「真犯人探し」という最終的な結末を描く前に、ひとまず整理整頓…って所かな。
本当に東堂(濱田岳)の告白が事実である場合に限るけれども、
私としては、最終章に入るタイミングで
大まかな謎を片付けたのは良い判断だったんじゃないかと思っています。
ここで整理整頓しておかないと、
最終回で描かれるであろう真相が余計強引に感じられてしまうだろうし、
説明もますます過多になってしまうので。
まぁ…前回の感想では「4度目の誘拐事件はいらない」と書いたものの、
今回の内容を聞く限りだと、三輪(賀来賢人)の娘の誘拐事件の方をなくしても
成立出来たんじゃないか…?という気はしましたけどもね。
東堂の真相回もあって、基本的に説明台詞が多め。
説明台詞で全部済ませようとする展開の何が苦手かって、
私の理解力の低さが前提にはあるにしろ、
怒涛の情報量ですぐに全体が理解出来ず、部分的に解釈しながら追いつくのに必死なあまり
"ドラマ"として純粋に楽しめなくなる所にあるんですが…。
本作の場合は、以前から東堂が誘拐犯だろうと
目星をつけていた(目星をつけやすい匂わせ描写がされていた)事、
そして前回で鈴間(藤間爽子)が共犯者である事が明確に明かされたお陰で
許容範囲には落ち着きました。
告白している間の映像処理…7割方過去エピソードがそのまま使用されているのもあって
コストカットしているな?感は満載でしたが(笑)
…このご時世もありますし、スタッフや役者さんのスケジュールの都合もあるでしょうし、
別に深く首を突っ込まなくても良いでしょう。
本作は何だかんだ言って、人を死なせないだろうと思い込んでいた部分はあったので、
ラストシーンには少々面食らいました…。
問題は、クライミング能力のある美咲(凛美)がなぜあんな事になったのか?なんですが、
犯人がたまたま遭遇して突き落としたといった"ご都合主義"を思わせないためには、
壁をつたって下りようとしている最中に、当時も起こった怪我が再発して
事故で落ちてしまった…という流れが一番妥当かな?なんて思ってます。
やはり、真犯人探しが最大の山場になってしまいそうですが、
「テセウスの船」みたいに、終盤になってしれっと影が薄くなった
吉乃(富澤たけし)が真犯人でした!っていう、
あたかも「この人じゃないと思ったでしょ?」と視聴者を弄ぶようなオチじゃなければ…
あとはポッと出の人物が犯人でなければもう良いです(笑)
残り2話、ここまで見てきたからには、しっかり見届けます。
最後に…今回は濱田岳さんに魅せられたと言っても過言ではありませんでしたね。
内容自体は人として最低だから、完全には同情出来ないんだけれども、
「今確実に生きている子」を選ぶ時の間の取り方に"苦渋の決断"が滲み出ていてね…。
愛する我が子を救うためなら、道理に合わない事だってしてしまう。
そうして段々"狂い"が生じてしまうのが親の心理そのもの。
でも、どちらか一方を選べと言われた時に冷静になって
「5年も生きている訳がない」と改めて考え直し、
本能のままに心春だと答えたら、親である前に人間ではなくなってしまう…。
「誘拐は最も卑劣な犯罪だ」も自分にも言い聞かせている気がしました。
理性と感情の狭間で揺れ動く心情が、リアルな人間臭さを感じさせて印象深かったです。
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