興味深かったです。
社員旅行のエピソードについては、2人部屋で組まれていたのが、女性社員の人数が奇数だから
みちだけ1人部屋に…の設定には、この後の見せ場ありきな気がして
都合の良さは感じましたし(あの広い部屋を1人か2人って、随分大盤振る舞いだなぁ…ともw)、
新名が女性部屋に入る所を北原(武田玲奈)に見られる可能性は十分に高いのに、
さらに押し倒したりなんかして、おいおいなんて無防備なんだ…とも思いましたが(笑)
まぁでも、あくまでも未遂で終わり、みちは目を潤ませて
まだ陽一(永山瑛太)への想いがある事が分かったのには一安心でした。
今まで感想に書きませんでしたが、個人的には、みちと新名の描写次第では
「昼顔」のスタッフが集まっているためか、
ただのしっとりした不倫ドラマの作風に成り果ててしまうんじゃないか…
という懸念点がちょっとあったのでね。
お互い相手への想いを募らせていて、その想いが交わったりもするんだけれども、
一線は超えない状態で留まらせたのは良かったです。
次回は、みちと楓(田中みな実)がいよいよ対面するそうで。
もし新名との浮気がバレたらどんな反応を見せるのか?
中の人が田中みな実さんとなると、何かあるんじゃないかと
ドキドキ、ソワソワしてしまう自分がいます…。
↓前回の感想はこちら↓