ばらかもん 2話 感想|1番じゃなきゃダメなんです

 

 

いやぁ…清舟@杉野遥亮さんのふとした表情がやっぱり良いです。

いつもはやらない事をして感謝された時の、嬉しさを隠しきれない表情だったり、

「俺、田舎に染まる気はないのに…」がそのまま現れ出たようなジト目だったり、

例え話でヤスバァ(鷲尾真知子)に相談した時の不安げな様子だったり、

思いがけないアドバイスを聞いた途端イキイキし始めたり。

性格は素直じゃなくても、

顔には割と出やすいタイプの主人公だからか(また、そう演じるのが上手いお陰で)、

何を見聞きしてどう感じたのかがこちら側にもスッと入ってきて、

見ていて気持ち良いんですよねぇ。

もはやこの自然体さが、本作の魅力を引き立たせているような気すらしています。

 

今回はタイトル通り「前途多難」で、

清舟のポンコツっぷりを愛しく描いた話になっていましたが、

ストーリーも何気に綺麗に構築されていると思います。

例えば…話の中で取り上げられたのは、優勝を逃した件に、体育祭用のゼッケン、

防犯ブザー、嵐の夜、黒電話、薪風呂、そして餅拾い。

こんなに多くのネタを1話内で扱おうとすれば、ただのエピソードの箇条書きで

とっ散らかって終わりかねないんですけど、

放送開始から7分程度で「島に来れば良い字が書けると思ってたのに」と嘆く

清舟のシーンを用意する事で、

これから、上しか見ていない、1番にこだわろうとする彼の変化を描くのだというのを

提示してきているのです。

 

で…日常の中に転がっている数々の"気づき"を描いた所で、

最終的には、餅拾いのエピソードを通して1つの結論を導き出す。

「たまには足元にも目をやって、大らかにどっしりと構えていれば、

意外な形で幸運が訪れてくるのかもしれない」

清舟がこんな風に考えを変えられるようになるには最適なエピソードでしたし、

パンチが人一倍餅を取っていた理由にもほっこりさせられました。

 

また、個人的な事で言えば、

焦りともとれる「俺から書道を取ったら何もないから」の台詞や、

「世の中には、取れる人間と取れない人間がいる。…俺は確実に後者だ。」と

自分を下げて考えるのには、私も心当たりあってかなりグサッと来ましたね。

悲しいかな…今私たちが生きているのは競争社会。

勝ち負けにこだわろうとしなくても、必ずどこかではそれが生まれてしまいます。

だから、就活生や社会人なら特に、今いる状況・立っている場所で

何とかして生き残ろうと必死な人も多いでしょうし、

最悪、無理がたたって、体調を壊してしまうケースも少なくありません。

常に誰かと比べられ、常に誰かから評価される…そんな日々を送っているからこそ、

本作の作風に救われ、癒されるんじゃないかなぁと思ったのでした。

なんか…真面目寄りな文になっちゃいましたけどね(苦笑)

 

今期はもう1つ田舎を舞台にした「ハヤブサ消防団」という作品がありますが、

本作では田舎の温かさ、そちらの作品では田舎の恐ろしさで

真反対の事を描いているのはもちろん、

水曜木曜と連続で放送されているのも面白いんですよねぇ。

奇しくも、雷にまつわる話も被ったというw

1つのエピソードをどうやって膨らませていくのか、

そこを見比べてみる楽しみ方も出来そうです。

 

 

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