皆それぞれに悔しさを抱えていて、
皆それぞれにポジティブな方へと向き合ったり、逆に責めたりしてしまう。
完全に「私、この人と同じタイプだわ!」って人はいないんだけれど、
自分の過去を重ねながら所々共感してしまって、時に新たな刺激をもらえたりする。
だから、3人のこれからの人生を心から応援したいなぁ…と思えます。
也映子が2人に抱いていた気持ちは、王道のヤキモチや嫉妬とかではなく
「なんで自分は」という、本気度の違いに自分と他人を比べて勝手に落ち込んで、
いじめてしまった心から来たもの。
この心境の描かれ方が凄くリアリティに溢れていて好き。
きっと溜め込みがちで、どこか負けず嫌いな性格でもあった也映子。
バイオリン教室という第三の居場所で暫くお暇したいけれど、
「仕事」「恋愛」が充実した人生を送る上での基準だと見なされてしまう世の中…。
いとこ・晴香(真魚)に言われた「今何が目的で生きてるの?」という
直球な言葉をきっかけに、
前回の理人の「彼の事、本気で好きになった事ないでしょ?」という言葉がぶり返して、
今までの頑張りを否定されて悔しい気持ちがあったんですよね。
「自分なりに」やってきた事を、まるで火山が噴火したように
感情に任せて一気に吐き出す姿には、思わず心が揺さぶられてしまいました。
…で、話が噛み合ってないというのも、分かり過ぎて辛い。
しかし、ここまで吐き出せたのは理人がそばで聞いていてくれたから。
しんしんとした孤独と退屈な日々を抱えていた幸恵を理人が救い、
その恩をもらった幸恵が今度は「同じフィールドにいないから」と
也映子のモヤモヤを解してくれる。
也映子は自分の想いを伝える事で理人が心の拠り所となり、
今度は理人の恋愛を応援する形でアドバイスの言葉を与える。
「楽しくしていればこっちの勝ちだ」「しんどいけど、自分を動かせるのは自分しかいない」
基本的に楽しい会話だけれども、時折含まれる1つ1つの言葉が一々刺さる。
一番歳が離れてる幸恵をおばさん扱いしたりはせず、どの人にも対等に向き合い
成長していく関係性がじっくり描かれている所にも好感が持てます。
名前で呼び合うのは、より親密になっていく上で、
ほんの小さな事だけれどもかなり重要な一歩。
2話にして也映子が理人を下の名前で呼ぶようになるのも、納得の流れでした。
次のステップへと進んで行く過程を雑に描かず、視聴者が自然と汲み取る形で
丁寧に描かれている所も、また素敵な作品だと思います。
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