三浦部長、本日付けで女性になります。 感想|4話の連ドラとして見たかったかも?

 

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原作通りの「総務部長はトランスジェンダー」というタイトルから、

気づけば「三浦部長、本日付けで女性になります。」というタイトルに変更された本作。

変えて正解だったと思います。

調査力には安心と信頼を誇っているNHKのドラマである事、

そして脚本家が、中年男性を愛らしいキャラクターへと昇華させてみせた

「デザイナー 渋井直人の休日」ふじきみつ彦さんである事から、元々見るつもりでしたが、

後者のタイトルにした事で「"本日付けで"って何だろう?」と一気に惹かれてしまいました。

 

 

さて、そんな状態で視聴してみた訳ですが、

ある意味「ドラマだな」という印象で見終えた感じでした。

 

そう感じた理由をいくつか書き上げてみると…

まず第一段階として、40代になって自分がトランスジェンダーなんてまさかね…という

長い葛藤が生まれるはずなのに、奥さんにあっさり告白して、

あっさり奥さんと同行する形でカウンセリングを受けに行ってしまう。

会社で「イメチェン」どころじゃない、服装も髪型も化粧もガラッと姿を変えて

出勤する人なんて現実では中々いないだろうし、

かなり勇気ある行動だと思うのですが、あっさり出勤。

LGBTについて上の世代より理解しているとはいえ、結構物分かりの良い若手社員。

そして、会社では「あゆ」と呼ばせる名刺まで作る。

(この件も奥さんに告白した方が良いのでは…

正式な届けも出さずに勝手に名前を変える行為はルールに反していないのか…?と、

そこばっかり気になってしまった私。)

 

勿論、「夫が女になるのは、妻にとっては精神的なDV」とか、「あんた女なめてんだろ!」とか

直球でグサッとくる台詞運びは良かったですが、

上にもあげたように、一番辛い状況に立たされている主人公も、奥さんも、職場の社員たちも、

案外受け入れるまでに時間もかからず、物分かりの良い人になれたんだな…

と映ってしまった所に、個人的には少々違和感の残る作品でした。

単発なのでそうなってしまうのも致し方ないですが、

この題材は単発よりも、やはりドラマ10枠で全4話構成の連続ドラマにした方が、

もっと各登場人物の肉付けは出来たのかもしれません。

 

しかし、想像以上にムロツヨシさんの女装姿はハマっていました。

ついこの間出演されていた某ドラマでも、二重が綺麗だな〜…目がぱっちりしてるな〜…

という感じでじーっと目を見つめる事が度々あったので、

女装したらどうなるのだろうと期待していましたが、

新しい女装姿で登場してくるたびに「追求心」「努力」が如実に伝わるような"変化"を

体現して魅せていたと思います。

最近、良い流れですね。「福田ファミリーの一員」という世間的なイメージを払拭しようと、

どんどんいろんな役に挑戦し、結果、上手く視聴者の記憶に残せているように

感じさせられる役者さんです。

 

「振り回される役」に何故かしっくり来る、サバっとした伊藤沙莉さん、

中村中さんのキャスティングも良かったです。

 

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病室で念仏を唱えないでください 10話(最終回) 感想|"原点回帰"な清々しい最終回

 

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「病室で念仏を唱えてください」という捻りを効かせつつ、

初回の冒頭のシーンを彷彿とさせるラストで締めた本作。

 

視聴前は、僧侶と医者を掛け持つ主人公の奇抜な設定で

コメディテイストになるのかと予想していましたが、

いざ最後まで見てみたら、中々どうして、医療ドラマとして"魅せる"部分と

コメディパートの塩梅が良い作品に仕上がっていたと思います。

時折挟み込まれるおりんの「チーン」という効果音や、海外フードフェスのくだり、

藍田(堀内健)の立ち位置など、

それらだけだったら「何となく見やすいドラマ」で終わってしまいそうなものを。

やり方は違えど「患者を助けたい」「人を救う事で自分も救われた」という想いは一緒の

松本(伊藤英明)と濱田(ムロツヨシ)の対比を、

憲次(泉谷しげる)や1話完結パートの患者との関わりを通して

じっくり描いていったのが大きいのでしょう。

 

医師も完璧なスーパードクターではなく、患者と同じ一人の人間であり、

常に"煩悩"と隣り合わせで生きているという事。

ドラマの中にはハッとさせられるような、素直で的確な言葉が刻まれていた事。

人の繋がりの価値、温かさを教えてくれた事。

ちょっと話は逸れますが、これらの点では今期の同じ医療ドラマである

「アライブ」とシンクロする部分が多々あり、

最終的にはどちらも、どの登場人物にも共感出来て愛おしくも感じられる、

お気に入りの作品となりました。

 

三浦大知さんの優しい歌声から始まる主題歌の入りも絶妙で、

本作の魅力を更に引き立てるものになっていたと思います。

また、目の前の患者を救う事に対して猪突猛進であり続けながらも、

その性格が故におっちょこちょいな一面も見せてしまう松本先生にお会いしたいです。

ほら…結局、海外フードフェスの食べ物も、最後まで食べられないままでしたし(笑)

 

 

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