最後がなぁ。最後が…エピソードの落とし所だけが惜しいんですよ〜!このドラマ。
執行官が関わる以上、相手はどうしたってクズで厄介な人物には描かれるんですけど…
だとしたら、まだ2話の段階ではあるものの、
必ずラストで相手に感情移入させる必要はあるのかな?って思ってしまうんですよね。
それまでの展開も、散々悪い部分を見せてきてから、
終盤で急に"幸せだったあの頃"みたいな回想を挟んで人情味を出そうとしているので、
ちょっと唐突感を覚えますし。
前回の二川家に関しては、何も対策を練らず頑なに家を出ようとしない点は
同情出来なくても、理不尽だと感じた理由には頷けたのでまだマシだったんですが、
今回の場合は自業自得の案件ですし、お調子者なキャラなんです。
だから、轟木(細田善彦)にはきっちり罰を与えて終わって欲しい
気持ちにさせられましたね…。
いや、本音を言えば、相手の出した条件に従うしかなかった執行官が、
彼からお金を全額支払われた事で、本当の意味での"落着"をする…というオチで
スッキリしたかったんですけど、現実世界ではドラマのように
そんなに簡単にはスカッと出来ないでしょうから、そこは受け入れるとして。
でも、せめて、自宅に押しかけてきた執行官たちを勝手に
生配信で映したくだりを"前フリ"にして、
最後はそれが原因で炎上し、しばらく謹慎せざるを得なくなる…って形で
回収してみても良かったんじゃないかという気がしました。
ただ、エピソードの落とし込み方が勿体なく感じるだけで、
本作の空気感も個々のキャラクターも既に好きになっております。
今回はひかり(伊藤沙莉)の描写がグレードアップしていましたね。
初回は、執行官について無知なひかりを「執行補助者」としてその世界に迎え入れるため、
どうしても「執行官の仕事は悪で、勝手に家に侵入されている相手はかわいそう」
という偏見を強調して描かなければならず、
それが、相手に落ち度があるから執行官が来ているのに、なんでそこまで庇うの…?
とモヤモヤさせる要因にはなってしまっていたんですが。
今回はそんな彼女の感情移入しやすい性格は控え目にして、
ひたすら「落着を実現させるための"仕事"」を淡々と描いていたお陰で
かなり見やすくなりました。
犬の登場についても、単純に、執行官というドラマでは物珍しい題材に
少しでも親しみやすさを感じてもらえるように…
という狙いで取り入れたのかと思いきや(すみません…)、
ちゃんと意味があった事が判明して、早々に言及していただけたのも良かったですし。
なぜひかりが執行補助者を任されたのかも、自然と腑に落ちる流れだったと思います。
そして…あ、これはもっと脂が乗りそうだと思えたのは、
ひかりによる、執行官たちの心の声の解説のくだり。
以前ナレーションもやられていたのもあって、面白かったです(笑)
コメディとして気軽に楽しめるのはもちろん、
執行官の抱えている苦悩が直に伝わってくるようで、
こういうアプローチの仕方もあるんだなぁと驚かされました。
2話にして、"楽しく学べる"エンターテインメントが確立されています。
あとは…何度も言いますが、内容の着地点だけ。
でも、夏ドラマはまだ始まったばかりなものの、今期の中では上位に来る作品だと思います。
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