rincoro_ht一覧

19番目のカルテ 8話(最終回) 感想|まだ始まったばかり

 

 

ああ…赤池田中泯)が徳重(松本潤)と話したがらない理由は、

前回の冒頭の回想も関係していたんですね…。

 

文章の流れ的に感想ではカットしましたが、講義中に誰も話を聞いてくれなくて、

「お〜い…!聞いてるか」と助けを求めたくなるほど

寂しそうにしていた赤池の姿が、頭から離れずにいたんですよね。

前回見ていた時、なんでみんな彼の話に興味がないの?と不思議だったけれども、

私は総合診療科のお仕事をドラマを通して見てきたからそう感じるのであって、

当時医療業界志望の学生からしたら、

あまりにも現実味のない話だと軽く受け流されてしまっていたのかもしれない。

見向きもされない。自分の行為が未来に繋がっているのかどうか分からない。

赤池は、先の見えない不安や孤独と常に戦い続けて、

そんな中で難病にかかって、諦めの境地に至ったんだと思います…。

 

赤池を診察するシーンでの、松本潤さんと田中泯さんによる数分間の対峙は、

リアルタイムで物凄く贅沢で貴重なものを見ている気持ちにさせられました。

田中泯さんの演技はもう言わずもがなで、存在感で圧倒させて

独自の世界観へと引き込もうとされるんですけど、

それに対して松本潤さんはその世界観に呑み込まれる訳でも、負けじと攻め返す訳でもなく、

全てを受け止めようとされているんです。

今思えば、本作での松本さんは"受けの芝居"に徹していたような気がします。

バックで静かに流れている、カン…カン…と秒針が動くような劇伴が

また緊迫感のある空間を生み出していました。

あのシーンは、最終回の中で実に見応えがありました。

 

赤池じゃないけれども、

「先生、総合診療科は、ようやく始まったばかりじゃないですか。」という徳重の言葉には

私も一気に涙腺に来てしまって…

だって、今までの内容を見ていればその通りなんです。

魚虎病院は、少しずつ変わりつつある。最終回でもそれは証明されていました。

例えば、院長戦で対立し合っていた北野(生瀬勝久)と東郷(池田成志)は

相手の意見を尊重して仲直りの出来るしっかりした大人で、

魚虎を支えたいという共通意志のもと、次のアクションを起こす。

これから臓器を切られるのに、頼もしい医者たちに囲まれウキウキしていた徳重の表情。

仕事の会話や何気ない会話で賑やかになった休憩室。

最初は休憩中に仕事の話を持ち込む事を嫌がっていた大須岡崎体育)が、

まぁたまには良いかと思えるようになって。

康二郎(新田真剣佑)は賑やかな声に、居心地の良ささえ感じているようでした。

 

いろんな人の集う休憩室のシーンを見てふと思うのは…

この中に鹿山(清水尋也)がいないのが寂しいという事。

前回含めて患者を全員再登場させて、群像劇風に様々な医者の出番を作って…となると、

そこに鹿山も含めて"完全"な状態の最終回を作り上げたかったのに

事情があって"完全"ではなくなってしまった、

本当はその状態で視聴者にお届けしたかったのに

変更せざるを得なかった制作陣の悔しさは、どうしても想像してしまいました。

でも、出演カットによる編集の違和感は全くなかったです。

なかった…という事は、報道されてから短い期間で

視聴者に少しでも事情をお察しさせないよう、自然な繋ぎを徹底的に心がけた

制作陣のお陰とも言える訳で。

"最善"の形で最後まで作品を届けて下さり、ありがとうございました。

 

劇中の描写を借りるとするなら…撒いた種から、長い時間をかけて芽が出始める。

そんな「『物事の始まり』の過程」を見届けたドラマだったように思います。

また、総合診療科の大きな窓から漏れる眩しくも柔らかい光、

窓から吹くそよ風が本作の雰囲気にぴったりで。

患者が総合診療科に来た事による安堵感や、

医者同士の輪が徐々に広がる事で生まれる可能性、医者の根本にある優しさ…

全部まとめて、様々な想いを抱えてそこにいる人を

そっと照らしてくれている所も好きでした。

 

膨大な数のドラマの中から、感想を書きたいリストとして本作を選び、

感想を最後まで書く事が出来て本当に良かったです。

そして、日曜劇場で本作が見られたのは、嬉しかったですね。

 

 

↓前回の感想はこちら↓

 

↓今までの感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


しあわせな結婚 8話 感想|法律よりも重い家族のルール

 

 

あらら。15年前の事件だから証拠品も遺体もないのに、

幸太郎(阿部サダヲ)が本気を出して真相を調べたら、たった1話で犯人を特定しちゃった。

かたや材料があって、強い執念で再捜査まで持ちかけた黒川(杉野遥亮)と

当時関係していた警察は、一体何を調べていたんだとツッコミたいです…(苦笑)

っていうのは置いといて。

 

真犯人は、まぁそうかもな…と思う人でしたね。

ネルラ(松たか子)はここに来て自分が殺したんだと言い出したけれども、

レオ(板垣李光人)が事件に関わっているのは既に知っていて(だから家族で隠していて)、

幸太郎であればその真実も暴いてしまう事が分かっていたから

いきなりあの発言をしたんでしょう。

幸太郎がレオを出頭させた時、鈴木家で相談せずに独断で決めちゃうのは

どうだろうとはちょっと思いましたが、

かと言って、このまま守り通す事が彼にとって幸せかと考えたら…

それも違う気がするんですよねぇ。

 

5話の感想でも、

「ネルラ(松たか子)の周りにいる男性陣って、

彼女に振り回されている人たちばかりだよなぁ…」と書きましたが、

今回の結末を見ても、本当にその通りで。

法律よりも重い鈴木家(家族)のルールが存在している以上、

彼女の周りにいる男性陣は、みんな幸せにはなれない…そう感じています。

今となっては、布勢(玉置玲央)の絵画関係の仲間たちが

ネルラを悪者扱いする心情も理解出来ます。

布勢は鈴木家という閉じた世界に順応しようとするも、徐々に馴染めなくなった結果、

精神的に参ってしまったのかもしれません。

 

事件は解決したかのように見せかけて、来週の最終回で最大の秘密が明かされるそうで。

「夫婦の愛を問うマリッジ・サスペンス」とうたっている通り、

最終回は、亀裂が入った夫婦の関係性が修復され、

15年前の事件を乗り越えられるかどうかに一番注目したかったんですけど…

新たに"秘密"を追加するとは、何だかスッキリしませんね。

 

さらっとかつ意味深に描かれた弟・五守の死関連でしょうか。

鈴木家が閉じた世界になってしまったきっかけに、五守とかつての母が関わっているとか?

いずれにせよ、あまり期待せずに見ようと思います。

 

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


19番目のカルテ 7話 感想|話数が少ないのだけが惜しい!

 

 

今期のTBSドラマは、9月13日から「世界陸上」が始まるためか、

どのプライム枠も最終回の日程が早いです。

火10と金10の初回放送日がそれぞれ7/1、7/4とやけに早かったのもそのためで、

火10は既に放送終了しています(金10は今週終了予定)。

本作の場合は7/13にスタートし、翌週に休みを挟んだので話数はどうなるかと思いましたが、

本作も例に漏れずで、全8話という短い話数で終わるんですね。

 

上記の事情があり、通常よりも話数を短縮したしわ寄せが来ているのか…

今回の内容は、エピソードを詰め込んだ感がありましたね。

夏休みで診療所にやってきた徳重(松本潤)と赤池田中泯)による、

ちょっとした違和感を漂わせながらのひと時の日常パートと、

初めてメインで手術を行う事になる若手外科医・戸田(羽谷勝太)率いる

魚虎病院の医者たちが患者に寄り添うお仕事パートを同時並行…。

超好意的に解釈すれば共通点はないとは言えないんですが、

やはり繋がりを感じにくい内容が交互に展開されていく構成になっていたので、

見ながらやや集中力は欠けてしまいました。

 

あともう1つ疑問だったのは、最終回前の段階で

戸田をメインにしたエピソードを持ってきた事。

私が忘れているだけだったらすみませんが、今まで目立った出番があった記憶がなくて…

滝野(小芝風花)たちとの絡みも見てないような?誰だったっけな?状態に(汗)

(↑出演者のファンの方、ごめんなさい…^^;)

だからか、よく知らないサブキャラクターが

このタイミングで中心に描かれている事に、唐突感を覚えましたね。

まぁ、ここ数話での医者たちの関わりを見ていれば、

きっと彼とも交流する機会があったのだと捉えられなくもないですが…

滝野や康二郎(新田真剣佑)、先輩の茶屋坂(ファーストサマーウイカ)などと

絡んでいる様子がある程度描かれた上での今回なら、

一歩成長しようとしている彼への応援の気持ちも増した気がします。

 

しかし、ここまで惜しい点を書いてきたものの、

徳重不在の魚虎病院パート自体は、今まで本作を見てきた醍醐味を感じられたというか、

良いなぁ…と思える所が節々で見受けられたのも事実です。

例えば、患者・小田井(マギー)1人に対して、滝野・戸田・茶屋坂・康二郎の

複数の医者が診察をするシーン。

医者と1対1の診察を想像して来ている患者の立場で考えたら

えっこんなに!?とびっくりするかもしれませんが、

人の命にメスを入れる重大さを理解した上で真摯に向き合う康二郎がいて、

患者目線に立って本音で共感してくれる茶屋坂がいて、

旅行の話で患者の不安をほぐした滝野が戸田にバトンパスをし、

バトンを受け取った戸田が、最後まで責任持って手術しますという誠実な姿勢を見せる。

そしてみんなで、患者に微笑んだりしっかり目を見たりしながら、安心感を与える。

 

この一連の流れ、「ここは私に任せて!」という医者同士の思いやりが見えれば、

個々が自分なりの考えを伝える事で、患者の恐怖を取り除いてあげたいとする

頼もしさも感じて、素敵な連携プレーだと思えました。

と同時に、赤池の下で教わった徳重が魚虎にもたらしたものは大きく、

徳重の考える医療のあり方ってこういう形なのかもしれない…とも考えさせられました。

 

「月並みな言葉ですが…あなたは1人ではない。そういう事だと思います。」

これは、初めて執刀する事への不安と緊張が拭えない戸田に対して

康二郎が言った言葉ではありますが、

先ほどのプロフェッショナル溢れる連携プレーもそうですし、

先輩医者たちによる戸田のサポートの様子を見た上だとスッと心に響きます。

…同期の飲み会で鹿山(清水尋也)が

「誰も、俺たちの話なんて聞いてくれないと思ってたけど、

自分たちから話せば変わる事もあんのかもな。」と言っていたのも印象的。

徳重と関わった医者が、他の医者や総合診療科と

積極的にコミュニケーションをとるようになる変化は、

回を重ねるごとに感じられましたから…。

(今更書くけれども、前回関わった医者が、次回のOPで登場してくる映像も好き。)

 

診療所パートの方は…というか、夕陽が照らされる浜辺で2人で語るシーンは、

田中泯さんがダンスを踊るように語られる演技&撮り方なのもあって、

芸術作品を見ている感覚にもなりましたね。

で、最後に徳重が病名を言っているのを見ると…

正直、やっぱりあと2話くらいあれば

徳重の診察がもっと見られたのかな?とは思っちゃいます。

最終回は2時間拡大でもないから、本当に短い…!

 

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


しあわせな結婚 7話 感想|幸太郎&ネルラ夫婦の生活が一変

 

 

とあるドラマのとある台詞が有名になって以降、

他のドラマでも、泣きながらご飯を食べるシーンを見かけるようになったんですけど、

今回の、ネルラ(松たか子)がおにぎりを食べながら

泣いているレオ(板垣李光人)を片腕で抱き寄せる所は、

鈴木家の絆の強さが伺えるエピソードを今まで見聞きしただけにグッときちゃいましたね。

ネルラ本人も涙を流すほど辛くて悲しいでしょうに…

それでも弟を守りたい気持ちを優先し、

「(逆境に)負けない!」と言わんばかりの強い目つきへと変わる。

弟への態度とあの表情はまさしく、お姉ちゃんそのものでした。たくましかったです。

 

鈴木家の3人が、考(岡部たかし)が最後に作ってくれていたおにぎりを食べるシーンで

ここがターニングポイントになる予感はしていましたが、案の定影響を受け、

幸太郎(阿部サダヲ)は情報番組の出演休止&弁護士の仕事が激減し、

ネルラは休職を命じられる事に。

そして、事件に飲み込まれるのを防ぐべく、ステイホームと休暇満喫生活へ…。

 

大事な家族の一員である考が逮捕され、夫婦の生活は一変…という

起承転結の"転"続きの展開なのを踏まえると、

第二部スタートは今回からの方が相応しかったのでは?と思えてきますね。

前回が本当に蛇足ばっかりで……。

まさか、不動産屋の人の発言が、

今回の旅行のきっかけに繋がっていたのには驚きましたが(苦笑)

 

それにしても、事件の真相を探るサスペンスとなると

最終回まで引っ張らざるを得ないんでしょうね。

布勢(玉置玲央)を殺害した犯人は寛(段田安則)でもなく、

かと言って自首してきた考でもなく、

じゃあもしかしたらレオが?…というのが、ここ数話の大まかな内容。

話の終盤で疑惑の人物を1人あげては、次回で実は犯人ではなかった事が明かされる流れを

1人ずつ、ほぼ1話分の尺を使って描いているので、

話がノロノロしている印象は否めないのです。

 

ただ次回予告が、一酸化炭素中毒死を図った(?)レオの"その後"を全く映さない

作りになっていたのは良かったです。

ほら、たまにありますからね。ラストで生死を揺るがす事態に陥ったかと思いきや、

次回予告では生きていると分かって、な〜んだ…とズッコケる事が…(笑)

 

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


19番目のカルテ 6話 感想|終末期患者と向き合う

 

 

以前から「なんでも治せるお医者さん」を目指すと言っていた滝野(小芝風花)。

入職式での希望に満ち溢れた彼女の姿から、

終末期医療に移る患者・半田辰(石橋蓮司)のシーンへと切り替わる流れを見て…

ああ、これは今回泣かせにかかるつもりだと、冒頭の時点で覚悟しました。

 

まだフレッシュさの残る若い医者が終末期の患者と向き合うという

成長物語の醍醐味であろうお話に、患者役を演じる役者さんの熱演。

過剰なお涙頂戴の演出さえなければ、

正直、感動する事はほぼ確定と言っても良い組み合わせなんですね。

なので私自身も、2人で辰の作った家や町の思い出を共有して"マブ"になれたり、

シャルウィダンス?と辰が手を差し伸べてから滝野と踊ったり、

そういったエピソードの積み重ねがあった上で最期を看取るラストには

確かに泣けてしまったのですが…

いや、鉄板の内容だけに、「泣けた」「感動した」で終わる訳には行かないぞ?と

逆張りしてしまう自分もいまして。

果たして今回の内容が、総合診療科が舞台のドラマで取り上げるべき内容だったのかは

少し疑問にも思いました。

 

「本当に終末期の患者には、これからはないのかね?

これからがどんなに短くても、最後の瞬間まで人生は続く。それに、私たちは付き添う。」

という赤池田中泯)の発言を聞けば、

今回の仕事も総合診療科の範疇だとギリギリ捉える事も出来るんですけどね。

ただ、若い女性が終末期の患者を…というお話自体は、冬クールの某研修医ドラマでも、

去年のドラマでも見ているので、どうしても既視感が先行してしまったのかもしれません。

 

個人的には、辰の病状が悪化していく様ももちろん辛いし悲しかったんですが、

同時に、おじいちゃんの体がもう元気ではなくなっていて、

もうすぐお別れしなければならない事を嫌でも実感させられる日々を過ごしてきたであろう

孫(男の子)の精神状態が心配で…。

(↑ゲームをしている最中でも、不安気な顔して瞬きが多かったので…)

兄弟同士のいざこざは描かれていたものの、

辰の死に直面する患者家族に寄り添う描写が少ないのも気になりました。

先ほど「既視感」「総合診療科が舞台のドラマで取り上げるべき内容だったのか」

と書いたのも、ここのちょっとした違和感が原因なのでしょう。

恐らく、患者家族と向き合う内容は2話で既に描かれているので、

今回は家族の心情を深掘りするというよりかは、

「終末期」というテーマで違う角度から描いたんだと思いますが…。

でも、今までの患者の"その後"が、日常生活に溶け込むように

さり気なく触れられているのを見れば、きっと辰が亡くなった後も

定期的に訪問か連絡はしているのかなと。そうポジティブには考えられます。

 

赤池のノートが、終末期医療のページだけ白紙なのは何だか意味深でしたね。

赤池自身も年齢を重ね、"現実"を目の当たりにしている段階なのでしょうか…。

 

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


しあわせな結婚 6話 感想|煙に巻かれた気分…(苦笑)

 

 

冒頭から約2分間で今までの振り返りがあり、

その後も幸太郎(阿部サダヲ)、ネルラ(松たか子)、黒川(杉野遥亮)の3人が

15年前の事件の情報整理をする様子が描かれただけに、

第二部開幕をうたう今回から本格的に真相に迫っていくのかもしれないと思い

少し気を引き締めて見ていたんですけど…

う〜ん、ここにきて事件や鈴木家と全く関係のないパートやゲストキャラを

盛り込んでくるなんて…「困惑」としか言いようがなくて……(滝汗)

 

不動産屋の管理人のキャラは独特で、

1つのエピソードとして見れば確かに面白いんでしょうけど、

"連続ドラマ"としてだと、個人的には、なんでこのタイミングで

本筋とは無関係なエピソードを?という疑問の方が先行しちゃって

特に興味は湧かないんですよね。

その後の不倫疑惑も「ふーん…」みたいな感じでサラッと見ていたものの、

釈明を受けての幸太郎の言葉が黒川に響く展開は、

あっ、そこに結びつくのかという意外性はありましたが…

正直、もう感想は良いかなと一瞬迷うくらいには、今回の内容は私には刺さりませんでした。

 

調書を何度も読んでいたらネルラの誕生日を覚えてしまい、

1人で推しの生誕祭 彼女の誕生日を祝う黒川の「おもしれー男」っぷりや、

やきもち焼きらしいネルラの新たな一面だけは惹かれて見ていましたが、

結局、話が動いたのって最後だけでは?という感想にはなってしまう訳で。

 

本作の方向性を掴もうとしているのに、掴ませてくれない…

何だか煙に巻かれている気分です(苦笑)

出頭も…ドラマあるあるの「誰かを庇ってる」が動機かもですね。

 

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


19番目のカルテ 5話 感想|松潤、素敵な役だなぁ…としみじみ。

 

 

このドラマって本当、面白いんですよねぇ。

まだ広く知れ渡っていない総合診療科が新設される事で、

以前から魚虎総合病院で働いている医者たちとの

環境・制度の変化によるいがみ合いが始まってしまうかと思いきや、

お互いただ自分なりに、医者としてのプライドや仕事観を持って動いている

誠実な人物として描かれているし。

1人の患者の命を救うにあたって、総合診療科と他の科との対立展開はあれど、

主人公側を引き立たせるために相手側を悪役に見せるのではなく、

相手側の意見にも共感出来るような描写がされています。

 

で…今回の場合、茶屋坂(ファーストサマーウイカ)の

プライベート部分は謎のヴェールに包まれ、

弱みを一切見せないスーパーエリート医者っぷりは、

従来の医療ドラマなら、主人公の立ち位置にいそうだと思っちゃいました。

でも、「人を診る」徳重(松本潤)を前にすれば、優秀で完璧主義な彼女も

小さな傷を抱えた"1人の人間"にしてしまうんですね。

院長戦エピソードに関してはベタですが、基本的に本作を見るたび、

おっ、そう来るのかというちょっとした驚きがあるのです。

 

母・愛(朝加真由美)の手術を終えた後、へたり込んで壁に寄りかかり、

自分の手を見ながら、笑いの中に泣きも内包されているかのような複雑な笑い方をした彼女。

その笑い方は、母親による厳格な教育から自立し、

どんな患者も切る1人前の医者になれた事への誇りともとれれば、

自立したつもりなのに、母の教えから結局抜け出せない"縛り"にもとれました。

 

その後も、冷静さを保とうとしているものの、施設の申込書にサインをする際に

母親の言葉がフラッシュバックして、サインをする手が止まったり、

後輩指導の際にも、記憶喪失状態になった母を目の当たりにしたショックからか

ぺアンを落としてしまったり。

気づこうとしていないだけで相当追い詰められている彼女の心理をついた徳重の言葉は

「あなたは、お母様にとってたった1人の娘です。

ひとりにさせるのは心配。そう思っていませんか?」でした。

直後では不安・焦りからの自己防衛本能を意味する腕組みをしていましたが、

(母親を見捨てたりなんかしたら)怒られる…と本音を吐露した時の声は

少し子供時代に戻ったように聞こえて、ようやく、繊細な心を守るために

頑丈に、過剰なまでに覆っていた鎧をどかす事が出来たのかな…と思えました。

 

茶屋坂心という名前。

フルネームを聞いた時、「心」…素敵な名前だなぁと思ったんですけど、

母娘の関係性を示すエピソードを見てからだと、その名前に苦しめられた経験も

何度もしてきたんだろうとも想像出来るんですね。

きっと…これは妄想ですけど、いつも母親を怒らせて、迷惑をかけさせて、

「心」という名前なのになんで私はママにとっての"良い子"になれないんだろうと

自分を責め続けていたのかもしれない…なんて。

タバコを吸って、医者になって家を出て。

そんな母の意見に反する事ばっかりやってきた分、せめて今は親孝行をしなきゃと

後悔の念に引っ張られていたんだと思います。

 

でも、茶屋坂が過去のエピソードを話した後の徳重の言葉も、とてもハッとするもので。

「誰かのために、ここまで心を痛めるあなたは…とても、優しい人です。」

その後の彼女の「嫌いになりきれない」もそうですし、

母親の記憶が一瞬戻って、助けてくれてありがとうと感謝してくれているのを見て、

"縛り"にはなっていたけれど、同時に、「心」という名前にぴったりな、

彼女は彼女のペースで相手を思いやる人になれたんだと。

それが分かった途端、ああ、良いものを見た…という気分になりました。

 

今更ですが、松本潤さんは素敵な巡り合わせをしましたよね。

22歳で「花より男子」の道明寺司役、32歳で「99.9」の深山大翔役で

確かな存在感と人気を得た後、

41〜2歳になった今、本作の徳重晃役で新境地を開こうとしています。

(調べて記載して思いましたが、どれも◯2歳のタイミングなんですね…ラッキーナンバー?)

台詞の間の取り方、相手にそっと寄り添うかのような優しい話し方、

相手の深い部分まで見る眼差し…

どれをとっても、歳を重ねたからこその深みが滲み出ているんです。

 

終盤で発するこの言葉も良かったので、書き残しておきます。

「好きな人を見た時、胸は高まり、誰かに傷つけられたお時、瞳は潤む。

…あなたと私。その間に心は生まれると、僕は思っています。」

あいみょんさんの穏やかで温かみある主題歌の曲調とシンクロして、より沁みました。

 

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


しあわせな結婚 5話 感想|ネルラに振り回される男たち

 

 

ネルラ(松たか子)の周りにいる男性陣って、

彼女に振り回されている人たちばかりだよなぁ…とつくづく思える回ですね。

私がドラマを見る時は、答えが合っていても違っていても、

場面場面の登場人物の表情から今どんな気持ちなのかを想像する事も楽しみの1つなんですけど、

ネルラの場合は何を考えているのか本当に読めないんですよね。

 

幸太郎(阿部サダヲ)のメールにも気づかず

(↑まぁ、緊急性が低い内容だから分からんでもない…)

レオ(板垣李光人)と考(岡部たかし)に連絡を求めていた事。

黒川(杉野遥亮)の乗っている車から出てきたのを見かけた事。

そしてなぜか寛(段田安則)の搬送に黒川が付き合っていた事。

なんで俺じゃなくて黒川なんだ…と落ち込む彼の心境は理解しつつも、

松崎しげるさんの歌唱シーンが割と長い尺だったのも含めて、

思いっきり食らっている泣き顔を見ていたら不覚にもニヤついてしまったんですけど(笑)

その様子をテレビで見ているネルラの、真顔でじーっと見つめる表情に切り替わった途端、

一気に不穏な空気に変わるんです。

 

黒川との関わりにしたってそうで、自分を犯人に仕立てて捜査中の刑事に向かって

「好きなの?」は中々言えないでしょう。

私だって、布勢(玉置玲央)の弟でも親友でもなければ、

何をそんなに再捜査に執着しているんだろうとは疑問でしたけれど、

恋愛対象の話題を一度出されたら、嫌でも彼女を意識してしまう訳で。

これも、自分が重要参考人から逃れるための計画なのかな?と思ってしまいました。

布勢がダメダメになっていったのも、彼女と出会ったからでは…。

 

敵対同士にあった人々が、真相を見つけ出す共通目的のもと結託するという展開は、

意表を突かれる感覚が楽しく、いつ見ても面白い。

「好きなの?」「これから惚れた女のために一緒に戦いましょう」と2人に言われてから、

冷静さを保とうとするため食事に集中するも、逆にどんどん頭の中から離れないでいる、

そんな"迷い"を覗かせる黒川の様子を見ていたら、

「良い…!」という感情が押し寄せてきちゃいました。

 

次回から第二部開幕で、恐らく事件パートの描写が本格的になるからか…

今まではホームコメディとサスペンスの二本立てで、分離してなくはないものの

どちらをメインで押し出していきたいのかがやや不明瞭な印象だったのですが、

今回は最初から、15年前の事件を集中的に描いた事で

サスペンスという軸をしっかり感じさせる内容になっていた点でも、興味深く見られましたね。

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


19番目のカルテ 4話 感想|相手の話に耳を傾けるって、案外難しい。

 

 

赤池田中泯)や徳重(松本潤)に影響を受けて総合診療科に転科したものの、

患者に感情移入し過ぎるきらいがある滝野(小芝風花)。

一方、ミスをした時の対処法も機嫌の取り方もものにするほど

自分自身をよく知っているからこそ、

難しい事・出来ない事はすっぱり諦め要領良く生きようとする鹿山(清水尋也)。

そんな両極端な2人に「人を診る」が出来るのか気になって見ていましたが…

今回も徳重の存在感は確かに残していましたね。

 

「極端に強い面が表に出てる人ほど、その裏に隠された『何か』がある事は多い。

患者さんと向き合う時、一生懸命になればなるほど、

視野がせま〜く、ミクロなレンズで物事を捉えがちになる。」

この言葉がきっかけで、諦めかけていた2人が

まるで舵を切るように変化し、同じ方向を進み始める。

本当に魔法みたいでした。

手で表現する動作も、視野がいかに狭くなるかが目に見えて分かりやすかったです。

 

今回は今までと違い、若手メイン回ではありますが…

滝野と鹿山の医者としての苦悩を描いた上で、

徳重が上記のようなアドバイスを適度に投げかけてあげる立場に回る事で、

総合診療科の仕事や「人を診る」とは?が理解しやすいだけでなく、

テンポも生み出していた気がします。

 

夫婦に関しては個人的にはどっちもどっちで、

医者の目の前で「ラスボス」とか言っちゃう妻・早智(倉科カナ)は

自分の意見をガンガン押しつける所があるし(栄養面で努力してるのは分かるけど)、

夫・耕太(浜野謙太)は妻にもクライアントにも気を遣う八方美人で、

両親の現状を見ているにもかかわらずダブルランチ、しかし妻には怒って欲しくないから

1人で抱え込むという、なよっとした性格ではあるんですよね。

 

でも、夫婦がそうなってしまったのも、徳重の言う通り、

「病気になった時に、気持ちや考え方は揺れ動く」から。

しかし、結果的に離婚せずに済んだのは、

滝野と鹿山がお互いに相手の妻or夫に対するありのままの愛を聞き出す事が出来、

滝野がもう一押しをしてくれたから。

 

徳重からは、2人を静かに見守り、2人がつまづいている時には手を差し伸べてあげる

ささやかな頼もしさを感じさせましたが。

滝野は滝野で、何とかして患者夫婦の気持ちに寄り添いたいという真摯さが

彼女の良さだと思っていますし、

鹿山も普段からメモをとる習慣をつけていなければ、

患者のモヤモヤを可視化し、原因に辿り着くまでが中々難しかったかもしれません。

それぞれの良い所が束となり、患者夫婦の"病い"を治す事が出来た。

素敵なチームでしたね。

 

前回気になっていた堀田(津田健次郎)の現在も、少し触れてくれて嬉しかったです。

「最後まで堀田さんの隣にいると約束します」と言ったからには、

その責任を感じさせる描写がどこかには欲しかったんですよね…。

しかも驚いたのは、徳重がネットニュースで彼の記事を見て

頑張っている旨を言及していた所。

今回の見せ方で、患者が今どんな悩みを抱えているのかに耳を傾け、

治療に繋げる事だけが総合診療科の仕事ではないという、

今までの医療ドラマとは違う新しい作品を作るのだという制作陣の本気が伝わってきました。

今後も、今回のようなプチ情報で良いので、

今まで関わってきた患者の"その後"、見てみたいです。

 

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


しあわせな結婚 4話 感想|黒川(杉野遥亮)はアラフォー?

 

 

最初に個人的な好みを言ってしまうと、匂わせる演出・描写ばかりで

視聴者に"考察"を促そうとするドラマは苦手です。

 

例えば、同じ放送局で事件を取り扱ったドラマで、今期は「誘拐の日」もありますが、

そちらは謎が増える一方で整理される事なく進むストーリーになっているのと、

提供クレジットで「衝撃」煽りした割には

な〜んだ…か、またこれか…とズッコケる展開が続いたため、

ズルズル引っ張られてしまう前にすっぱりリタイアしたんですね。

 

しかし、"考察"させる要素が盛り込まれている事、

冷静に見れば、話が進んでいるのか進んでいないのか曖昧な状態になっている点では

本作も共通しているのに、なぜ好意的に見られているのか?

それは、幸太郎(阿部サダヲ)やネルラ(松たか子)を始めとした

鈴木家1人1人の個性が強く、家族パートだけでも密度の濃いエピソードが詰まっているのと。

前回も書いた通り、サスペンステイストの中でも"夫婦の愛"が軸にあると感じられるから、

近年のサスペンスやミステリーには当てはまらない作品として楽しめているんだと思います。

 

でも、前回を見てそう確信したのに…

今回でまた視聴意欲が、わずかにですが下がってしまいました。

 

弁護士・内藤(小雪)は1話きりの登場だと思っていたので

再び出番があるのは意外でしたが、

彼女は彼女で個性的なキャラクターで、幸太郎とのやりとりを見ると

事件よりも今その場で起こっている出来事の方に意識が行きがち。

しかも今回は適度なタイミングで

事件とは特に関係のない彼女のサブエピソードが挿入されたため、

あれ?もしかしてこの手法で真相を引き延ばしてる?感は否めません。

黒川(杉野遥亮)の見解を聞けば、進展はないとは言わないんですけど…

序盤ならまだしも、別にもう幸太郎との付き合いもないんだし、

わざわざ新しくエピソードを作る必要はあるのかどうかも疑問でした。

 

演技力のある俳優も揃っていれば、キャラクターも際立っている。

そしてベテラン脚本家作品。

だからやっぱり、風変わりのホームドラマでも十分面白そうなのに、

サスペンス要素を盛り込んでしまったばっかりに…という勿体ない気持ちが

また復活しつつあります。

今回は話を引っ張ろうという"意図"が見える内容になっていたので少し残念でしたが、

次回に期待させていただきます。

 

ところで…1話から気になっていた事ですが、黒川って何歳の設定なんでしょうか。

中の人の杉野遥亮さんは、今年で30歳。

なのでてっきり、15年前となると中高生くらいだろうから

布勢(玉置玲央)の歳の離れた弟かな〜?と思っていたんですけど、

血の繋がりもなければ、推理もただの勘らしく(当時交番勤務)。

35歳なら…ギリギリそう見える?

 

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ