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モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜 7話 感想|"縛り"からの解放。"不変"の崩壊の始まり。

 

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反抗期になった俊祐(工藤阿須加)がまずやる事は…タバコ。

いや、中坊か(笑)むせる姿含めて、あまりにも発想が初々し過ぎて笑っちゃったわ!

そして、家族に悪口だらけのSNSを見られていると分かったら…

私だったら恥ずかしくて、もう一緒に暮らしているだけで気まずいかもw

 

でも、最終的に俊祐が戻ってきてくれたのは良いてしても、

「自分がいなくても萌子美が店を守ってくれているのが分かった」から改心した…

という解決方法になってしまっているのにはちょっとモヤる。

彼は両親が萌子美(小芝風花)ばかり構っていて、自分には見向きもしてくれないという

長年積み重なったストレスが爆発して家出をしたのだから、

(萌子美本人も「私とお兄ちゃんは違うかもしれないけど」とは言っていたけど)

何も言わずに、あたかも何事もなかったかのように普通を装いながら帰りを待つ対処法は

彼には適さないと思うんですよね。

俊祐みたいな承認欲求のあるタイプは、「どこ行ってたの?何してたの?」と質問攻めする

母の世話焼きっぷりくらいがちょうど心に響くかもしれない。

まぁ、これはもう置いておくとして…

 

萌子美は"普通の人"の洗礼を受けた感じですね。

子供の時に見えていたものが、大人になってから見えなくなってしまった…

みたいな段階に入ってきている。

毎日孤独な想いをして、物だけが友達だった萌子美が、

今では岸田(加藤清史郎)と、人間と仲良くなれた。

これは彼女にとって大きな進歩で、

一般的に見たら"成長の証"としてかなり嬉しくなる出来事なんですが…

やっぱり相棒のトミーの声が聞けなくなるのは寂しいもので。

岸田に出会って、花屋で働いていろんなお客さんと交流していなければ、

こんな事はなかったはず。

自分の気持ちを押し殺して、誰かになりきるために物から力を借りるのは

タブーなんでしょうね…。

 

 

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知ってるワイフ 11話(最終回) 感想|どうせ…と思ってしまう自分がいるw

 

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まぁ…まぁ…そうなんだろうけど。元サヤで終わるのが相応しいんだろうけど。

なんというか…どことなくむず痒さが残りますな(笑)

だって、澪(広瀬アリス)は「選択肢Bの世界にいる(た)澪」で、

「元春(大倉忠義)のダメ男っぷりを知らない澪」な訳でしょ?

彼と一緒にいる事に夢見ていた期間よりも、関係がギスギスしている期間の方が長くて、

その記憶がこびりついて夢に出てきた場合だったら

果たして元サヤを選択していたのだろうか?って話ですよ。

夢に出てきた男=元春な所に運命を勝手に感じているだけで、

どこに魅力があるのかも分からずじまいだし…。

"記憶がない"、都合良い設定ですよねぇw

 

元春の方も、沙也佳(瀧本美織)に対して同じ別れ方をしているから、

「結婚して、子供も生まれて、幸せな家庭になりました…ちゃんちゃん♪」みたいな終わり方は

はて、本当に幸せなままでいられるのかな?って疑って見てしまう自分もいて(笑)

そう考える理由として…アイロンがけ、自分でやらないっていうのがね。

「ありがとう」「ごめんね」を素直に言う事を心がけるようにしたのは

大きな変化だったとしても、

結婚してからしばらくは、お互いに優しく接してきた所は

タイムスリップしてもしなくても共通していたと思うんですよ。

問題は、仕事が忙しくなって、育児と両立しづらくなってから。

最終回ではそこは触れていなかったから、今度は上手くいきそうっていう実感が持てない。

自分がお迎えの当番のはずなのに、急な仕事が入ってきてLINEに返事もよこさないで…

仕事で頭がいっぱいいっぱいになっている中で同じ場面に出くわしたら、

言い訳もしないで対応出来るのかどうかという"段階"まで描いていたら

この夫婦2人に現実味が増したんじゃないですかねぇ。

 

それ書いても仕方なくない?って事でも、今思いついたので書き残しておくとすると…

本作は元春がタイムスリップをして"気づき"を得ていく物語なので、

あくまでも主人公の成長物語に重きを置く作りだったんでしょうけど。

「誰かと人生を生きていくとはどういう事なのか?」をテーマにするんだったら、

澪もタイムスリップをして、お互いもう出会わない選択をしたはずなのに

ある日同じ職場でばったり出会ってしまって、

最初は嫌だと思っていたけど、一緒に仕事をしていくうちに

「自分が気づかなかっただけで、本当はこんなに苦労していたんだな…」

「あの時ちょっと言い過ぎたかもな…」といった誤解が解けて、

良い所も悪い所も、本心も知った上で改めて相手に惹かれ始める…

みたいな話にしてもアリな気がしました。

 

久恵(片平なぎさ)が過去を知ってそうな描写は、結局何だったんでしょうね。

小池(生瀬勝久)と繋がりがある訳でもなかったし。

っていうか、小池がタイムスリップしてやり直した理由が結構重くて…

こっちをメインにしたドラマでも面白かったかもしれません(笑)

 

まぁ、元春は誰とも関わらない選択をしたのを、澪がついてきたんだし、

元春も元春でわざわざ顔見に銀行まで行ったんだし。

どうしても頭の中から離れないのであれば、

気の済むまで一緒にいたら良いんじゃないかという結論ですね。

中盤までは秀作になりそうな予感もしたんだけど…

最終的には惜しさが残る作品だったかなぁ。

 

 

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にじいろカルテ 9話(最終回) 感想|3人の心には今日も虹がかかる

 

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良かった…。このドラマにはハッピーエンドがお似合いですね。

 

予告で真空(高畑充希)が倒れる所を見てしまっているものだから、

38分くらいまで、村人達が怪我したと騒ぎまくったり、

のど自慢大会に向けて一致団結をしたり…という"いつもの日常"の連続で

いつ不幸な出来事が起こってしまうのかと内心ドキドキしながら見ておりました。

病気の進行を匂わせる場面は、序盤で真空が食事中に手の違和感を覚えるシーンくらいで、

後は特に気にかけるような素振りはなかったですからね。

その分、ああ…病気はなんて意地悪な事をするんだと、

ついにこの時が来てしまったのかというショックが大きかったです。

高畑充希さんの演技がまた上手くてねぇ…

「なんで今なの…」って思っているのが表情から伝わってきたから、

凄く痛ましい気持ちになりました。

 

でも、「セミオトコ」でも未来で再会させるハッピーエンドで終わらせた

岡田脚本の事だから、真空を死なせたりはしないと踏んでいましたよ。

今後はまともに歩けなくなって寝たきりになるかもしれないし、

白衣を着て診察する事も出来なくなるかもしれないけど…

元気に帰ってくる真空の姿を見られて、3人が笑顔で。

喧嘩しながらも笑い合って過ごす3人の生活は、これからも続いて行くんだろうなぁという

余韻の感じられる締め方になっているのが本作らしい。

 

セミオトコ」「姉ちゃんの恋人」そして本作…と、

岡田脚本に出てくる登場人物はみんな"人と人との繋がり"に拘る傾向にあって、

「誰かの悩みはみんなで共有するべし!」「隠し事がないほどアットホームな関係!」

みたいな描かれ方をしているから、そこで好き嫌いは分かれるかもしれませんが、

私は好きな作品でした。

個人的には大人数でいるより一人でいる方が好きだから、

毎日毎日何かしらのイベントやらパーティやらがある

虹ノ村での生活は疲れちゃうとは思うけれどw

でも、真空や朔(井浦新)、太陽(北村匠海)の相思相愛な関係を見ていると

羨ましいなぁとも思えたり。

 

「この村は本当に存在するのか?」なんて途中まで疑って見ていた自分が小さく感じてくるほど

ひたすら純粋な、陽だまりのような医療ドラマは初めてでした。

まぁ…正確に言えばヒューマンドラマですけどね。

"日常"を描いているものの、そこには病気との向き合い方の"新たな可能性"も含まれていて、

今作られるべき作品だったような気がします。

 

 

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俺の家の話 8話 感想|親がいない家は実家と呼べるのか

 

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なんかもう…今回のラストは泣くしかない。

今までの思い出が走馬灯のように蘇っていく演出は、やはり涙腺に訴えかけるものがありますよ。

グループホームで寿三郎(西田敏行)を見送ってから実家に一人ぽつんと佇むまでの流れに、

"TOKIOとしての人生"や"クドカンドラマでの思い出"を本作の中に残して

仲間も知り合いもいない新たな世界に飛び込む長瀬くんの心境と、

子供達が自立して家を出て、大切な人も他界して行って一人残される親の心境が勝手に重なって…

後者に関しては、うちのおばあちゃんがそうだったから。

遠く離れた実家で、娘も息子もいなくなって部屋もガラ空きになった家で

余生を送る側の気持ちってあんな感じなんだろうなぁ…なんて、想像しながら見ていました。

 

帰ってきた時に親がいて、家族ならではの"温もり"を感じさせるのが実家であって。

寿一(長瀬智也)にとって親がいなくなった今の家は、実家とは…呼べないですね。

 

「…嫌だったら、別に良いけど」

「そうだねぇ、行ってみっかなぁ」

「…嫌なら、断るけど」

「行くよ。行って欲しいんだろ?」

「良いよ行かなくて」

「行くよ。お前と二人っきりよりはマシだよ」

「じゃあ行けよ!なんだよ面倒くせぇな」

寿一と寿三郎によるこの一連のやり取りも、凄くこの二人らしいなぁと思えて印象的で。

どちらも客観的に今後を考えた上で、もう自分も良い歳なんだからと妥協して

新たな提案をしよう(受けよう)としているんだけど、

本当は「離れ離れになりたくない」っていうわがままな思いがせめぎ合って、

その気持ちが言葉の節々に、本音の形でも、強がっている形でも

滲み出ている所が親子揃って似てます。

 

でも…直接グループホームまで送り届けられるまで一緒にいられるのって、

よくよく考えたら凄く幸せな事だし、

舞(江口のりこ)や踊介(永山絢斗)のように

心が離れ離れのままで終わってしまう事の方が多いと思います。

いつ終わりを迎えるか分からない日々だから、

こういう時こそ家族全員で支え合っていかなければならないだろうに、

あの「家族写真」が絶頂期だったと言わんばかりに

その先の日常が徐々に崩壊していく展開は…見ていて切ないです。

介護が取り入れられた話だから今回のような"リアルな過程"を表現したんでしょうけど、

やっぱりドラマだからさ。

家族が涙を流しながら、枕元を囲んで最期を看取る"理想"も見たいですよね。

 

「俺の家の話」だけではなく、「私の家の話」にもなっていた今回。

男だらけの芸能一家に生まれて、"女だから"と切り捨てられる舞と、

危うく離婚した元旦那に出産立ち会いされそうになったユカ(平岩紙)の話。

「家の話」なだけに、本当にいろんな登場人物にも焦点を当てる作りになっているなぁ。

ユカの件は、コメディタッチで「元旦那なのに出産に立ち会っちゃった!」なんて

笑いをとる描き方も出来ただろうけど、

何やってんだ!出てって!とちゃんと言ってくれる助産師の存在を作った所に、

本作に対する、クドカン先生に対する信頼が持てました。

女性だからこその生きづらさ、繊細で赤裸々な想いにも向き合おうとしているんだという

意思を感じましたね。

 

 

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青のSP−学校内警察・嶋田隆平− 10話(最終回) 感想|全部岡部のせいでした。

 

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はぁーー…ツッコミばっかりしてた最終回だったわ。

警備強化するって言いながら全然姿を見ないのとか、

2人のちょうど真ん中に映るアレンくんとか、いろいろ挙げていったらキリがないから

特に思った事を書きますけど。

何が一番謎で笑えたかって…

隆平(藤原竜也)が教室で岡部(遠藤雄弥)に撃たれた後のシーンよ。

普通だったら笑えるシーンじゃないんですよ?

でもさ…もう岡部も命がけで捕まえて事件がひと段落したんだから逃げる理由もないのに、

「必ず救急車呼んで来るからな!」って言って瀕死状態の隆平を置いてけぼりにするのは…

可哀想過ぎるでしょ。いや、さっさと救急車呼んでくれよって話でしょ(笑)

そんなにスクポリの事が大好きだったんか?と感じるくらい

みんなが心配そうに集まってきたのに、

止血処置したり救急車に連絡したりする者が誰もいないのは傍観者と一緒な訳で。

隆平想いに見せておいて…ある意味生徒達が怖いですw

怖いと言えば、西田(池田優斗)が"隆平が自分にとっての恩人"みたいなキャラに

しれっとなっている所もね。

「あんた置いて行けねぇよ!」いや、いつからそんな良いヤツになったんだよ!と

思ってしまいましたわ。

 

尾崎(鈴木梨央)と涌井(米倉れいあ)が岡部を嵌めたみたいな話になっていたけど、 

まるで生徒側に非があるかのように説教をだらだらする展開になるのもなんかモヤる。

誰かに陥れられて人生を狂わされた訳でもなく、

ただのロリコンで変態だった岡部と、性行為を受けた涌井。

どちらが悪いかなんて一目瞭然。

(ついでに、慰謝料を請求されるのは自業自得。)

仮に2人が手を組む事がなかったとしても、岡部の性格に原因があるので

他の生徒も襲って事件になっていたかもしれないんだけど。

その可能性には触れず、生徒に対して口を開けば香里香里で…

小川先生(明日海りお)が岡部に巻き込まれたって話と

"教師になるまで苦労した話"は今関係ないし、

しかもそんなデリケートな事情を持ち込んでまで彼女への愛を訴える

公私混同極まりないこのスクポリはなんなのかと、ちっとも心に響きませんでした。

 

彼が事件を防いだのに導入制度を見直す流れになっているのもよく分からないですけど、

彼がいなければまた部下に仕事を押し付けようとしている教師がいて

根本的な解決になっていないのに、

「学校に警察はいらないですね」「校内だけで解決出来る学校になっていけば良いですね」

で綺麗に終わらせるのはもっと意味が分かりません。

逮捕するべき相手を逮捕しないで、野放しにしておく。

失った大切な人の真相を探るために学校に来る。

"学校に革命をもたらすほど変わった教師"ではなく、"スクールポリス"にした事で、

従来のとは違った特別なドラマに映ったか…と考えると、ちょっと疑問です。

いじめた生徒に対して手錠をかけていた初回が懐かしいな…

もっと「悪とは何か?」「善とは何か?」を問う作品になるのだと

期待していた部分もあったけれど、

全体的に軽いな〜と思いながら、最後まで見終えちゃいましたね。

 

「あっちの世界」って言ってたから

てっきりあのまま三途の川を渡って行ったのか…と思っていたんですけど、

普通に田舎で交番勤務してたんですね。田舎=あっちの世界なのね…(泣)

っていうか、初回〜3話くらいまで出てきたピアノ弾きの少女って

結局何だったんでしょうね?

いつの間にかぱったり見かけなくなりましたけど。

何か秘密を握ってそうな感じで匂わせていたけど、

小川先生の自殺に関わっていた張本人でも、娘でもないの。

えっと…幽霊?(笑)

 

 

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監察医 朝顔(2021) 18話 感想|俳優・りんたろー。アリかも。

 

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個人的な事情でちょっとバタバタしてて、この時間になっちゃったので、簡単感想で。

 

今期は"忘れてしまう"話や設定が多いけれども、

中でも平(時任三郎)が家族の事を忘れてしまう様はすこぶる辛いものがあります…。

「結婚式、2人がもたもたしてるから…もう挙げたらどうだ?」「つぐみか…良い名前だな」

前者に関しては多分、「知ってるワイフ」の母じゃないけど、

里子が生きている間に挙げていれば...という意味合いで

記憶を混同しちゃってる部分もあるんだと思います。("もたもた"の表現が気になったので。)

回想での柔らかさをまとったあの頃とはまるで別人で、

この2つの言葉を少し険しい顔で、冷静なトーンで流暢に語る演技があまりにも衝撃的で、

事件の結末がちょっと吹っ飛んでしまうほどでした。

 

今はつぐみ(加藤柚凪)の顔を見れば、すぐに"今の日常"には戻れるけれども…

またいつああなるか分からない。

もう一回忘れてしまったら、その先ずっと忘れてしまうのかもしれない。

今回は、そのための"記憶"の話なのかな…。

 

嶋田(柄本明)が着ていたスーツは遺族の手にわたる。

10年の付き合いだったという秘書は、

アリ好きの松本先生(片桐はいり)への配慮で、

ムネアカオオアリというレアなアリの巣を壊してしまわないようにと、別の場所を選んだ。

でも、"アリの事を、私の事を思ってくれていた"という優しさが松本先生の頭の中では残る。

たとえ何かが変わってしまっても、戻らない人になったとしても、

"物"だけは消えない…そんなメッセージが伝わったお話だったと思います。

 

で、黒フードの正体は、りんたろー。さんである事が発覚。

まだ演技は分からないけれども、個人的には、俳優…アリですね。

なんとなくシャドーボクシングをやってそうなイメージが(笑)

森本(森本慎太郎)は助かるのだろうか…。

 

 

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天国と地獄 〜サイコな2人〜 9話 感想|SDカードが気になって仕方ない!

 

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途中までは「面白いっちゃ面白いんだけど、

どことなく演出が軽いのが引っかかるんだよな〜…」と思っていた本作で、

まさかうるっとしてしまう日が来るとはなぁ。

やはり、たった15分という違いだけで、

天国と地獄に分かれてしまった兄弟の運命を描こうとしているのが分かった回。

今までなんとなく悪役のイメージがあった迫田孝也さんだけど、

悲しさと苦労を背負いながらも

弟と再会出来た喜びだけを噛み締めるように逝ってしまった演技を見て、

あんな複雑で繊細な役もされるのかと、見る目が変わりましたわ…。

 

日高(高橋一生)と朔也(迫田孝也)の出会いや関係性を見ると、

物語の真相はいたってシンプルで。

入れ替わりもあの時が初めてだったらしい。

視聴者が考察する形で謎が一人歩きしていった…

で、結局それがミスリードに繋がってしまったのには、

本作が「入れ替わり」から始まる物語である事、

「入れ替わりをあっさり信じてくれる存在」がいる事という2つの非現実な要素が重なった作りに

原因があるのかも…ですね。

しかもその2つを初回〜序盤の段階で盛り込んでいる訳だから、

もっと驚くべき"何か"が待ち受けているんじゃないかという勝手な思い込みが生まれてくる。

視聴者と作り手の間で考え方に大きなズレが現れるようになったのは、

偶然だったのか、それとも計算済みだったのか。

もし後者だったとしたら、そんなに深く考察はしていなかった私でも

森下先生の「こう表現すれば、視聴者はきっと盛り上げてくれるだろう」という策略に

まんまと引っかかった事になるので…うーん、悔しい!(笑)

 

彩子(綾瀬はるか)と日高も元の姿に戻って、

(最終的には2人とも捕まっちゃったけれども)まぁ一安心と言えるのか。

日高が目を覚ましたときの、今にも人を襲いそうな獣のような目つきで

元に戻ったと分からせるんだから凄いよなぁ…。

そして、その後も「入れ替わり」の要素も「元に戻ったからおしまい」じゃなくて、

ちゃんと活かした話になっているのもまた凄い。

彩子が感情的になって朔也を殴ったのだって、

今回の殺人事件の真相を追い続けて、長い間入れ替わっていた日高の体を使って

"日高の人となり・人生"も家族や社員を通して知っていった過程があるから

説得力が増すんですよね。

 

ミステリー部分は今回までで複雑な構造にしていない事が分かったので、

目の前で殺したとかっていう確かな証拠がないのは気になるけれども、

朔也は空集合=犯人で、日高は共犯なのは、もうこれで確定なんでしょう。

でも、最終回のようで、まだ最終回ではない。次回こそが、本当の最終回。

一瞬だけ意味深に映したSDカードが、物語の鍵を握ってそうな気がしてなりませんねぇ。

あれには何が入っているのか。

入っているデータ次第では、真犯人は別にいて、

朔也は嵌められただけだという可能性もわずかに期待してしまうんだけど…

果たしてどうなんだろうか。

あとは、八巻(溝端淳平)は2人の入れ替わりを警察にバラすつもりなのか。

スマホの電源がついた事が吉と出るか凶と出るかも気になるし。

あれだけ片付いた感じに見えても、まだ75分もあるんですよ?

まだ何かどんでん返しがありそうだって思っちゃうでしょ!

 

 

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その女、ジルバ 10話(最終回) 感想|女性はいつだって強く、美しい。

 

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こちらの感想は随分とお久しぶりですね…(苦笑)

いや〜、 3話以降も書こうと思っていたんですけど放送からどんどん日にちが経って、

でもどうしても書きたいから最新話はまだ見ないようにしておこうってやっていたら

録画がどんどん溜まってきちゃって。

これはもう無理だと諦め、途中から視聴のみのコーナーに回して、

最終回に向けて昨日(土曜日)で3話一気見した!という感じです。

あ…そうそう、石動(水澤紳吾)さん、2話の言動でストーカーになるんじゃないかとか

勝手に疑っていたんですけど、普通に良い人でしたね。

穿った目で見てごめんなさいw

 

最終回は…シンプルに言えば、とっても良かったです。

今まで全然感想を書いてこなかったので、このまま見て終わりにするつもりでしたが、

雑感でも書きたくなっちゃうほどには。

 

震災もガッツリ絡めてきたから、

コロナの世界線も描くのかもなぁ…とは何となく分かってました。

でも、オチのつけ方は、不思議と

「新がオールドジャック&ローズに帰ってきたのが予定調和」とは思わなかったですね。

それは、何が良いとか、何が正しいとかって決めつけず、

"人生の希望の形"は一つじゃないという事を最後まで教えてくれる作りだったから。

今回の場合だと、みか(真飛聖)と電話した時の「田舎も良いわよ」や、

新の父・達郎(大和田獏)の「休んだら良い。とことん休んだら。」など、

中盤で、福島にある実家で新たな生き方を送る選択をしたって良いんだ…という

描かれ方をしていた。

だから、戻ってきたのは新(池脇千鶴)自身の決意なんだと、すんなり受け止められました。

 

 

初回の頃は「店の人々と関わる事で、新が勇気を持てるようになるまでの話なんだろうな〜」

くらいのふわっとした印象だった分、

まさか、戦争孤児や震災と、規模が大きい話が展開されるとは思っていなくてさ。

そして、バーの人々だけでなく、スミレ(江口のりこ)やみかにも焦点が当たる群像劇にも、

その2人と「ちゃん」付けし合うほど仲良しの関係になっていくのも意外でした。

しかし、この作りだったからこそ、心に響いたものがあったんだと思います。

 

幼少期の戦争。2011年の震災。そして、2020年のコロナ禍。

いつの時代でも必ず"試練"は訪れるし、

いつの時代でも恋愛したり、失恋したりする。

 

まだシジューだからとか、もうベテランだからとかっていう"年齢の呪い"を取っ払って、

「もしかしたら自分も大きな挫折を味わうかもしれない」

「でも、いろんな経験をして、1つ1つ乗り越えてきた人はたくましい」

を平等に描いたのはもちろんですが。

一歩前に踏み出すその背景には、家族や友人、くじらママ(草笛光子)など

必ず誰かがいて、表では見せない弱さを誰かと共有する事で背中を押されて、

また新たなステージへと進む…という過程を1人ずつ丁寧に描いていった所に、

外見的にも内面的にも変わっていく女性の美しさを感じ、

見終わった後には自然と勇気をもらえる作品でもありました。

 

X年後になってシジューの3人が店に集まらなかったのは寂しかったですが、

すみれはお揃いの服で幸せそうにしているし、みかは新たな目標を見つけたし…

いろんな"幸せ"を見つけたって事で、あれはあれでアリなのかなと。

 

2017年の夏から(全作ではないけど)見続けている

「オトナの土ドラ」枠の中では、一番満足度の高い作品だったかもですね。

個人的にはこの枠の最終回でやりがちなイメージのある

駆け足展開を感じさせなかったのも珍しい。

そして来週からは「リカ」SP!いや…振り幅が大きいわ(笑)

サイコホラーにドロドロ…ザ・オトナの土ドラ!!!な作品も楽しみますわ♪

 


知ってるワイフ 10話 感想|どうかしてる世界からタイムスリップ!

 

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半沢直樹」のように陥れられていく元春(大倉忠義)。

いや、流石に今回のは可哀想だった(笑)

2億円の融資を許可する権利は支店長(おかやまはじめ)にあるのに、

なぜ謝罪しに行くのも、尋問されるのも元春だけなのか。

審査するよう促されても適当に流したのに、なぜ支店長はクビにならないのか。

"知らなかったフリをした"という証拠も出ていなんだから

厳重注意か謹慎で済むレベルだろうに、

一応言うべき事は言っていた元春だけが解雇になるの、どうかしている。

もう1つ「どうかしている案件」で言えば…

澪(広瀬アリス)がしれっとマイカーを持っている設定に

なっているのもどうかしている(笑)

車持っているんだったら、お母さんが行方不明の時に

わざわざ元春の手を借りんでも探しに行けたやん。

あ…それについては次回で触れますかね?

 

前回の木田(森田甘路)と言い、理不尽な目に遭わされて

仕事も友人も家庭も何もかも失ってしまった訳で、もうこの世界にいる必要はなくなった。

元春の「もう、戻らない」発言は…澪とも沙也佳(瀧本美織)とも、

誰との恋愛も選ばない選択肢Cの人生を生きる決意をしたっていう意味ですよね。

でも、澪も恐らくタイムスリップしてついてくるんでしょう。

急に出てきたレンタカーは過去に戻るために購入。

母・久恵(片平なぎさ)からもらった"何か"は、平成22年製の500円玉。そんな所かと。

 

今の世界で、母と一緒にたくましく生きてきたと言う澪は、

やっぱり高校生で世間や価値観の多様性を深く知らなかった頃とは違うようで、

元春のダメ男っぷりを聞かされても「片方だけが悪いって事はないと思う」

「子育てに対してどうして欲しいか提案しなかったこっち側にも原因があるんだと思う」と

冷静な回答をしてくれたので、今度こそ上手くいくのかも?と信じたいですが…

夜の海のシーンで感情的になったのが

1話で喧嘩した時の金切り声とまんま同じに聞こえたからなぁ…

一緒に住んだ実感がないから近づいてきてくれるだけで、

また暮らしてみたら離婚する可能性も大いにあるんですよね。

 

何はともあれ、来週の"答え合わせ"が楽しみです。

久恵と小池(生瀬勝久)の関係性も気になるし。

あと…やり直すのは良いけど、津山(松下洸平)には双子の子供を授からせて、

木田となぎさ(川栄李奈)はまた夫婦にさせてあげてね!!

元春に振り回されまくっている2組なんですから(笑)

 

 

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にじいろカルテ 8話 感想|勘違いから始まる告白大会

 

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何やら穏やかではなさそうな、ホラーちっくな雰囲気になったと思ったら、

最終的には太陽(北村匠海)の愛され話だった。

苦手とは言いつつも、何だかんだ印象深い思い出があった"タケシ"と再会する日が

亡くなった日なんて…と悲しい気持ちになっていたら、全然違う人だった。

みんなでせっかくサプライズパーティーの準備をしていたのに、誕生日が違う日だった。

凄い…この構成。お笑いで言う「天丼」よ(笑)

 

勘違いが勘違いを呼び、真空(高畑充希)からハグだのチューだの

小っ恥ずかしくなるような言葉を浴びせられる形で、

自分が想像していたよりも"3人の関係"を大切にしてくれている事を知る。

3人限定じゃないけど、好きでくっついていて仲の良い関係を作れていたつもりの相手から

実は嫌われていた時のショックは、私も学生時代に経験したから…

太陽が周りを信じきれないのも、「俺以外みんな死ね」を作ってしまうのも分かる気がしました。

某ドラマみたいに悪口をSNSに書きまくる事はせず、

もやもやしている事があるから今ちゃんと言いたい!って動いてくれる子で良かったです。

今までの自分を知らない人々のいる世界に行って、いろんな人と触れ合うって…やっぱり貴重ね。

 

太陽中心のエピソードも、タケシと霧ヶ谷(光石研)の小学生時代のエピソードも

どっちも興味深い内容だっただけに、

仲がさらに深まった所でもう最終回なのか…という物足りなさを感じたのは無きにしも非ず。

再び真空の病気についての話題に戻ったので、

これは最終回前でやるべき話じゃなかったのかもしれませんね。

だからと言って中間地点に持ってくるのも早い気がするし…

時間が経っていくうちに自分は本当に必要とされているのか不安になって、

愛を再確認する意味合いでは、5話での太陽回から話数を空けたのも

適切なタイミングだったんじゃないかとは思うし…

それに、話数を空けたお陰で、ドラマの世界でも時間が流れていて、

毎日ここの人々は何か新しい発見をしながら

充実した日々を過ごしているんだとも感じられますしね。

 

うーん、結局何が言いたいかって言うと、朝ドラくらいの期間と尺でも良いから、

もっともっと村人達の関係が親密になっていく様を見たい!日常を知りたい!って事ですな。

まぁ、それは編成上無理なんだけど。

夏休みとか、クリスマスとか…時期を変えて、また続編が見たいなぁという想いでいっぱいです。

 

 

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