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死にたい夜にかぎって 3話 感想|「ド」の音が嫌いな僕

 

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本作を見ていると、美術館でずらっと展示されている絵画を

見ているような感覚に陥るんですよね。

もう少し具体的に書くとするなら、一人の人生を紹介する個展が開かれていて、

別の空間に入ると「成長期」「晩期」といった章立て構成になっている概要パネルが

入り口に貼られていて、それをじっくり読み終えたら

あとはタイトルと制作した年、描画方法だけが簡潔に書かれた情報を元に、

1枚1枚の絵を自分のペースで、自分なりに解釈しながら鑑賞する…みたいな、そんな感じ。

(説明が下手なので、これで伝わるのかどうか分かりませんが…(汗))

 

 

冒頭は、中学生の頃の初恋相手だった吉野さん(中村里帆)が

浩史(賀来賢人)の赤い自転車を壊し、それが自分のものだとは言えないまま

壊す作業を一緒に手伝ってしまうというカオスな場面から始まります。

この二人の関係性の他の描写といえば、そこから中学生時代の回想に入り、

タイマンはろうぜと誘われ、ゲームボーイで対戦し、

勝つと一回ガッツポーズして負けると唇を噛む姿に惚れていたらしい事が淡々と描かれて終わり。

 

時を経て、赤髪の岡田さん(小西桜子)の猛烈なアプローチに押されプロポーズをするも、

「妹扱い」された事が気に食わなかった彼女にフラれてしまう場面が描かれますが、これも淡々。

 

場面紹介、説明台詞はほとんど排除されている作りなので、

ある意味ドラマらしくない展開が続きます。

赤が共通点の2人の女性を描いている事は分かりますが、

途中まで見ると「で、何が言いたいの?」の連続でもあります。

 

しかし、そんな疑問符はたった1つの台詞で一気に吹き飛びます。

「失恋のショックで、"ド"の音しか聞こえない気がする」

これだけで、"赤髪"の女性にフラれると同時に、

"赤い自転車"を壊した初恋相手との叶わぬ恋をも思い出してしまう「恋愛に対するトラウマ」、

そして、女性とどう上手く接してあげたら良いのか分からなくなってしまった「迷い」が

暗喩的に表現されていたと思いました。

私が最初に「本作を見ていると美術館に展示されている絵を見ている感覚に陥る」と

書いた理由もそこにあり、"台詞"を通り越して最早"詩"のようにも聞こえるこの独特な言葉でも、

主人公が今どんな心境を抱えているのか受け手が感情移入出来てしまう

台詞運びのセンスの光る点で、強く印象に残りました。

 

もう1つ強く印象に残った所といえば、やはり最後のシーン。

「今の俺は"ド"の音が嫌なんだよ!」「誰がステップ踏んでも"ド"の音になるでしょ!」

「じゃあ踊ってみろよ!男だったら踊れよ!"ド"じゃないんだろうな!?」

この2人にしか生まれないような奇妙な会話の連続がとにかく可笑しい。

しかし、派手な絨毯に浩史が足を踏み入れた途端、主題歌が流れ、ダンスタイムが始まると…

TRFのSAMがそう言っていたんだとアピールする浩史の姿のシュールさ、

やり場のない、どう扱ったら良いか分からない感情を相手にぶつけてしまう不器用さ、

他人が聞いたら「なんじゃそりゃ!?」と思う話でも、2人の間では一生忘れられないであろう

"幸せな思い出"に変わってしまう愛おしさ、

あらゆる感情が一瞬にして込み上げて来て、笑うと同時に涙が溢れるように…。

ここまで、泣いたら良いのか笑ったら良いのかごちゃごちゃになってしまう気持ちになった

恋愛描写は初めてでした。

 

優しいピアノのイントロ、アイナ・ジ・エンドさんのしっとりとした声の入りが、

まるで人間臭く生きる2人を包み込むかのようで、

今までの回で一番内容とシンクロしていたと思いますし。

踊る姿がコマ撮りで映し出される映像も、思い出のアルバムを1ページずつ

めくっているように見えて、中々秀逸な演出でした。

 

見終わった後は毎回、一言では表せない、不思議な余韻が残る作品です。

 

 

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テセウスの船 9話 感想|もう犯人は小藪さんで良いよ。

 

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心(竹内涼真)が迂闊な行動して、村人全員を怪しく見せて、

誰かの手によってハメられたのに気づいて、「父さーーん!!!」って叫んで終わり…

もう…この流れ、飽きたよ(苦笑)

主題歌をバックに、家族の絆で泣かせようとする作りも飽きちゃったよ。

ここ3週間くらい最後に叫ばなきゃならない竹内くんが逆に気の毒に思えてくるほどw

「黒幕は誰だ!?」を最後まで煽って煽って煽りまくるのなら、

普通に原作通りの結末にした方が辻褄が合っていたんじゃないですかね?

 

公式がプッシュしていた肝心の衝撃のラストも、

警察があまりにもポンコツに描かれ過ぎていてちょっと興ざめですし。

佐野(鈴木亮平)を疑っていてそれが仮に馬淵(小籔千豊)の仕業だったとしても、

駐在所の近くからワープロや青酸カリとぽんぽん証拠が出てくるのを、

誰も怪しいと思う人はいないのでしょうか?

ワープロにわざわざ「青酸カリは家の庭に埋めた。」なんて

分かりやすく残しておく犯人がいるでしょうか??

流石に警察"も"迂闊な設定なのは無理がありますって。

 

前回でせいやさんと今野さんが怪しいなんて事を書きましたが、

今回の思わせぶりな動きを見せるシーンが続くと…

考察するのもどうでも良くなっちゃた感じです。

犯人が新キャラの馬淵でも、村人全員のドッキリ作戦でも何でも良いです。(投げやり)

 

 

さて、次回でやっと最終回ですが…ここまで引っ張り続けておいて

25分拡大って要りますかね?

まだ約90分間も焦らされ続けるの?はぁ……………………。

 

 

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トップナイフ -天才脳外科医の条件- 10話(最終回) 感想|「のう」huluでお願いします。

 

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最終回になっても、私の心は盛り上がる事なく、通り過ぎるかのように終わってしまった…(遠い目)

つい最近まで、今出川三浦友和)が手術チームに向けてのリストラ候補を見極めるほど

愛する奥さんを救う事に力を入れていた描写があったから、

てっきりそれが山場となるのかと思いきや、冒頭10分間くらいですぐ成功。

で、あまりにも早いから、途中で病状が悪化する展開が来るのだろう…とも思っていたけれど、

特にそれもなく終了。

なんか肩透かしだったなぁ。

 

深山(天海祐希)と娘(桜田ひより)のパートで一応"最終回っぽさ"を出したんでしょうけど、

何か急にガッツリ描いてきて、何か知らないけど急に娘が成長を見せて旅立っていった…

そんな印象しか残らないので、やはり家族関係の話は黒岩(椎名桔平)とのどちらかで

良かったんじゃない?という思いは変わらず。

もう1つの患者エピソードの方も、いつから症状にかかっていたのか定かではないですが、

そんな短期間で「エイリアンには見えなくなったかも…」って変化が出てくるかな?と

気になって仕方なかったです。

最終回で唯一の収穫は、短いエンディング映像のメイキングが見られた所だけでした。

 

多くのヒット作を手がけてきた脚本家・林宏司さん。

スターの天海祐希さん、どんな役でもそつなくこなせる広瀬アリスさん、

そして場を引き締める役には持ってこいの椎名桔平さんらを起用する点では、

今期の乱立する医療ドラマの中でもかなり存在感を放つものになるのだろうと

期待する部分もありましたが。

いざ蓋を開けてみたら、まさか本作だけが独自性の薄い平凡な作品になるとは

思いもしませんでした…。

初回は微妙でも、回を重ねるごとにそれぞれの"色"が見えてきて

応援したくなった作品があっただけに、

本作はバリバリ活躍する主人公を描きたいのか、チームの絆を描きたいのか、

それとも「医者だって一人の人間」という視聴者に共感させる話にしたいのか、

どこに向かおうとしているのかが曖昧なのが際立ちました。

 

あらゆる要素が「無駄」だった点、勿体なかった点は前回や今までの感想で触れているので、

ここでは省略させていただきます。

 

続編はもうなくて良いですし、最後のhulu誘導も相変わらずなものですね。

しつこく誘導されても、意地でも「No!」と答えますが(苦笑)

 

何年か経ったら、本作の存在を忘れちゃいそう…

 

 

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病室で念仏を唱えないでください 9話 感想|自分自身をあきらめる

 

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濱田というキャラクターはムロさんの新境地であるとは思いつつ、

ダークヒーローの役を演じる事に、正直、少しの違和感を抱えていた本作。

しかし、今回は濱田を通して魅せる"変化"の演技で、かなり見る目が変わりました。

 

松本(伊藤英明)のいる所に革靴でまたいで入っていく、

"境界線"を思わせる印象的なカットから始まった砂場のシーン。

「入院している子供がどれだけ外で遊びたいか知ってる医者が、悲しくない訳ないんだよ」

次々と思いやる言葉をかけられた途端、徐々に感情…いや、本心を見せる姿は、

まるで、強い自分であろうと張り詰めていた糸がプツンと切れたかのよう。

 

松本と憲次(泉谷しげる)が楽しそうに話している様子をじっと見ていた濱田。

自分にも本音を話せる相手がいたら…という、どこか羨ましい気持ちがあったのでしょうね。

今まで、自分の技術と頭脳だけを信じ、夢を叶えるためならどんな事も犠牲にする

孤軍奮闘なキャラクターとして描かれてきました。

彼に「全力でサポートする!」と力強く言ってくれる相手はかつていただろうか?

自分以外を信じてみる事があっただろうか?

そんな風に考えながら見ていた分、念仏により手の震えが止まり、手術は無事成功して

患者の母に「助けられたのは僕の方です」と伝えるラストには、

思わず胸にくるものがありました…。

 

タイトル通り、俺の前で念仏を唱えるなと、いつもの嫌味ったらしい様子で言ってきた濱田ですが、

それも彼なりのご愛嬌ってやつで。

「ありがとさん」「はい、で〜きた。」ただの口癖でも、言い方次第で

松本にどれだけ救われたか…という感謝の気持ちが伝わる演じ分けが素晴らしい。

 

一方で、松本の方も、今までの話の中で一番「医者や患者にとっていなくてはならない存在」

になっていました。

主人公が説教臭いのは所謂"軽い"医療ドラマではよくある要素ですが、

本作の主人公は僧侶でもあるため、画面からうっとうしい雰囲気も感じさせず、

1つ1つの言葉が自然と耳に入っていきます。

濱田の腕をガッと掴む逞しい手。

泣いている濱田にあえて目を合わせず、一緒に黙々と砂遊びにとりかかる姿。

近くにいると心強いんだろうな…安心するんだろうな…と思わせるには

説得力のある演技で、こちらもますます魅力的に映りました。

 

ダメダメな患者を殴った辺りから(確か5話?)

医者と僧侶の掛け持ちであるという設定が活きてきたような気がしますし、

仏教も上手く取り入れられるようになった印象の本作。

初回のごちゃごちゃした作りを思うと、見違えるほど面白い作品になりました。

最終回はポッと出の通り魔の話がまとまるのかどうか少し不安ですが、

期待して行きたいです。

 

 

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アライブ がん専門医のカルテ 10話 感想|本当は気づいて欲しい想い

 

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そんな流れになるんだな〜…と思わされた回。

最終章!ついにクライマックス突入!黒幕は誰だ!なんて

緊迫感を煽るドラマをいくつも見てきたからか

(勿論、それもそれで結末を見たい気持ちにさせる良さがありますが)、

最終回前なのに、あくまでも人々の繋がりの温かさを淡々と描く姿勢を貫く所に驚かされました。

ここに来て、ドラマチックに誰かが倒れて衝撃のラスト…とか、

心(松下奈緒)達の行く手を阻むライバルの登場とか付け加えて物語を派手にしない所に、

本作の誠実さが見て取れます。

 

今回の結城(清原翔)の母のステレオタイプな性格、

弟と比べられるという設定はドラマではありがち。

しかし、それらの要素を「結城回」と銘打ってもっと強調して描けば、いかに過酷な環境にいて、

どれだけ苦労して医者の夢を叶えたのか…なんていう彼の生い立ちに感情移入させる形で

お涙頂戴的な話になりかねないものを。

群像劇の作りにせず、メインのエピソードである佐伯兄弟の話にさり気なく絡ませて

"影響を受ける姿""心情変化"を描き、最終的には本作らしい

「気づいていないだけで、実は自分の事のように相手を想っている」という

優しさに満ちたオチにまとめてみせたのが上手いな、と思わされました。

 

薫(木村佳乃)のがん再発の件は予想通りだったので、

特段意外に思う事はなかったのですが、それでも「ああ…ついに再発してしまったのか…」

というショックを一緒に味わう心地でした。

ドキドキでもないし、ハラハラでもないし…何だか胸がキュッと締め付けられるような感じ。

前回の民代(高畑淳子)のエピソードがこのラストに活きてくるんですね。

5年の生存率の期限が過ぎた今。

自分は、目の前にいる友達はもう大丈夫なはずだったのに…って。

 

私の命を救って欲しいでも、担当医になって欲しいでもなく、

「一緒に闘って欲しい」という台詞も印象的。

2人には、いや、みなと病院に勤める医者達には命と向き合う覚悟がある。

 

次回、2人の絆が途絶えない結末である事を願います…。

 

 

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知らなくていいコト 10話(最終回) 感想|ままならない人生を生きていく

 

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視聴後の評判を見ると、本作を最終回まで見てきて面白いと感じた人と

腑に落ちないと感じた人で、感想が真っ二つに分かれるのも無理はないのかなぁと思える最終回。

確かに、あのラストにするのならば、

ケイト(吉高由里子)の「二人で育てない?」という発言は余計だったし、

今までまともに描写されていないから"何となく良い奥さん"のイメージがあった尾高の妻が、

最終回になってまるで人が変わったように子供を捨てるくだりは唐突だとも思いました。

今こうして感想を書いていても、今回のまとめ方が果たして適切なものだったかどうかは

まだよく分かりません。

 

しかし、結論から言うと、私は"全話通して"満足して見終える事が出来ました。

本作は、「乃十阿(小林薫)の真相を追求するミステリードラマ」であると共に、

「雑誌の編集部という特殊な世界から見える"社会の歪み"を描くドラマ」でもある

作品だったと思うのです。

今回での岩谷(佐々木蔵之介)が尾高(柄本佑)にかけた言葉「ままならないなぁ、人生は」が

全てを物語っているようでした。

 

野中(重岡大毅)の暴露により殺人犯の娘として目をつけられていたが、

3年後になっても第一線で活躍し続けるケイト。

幸せな家庭を持っていたのにもかかわらず、ある日シングルファザーの務めを

背負わざるを得なくなってしまった尾高。

ケイトと別れて悲劇のヒーローを演じていたと思ったら、最後の最後で成功を掴み取る野中。

ままならない人生の中で、それぞれがそれぞれなりの罪を受け、

時に転機に救われながら生きて行く。

 

そう考えると、野中の存在は、勿論、ここぞとばかりに魅せてきた

重岡さんの怪演によるものも大きいですが、

本作にとって唯一の「世間」の象徴でもある気がして、興味深く見られたキャラクターでした。

ケイトと尾高の経緯をよく知らずに、不倫だと分かったら真っ先に非難する彼の感覚は、

真相が隠され一部だけが切り取られた記事やニュースだけで

全てを知ったような気になってしまう世間の感覚そのもの。

だから、闇落ちした性格になるのも無理はありません。

けれども、そんな部分的に欠けた人でも"名誉""称号"がもらえてしまうというオチは、

世の中に起こっている現象を表した最高の皮肉だったと思います。

 

乃十阿に関する記事が結局公表されなかったのも、本作らしく。

ドラマチックに、公表して全てスカッとさせる展開にしないのが良かったです。

家族と人生何もかも犠牲にし続けてきたのに、

"殺人犯"という汚名を被ったまま生きて行く乃十阿と、

これからも"殺人犯の娘"というレッテルを貼られ続けるケイトの関係。

「この世には、知らなくていいコトがある。乃十阿はそう考えているに違いない」

この記事を二人だけが共有する事で、初めて親子になれたんだな…と感じられる、

タイトルの回収も含めて秀逸なラストでした。

 

最初は主人公の共感出来なさっぷり、お仕事パートの雑さに、

いくら好きな役者さんが出ていてもこれは微妙だな…やめちゃおうかな…なんて思っていましたが。

最終的には、脚本家が本作を通して伝えたかったメッセージが分かり、

ここまで見てきて良かったと胸を張れる作品になりました。

 

視聴者の感情をかき乱される役者陣の演技も。

仕事に対する真摯な姿勢を見せるキャラクター造形も。

時々垣間見える人間臭さも。

どの面においても見応えがありました。面白かったです。

 

 

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僕はどこから 9話 感想|種明かしに1話分使わんでも…

 

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あれ?権堂(音尾琢真)と智美(間宮祥太朗)のドンキのくだりも、

千佳(上白石萌歌)が薫(中島裕翔)の前の座席にいるシーンも見たぞ?

TVerでの視聴だったので)公式が配信する回を間違えたのか?なんて思っちゃった。

今回は完全に種明かし回なんですね。

しかし、種明かしにしても前回のと重複する要素ばっかりだったので、

合わせて1話分にした方が見やすかったんじゃないでしょうか。

 

そして、智美の過去は以前書かれていたから、山田の部下を撃つ時の少し憂いを帯びた表情も

「はじめに力ありき」だと心に誓った当時の彼の姿と重なって印象に残るシーンだったものの。

一方で、薫と母の関係性は、終盤で回想を矢継ぎ早に見せるだけで、

この二人の描写が今までいかに不足していたかに気づいてしまう回でもありました。

毎回冒頭で薫と智美の青春の日々が描かれていたように、

時々そこに、まだ薫が小さかった頃、

母が認知症を患い始めた頃の親子関係が掴み取れるような回想を挿入して、

彼がどんな気持ちで母の面倒を見ていたか、

初めて自分の能力がわかった時、それとどう葛藤していったのかという心情変化を

じっくり描いてみても良かったと思います。

(勿論、主人公の能力を存分に物語に活かせてない…という勿体無さもあります。)

 

しかし、序盤こそあまりに進まない話にもたつきを覚えてしまいましたが、

千佳が薫の近くに座り、ワードを通してやりとりをするシーンから

一気に物語が動きだしました。

今回はただの種明かし回でしたが、住所が書かれたメモを渡すくだりは

「これから薫の能力が発揮される伏線になるかもしれない」という”暗示”のようにも思えて、

次回の展開に少し興味が湧いてきました。

 

予告を見る限り、いかにも最終回っぽい緊迫感ある雰囲気なので

まだ引っ張り続けるのだろうという不安はありますが、

とにかく、薫と智美の「ターニングポイント」も、

駿(岡崎体育)がどれくらい狂気的な存在なのかも気になります。

 

 

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10の秘密 9話 感想|10の秘密が何かを公式が発表して欲しい。

 

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何というか…最終回を前に、秘密なんてもう何でも良いやと思えてきている私がいます。

前回まで、わざわざ友達に手伝ってもらってまで

由貴子(仲間由紀恵)の作戦を邪魔するよう行動していたのに、

今回になったら長沼(佐野史郎)の秘密とは何か?を探す方向にシフトチェンジ。

まだ解決していないまま放置している"謎"が多いから、

正直、誰が誰と対立していて、誰が何の目的のために動いているのかという構図が分からなくて

話がとっ散らかっているように感じるんですよね。

 

終盤まではイマイチ進展がなくて退屈でしたし。

最後の「実は由貴子は生きていた!」というくだりも、

そりゃそうやろなって感じで特に驚きもない。

 

そう、このドラマ…今更気づいて書くのもなんですが、主人公達の言動が迂闊な以前に、

「そりゃそうやろな」という展開を、あたかも衝撃展開のように煽る演出が多いから

イライラして来るのです。

今回の場合、パスポートを探していたと分かったのなら、考えられるのは1つしかないのに、

「もしかして…」なんてわざわざ溜める。

あまりにも主人公を鈍く表現し過ぎていて、不自然だと思いました。

スローモーションの演出もそうで、これも緊迫感を出すために使っているつもりでしょうが、

どうも視聴者と作り手の間に"ズレ"が生じているような気がしてならないのです。

脚本に関しては、偽名が書かれたパスポートは

今までの話で一切見せなかった方が、「パスポートには違う名前…って事は生きてるの!?」

という意外性も大きくなったんじゃないかと思います。

 

ここまで「10の秘密」よりも「10以上の迂闊」を見てきた印象の強い作品。

サブタイトルが「第○の秘密」だけあって、放送終了1週間後にてっきり

その回の秘密を要約したものが公式サイトのあらすじにアップされるのだと考えていたので、

今となってはそれが10個もちゃんとあったのかどうかも分かりません。

「圭太(向井理)が社長室に当たり前のように入れているので、

会社は警備などのセキュリティ対策はしていないのかと思われたが、受付は一応あり、

実は視聴者の見えない所で手続きして訪れていた」という小ネタも

秘密に含まれるのでしょうか(笑)

 

 

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死にたい夜にかぎって 2話 感想|どんな時も「まぁ良いか」の精神で

 

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もう遅い時間なのもあり(※記事作成時)、簡単感想で。

 

前回のある種の"気持ち悪さ"が抜けた代わりに、"独特さ"が増した2話。

物語の展開は走馬灯のように淡々と進んで行く。

でも、早さはそんなに気にもならなくて。

その時の感情、状況、1つ1つの気持ちが手に取るように分かるから、

首絞めなどの変わったエピソードでも、何故か引き込まれてしまう不思議な魅力があります。

 

「なんで私なんかのために、そこまでしてくれるの?」「好きだからだよ」

「お揃いの診察券、悪くないね。」

変わり者の2人でも、この人達はこの人達なりの"普通"を過ごしてきたんだと思わせられる、

会話のやり取りにピュアさが垣間見える瞬間がとにかく好き。

お互いに精神疾患者だけれど、相手の良い所を見つけ合っては共有する。

きっとその繰り返しが、2人にとっての日常だったのかもしれませんね…。

 

浩史(賀来賢人)は閉所恐怖症、アスカ(山本舞香)はうつ病と、かなり重めの設定ですが、

それを和らげてくれるかのようなセピア調の映像と、

歩きながら時折チラチラ入る虹の演出も印象に残る回でした。

(今回、時間の都合で結構ふわっとした感想になってしまったので、

次回こそはなるべく早く見て書きたい…^^;)

 

 

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病院の治しかた〜ドクター有原の挑戦〜 7話(最終回) 感想|すべて救世主のおかげ。

 

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誰かが歩いてくるシーンを見た時点で、察したんですよね。

ああ…そんな展開になって終わるのかと。

 

去年同じ枠で放送されていた「スパイラル」の最終回の内容が、すぐ頭をよぎりました。

その作品はある役者さんのゲスっぷりを楽しんで見ていた部分もあったのでまだ良いのですが、

経営難を、今いるメンバーの努力じゃなくて、結局誰かを救世主として再登場させる形で

全て解決!みたいなのは、ビジネスを扱う「ドラマBiz」の作品としては

雑なのではないかな?と思ってしまうんですよね。

まぁ、再建モノならハッピーエンドにするのがお決まりな訳で、

放送回数が少ないから何とかまとめざるを得なかったのかもしれませんが…

今までの作品はみんな7話か8話で終わっているのだから、

それを参考にしてもうちょっと上手い描き方は出来たんじゃないかという気はします。

 

途中までは好意的に見ていました。

最近の本枠の特徴である「人情」は健在だったものの、

あくまでも前面に押し出す事なく、経営戦略を"主役"、人情論を"脇役"として

ささやかに描かれていて、これは他の作品とは頭一つ抜けた作品になりそうだという

期待も膨らんでいました。

なのに、回を増すごとに人情が主役の物語に…。

 

最初は頼もしく映った有原(小泉孝太郎)がだんだん、

何も後先を考えないでやりたい放題やるお坊ちゃんキャラになってしまったのも残念。

いつの間にか、江口(稲葉友)の成長と振り回される倉嶋(高嶋政伸)の方に

同情する気持ちで見てしまってました。

今思えば、この主人公も今期の迂闊ファミリーの一人だったのかもしれません(苦笑)

 

前回でも書きましたが、3ヶ月後、半年後といった過程すっとばし展開だったり、

反対意見しか言わなかったイメージの医者達が急に漂白されたりと、

「再建モノ」「連続ドラマ」らしい醍醐味があまり実感出来なかったのも

何だかなぁ…という感じで見終えた作品でした。

 

来期のこの枠はラーメン屋再建物語。

月9の某続編が、正直あまり気乗りしないので、

そっちが面白ければ良いな〜と思っているのですが…

「ラーメンハゲ」の主人公を女性に変えてしまった件がちょっと気になりますね。

"大人の事情"が強く出た作品にならない事を願いたいですけども。どうでしょうか?

 

 

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