2020年春ドラマ-レンタルなんもしない人一覧

レンタルなんもしない人 12話(最終回) 感想|1人分の存在がいて気づけたこと

 

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最終回はレンタルさん(増田貴久)の家庭のあれこれをメインに…ではなく、

あくまでもいつもの1話完結型の依頼人エピソードから物語が始まる所が良かったなぁ。

かと言って前者の件を駆け足展開で終わらせず、

森田(松本若菜)との関わりでピンと来るものがあったり、

前回で心救われた神林(葉山奨之)から新ビジネスの提案があったり、

そして1話で登場した大宮(志田未来)のその後の話が聞けたり…

本作がずっと問いかけてきたであろう「1人分の存在が人に何をもたらすのか?」に対する

答えのような作りにもなっていたと思いました。

 

OP映像と共に流れるナレーションを最後に持ってきたのも良い。

悩みやお願い事をただそばで聞いていて、SNSで報告する事によってまた新たな出会いがあって、

家に帰ったら奥さんに今日の出来事を話して盛り上がって、

今度は恩返しにと、レンタルさんの力になろうとする人も生まれる。

本作の世界にいる人々はそうやって支えながら、時に助け合いながら

これからも日常を過ごして行くのだろうなぁと感じられる、余韻のあるラストでした。

 

1話完結パートの方も、レンタルさんと共通点が多くて、

なぜ彼にハンチング帽を被って欲しいと思ったのかも分かる気がしましたね。

顔立ちもあっさり目で、のほほんとしたオーラが漂っている所も似ていましたし。

 

10話磯村勇斗さん回はヘビーな内容だったものの、

全編通して 見た後はふわっと心が軽くなるエピソードばかりで、

年代や価値観は違えど「えっそれは…」と驚くような事はなく

一人一人に自分の内面を重ねながら見続けられた作品でした。

様々な人生や人間模様を覗き見る。

ドラマチックな展開はないながらも、それをじっくりと描写するタイプの作品が

やっぱり自分には刺さるんだなぁ…と改めて気付かされた、素敵な出会いにもなりました。

 

増田貴久さんに役者のイメージはなかったから、

初めて演技を拝見した「ボイス」の「アニキ!」呼びが激しい役の印象で

ずーっと止まっていたんですけど(笑)

だから、こんなに朴訥とした役もハマるのだと新鮮味を覚えましたね。

(ちなみに、唐沢寿明さんがゲストの件、「今度はまっすーの主演作に俺が出る」と

当時約束されていたらしく。本当に実現させちゃった!

増田さんも唐沢さんに可愛がられる後輩的存在になるのかしら…♪)

多くを語らないキャラクターというのもありますが、間の取り方がとにかく上手くて。

その演技が「見ていて不思議と心が温まる」という本作の魅力を

倍増させていたんじゃないかとも思います。

映画出演も…良いですね。極力劇伴を流さず、台詞も盛り込まず、

ただ劇中で流れゆく"時間"だけを味わってくれ!

というような作品で(勿論違ったテーマでも良いですが)

また増田さんの演技が見てみたいです。

 

 

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レンタルなんもしない人 11話 感想|生きていれば試練はつきもの…

 

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「アンチ活動してる人に自分を貸し出したら、面白い事になりそうだなって」

「炎がない所に熱気は生まれませんから」

ああ、やっぱりレンタルさん(増田貴久)の考える事は凄いな。

初回の頃から、彼から発せられる1つ1つの言葉の独特さに惹かれていた訳ですが、

彼がどんな想いで毎日を過ごしているのか…そんな人間性

今回のエピソードで少し感じ取れたような気がします。

 

今更ですけど、思えばレンタルさんが依頼人と関わっていく上で

笑った姿って一度も見た事がないんですよね。

神林(葉山奨之)の時もそう。

「トラブルが起きた時、笑顔で対応されていました」「とても、楽しそうでした」

本来だったら、相手の知らない一面を知れて嬉しくなって、ちょっと自慢したくなるはずなのに

いつも無表情で淡々としている。

それとは反対に、喋り出したら止まらなくなるほど感情を剥き出しにする神林。

そこで、「炎がない所に熱気は生まれませんから」と言った真意を考えてみる。

 

レンタルさんは相手の生き方を決して否定したりはしないけれど、

かと言って自分の生き方にも強く胸を張ってはいないんだと思います。

「これが良い」じゃなくて、あくまでも「これが合っているのかも」と

思って選んだだけで。

自分には出来ない生き方。自分には持っていない良い所。

1つの物事に熱くなって、笑ったり怒鳴ったり表情をコロコロ変えて…

そんな人間臭さが羨ましい、全く違う人と触れ合ってみたいと

感じる部分もあったのかもしれませんよね。

 

神林も、今回の事が貴重な経験になっただろうなぁ…。

SNSで匿名を使ってディスるのは簡単。

でも、本人に向かって、しかも一応有名人の前で

ありのままに怒りをぶつけるなんて滅多に出来ない。

今までよりも"感情"を前面に押し出してきた作りになっていましたけど、

そうした事で、レンタルさんのボソッと呟いた率直な言葉が妙に刺さりましたし、

見終わった後には清々しささえ残りました。

「夢はなんもしない事」評価されない人生。何者にもならない人生。

そんな人生もアリかもしれない…

結果的に、お互いにとって得る物があったみたいで良かったです。

 

沙紀(比嘉愛未)のパートは、どちらの気持ちにも共感してしまうだけに辛いですねぇ。

なんもしない人の裏では、なんかしている人がいる。確かに真理なんですよ。

でも、奥さんの絵を額縁に入れて飾っている辺り、

頑張りを認めて応援してくれているはずなのに…うーん…想いは届かない…(泣)

生きていれば、お金のしがらみからは抜け出せないんですよね。残念ながら…

 

 

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レンタルなんもしない人 10話 感想|真逆の道を進んだ者たちの行く末

 

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滝口(磯村勇斗)の部屋に入った途端、外の世界とは分断されているような、

彼がその閉じられた空間で余生を過ごすかのような異質感を覚えたんですよねぇ。

レンタルさん(増田貴久)の服装も相まって余計に"白"が強調された部屋、

雨戸が閉めてある窓の上から大量の光が漏れているさま、

そして、左下部分にずっと映されている仏壇と、中に飾られている不揃いの2つの位牌…

彼にいったいどんな過去があったのか?と引き込まれもしましたし、

回想を通して片方の位牌が母のものだと分かった時、

あぁ…決して裕福な家庭ではなかったのだと、当時置かれていた環境を

スッと理解する事も出来ました。

 

本作の数々のエピソードの中では珍しく、見ているだけで心が抉られるお話でした。

滝口の背景がおばあちゃんとの生活を通して描かれたという前提があったために、

殺意が芽生えてしまうのも、友達だったはずの相手を殺してしまった時の悔しさにも

共感せずにはいられなくて。

この子が罪に問われるのであれば虐めていた方は何なのだと、

世の中の不公平さに憤りさえ湧いてきました。

 

「ある事をきっかけに友達が全くいなくなった」と言っていた滝口。

回想で"あいつ"が憎いという一心で行動に移した時、

自分の足音や、周りの人達の慌てふためく声がかき消されていった演出、

遺族に漫画を投げ飛ばされた際の怒号が聞こえなかったシーンからして、

彼は罪を犯して以来、本当に誰とも関わりを持たずに

自分一人で全てを背負いながら生きる日々を過ごしてきたのだろうと思います。

だから、レンタルさんに過去の事を打ち明け、少しでも"人と人との繋がりの貴重さ"を

知る事が出来た彼の遠くで子供達のはしゃぎ声が聞こえてきた時は、

「外の世界にいても良いんだよ」と慰めてくれているようにも感じられて

嬉しくなってしまったなぁ。

 

なんもしなくても、さり気なく社会の役に立っているレンタルさん。

誰しもが、毎日会えていたものが、明日には突然いなくなってしまう事は

十分にあり得る世界だから、悩みを話して一歩前進した滝口にとっては

人生において重要な"分岐点"の一つになったかもしれません。

誰と出会うか、出会わないか…ってやつですね。

 

一方で、「線を踏み外した者」を共通項とすると、

滝口とは真逆の方向へ進んでしまった神林(葉山奨之)。

アンチに目覚めるまでの神林の気持ちには同情出来たけれど、

さすがに今回のストーカーはやり過ぎ。

そう思う人がいっぱい出て来ると、「なんで!」って反発したくなる訳で、ますます悪循環。

アンチになる瞬間を垣間見た8話の瀬戸(松尾諭)の時のように、

レンタルさんでなくても もっと早い段階で誰かに打ち明けられる人に出会えていたら、

今立っている道も違っていたのではないかと思いますけど、

残念ながら、プライドが高い人には通用しづらい話なんですよねぇ…。

 

そんな神林が、次回ではレンタルさんに依頼する事に。

そして、いよいよ生計問題に差し掛かる森山夫婦…。

クライマックスに相応しいお話となりそうです。

 

 

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レンタルなんもしない人 9話 感想|おかえり、レンタルさん!

 

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3ヶ月以上経ち、ようやく放送再開!待ってました。

本作こそ少人数で撮れて密にならなそうなのに、お知らせはまだなのかな〜…と

うずうずしていた日々が続きましたけど、

こうしてまた無事に新作が見られたのが本当に嬉しい。

 

暑い季節になったから、レンタルさん=森山さん(増田貴久)の制服も

グレーのパーカーから白のシャツへと模様替え。

通常通り放送していたら、もしかしたら新しい服装が見られる事は

なかったのかもしれないと思うと、ちょっとしたお得感がありますね。

 

内容の方は、本作らしい「見ているだけで心が満ち足りていく」

ぽかぽかした世界観を久しぶりに堪能しました。

実は再放送を見ていなかったもので、当時抱えていた"好き"という感覚を

再び呼び戻せるのだろうか…と不安だったんですけど、

ああ、この劇伴懐かしいなぁ…そうそう、森山の返しが一々面白いんだよなぁ…などと、

あまり時間が経たない内に物語に入り込む事が出来て良かったです。

そして、恋人を"好きでいる"事、恋人を"好きであり続けたい"気持ち、

そういった言葉では表しきれないような感情が

知世(土村芳)や優季(古川琴音)から伝わってきて、

勝手に幸せのおすそ分けをしてもらった気分になっちゃいました。

 

知世の「惚気話をし始めたら止まらない」感じが良いんですよね。

1つ話を終えたらまた別の話へ…と、箇条書きしてあるものを線で引いていく所には

普段彼女に関する話題を出さないが故の拙さと初々しさがあるし、

どうしてもホワイトボードを見せたいから家に連れて行くのも、

今まで本当に誰かに話したくてしょうがなかったんだなぁ…って

興奮状態になっているのが分かる。

また、優季の性格が愛娘みたいでさ…

人に関わる事に積極的だったり、人の目も気にせず自由奔放な動きをしたりしているのを

見ていると、知世のノートにどんどん話したいネタが追加されて行くのも

無理ないよなぁと思ってしまうんですよね。

知世にとってはほんの動作も、発せられる単語も、1つ1つが愛しく映ってしまうんだろうな。

 

そんな幸せ溢れるエピソードと同時に書かれた神林(葉山奨之)のエピソード。

どちらも愛を欲している所は共通していても、そこに「嫉妬」が混じると

あそこまで別人になり果てるのか…という恐ろしさを垣間見たようでしたわ。

でも…SNSの"いいね"は決して「同意」「共感」だけとは限らないんですよねぇ。

本格的に精神が病んでしまう前に、早くこの人もレンタルさんによって救われる話が見たい。

 

 

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レンタルなんもしない人 8話 感想|みんなちがって、みんないい。

 

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前回に引き続き、別の視点で「誰かの心に自分がいて欲しい」を描いたお話でした。

 

瀬戸(松尾諭)は、優しくて、気遣いが出来て、どんな物事にもマメで…という

周りから見たら完璧な性格の持ち主ではありますが、

それを裏返せば、残念ながら「何の面白味もない」と捉えられてしまうのも事実。

フラれた理由が最終的に文法がめちゃくちゃな手紙だったとは分かっても、

優しい+面白い人なら「真面目になろうとして緊張し過ぎちゃったんだな」で

クスッと出来るし、後々思い出話にも出来るのかもしれないけれど、

瀬戸の場合だと「これは笑って良いやつなのかな?」「怒られないかな?」という

躊躇と気まずさを彼女側は感じていたのだと思います。

そして、前回の感想でも書いた「自分が何か失敗して落ち込んでいる時に限って響く」

エピソードが再び彼を襲ってくるのですね…。

 

あんなに誠実そうで、物腰柔らかに見えた瀬戸が、

森山(増田貴久)になぜ結婚出来たのかを聞いた途端、

徐々に感情そのものをむき出しにしていく姿…

本来の性格とは別人に変わり果ててしまった悲しさがありました。 

"嫉妬"は特別な環境から生まれるものではなく、

やはり日常生活を過ごしていく上で避けて通れないものであって、

神林(葉山奨之)のようにそれを武器にする人も現れる。

今世間で誹謗中傷に関するニュースが話題になっているのもあり、

そこに繋がるきっかけを目の当たりにしてしまったショックも覚えたシーンでした。

 

しかし、ひょんな事から森山の二度目の依頼である中高年の夫婦の結婚式を

一緒に観覧する事に。

夫婦の幸せそうな表情を見たからか、さっきまでの真面目で優しい性格が再び顔を覗かせます。

「今日は本当に良かった。一人だったら落ち込んでた。

慰めたりしない所がありがたい。

僕も微笑みを微笑みで返す日、来るかな。」

その言葉をヒントに、瀬戸を「優しさに優しさがプラスされた人」と例えた森山。

彼の言う通り、直前に悲しい出来事があったら

他人を思いやれる余裕なんてない人の方が多い訳で。

パンケーキを分ける時に相手に生クリームやフルーツを多めにあげて自分はちょびっとな所、

相手の事を親身になって考えてくれる所、計画的にスケジュールを組める所。

瀬戸にとっては無意識でやる行動なのかもしれないけど、今回はたまたま合わなかっただけで、

きっとその良さに気づいてくれる人はいるはずだと願っています。

 

そして最後は、「みんなちがってみんないい」に帰結するような

もやしのエピソードにほっこり。(もやし丼、美味そうだったな…)

彼女は見る目がないと否定する訳でもなく、励ましの言葉を贈る訳でもなく、

ただポツンといるけれど人そのものを見てくれるレンタルさんに、

今回も自身の当時を重ねつつ癒されました。

 

来週から放送は中断となりますが、あと4話"も"あるという喜びを胸に、

再開を気長にお待ちしてます。

 

 

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レンタルなんもしない人 7話 感想|誰かの心に自分がいて欲しい

 

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大槻さん(西岡徳馬)は勿論だけど、不覚にも神林(葉山奨之)の気持ちにも共感…。

アンチになるきっかけは嫉妬から…という、まさしく典型的な流れですよね。

私は彼のように攻撃的じゃないし、粘着質な訳でもないけど、

「なんであんな奴がチヤホヤされてるんだ」ってイライラしてしまうのは

何度も経験した事があるからよく分かる。

自分が何か失敗して落ち込んでいる時に限って響くんですよね。そういうのって。

時間をかけて勉強したのにあの人に勝てなかった、

自信作だと胸を張っていたのに否定されたような気分を感じた…

でもたまに自分の行いが褒められると凄く嬉しくて、その嬉しさをずっと噛み締めたくて。

そんな一喜一憂の日々を過去で特に過ごしていたかなぁ。

私はどんどん溜め込んでしまう性格なので、

その点、思ったことをすぐ口に出せる行動力は凄いなぁ…と

神林に対してちょっと羨ましく思いながら見てしまってもいました。

まぁ、レンタルさんにも辛い過去があるので、攻撃を受けて

徐々に精神的に病んでいく姿は見たくはないんですが(泣)

 

大槻さんの「私の死を悲しんでくれる人がいて欲しい」という言葉も胸に来ましたね。

自分は大切な人をずっと想っているのに、相手には伝わらなくて、

後で埋め合わせが出来るだろうと微かに期待を寄せていた夢も叶わなかった。

大好きな某刑事ドラマの台詞の

「人の気持ちなんて通じ合う方が奇跡」を思い出してしまいました…。

でも、赤の他人なのにレンタルさんが葬式に来て欲しいと強く感じたのは、

僕だったら自伝は買わないという何の飾り気もないありのままの返事に

救われたから…なのかもしれませんよね。(冷たいとは思ったけど、一理はあるw)

なんもしないけど、今日もどこかの誰かがその人の存在によって

心が満たされている事実に泣けました。

 

いつもアバンだけで完結してしまう依頼パートですが、今回では完全に終わりの形をとらず、

最後に本編とさり気なく絡ませるのも捻りが効いていて面白かったです。

 

見終わると自然と涙が出てきちゃって、ふわっとした温かい心地になれる好きな作品なので、

最終回までしっかり見届けたいんですけどね…。来週にも期待します。

 

 

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レンタルなんもしない人 3話 感想|生きてるだけで"割合"良い事ある?

 

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いくら一人ぼっちでの誕生日が寂しいとは言え、

深夜の時間帯に女子大生だけが住む部屋に 見知らぬ男性を呼べるなんて

凄い度胸ある子だなぁ…と、最初は「ちょっと変わった子」として見てました。

しかし、香奈(福原遥)が友達とのお出かけをスタンプラリーと例えたり、

服装を特に合わせたくなくても合わせなければならない苦しさを語ったりした所から

みるみる物語に引き込まれてしまいました。

 

友達に合わせるためのアルバイトのシフト変更(挙句に夜になって中止の連絡…)、

前日にドタキャンされるほどの付き合いなら

もう切っちゃっても良いんじゃないかな…と思うんですけど、

香奈の「友達を離したくない」という気持ちはちょっと思い当たる節があるので

分かるんですよね。

「同じようなメッセージを返したら手抜いてるって思われるし、

逆のこと書いたら空気読めないって思われるし」にもあったように、

学生生活や背景は詳しく描かれなかったものの、

きっと本人は人見知りで、人見知りだからこそ数少ない付き合いを繋ぎ止めたくて、

繋ぎ止めたいがために周りの顔色や反応を伺いながら

生きているんじゃないかと想像してしまいました…。

 

けれども、ラストは心が温かくなれる結末で良かったです。

思い切った行動をするのも"割合"悪くないかもよ?と背中を押してくれるものだったと思います。

 

そして、今度はどんな騙し方をするのだろう?と毎回密かに楽しみにしている

金田(古舘寛治)のパート。珍しく良い事言いましたね。

「誕生日以外だって毎日必死に生きてんだよ。そういうのもお祝いに値するだろう?」

も真理ですが、毎日頑張っているんだという"しるし"を残したいがために

特別な日を作るのも、また真理なのかも…

なんて考えていたら、最後でまんまと騙されてしまいましたが(笑)

 

森山(増田貴久)の過去については、前回の感想で「もう核心に触れたエピソードが描かれるとは」

と書きましたが、毎回様々な依頼人と接するごとに何か共通点を見つけ、

1つずつ秘密が明かされていく縦軸部分も含めた作りになって行くのかもしれませんね。

 

次回は山口紗弥加さん。今までのゲストとは年代が一段階変わる事もあり、

どんな話が繰り広げられるのか楽しみです。

今回の、ちょっと遠慮がちでSNSを通して「グループ」「付き合い」に縛られているような

今時の女性を演じるのが福原遥さんというキャスティングも、ハマっていました。

本人の魅力でもある高くてふわふわした声も、繊細で敏感な心の持ち主である事が引き立っていて、

役に合っていたと思います。

 

 

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レンタルなんもしない人 2話 感想|一歩前に踏み出す人、皆120点。

 

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2話にして、森山(増田貴久)の核心に触れたエピソードが盛り込まれるとは意外。

人ごみの中立ち止まるサラリーマン時代の森山…のシーンのように

回想を徐々に小出しにして見せていくのだとばかり想像してました。

 

今回は「会社に行くのが怖い」人のお話。

状況が違うとはいえ、入学、進級、上京…などなど、新生活を迎える人の多い

今の時期にはぴったりな内容だったんじゃないでしょうか。

 

男性同士で、年齢差を感じさせない森山と城戸(岡山天音)の組み合わせが効いているのか、

2人から語られる仕事の話がまるで 板挟みの日々と周りからの評価に怯え続ける

"若手社員の赤裸々な想い""訴え"のように思えて。

2人ほどの経験はした事はないものの、同じく社会人として働いている私にとって

グサッと来る部分は多く、話が進むごとにどんどん神経がすり減ってしまう感覚を覚えるほど

ガッツリ見入ってしまいました。

仕事していると急に締め切り当日の注文を入れられたりして、

「もっと早く言ってよ〜」って怒りたくなる事あるんですよね!!

本当、社会は理不尽の極みで溢れてる(笑)

 

「そんな場所、出社するだけで120点。」「あのまま働いていた方が不安だった。」

だからこそ、もっと現在の森山や奥さんのような、自分を肯定してくれる存在が

世の中にいてくれたらな〜…と思えてしまいますし、

また、誰も否定しない優しさが詰まった本作が深夜帯なのが勿体ないとも

強く思えてしまいます。

 

城戸の悩みを聞いて、いつもはごく簡単な受け答えしかしない森山が

珍しく自分の事を打ち明けたみたいですが、

エピソード以前に、自然と打ち明けたくなっちゃうのも頷けるな〜と感じられる

岡山天音さんのキャスティングも良かったです。

お2人とも、まったりとした癒し系の顔の作りなので。

個人的には似た者同士のように映りました。(もし不快に思われた方がいたらごめんなさい^^;

 

あと気になると言ったら、やはり神林(葉山奨之)の動きですよね。

序盤のジムでの対決シーンは、面白おかしいエピソードとして挿入した意図があるのでしょうが、

負けず嫌いな人ほどプライドが高くて、そんな人ほどある日をきっかけに

大きな精神的ダメージを食らいそうなのが心配で…。

今はすれ違いでも、後々レンタルさんに助けてもらう回が来るのかな?と

予感させられました。ここはどんな風に描写して行くんだろう?

 

 

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レンタルなんもしない人 1話 感想|なんもしないけど何かは残る

 

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良いですね。

レンタルを依頼する側の背景、動機は勿論ですが、

「レンタルなんもしない人」という異色な職業をやる森山(増田貴久)の事も

知りたくなってしまう不思議な魅力があります。

「僕は縁の下の力を持たないタイプです」「石の上には座りません。硬そうですし。」

無表情の顔で唯一動いている口から発せられる言葉1つ1つが面白くて、

次はどんな反応をしてくれるんだろう?この質問に対して何て返してくれるんだろう?と

どんどん惹きつけられてしまいます。

 

視聴前はこの前まで「コタキ兄弟と四苦八苦」を見ていただけあって、

原作はあるものの二の舞にならないだろうか…という不安を抱えていましたが、

初回を見る限りは、レンタルなんもしない人との関わりを通して

ゲストのエピソードに焦点を当てていく作りになっていくみたいです。

となると、1話完結部分のエピソードの引き出しの豊富さが重要視されてくる訳で、

本作を今後はっきりと「面白い」と言えるかは、

話の質を高められるかどうかにかかっているのかもしれません。

 

こうは書きましたが、初回は大宮(志田未来)から語られる過去と後悔の気持ちに

共感出来る所が多々あり、泣けてしまうほどでした。

次回は、ちょっとした弱さと繊細さを抱えた役を演じさせたら

ピカイチ(だと個人的には思っている)な岡山天音さんがゲストという事で

こちらも楽しみです。

 

"ゆとり"のある伸びやかな劇伴にのせて描かれるメインのエピソードに、

森山とは正反対のガツガツ系営業マン・神林(葉山奨之)と

何やら胡散臭そうな金田(古舘寛治)の動きがどう絡んでくるのか?も気になります。

 

後に放送される「きょうの猫村さん」とセットで視聴したら、

心がより浄化されそうですね。最適な組み合わせ。

画用紙×色鉛筆という、温もりを感じさせるOP映像も好みですし、

NEWSの主題歌も世界観にハマっていると思います。

 

 

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