松本(伊藤英明)が無期限謹慎処分となり、僧侶としての活動しか出来なくなってしまった分、
いつもの詰め込み過ぎの患者エピソードに
"箇条書き"感が強く現れ出ていた印象を受けましたが…
後半での「クビなんてどうでも良い。助けたいんですよ!」というたった一台詞で、
主人公の猪突猛進で青臭いキャラクターを表現し切っていた所は良かったです。
命を救いたい気持ちが人一倍強い「救急バカ」の「バカ」は
相手が許せないあまりつい感情的になってしまう事でもあるけれど、
自分が謹慎している間に救えたはずの命を救えなかった事でもある。
その事実に気づいて後悔を覚えたから決してただの「バカ」ではないし、
未来のためにも、あの時何をするべきだったのか?を見つめ直すには、
彼にとっては有意義な時間だったと思います。
今回のテーマは「良い死に方とは何なのか?」。
ここ最近見てきた死を扱うドラマだと、死は突然やってくるもので、
事故を通して目の前でその人の最期を見てしまう可能性もある…という
残酷な描かれ方が多かった分。
(勿論、その手のドラマも命の儚さをストレートに描いていて好きです。)
孤独死や高齢化社会が顕著な今の時代には珍しい、大勢の家族や親戚に見守られながら
笑みを浮かべて亡くなっていく石川(品川徹)の姿や、
前回の娘の感謝の気持ちを松本が受け止めるシーンを見て、
「あんなに幸せそうに亡くなる死もあるのだな」
「死は人を悲しませるだけとは限らないのだな」と知る事が出来、
医者を"鬼"と言う工事現場の患者も含めて、
死に対して視野を広げてくれたお話でもありました。
特に、石川の最期のシーンを長くとり、その間に劇伴が一切かからなかった演出も印象的で、
まるで自分も家族や親族達と一緒に見届けているかのような緊張感を味わえました。
松本と濱田(ムロツヨシ)の小学生みたいな掛け合いも
本作の緩衝材となっていて良いですね。毎回クスッとさせられます。
しかし、今回で濱田の陰謀描写が強まってきた事で、
命を扱う本筋よりもそっちの展開がそのうち多くなってしまうのでは?という
心配も少し芽生えてきました。
最後に余談ですが、ムロさんのホクロ押しのくだり、
「大恋愛」を見ていた視聴者ならピンときたんじゃないでしょうか。
分かる人には分かるネタをやったと本人がTwitterで呟かれていたので
どんなのが来るか期待していましたが、まさかこれが来るとは思わず。
そのくだりをやっている時は、濱田じゃなくて完全に真司の顔になっていたなぁ(笑)
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