未満警察 ミッドナイトランナー 10話(最終回) 感想|これは2人のPRになったのか?

 

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「生きて罪を償え」がすんごい軽い言葉に聞こえたわ…(滝汗)

こういう台詞は今までに積み上げてきたエピソードがあって初めて生きるもんですけど、

片野坂(伊勢谷友介)の肝心の真相はみんな偶発的に起きた所から始まっていまして。

クズに仕立て上げているつもりなんだろうけど、もう一人の娘やゲスな刑事といった

「決して彼だけが悪い訳じゃない」みたいな同情させようとする要素も絡めてくるから、

一体彼をどんな人物にしたかったのかが中途半端で…。

事件そのものに最終回に相応しい重みを感じられなかったのが残念でした。

まぁ、この枠にグッタリさせられるほどの余韻を残す話を

期待すべきでは…ないんですけどね(苦笑)

 

元々は中島健人さん×平野紫耀さんでW主演!という大々的な宣伝から始まった本作。

しかし、いざ蓋を開けてみたら、"アイドル"としては裸だの、喧嘩=男気を見せるシーンだの

サービスシーンは十分にあったかもしれませんが、

果たして"役者"としては良い結果を残せたのか?と考えると、ただただ疑問でしかない出来でした。

これは別に演技の事を指しているのではないし、むしろ平野さんに関しては

以前別の作品で見た時に感じた青臭さが抜けた成長っぷりが感じられました。

一番の問題は「コンビのキャラクターの描き分け」にあると思うのです。

もっと噛み砕くと、本間(中島健人)一人だけでも

この作品って成立しちゃうんじゃない?っていう。

最終回だけ見ても、片野坂に真相を問い詰めたり、事件の謎が解けたり…などの

物語上で重要になるシーンは全て彼が担当していて、

もう一人主役であるはずの一ノ瀬(平野紫耀)は

モブ的な扱いのクラスメイトとポジションが同じように映ってしまう。

これはいかんでしょ。

 

何話か前に、一ノ瀬は頭脳派で、本間は行動派にキャラ付けが出来ている回もありましたが、

それ以外は「あれ?こっちが賢いキャラも担っちゃうの?」

「こっちも破天荒にしちゃうのか…」など、2人の描写を見ていると

何だか最後まで個性が定まってないなぁ…と感じる部分が多く。

思えば、1話で見せた一ノ瀬の「食いしん坊」の設定もいつの間にか空気になっているし、

それを踏まえた上で考えると、彼を"マイペースだけど洞察力は高い人"に、

本間を"何も考えずにすぐに突っ走るけど、その分誰にも負けない暑苦しい正義感を持っている人"

にして、もっと「凸凹コンビ」らしさを強調した作りになっていれば、

内容が微妙でもコンビの掛け合いだけで楽しめる作品になったんじゃないかと思います。

 

最後に、また偏見だだ漏れな感想になりますけど、

土9から土10に移動してから、中身の整合性もとれないのを誤魔化すために

見栄えだけカッコつける作品が増えましたよねぇ…。

2人の良さを引き出せなかったのも、原作に縛られていたからっていうのもあるんでしょうね。

 

ぶっちゃけ、警察学校を舞台にした学園コメディもので

若手役者陣の演技を見たかったです。

別に、勉強に時々恋に、互いに切磋琢磨して頑張る群像劇でも良くないですか?

 クラスメイトも存在感薄かったし…

うーん…未来ある若者をもっと大切に、としか…(汗)

 

ただ、W主題歌は唯一好きなポイントで、

どちらも違うベクトルで疾走感とクールな世界観が伝わってきて、

その曲を聴きたさに見ているような感じだったかな。

 

 

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MIU404 11話(最終回) 感想|今立っている道を信じるのみ

 

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選択肢Aと選択肢Bの世界を両方見せる展開は予想しておらず、

ちょっと戸惑いが隠せない気持ちでした。

正直、ピタゴラスイッチ&巻き戻し演出は本作の持つ疾走感を削いだような気はするし、

ここ最近は緊迫感で張り巡らされたシリアスな話が続いたため、

最終回は登場人物を限界の所まで苦しめて、苦しめて…

ある1つの手がかりをきっかけに一気に立場が逆転する、

例えば久住(菅田将暉)を再集結した4機捜が捕まえる

ドラマチックなどんでん返しになるのだろう…という思い描いていたものとは違いましたが、

逆にあの展開にした事で、軸となる「スイッチ」のワードが活きる

ラストになったのではないかとも思います。

 

もし2つのバッドエンドが、伊吹(綾野剛)と志摩(星野源)が薬に侵されて

ラリっている状態で見た幻想だったとしたら、

「オリンピックが予定通りに行われる世界」もラリっている世界な訳で。

しかし、九重(岡田健史)からのラインをきっかけに、どんどん有利な方に流れていくのも

あまりにも上手く行き過ぎていて、本当にこれが現実なのか穿った目で見てしまう。

 

でも…コロナ禍を生きる2人こそが真実なのだと願いたいし、

それならば無事に助かって、上手くやって行けているのだとも信じたい。

物語の本当の結末がどちらなのかがはっきりと明かされなかったからこそ、

脚本上では描かれない未来の話に自分の望んでいる世界を重ねて、

「きっとあの人ならこうして行くんだろうな」などと4機捜のみんなの今後を想像させる事で

心の中で本作は生き続けるんだろうなぁ…と考えると、

続編は作らずにこのまま潔く完結させてしまった方が"らしい"のかも。

間に合った事。間に合わなかった事。間に合う"ように"した事。

様々な壁に直面し、どう乗り越えて行ったかは今までも描かれてきたから。

 

「不可逆」「自分の信じたいものだけを信じる」

「アンナチュラル」でも本作でも野木先生はずっとこれらを書き続けているので、

最終回でも必ずコロナの話題も絡めてくるだろうと思っていて。

どんな状況に立たされたとしても今の自分を信じるしかないし、

現実が悪い方向に傾いているのだとしたら、そうならないようにと自分で動くしかない…

そんな 避けては通れない現実に向き合っていなかければならないという

ある種の"ドラマの正攻法"を、社会問題を絡めて清く、美しく、まざまざと

魅せて行く作風がやっぱり好きです。

 

表向きは刑事もので、最早定番のコンビものでもあるんだけど、

コンビ以外の各登場人物にも、自分にしかない"正義感"で動く見せ場がしっかり用意されており、

九重や陣馬(橋本じゅん)、桔梗(麻生久美子)といった仲間達から、

REC(渡邊圭祐)や麦(黒川智花)などの脇役的存在まで、

どの人達にも「生」が感じられるキャラ造形も魅力的でした。

井戸の底を思えば…と言う麦の晴れた表情にこちらも救われたし、

陣馬は大丈夫だろうかと1週間心の底でソワソワしっぱなしの

時間を味わえたのもかなり久しぶりだったなぁ…。

 

 

で、来週からまた刑事×コンビものの作品が始まる訳ですが、

まぁ…本作の出来が良過ぎる上にインターバルもないから、

自然と比べられてしまうでしょうね。

正直言うと、私はあんまり期待していないのです(苦笑)

同じジャンルの作品を同じ枠で続けてやる企画力以前に

(状況が状況なので、間に違う作品が入っていた可能性はあるかもしれませんが)、

なんとな〜く、良くも悪くも「ケイジとケンジ」の二番煎じみたいな感じがしてしまうのは

気のせいでしょうか…(汗)

 

 

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