2020年秋ドラマ-監察医 朝顔一覧

監察医 朝顔(2021) 10話 感想|穴を埋めようとする人々から出る綻び

 

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職場にとっては茶子先生(山口智子)と、

朝顔上野樹里)とつぐみ(加藤柚凪)にとっては

桑原(風間俊介)と平(時任三郎)と離ればなれになり、

双方で"心のぽっかり"が出来てしまって…からの今回の話。

自分がいっぱいいっぱいだから、誰かに手伝わせて少し楽になりたいという気持ち。

自分がやってしまった事なのだけれど自分は悪くないと思いたい気持ち。

ちょっとずつズルい部分が出てしまう人間臭さが、手に取るように共感出来てしまう内容でした。

 

子供の事情を聞かずに自分の事を話してしまう朝顔も、

ジュースをどかして感情むき出しになるつぐみも、

(恐らく寝不足だからなのだろうけど)

解剖中に指を切ったのを黙っていた光子(志田未来)も、

みんなどことなく"らしく"なかった。

それだけ大切な人に支えられて過ごしていたって事で、

欠けたものが大きければ大きいほど、バランスを狂わせる。

そして、人って本当にパニックになったら、光子みたいになるんだろうなぁ…と思うくらい

あの反応の仕方がリアルに映りましたよ。

何かショッキングな事を伝えられたら涙をこぼすのではなくて、

悲しんでいる心を誤魔化すために無理に笑ったり、口から本音がこぼれたりして、

"元凶"を恨んでいるとだんだんと自分の行いを悔やむようになる。

 

仕事のシビアさを目の当たりにしている牛島(望月歩)を映すシーンが度々ありましたが、

罪悪感を埋めるかのように率先して仕事をしている彼も、

経験を積んで、"監察医とは"を肌で感じていく事で、

感情移入しがち…言い換えれば人を想いやれるという一面を長所にしつつ、

きっと最終的には変わっていけるのだろうと信じたい。

 

人間の"悪い部分"も"良い部分"も浮き彫りにしてみせたお話自体には

グサッと来るものがありましたし、

「医療従事者の子供にはつぐみちゃんのような子がたくさんいるのかもしれない」と

思わされる点では、このご時世に訴えかけるには相応しい内容だったとも思います。

 

でも…最近薄々感じているのは、

コード・ブルー3」と作りが似てきちゃっているなぁ…という所なんですよね。

今回の感染疑惑の話といい、次回のトンネル事故の話といい、ネタが被るのもあるんですけど、

事件や震災以外で主人公サイドを不幸にさせる展開が続いているのが、

「不幸にさせれば"ドラマ"になるだろう」感が滲み出ているようでちょっとモヤってしまいます。

年が明ける前は日常生活を丁寧に紡いでいる印象がありましたが、

明けてからは何だか事件の規模もデカくなっちゃいましたしね。

美幸(大竹しのぶ)と平の恋愛パートも…

大切な人を失った者同士で支えあう関係性のままだったら別に良いけれど、

彼の事が好きだから手放したくない!っていう恋心にまで踏み込むのは余計な気が。

 

 

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監察医 朝顔(2021) 新春SP 感想|来週から現実に戻されると思うと…

 

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家族の思い出話においても、事件においても、

「親子」がテーマになっていた新春SPでしたね。

 

事件の方は、前半は子供が抱える気持ちに気づいてあげる話。

後半は子供の幸せを願う父の話。

亡くなったパニックで砂糖と塩を間違えるのはあり得るかもしれないけど…

新人へのお酒の強要でもなく、過食させていじめるって小中学生か!?とか、

娘を悲しませたくないがために遺体を別の場所に運ぶ発想になるのが疑問だとか

(↑指紋がついて真っ先に容疑者候補に上がる上に、

ジンクスになっているのなら娘も耐性がついているはずで、そこまでしなくても…と(汗))、

内容自体は動機や過程がいつもより雑な気がして、腑に落ちない部分もあったんですけど…

まぁ、今回はあくまでも「馴れ初め」がメインなので、

あんまり深く触れない方が良いんでしょうね。

 

ここ最近の本作は主人公サイドのしんどい話が続いているので、

新春SPと言うからには、つぐみ(加藤柚凪)や家族のほっこり話を見たいな〜…と思っていた分、

本当に全体的に癒される仕上がりになっていて安心しました。

だからこそ、前回のラストシーンを再び見せてからの次回予告で

また現実に戻されるのね…という切なさも感じましたけど(泣)

あと3回くらいで良いから、今回のような癒され話を時々挟んで行って欲しいなぁ。

男3人を手玉にとるつぐみちゃんなんて超可愛らしかったですし。

私も馬役やりたいし、つぐみちゃんの削ったかき氷が食べたい!(笑)

2時間という長い時間だからか、無邪気に過ごす姿を多く見られたのも嬉しい。

 

目の前の事に精一杯が故に、たまに天然っぷりを発揮する桑原(風間俊介)も、

朝顔の就任当初から、良い所は素直に褒めてあげたり、

寄り添って指導したりする研究室の面々も、

つぐみが生まれた時に太陽のような温かい笑顔で抱きかかえる平(時任三郎)も…

朝顔の周りには素敵な人で溢れていて。

この人達のお陰で、朝顔は現在の"頼れる先輩&母"として成長していったんだろうなぁ

というのがよく伝わるSPでした。

ドラマの世界線では5、8年前でも、現実では少し前での撮影でしょうに、

拙さや緊張が見え隠れする過去と現在で"変化"を感じさせる

上野樹里さんの演技が自然だったから、時間軸の行き来にもすんなりついて行けましたしね。

 

父と娘水入らずの2人旅行のシーンを見ていると、やっぱり「孤独編」は早く終わりにして

また一緒に住む様子を見たいと思ってしまうんですよねぇ。

正直言うと、大じいじよりもじいじの今後が心配です。

以前の桑原の"聖奈さん"の件で浮気疑惑を匂わせていたように、

認知症も疑惑で終わってくれれば良いのだけど…今回ばかりはそんな訳にも行かないのかしら。

 

 

 

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監察医 朝顔(2020) 9話 感想|茶子先生が退場。スッキリしないまま年越しへ…

 

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2時間スペシャルなだけに、

女性連続殺人事件や、桑原(風間俊介)の審議会のくだり、

平(時任三郎)の記憶障害疑惑に、美幸(大竹しのぶ)の家族事情と

いろんな"影"を盛り込んできた訳ですが、

後半はSNSとの付き合い方を問う内容になっていましたね。

 

牛島(望月歩)がご遺体に関わった事で覚えた憤り、悔しさ、歪んだ正義感…

ありとあらゆる感情を見せる場面が伏線として度々提示されていたので、

この人にまつわる話をメインで描きたかったんだろうなぁというのは分かりやすい。

けどその代わり、前半1時間分は最後を魅せるための"繋ぎ"になっていた感も…否めない(汗)

平がまさか…というショッキングなラストを残していたのも相まって、

余計にそう思えてしまったのかもしれませんけどね。

桑原も交番勤務以外の処分は下されなくて済んだんですし、

途中で解決させるくらいだったら今回の内容を1時間ごとに分けてしまった方が

中盤も霞む事なく、話が引き締まったような気がします。

 

まぁでも、演技面ではかなり印象に残るシーンもありました。

朝顔上野樹里)の静かな怒りを見せる演技に"ドラマっぽさ"を感じさせなくてさ。

感情を露わにするのは、あくまでも目に涙を溜めるだけ。

若者がSNSを通して犯した過ち。相手に真摯に対応する大人の姿。

この両者の構図を描こうとすると場合によっては

"説教""熱弁"の暑苦しい方向に偏りがちになってしまうんですけど、

本作はその流れに持っていかない所が良かったです。

期待していた、成長を見守ろうとしていた若者であればあるほど

「なんでそんな事しちゃったのかな…」っていう残念感が先に来ると思うから…

朝顔の気持ちや1つ1つの言葉、確かに伝わりましたよ。

 

呼吸器をつけて入院している嶋田(柄本明)を見た時のつぐみ(加藤柚凪)の表情もリアル。

いつも実家に行ったら笑顔で嬉しそうに自分の元にやって来るのに、

今日は何だか違う…いつもの大じいじじゃない…と

ショックを覚えてしまっているのもよく分かる。子供は何事にも敏感な年頃だから。

 

茶子先生(山口智子)の退場の件は…きっと責任を取るために辞めたんでしょうね。

大谷亮平さんとの関係の謎を残したまま(笑)

だめっしー…いや、うっしーはお咎めなしで済んで、法医学教室も解体せずに済んだけれど、

現実問題はそうは行かなくて。

対処が甘過ぎるとは思うんですが、画像から特定された彼はこれから橘の遺族に訴えられて、

軽はずみな気持ちでSNSに上げるよう促した事から、

今度は彼に誹謗中傷の矛先が向くようになるのは大いに想像出来る訳で。

まだ学生だから、未来を奪ったら可哀想だし、チャンスをあげたい。

クビにしない代わりに私が…という経緯なのかもしれません。

朝顔の支えとなった存在として今まで描かれてきただけに、いなくなるのは寂しいなぁ。

 

案の定、スッキリしないまま年越しとなりましたが…

次回の新春スペシャルは本題とは離れた内容になるのでしょうか。

「ちゃんと新作です」って予告に記載されているのは笑っちゃったけど。

いつも月9が特別編を作ると「ただの総集編じゃん!」って視聴者にツッコまれるから

そうならないように予防線を張ったとか?(笑)

 

 

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監察医 朝顔(2020) 8話 感想|つぐみだけが救いの"孤独編"始動。

 

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つぐみ(加藤柚凪)がいなかったら、もっと重くなっていただろうなぁ…と思えた1時間。

正直、「孤独編」というワードに加えて、今回の児童誘拐事件となると、

つぐみもまさかお泊まり先で模倣犯にさらわれてしまう展開が来るのでは…なんて

いらん事を考えてしまったんですよね。

本作は前シーズン以上に、良くも悪くも

主人公達に襲いかかる"試練"を重点的に描いている印象があるので。

 

結果的に、朝顔上野樹里)が本当の意味での"孤独"にならなくて済む。

が、タッパーに詰め込まれた料理を黙々と食べたり、食堂で食べたり、

カップラーメンを食べたり…と、食生活に"孤独"が滲み出ている所はやっぱり切ない。

仕事から帰ってきて、和気藹々とした雰囲気の中で今日の出来事を話しながら食卓を囲む

家族の姿を今まで見てきた視聴者からしたら、

それぞれの3人の姿はまるで非日常のようでした…。

 

「孤独編」に絡めるならば、幼い娘だった栞里を亡くし、

あれからぽっかりと心に穴が開いた状態で生き続けていた父・浅野(森下能幸)と、

"父には見えていなかった"息子の心情にも繋がる今回の事件。

 

監察医のバイトくんの予想どおり、事件の動機は

我が子を殺した犯人に対する復讐心によるもの。刑事ドラマではよくある結末だと思います。

しかし、「復讐はやっぱり良くないね」とは言える状況ではなく…

なんならその行動に走った事に共感してしまいました。

 

つぐみと同じくらいの年齢の子の命を奪われ、

その部位が土から発見されるたび確認はするんだけれども、結局右手だけは返してもらえず、

さらには警察側の判断で捜索が半ば強制的に終了。

「みんな、まるであの子がいなかったかのように」と遺書に書かれた言葉が刺さる。

犯人にも娘の苦しみを味わせたい…と思ってしまうのも当然な訳で、

長年の間"その感情"だけを抱えて生きてきたような、

森下能幸さんの執念に満ちた声の演技に背筋が凍りつきました。

 

しかし、犯罪者の犯した罪の重さと今までの事情を考慮しても、

残された息子は"加害者の子供"というレッテルを貼られてしまうのでしょうかね。

出所して更生しようとしている人が被害者にやられるなら酷な話ですけど、

今回の場合は同じ過ちを犯そうとしていましたからねぇ…

もし浅野が助けていなければ、

また幼い誰かの子の命が奪われてしまっていたかもしれないんですよ。

 

我が子を守りたい。我が子を日常的に潜む悪から救ってやりたい。

でも一歩間違えれば、"良心"のつもりが"悪意"に変わってしまう世の中で生きている。

 

考えさせられる内容で終わりましたが、来週もまた一波乱あるようで…

2時間もあるので、その中で起こった話を引っ張る事はないでしょうし。

新年(2クール目)は晴れやかなスタートを切って欲しいですけども。

 

 

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監察医 朝顔(2020) 7話 感想|孤独編から漂うパワーワード感が辛い

 

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本作はあくまでも「法医学」に焦点を当てた作品なので、

犯人が取調室で自白したり、終盤で逮捕されたり…といった

刑事ドラマらしい展開はなし。でも、それが"らしさ"なので良いのです。

撃たれた脳の部位によっては即死しない場合がある(軽くホラーやったな…)。

コンテナに閉じ込められると腐敗が進んで、死亡時刻の判断を狂わせる。

解剖オタク="謎"をひたすら突き詰めるプロ集団の調査から

次々と明かされていく真相が興味深い。

 

ただ、聖奈を撃つまでに至った動機や関係性は知りたかったですし、

監察官(松角洋平)が「ちっ…」みたいな表情で退場する姿に

ちょっとしたモヤっと感は残りはしました(笑)何か言う事はないんか!とw

存じ上げない役者さんでしたが、三白眼なのが効いてましたねぇ。

今度は違うジャンルの作品で、取調をメインに取り扱った作品でお目にかかりたいですね。

 

つぐみ(加藤柚凪)の「よいしょ!よいしょ!」と平(時任三郎)の脚にしがみつくシーンも、

自分もやられてみたいほど癒されましたけど、

中でも印象に残ったのは、朝顔上野樹里)と平の2人でのシーン。

職場の仲間からはいつも信頼されていて、

茶子先生(山口智子)も彼女の事をしっかり見てくれているのだと分かる描写があって…からの、

父にはあどけなさを見せるというギャップが良い。

「お父さん、まくら臭い」「ごめん、嘘」「いや、やっぱり臭い」

子供は親を前にするといつまでも子供で、時にその温もりを求めてしまいたくなる事が

あるんだなぁ…という、朝顔の新たな一面が知れた所に新鮮味がありました。

お別れの日だからとご飯を豪勢にするのではなく、

そうめんをササっと作って、2人で食べながら録画の話や買い物の話をするシーンも妙にリアル。

 

ようやく解決した前後編で1つ分かった事とすれば、

"相手を想いながら"の丁寧な暮らしをしていれば

それを支えようとしてくれる人も出てくるし、

その真摯さは仕事にも現れるのだ…という事。

桑原(風間俊介)も同じで、普段から信頼の出来る仕事っぷりを見せていたから、

どんなに窮地に立たされた状態でも辛抱強く証拠を探し続けて

無実を信じる人がいてくれた。

 

しかし、人と人の繋がりの貴重さを上回る"理不尽な運命"も時にはある訳で…

「新章 孤独編」の予告が辛いですなぁ。

「胸騒ぎ」も「孤独」も、本作では見聞きしたくないワード過ぎました(泣)

平の引越し。桑原の長野へ左遷の件。

まぁ、無実だったにせよ、聖奈に単独で会いに行っていたのは

処罰を受けても仕方のないほど迂闊でしたからね…。

 

本作の世界では、涼しそうな服で、そうめんを食べていて、

さらにはセミも元気良く鳴いている…という、まだまだ夏の状態。

予定通り夏秋の2クール放送だったら、

悲しい感情を引きずったまま年越しなんて事もなかったかもしれないのに。

以前買ったテレビ誌の番組表には、再来週も本作の名前が載っていましたけど、

年末なのに本当にやるんでしょうか。

良い感じに…一区切りつけて欲しいなぁ(願望)

 

 

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監察医 朝顔(2020) 6話 感想|桑原くんへの疑惑は深まるばかり…

 

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「真也は絶対にやってない」

この言葉の持つ芯の強さ。初めて忍(ともさかりえ)の存在が活きたなぁ。

いや、別に苦手な訳ではないのですが、

出番を増やした事で本作のカラーとはかけ離れてしまった前々回のイメージが

未だに頭にこびりついてしまっていたので、

今まではあまり彼女の存在に必要性を感じなかったのです。

でも今回…朝顔上野樹里)を真正面から受け止め、元気付けてくれる人は

この人しかいないという説得力がありました。

忍から滲み出る凛々しさ、良い意味でサバサバっとした性格。

つぐみ(加藤柚凪)と3人で作る大小のハンバーグに、梅酒を飲みながら思い出を語らう2人…

そんな「"強く"生きるために食べる」というメッセージ性も含んだ描写の連続が

そう思わせたのでしょう。

途中のシーンにあった道路が雨で濡れてジメッとした天気が、

まるで心がいつまでも晴れない朝顔の心境を表しているようで悲しくなってしまって。

その光景を見たお陰で、励ましてくれる人がそばにいて欲しいという想いが

よりいっそう強くなってもいたんですよね。

素敵な人に出会えて良かった、朝顔

 

しかし、桑原(風間俊介)が引き起こした事件は

全然「良かったね」で済ませられるほど甘い感じでもなく。

まぁ、主要人物メインの回だから今回で解決しないだろうとは思っていましたけど…

彼の話だけ世界観が違うから、このどんよりした気持ちを来週まで持ち越すとなると

しんどいものがありますよねぇ。

桑原が撃ったのは桐谷ではなかった。桐谷はその時点では既に焼死していた。

確かに予告通り「驚愕の展開」でしたが、

だからと言って「桐谷ではなかった=撃ったのは桑原しかいない」とは限らないでしょうに。

 

何というか、"聖奈"と、彼女が誘ったであろう第三者

ハメられたとしか考えられないんですよ。

監視カメラの位置も上手い具合に死角になっているのが気になって…

事前に角度をズラした可能性もあるかもしれませんし。

桑原もチョロいって思われてそうですもん。

だって、カフェでお茶しながら個人的に悩み相談を受けて、

連絡先を交換して、仕事中に相棒を置いて助けに行って…

刑事は単独行動しちゃダメだっていろんなドラマで散々言われているのに。

迂闊、迂闊過ぎる!!

↑まさか本作でも言う事になるとはw

なぜか「聖奈」で登録している件は、LINE系アプリのシステム上

向こうが設定した名前で表示されているとも考えられますけど。

奥さんもいますし、(亡くなった事が判明したけど)桐谷の目にたまたまそれが入って

触発されたりしたら…という発想に辿り着いて、

後から自分用に名前を変更しようとは思わないもんなのかしら。刑事なのに(泣)

 

視聴者も当事者ではないので、今までの桑原への"印象"を抜きにしたら

怪しまれるのも妥当な流れ。

監察官(松角洋平)が執拗に問い詰めるのも頷けます。

しかし、あの目つきがインパクトに残ったというのもありますが…

本作には関係ないと思っていた「上層部による陰謀論」、まさか絡んで来ないよね?という

不安がちょろっと出てきました。

そうなると前シーズンの作風とはガラッと変わっちゃいそうなんですけど、さて?

 

 

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監察医 朝顔(2020) 5話 感想|浮気よりもヤバい事しちゃってますけど!?

 

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今回は神奈川と岩手で、2つの事件を同時進行。

何か共通するものが隠されているのかと思ったけれども…

本当に言葉通りに"同時進行"しただけ。

個人的にはガラス破片の事件の方が興味深かっただけに、

犯人が誰かはサラッと言って終わらせるのは勿体ない感じがしましたねぇ。

強風でガラスが割れたというのは事実なのか。

それとも証拠を隠蔽するためにガラスで切り傷をつけて偽装工作したのか。

そこらへんが気になる。

まぁ、"本作らしさ"で言ったら朝顔上野樹里)サイドの事件の方が、

真相を語る際に切ない雰囲気には持って行きやすいだろうから…と

少し好意的に捉える事にします。(だったら片方に絞れば良いやんとは思うけど。)

 

しかし、「切ない雰囲気には持って行きやすいだろうから」と冷静に書いたように、

今回の結末にあまり感情移入する事なく終わってしまったのは

同時進行させたお陰で内容自体に深みを感じさせなかったのもそうなんですが、

ラストに衝撃的な展開を持ってくる所にも原因があると思うんですよね。

前シーズンで培ってきた本作の世界観とは斜め上の出来事が起こるから、

視聴者に与えるインパクトが大きい。

だから、事件の内容が霞みやすい。

新キャラにしても、大竹しのぶさんというまた一人謎めいた人物が登場。

そもそも2クールでなければ、嶋田(柄本明)が朝顔に歯の事を告げるくだりを

何週にもわたって引っ張ったりはしなかったかもしれませんし。

謎を幾重にも重ね過ぎなんですよねぇ。

せめて、どうせ浮気じゃなくて

(「色々気をつけて」と平(時任三郎)に言われた意味を考えるに)

とある事件の潜入捜査で近づいているのであろう"聖奈"の件は

早々に解決してもらいたいものです。

 

次回予告「驚愕の展開へ!」もなぁ…前シーズンではそんな見せ方しなかったじゃん。

散々煽りまくった「SUITS2」の悪夢が蘇りそうですよ(汗)

高視聴率で続編もそれを維持したいためなのか知りませんが、

なんか、フジの良くない部分が出ちゃってるな〜…というのが

滲み出ている感じがして、ちょっとモヤる。

事件に向き合う真摯さとか、つぐみちゃんとか、日常パートとか

魅力的な要素はいっぱいあるのにな。

唯一、「調べないで欲しい」と頭を下げる嶋田のシーンには

ホロリと来ちゃいましたが。

 

 

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監察医 朝顔(2020) 4話 感想|大谷亮平さんはただの年上キラーなの?

 

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家族の一人に、事件が起こる前の出来事を告げる展開が共通している。

前回は「知れて良かった事」でしたけれど、

今回は「知りたくなかった事」で対比になっていた辛いお話でしたね…。

 

救急車ではなく、まずお姉さんに連絡した辺り、

亜衣(椚ありさ)にとってはそれほど信頼を寄せる人だったのでしょう。

もし電話に出ていれば、少しは助かる可能性があったのは事実な訳で。

だから、「お姉さんは悪くないですよ」なんて気立ての良い言葉はかけてあげられない。

朝顔上野樹里)もそういった後悔を抱えながら生きていて、

本作では「"面倒臭い"が大切な人の死に繋がるかもしれない」という事を

描いているから、事件の真相にはほろ苦い余韻を感じさせるんですよねぇ。

うーん…それにしても、一回命を吹き返して無事に助かるか、

犯人にトドメを刺すかの2パターンは見た事はあるんですが、

"まだ生きられる喜びを感じたのに"ゆっくりと亡くなってしまうケースもあるとは…

本当、虚し過ぎます(泣)

 

事件パートはそんな感じで興味深く見られますが、今回で気になった所が2点。

まず、桃とリボンのように、事件の内容に関連性を持たせる形で、

お姉さんポジション&新キャラの忍(ともさかりえ)を登場させたのにも

美優(高梨臨)の心情と重ね合わせようとした意図があったのかもしれませんが。

正直、"刑事ドラマ"っぽい異質感が強まった事、

中堅で信用組合から刑事になれるもんなのか?とか

新人なのに先輩刑事が同行しなくて平気なのか?とか設定に気になる部分があった事からして、

忍の存在意義にはあまり重要性を感じませんでした。

でも、これでいつもと同じ分量で震災パートをガッツリ入れていたら

間違いなく軸がブレそうな気がしたので、

今回に関しては、そのパートを控えめにした構成にしたのは

良い判断だったんじゃないかと思っています。

 

そして、これは今回だけに言える事じゃなくて、

シーズン2からの話になるんですが…

何と言うか、2クールやるからってそんなに外側を飾り立てて

盛り上げなくても良いんじゃないかなぁ?という勿体なさは感じるんですよね。

前回の山倉(戸次重幸)のくだりも、キャラ自体は可愛いんですけどね。

ただの年上キラーで終わりそうな大谷亮平さんのキャスティングとか、

(多分ミスリードだろうけど)不倫を匂わせる"聖奈"の存在とか、

「そうだ、これを入れてみよう!」っていう思いつきを並べているように

感じてしまうのは気のせいでしょうか。

 

物語のベースとして"震災"がどっしりと構えているのだから、

事件も"命の尊さ"を絡める形でもっと丁寧に描いても良いし、

朝顔達の日常は淡々と描いていくだけでメッセージ性も十分にあるのに。

表現はシビアになってしまいますが…

個人的に視聴前から不安であった「2クールであるが故の弊害」とやらが

徐々に滲み出てしまっている雰囲気は漂っている感じですかね。

 

 

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監察医 朝顔(2020) 3話 感想|知らせたい事と、知らせたくない事

 

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本作の何が好きかって、共働き家族による子育て&家事描写、

「仕事終わった!今日のご飯なに?」の他愛もないやり取りといった

日常パートの丁寧さは勿論なんですが、

家族や職場仲間と触れ合う事で"普通の幸せを送れる毎日"に感謝しながら、

突然命を絶ってしまったご遺体にはじっくり向き合っていくという

朝顔上野樹里)達の"姿勢"が見えて来るような、

仕事に対する真摯な描き方にもあるんですよね。

今回の場合は、さらにその真摯さが見えた話になっていた気がします。

休みを使ってでもどうしても調べたいという気持ち。

遺体の胃の中にあった小骨から真相を掴み取る探究心の強さ。

凄いなぁ…一度ハマったら抜け出せない監察医ならではの仕事ぶりを

見せてもらえた満足感がありました。

 

結局、父が愛していた女性はどんな人で、

父はどんな風に亡くなっていったのかは遺族の娘に伝えないまま

事件は幕を閉じましたが、

それもまた、朝顔と茶子先生(山口智子)なりの優しさなのでしょうね。

恐らく、言っていないだけで全てを知っているのかもしれないけれど…

何を伝えたら元気づけられて、何を伝えたら傷つけてしまうのかは

日々ご遺体と向き合う生活の中で自ずと分かってくると思うから。

とにかく、娘にとっては「おじいちゃんになった父を幸せにさせてくれた存在がいた」

という真相を知れて良かったです。

"生きた証"を探してくれる人も朝顔達で良かった。

「どんな事があっても、そばにいますので」と相手を想って接してくれる

言葉をかけられていなければ

一歩前に踏み出す勇気は持てなかっただろうと思うと…

今回も温かい結末に、一視聴者の私も心救われる内容でした。

 

で、嶋田(柄本明)が、朝顔が帰省するのを拒んでいる件。

やっぱり"あの歯"が関係しているんでしょうねぇ。

先週はつぐみ(加藤柚凪)の歯のくだりもあって

捨てられなかった乳歯を大切にとっておいているのかな…?とも思いましたけど、

よくよく見たら大きいし、茶色いし…で、違いましたね。

もうすでに遺体が見つかっているという"現実"で朝顔達を悲しませたくないがための

あの行為なのは察しは付きますが、

う〜ん…歯だけって…殴られて取れるくらいの想像しか出来なくて(汗)

それとも、形見としてこっそり持ち帰って来たとか…?

 

次回は大谷亮平さんにともさかりえさん、高梨臨さんが登場するとの事で、

こちらも楽しみですね。

最後に余談ですが、カエルのお肉は鶏肉みたいな食感と味で美味しいですよ♪

実は、焼いた状態のものを食べた事がありまして(笑)

 

 

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監察医 朝顔(2020) 2話 感想|残った者が強く生きて行く事が…恩返しなのかも。

 

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事件を追うために死因の特定を急かす丸屋(杉本哲太)に、

取り調べに挑戦してみる刑事達の様子に…

"刑事ドラマらしさ"が所々に織り込まれていたからか。

今回の双子の件も、野球の腕前で差が出た兄への嫉妬であの犯行に及んだのかとか、

父が意識不明になっているのも何か関係があるんじゃないかとか

疑いの目で見てしまったけれど、そんな事はなかったですね(反省)

 

「俺がお前になってホームランを打ってやるよ」とカズマから言われた時の

諒(池田優斗)の顔が本当に嬉しそうでさ…

カズマは諒にとって、優しくて頼りになるお兄ちゃんだったのだろうと思えました。

だから、そんな大切な人を死なせてしまったのは僕だと一人で追い詰めて、

周りにも言いづらくなってしまうのも分かる。

朝顔上野樹里)から真相を語られた時には少し救われたのか、

コントロール出来ないほどの感情が一気に襲いかかって来る姿なんかは

共感し過ぎてもらい泣きしっぱなしでした…。

お父さんの愛情を受けながら、お兄ちゃんの分まで強く生きて行って欲しいです。

 

今回の事件もそうだけど、限られている死よりも

「まさかこうなるなんて…」で死に繋がる方が多いんだと思います。

人はいつどこで、どうなるかは誰にも分からないから。

一つ一つの思い出が"その時だけの大事な宝物"になって行く。

 

おじいちゃん・嶋田(柄本明)がハンカチに包んで大切に閉まっていた歯は、

つぐみ(加藤柚凪)の件繋がりで行くと多分乳歯で、

屋根に投げるのが勿体なくてとっておいた状態だったのでしょう。

それが今では、唯一の遺骨となった。

そう考えると…現在進行形で続いている朝顔達の日常風景がとても尊いものに見えて、

なんて事ない動作でも、心がじわっと温かくなって来るんですよねぇ。

 

おばあちゃんの事、震災の事…

子供扱いしないで、けれども丁寧に、つぐみが理解しやすいように話す

朝顔のシーンも印象的でした。

続編が出来るまで約1年の空白があったけど、私たちが見ていない間に

どうやって育ってきたのかが、あの会話だけでよく分かります。

両親の真摯で思いやりのある言葉を受け止めながら、

こちらもたくましい子供に育って行くんだろうな。

 

 

残された者が現実をどう受け止め、どんな人生を歩むのか。

双子サイドと主人公サイドの両方の視点に立って描かれた話でした。

 

ところで…最後の"アレ"は、続きがあるんですよね(笑)

 

 

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