2021年春ドラマ一覧

いいね!光源氏くん し〜ずん2 4話(最終回) 感想|急に詰め込んだ感満載の最終回…

 

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「それはまた随分急な…」by 中将(桐山漣

最終回の内容、全てこの台詞で言い表せそうでしたな(苦笑)

うーん…やっぱり全4話じゃ足りなかったんじゃないですかね?

 

紫さん(壇蜜)は源氏物語の作者で、

光源氏千葉雄大)と中将が現代の世界に迷い込んだのも、

カイン(神尾楓珠)が平安時代にタイムスリップしたのも

彼女が趣味感覚で書いた小説が原因だった!っていうのは分かるんだけど、

前作のフィリップ(厚切りジェイソン)のような手の込んだからくりを期待していた分、

最後の方でポッと出てきて説明台詞で今までの真相を打ち明ける展開には

ちょっと肩透かしを食らってしまった感じがしました。

沙織(伊藤沙莉)の恋のライバルとして描かれていた紫の上(紺野彩夏)も

いつの間にかいなかった存在にされて、あちらの世でしれっと幸せそうにしていて…

じゃあ初回の頃の意味深な夢オチ演出は何だったのかと思いますし。

 

そして、一番不思議だったのは、沙織の心境の変わりよう。

さっきまで「生きるってファンタジーじゃない」「現実を突きつけられた」などと

光源氏と暮らす事は難しそうな旨を話し、その後で一条(一ノ瀬颯)から告白された事を呟いて

迷っていた様子を醸し出していたのにもかかわらず、

一条にはきっぱりと断りの返事をして、

場面転換したら光源氏からのプロポーズを受け入れてハッピーエンド。

誰との幸せを選ぶか?に向き合うまでの過程がなさ過ぎて、

この急展開っぷりにもちょっとついて行けず。

話数が多かったら、光源氏と離れていた数日間も描けたんでしょうねぇ。

 

前作はファンタジーとリアルのギャップで楽しめた作品だったように記憶しているんですが、

本作は何と言うか…うじうじ、イライラしていた2人の描写が多くて、

(結婚式のくだりも含めて)ベタなラブコメに落ち着いてしまった気がします。

これは前作でもそうなんですけど、実は私、沙織のそういった姿はあんまり好きじゃなくて(汗)

サバっとツッコむ所とか、ぱっと見は姉御っぽくても可愛げがある性格とかが

魅力的なキャラクターだと思っていたので、今回は素直に応援出来ませんでした…。

光源氏への当たりがキツくて、彼に同情してしまいたくなる時もあったし。

短くやるにしても、単発か前後編くらいがちょうど良かったのかな?

 

 

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半径5メートル 9話(最終回) 感想|フーミン@芳根さんの成長を見守るドラマでした。

 

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自分が組んだ特集のタイトルが、前回の週刊誌では一番下に載っていたのが、

今回では、本棚に置いても目につきやすい

一番上に載っていた…という出世具合に密かな感動を覚える。

良かったなぁ、フーミン。

風未香(芳根京子)が二折での仕事を通して学んできた事を活かしてきた

集大成のようにも思えたし、でもまだまだ彼女達の物語は続きそうな気もした…

そんな最終回でした。

 

今振り返ってみれば、「半径5メートル」というよりかは、

「半径0〜1メートル」の話の方が多かった本作。

正直言うと、身内のモヤモヤを取り扱う話じゃなくて、

初回や前回、今回のような、日常生活を通して得る謎を風未香自身が追究していって

解決へと導いていく話をもっと見てみたかったです。

確かに、身内がメインでもタメになったり、

価値観の多様性を面白く感じられた時はありましたが、

それと同時に、プライベート(恋愛、育児など)で抱えた私情を持ち込み過ぎていて

登場人物の心情に共感出来ない時もあって。

初回の時点で、「なぜ?」を様々なテーマ・視点で描く作品になるのだろうと期待していた分、

この結果には少し消化不良感も否めません。

 

ただ、女性の生きづらさを題材にした作品でありながらも、

強い主張で他者を圧倒させるのではなく、

当事者の心に寄り添う事で本当の問題がどこにあるのかを浮かび上がらせる作りには

何度もハッとさせられました。

個人的には、社会派ドラマは真面目で堅い方向に行くからと

つい構えて見てしまいがちなんですが、

本作の主人公はあくまでも、失敗もするし、感情にも流されやすい…

そんな"ひよっこ"の描写が、見る側の心を解してくれた気がします。

宝子(永作博美)のふとした言葉に振り回される風未香も、涙声で子犬っぽくなる風未香も、

肉まんを頬張る風未香も…とにかく純粋な性格なのが伝わってきて。

芳根京子さんの持つ可愛らしい声が活かされていたし、

「お姉さん」じゃなくて「お姉ちゃん」が似合う

どことなく親しみやすさを感じさせる彼女だからこそ出来る役だったと思います。

 

山辺(毎熊克哉)との別れは残念でしたが…

同業者として初めて風未香を認めたとも言えますよね。

これからはお互いに闘志を燃やしながら切磋琢磨する

新しい関係になっていくのかもしれません。

 

手柄をとったのが後輩だろうと関係なく、

「良かったね」「唸っちゃった」と感じた事をそのまま言葉や動作で表現してくれる

二折の面々は、理想的な上司過ぎて羨ましい。

身近の疑問なら切り口を変えれば他にも色々出てくるでしょうし、

またいつか続編をやって欲しいです!

 

 

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ドラゴン桜(2021) 10話(最終回) 感想|池井戸演出は池井戸作品でやっておくんなまし。

 

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今朝のTwitterでうっかり記事を見かけちゃったんですよねぇ…ビッグゲストの件。

いかん!ネタバレだ!と思ってささっと他のページに飛ばしましたが、

もう目にしてしまっているので…

山P(声のみだけど)やガッキーが出演される事を知らない状態で見たかったな。

まぁ、普通だったら喜ばしい気持ちのまま終わるんですけど、

本作の場合は内容が内容なので、

このためにわざわざ呼ばれたのかと思うと…気の毒でしかなかったです(苦笑)

逆に、前作からの出演者は誰も出てこなかった方が身のためだったんじゃないですかね?

矢島(山下智久)が助け人としてどうやって動いてきたのかは後出しじゃんけんで描かれたものの、

結局香坂(新垣結衣)が何を手助けしたのかは分からずじまいでしたし。

ただ視聴率稼ぎのために出したかっただけでは?という気がしてなりません。

 

で、内容の方は…一言で言うなら「茶番桜」でしたね。

まず茶番だと思ったのは、最後になっても陰湿な嫌がらせをする受験生が出てきた事。

嫉妬の感情をむき出しにするようなやつが一次試験通る世界ってあり得るんですかねぇ。

健太(細田佳央太)の事を監督に報告しても、席替えの対処もしてくれないし、

再度やったのにもかかわらず強制退場もなし。甘過ぎますって(笑)

岩井(西垣匠)と小橋(西山潤)がヤンキーらしく助けてくれたのは安心しましたが、

藤井(鈴鹿央士)の手を負傷させている訳で。

警察に補導されるくらいの罰を受けてもらいたいと感じるのは私だけでしょうか。

あの2人も…スクポリ案件でしょ。

 

売却桜もせめて先に解決してくれたなら、まだ最終回もマシに映ったかもしれません。

いっその事、ナレーションでサクッと済ませても良かった。

でも…福澤演出なので、それにたっぷり時間使うんだろうなぁ…というのは分かってましたよ。

飛沫飛ばしまくり。机バンバン叩きまくり。急に怒りの沸点が低くなる役員たち。

ずっと見せられる無駄に長いテーブル。

半沢直樹」を真似た演技指導や展開で尺を割いたお陰で、話が終わる頃には

「合格出来て良かったね〜!」「ああ…こっちは悔しかったねぇ…」っていう

東大専科の面々に向ける興奮やら熱い感情やらは完全に冷めてしまいました。

米山(佐野勇斗)と坂本(林遣都)がいつの間にか手を組んで寝返っていた件も雑。

つい最近まで一切出番はなく、

最終回になって「実はこうでしたー!」なんてやられても…って話ですし。

簡単に種明かしされるくらいだったら、最初っから復讐を匂わせる描写はいらなかったですよね。

 

無理に池井戸要素を入れて、悪役を大げさに仕立てて

逆転劇でスカッとさせるのが福澤さんの狙いだったようですが、

一部のスタッフはその作風が本作の持ち味と合わない事を察して

現場で衝突する日々が続いていたのか、

結果的には池井戸パートも勉強パートもお互いに納得のいく所まで手を掛けられず、

中途半端で終わってしまったような気がします。

思えば、バドミントン部のコーチは資格が剥奪されないままだったし、

数々のモンペは桜木(阿部寛)の発言だけで改心したし、

前回の売却賛成派の先生のくだりはなかった事になっているし、

天野(加藤清史郎)の方も知らないうちに親や弟と和解出来ていて…

おまけに、肝心の受験までのカウントダウンは

残り3話くらいはダイジェスト版のように淡々と済ませただけ。

無駄な要素が多過ぎたために、最後は爪が甘くなるエピソードばかりでした。

 

視聴者が味わいたいのは、受験とは関係のない"学校全体"で繰り広げられる問題に

対処していく主人公たちの熱さではなく、

東大専科の面々が勉強に打ち込んで成長していき、

やがてそれが実績という形になって現れる感動ではないかと思うのです。

本来は生徒がメインの話なはず。

せっかくの原作・続編が勿体ないとしか言いようがありません。

 

最後に、少し厳しい言い方になりますが、

池井戸作品に関わっているスタッフの方はもう全く別作品の続編制作に

関わらないで欲しいですし、来年いっぱいまで休んでいただきたいです。

こんなに物語が破綻していた作品でも、視聴率は13〜15%で

通常の日曜劇場枠よりも高めの数字をキープしていた事を知って、ガッカリしました。

好評だったらまた味を占めて同じ手法をやりかねない訳で、

年月が立たないうちに新しい池井戸作品(+"かぶれ")のドラマが

出てくるかもしれないと思うと、今から萎えてきます…

いつまで続くんだろうな、無駄に熱演させて怒鳴って

コッテコテな画作りにした勧善懲悪モノ…(滝汗)

 

 

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いいね!光源氏くん し〜ずん2 3話 感想|紫の上ではなく紫さんと再会

 

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和歌教室の先生は紫の上…ではなくて紫さんでした。

後ろ姿がほっそいな〜と思っていたら、壇蜜さんだったんですね。

久しぶりにお見かけしましたな。紫の着物が似合いますなぁ…。

ただ1つ気になるのは「沙織殿にずっとお会いしたかった」という件。

沙織(伊藤沙莉)もあっちの世界に存在していた人物だったのかどうかも気になります。

そこらへんも、次回では触れてくれるのだろうか。

 

そして、今回は恋のすれ違いよりも

光源氏千葉雄大)と中将(桐山漣)の絆の深さにグッと来ました。

後ろでキラキラ光る夜景がもう、ラブシーンの"それ"でしょ…。

ここでも和歌!と思ったけど、源氏物語を最後まで読んでいて、

以前にも自身が脇役だったと知った事で仲違いになった経験があるからこその気持ちですよね。

現代でも喧嘩したくない。ずっと仲良い友達でいたい。

だから、詩織(入山杏奈)から、沙織が紫の上に会いに行く話を既に聞いていても、

また離れ離れになるのを恐れて強くは言えなかったんでしょうねぇ。

でも、光源氏も"たった1人とたった1人の結びつきを重んじる"大切さを

理解出来る人になっていて良かったです。

お陰で沙織の元に駆けつける決心がついたようで。

中将、ナイスサポート!

 

一条(一ノ瀬颯)との事は、もう少し話数があったら

沙織の心が揺らいで、下手したら付き合ってしまう…というくだりがあったのかもしれませんね。

彼は潔く諦めた。

…「俺自信あるから待ってるよ!」って言っちゃうくらい強気な姿勢なので

特に可哀想とは思わなかったけど(笑)

まぁ、話数の短さも影響しているのかな。

 

次回はもう最終回で、何があろうとも2人は正式に結ばれる事になるんでしょうが…

まずは常識力と生活力から鍛えないとですよねぇ。

仕事してある程度の自立が出来なければ、ずっとヒモになっちゃいますし…

そもそも、若い人が住むのは屋敷=一軒家じゃなくて、

マンションとかアパートの方が多いんですよ(笑)

 

 

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半径5メートル 8話 感想|安易に踏み入れてはいけない世界だねぇ…

 

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しんどいねぇ……………

就職氷河期というワードは全く知らなかった訳じゃないけど、

今回の話を見るまで解釈が違っていた私も反省。

何となく、「厳しい時代を勝ち抜いてきた社会人」を指すもので、

荒波に飲まれながらも何とかして安定した生活を送る事は出来ているんだろう…なんて

思い込んでいた部分があったんですが、実際にはそういう人達は一握りしかいないんですね。

 

取材する側の"知る"覚悟がないと、踏み入れてはいけない世界。

脆くて繊細な心を"強がり"で覆い隠しながら生きる阿南(須藤理彩)と須川渡辺真起子)。

その2人の懐にズカズカ入り込んでいく風未香(芳根京子)の危うさと、

後に自身の言動がどれだけ愚かだったかを知るまでの成長を見守ったお話でした。

 

私も彼女と一緒で、名刺についての言及がなかったら、

宝子(永作博美)に実際に足を踏まれていなかったら

2人の真意には気づけなかったかもしれないし、

阿南先生には同じ行為をしてしまったかもしれないなぁ。

風未香と会うのを嫌がっていた件、最初は記者だと聞いて、

過去に他の出版社の記者から取材があったものの

デタラメな内容を書かれたトラウマを抱えていたから避けたのかな…なんて思っていたけど、

マウントをとられ続けているのに傷ついたのだと分かった時には

ハッとさせられてしまいました。

本人は小さい頃に支えてもらった恩返しのつもりでやっているのが伝わるだけに、

その想いが向こうに全く届いていないのは…辛いです。

 

でも、取材内容を削除した事に関しては、今まで「半径5メートル」を通して

自分の知らない価値観の多様性に触れてきた風未香にしては

配慮が足りなかったんじゃないか?と、そこには引っ掛かりを覚えたかな。

キッツい人だな…怖いな…過激な発言だな…と思うのは分かる。

怯んでしまうのも分かる。

ただ、彼女の場合、取材対象者の実態を暴いていく仕事なので、

おそらく就職氷河期の真っ只中を過ごしたであろう二折のメンバーに相談せず、

貴重な発言の要不要を、当時を何も知らない人が自己判断で決めるのは

ちょっと腑に落ちませんでした。

 

けれども、最終的には宝子のナイスなサポートのお陰で救われましたね…

差し入れの肉まんを食べる時のフーミン、可愛かったなぁ。

白Tのラフな格好、高めのポニーテール、子犬みたいな鳴き声で頬張る姿…

童心に帰ったような彼女の様子を見て、こちらも安心させられます。

頼もしい上司が身近にいて、本当に良かった!

 

今回の話だけでは解決出来ない問題かもしれないけれど、

就職氷河期の人々は、今の時代においてはある意味マイノリティでもあって。

彼女達に向けられた視線や、置いてけぼりにされた心境を

可視化して分からせる役割は果たせられたのかと思います。

 

そう言えば「パトワ」は、頭の文字や韻踏みからして"アレ"の事ですね(笑)

際どい名前つけちゃって…凄い度胸だな…。

 

 

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コントが始まる 10話(最終回) 感想|コントはまだまだ始まったばかり

 

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まさか、水道修理業者に転職するとは!(笑)

演劇作家のパターンも想像していたけど…

みんなして芸能と関係のない道を進むなんて、意外でした。

 

まぁでも、里穂子(有村架純)と関わるようになったきっかけは

ただの水がメロンソーダに変わる話だったし、

兄の俊春(毎熊克哉)は水でマルチ商法に嵌っていた過去があったし、

「水のトラブル」「奇跡の水」「金の斧銀の斧」など

水が絡むコントもいくつかあったのを考えると、

春斗(菅田将暉)が水道修理業者になるのは別におかしな事ではなくて。

彼にとって水とは、新たな出会いや、言葉にして伝える勇気や、

ネタ作りのモチベーションを与えてくれる、

人生の幅を広げてくれる意味では切っても切れない関係で結びついているんですよね。

 

濁っていたのが透明になった池の水も、彼のこれからを後押ししているようにも感じられました。

そして、もしかしたらそれは、彼の心を映し出す鏡でもあったのかもしれません。

マクベス時代で思い通りに行かなかったり、

挫折を覚えたりして溜まっていった"モヤモヤ"を抱えていた時は淀んだ池だったけど、

解散して1年半が経ち、ネタを書いている立場から「売れるために面白いネタを作らなきゃ」

「2人には申し訳ない」といった重荷も背負う必要がなくなって、

ある意味身軽になった頃には、汚れなど最初から一切なかったかのような綺麗な水に変わっていた。

池を見た時、春斗は本当に嬉しそうで、

目の奥にキラキラとした少年心を宿らせて微笑む姿が印象的でした。

今の仕事に就くきっかけがここにあったのも、何となく分かる。

水はまたしても、彼を救ってくれたんですねぇ。

 

潤平(仲野太賀)や、一仕事終えてきた感じの瞬太(神木隆之介)、

里穂子やつむぎ(古川琴音)と、それぞれ新たな場所で動き出している様子が描かれる一方で、

春斗のコント…"第二章"はまだ始まったばかり。

適職だったのか、今の仕事についていけているのか、それすらも曖昧なままで終わった最終回。

「コントの中でいろんな職業を演じてきた」といった潤平の言葉を踏まえると、

水道修理業者の仕事が長続きせず、いろんな職を転々と…なんて未来も考えられるけれども、

引越しのコントにあったように、泣いても笑っても時間は進むし、

後で振り返った時に今の選択が正解だったと思って生きて行くしかない訳で。

また万が一どん底に陥る時が来ても、2人とは円満に解散出来たから

前みたいに馬鹿騒ぎして時間を忘れる事だって出来るし。

5人集まれば餃子パーティとかで想いを共有する事も出来る。

七転八倒して、いつか「人生最高だった」と胸を張れる日が来るのを願っています。

 

良い意味でドラマらしくない作品でしたね。

ラストの落とし方はもちろん、視聴者の誰もが夢見た「◯年後に再結成!」なんて

ハッピーエンドにはせず、それぞれが別の道を歩む…

若かりし頃の自分を重ねては懐かしんで見てしまうようなリアルがそこにはありました。

あとは何と言っても、春斗と里穂子の恋を匂わせる展開を入れてこなかった所!

自分が一番マクベスを知っているという優越感からプライベートに踏み込んだり、

身近な存在として今まで接したりしていると、

そのうちキス&ハグシーンで一線を超えてしまうのではないか…

で、下手したら恋愛要素が増えて本題が薄まってしまうのではないか…という

可能性もなくはないんですが、

あくまでも現実に向き合う姿が描かれる"青春群像劇"の作りにブレがなかったのが、

最後まで好意的に見られた理由だったと思います。

今の時代では、中々挑戦的だったんじゃないかなぁ。

恋愛がなくたって心が揺さぶられる作品…あんまりないでしょう。

("Love"の愛ではなく、"respect"の愛はあったかもしれないけど。)

 

全体的に微妙な作品の多い土10枠の中でも楽しめました。

っていうか、金子脚本しか当たりがないような(笑)

「俺の話は長い」も好きでしたし…本作もランキングの上位にいますし…

野木先生クラスの脚本家になりそうです。

もう土10枠で書き続けて欲しい…って、無理な話ですねw

 

 

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着飾る恋には理由があって 10話(最終回) 感想|誰かのために着飾る人生

 

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放送開始15分の時点で先は読めていたけれども…いや〜、爽やかな最終回でしたね。

みんなそれぞれに、自分なりのスタートを切っていく。

この展開が単純に予定調和で終わったと思わなかったのは、

煮え切らない想いとか、挫折とか、悩みに悩んで出した決意とかが

最終回までにいろんな形で提示されて、

そこから生まれる価値観や生き方を否定せず、支えようとする人々の姿が描かれてきたから。

 

お見送りのシーンはド定番でもちょっと変化球で、

葉山(向井理)に感謝の気持ちを伝えるために走る真柴(川口春奈)は

とんでもなくかっこよかった。

彼女に対して「片思いだった」と過去形で話す彼も、

普通だったら、好きだった相手に振られて

可哀想な"当て馬"に見えてきてしまうかもしれないけど、

全くそうは感じず、むしろ新たな道を進む彼の目が輝いているように映ったのも新鮮でした。

 

真柴が葉山からもらった言葉を道標にして、

抱いていた憧れを"恋心"ではなく"尊敬"に昇華させていくように、

葉山も真柴と駿(横浜流星)が夢に真剣に向き合っている姿に背中を押されて

一歩踏み出していく。

そして、駿も同じで、真柴が自分を奮い立たせてくれた言葉を時々思い出しては、

彼女に影響を受けながら、大きな賭けに挑んでみる。 

本作における恋愛は「人生のゴール」「最大の幸せ」ではなく、

あくまでも人生を豊かにするための手段の一つとして描かれていく所に好感が持てました。

 

最初は「着飾る=悪」で、身の回りの飾りを少しずつ取っ払っては

シンプルな恋を目指す2人の関係を描く

物語になっていくのかな?と思っていましたが、全然違っていて。

大切な人のために着飾る事を肯定する作品だと、途中から気づかされましたね。

「リコカツ」もそうでしたが、違う場所について行く訳でも、今の仕事を諦める訳でもなく、

相手が好きでいてくれる自分になるためにお互いに新天地で頑張るというオチは、

平成時代だったら考えられなかったかもしれません。

あとは、初回の感想でSNSの扱い方についてこう書いていたんですが↓

せっかくSNSがモチーフとして取り扱われているので、

そこで良い写真を一生懸命投稿して、フォロワーが増えて得る幸福感、

つまりSNSならではの特徴を悪く捉えた安直な描き方にならない事を願いたいです…。

人々の心を掴む技を身につけている事、時代に見合ったコンテンツを作れるって

十分誇れる仕事だから。

SNS界のインフルエンサー」「インスタ映え」は小馬鹿にされるなど

ネガティブなツールにされがちなSNSも、良い面も描きつつ、

かつ意見を発信する事の怖さや不安も…といった

さじ加減に落とし込まれていたので良かったです。

 

火10枠の恋愛ドラマは基本的に主人公が自己中で共感出来ず、

恋愛描写を優先させようとして仕事パートが雑になってしまう作品が多かったため

リタイアしがちだったんですが、

若者をターゲットにした作風は共通していても、

こんなに見応えのある作品に出会えたのは久しぶりだった気がします。

いつだ?どっちにかかるんだ!?と翻弄させられる

星野源さんの「不思議」タイムも楽しかったです(笑)

 

そして、これまた個人的な印象ですが、

今までなんとなく良作が少ないように感じた川口春奈さんや、

"旬の俳優"と呼ばれて以降は作品に恵まれていなかったイメージのある横浜流星さんにとって

1つの代表作になったんじゃないでしょうか。

特に川口春奈さんについては、水10のお仕事系ドラマで

バリバリ働く変わり者の役も見てみたい。

同じ涙でも似通う事なく、全く違うものに感じさせる演技が素晴らしかった。

脚本家の金子ありささんにも、

新しい視点の入ったオリジナル作品も描かれるんだ!という驚きがありました。

 

いろんな意味で"可能性"を感じさせた作品だったと思います。

次作は期待度薄なんですが…さて、どうかな?

 

 

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ドラゴン桜(2021) 9話 感想|売却賛成派の教師の気持ちがよう分からん。

 

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ヤンキー2人組の岩井(西垣匠)と小橋(西山潤)は坊主にされてから半年以上経っているけど、

髪が伸びては剃り直しているんだろうか…っていうふとした疑問は置いといて(笑)

本作のマスコットはもちろんその2人なんだけれども、

同じくらい、健太(細田佳央太)にも癒されているんですよねぇ。

進学校の生徒達にバカにされても言い返さない藤井(鈴鹿央士)の変化を

後ろでこっそり見届けてからの、

休憩時間にバナナを差し入れて励ましにいく彼の優しさに泣ける。

昆虫好きで、観察するのが好きな彼だからこそ活きるシーン。

そして藤井も、東大専科のメンバーに憧れられたり、尊敬されたりで

なんやかんや愛されキャラに。

少し前だったら「ありがとう」の言葉も言えなかっただろうし、

頭を下げるなんて信じられなかっただろうし。

回を重ねるごとに驚くほど丸くなっていく成長過程も、ある意味本作の見所の1つとも言えますね。

 

…って、今回の感想はこんな感じでずっと書いていきたかったのに、

後半以降に売却桜を盛り込んでくるもんだから、

放送終了後はどうしてもそのパートの余韻が残ってしまうのがなぁ。

せめて前半で一気に解決してくれた方がマシでした。

前から書いていますがそもそも興味がないし、

米山(佐野勇斗)の逆恨みなんて知らんこっちゃないし、

1つの舞台で描いている事は「学園スポ根モノ」と「復讐モノ」で相容れない題材なので、

違う話に切り替わった途端、本作が何を目指しているのか不明瞭になってしまうのが

本当に残念でなりません。

 

藤井が文転してから勉強に食らいついていく様子とか、

瀬戸(高橋海人)がこの時何を考えていたのかとか、そういう部分を知りたいのに、

余計な話のせいでカットされるのか…と思うとモヤる。

この手の作品の醍醐味って、若者ならではの繊細な感情にも触れて

初めて成り立つ気がするんですけど違うんでしょうか。

本作の場合は、視聴者を惹きつけやすいエピソードを羅列させただけ。

セミファイナルなのにもかかわらず「いよいよか〜!」っていう盛り上がりが感じられないのは、

やっぱりそこが原因な気がしています。

いや、勉強をしているかしていないかって言われたら

確かにしてはいるんですけど、特別講師による授業を受けたり

桜木式メソッドを聞いたりする事が全てではないんですよね。

 

高原(及川光博)の裏切りの件も、まぁそうだろうな…と思っていたので、特に驚きはなく。

売却桜にイマイチ興味が持てないのは、リゾート施設開発計画に対する

現実味のなさも原因の1つなのかもしれません。

このご時世で繁盛するか?っていうのもありますが…

大体、子供と学校を守る立場の教師達がなぜ賛成の考えに至ったのかがよく分からなくて。

リゾートで働く事に賛成なのか、それとも退職金を倍出されたのか…

どちらにせよ、教え子の母校を壊そうとする教師は教師失格だと思います(苦笑)

 

 

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リコカツ 10話(最終回) 感想|結婚後の2人の様子もぜひSPで!

 

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紆余曲折あったけれども、2人は無事に結ばれるエンドになったかぁ。

で、個人的に想像していた「好きだけど、夫婦として寄りは戻さない」部分は

緒原家と水口家の両親が担う事に。

とは言っても、夫婦の形は夫婦の数だけある…というモノローグがあったように、

ここの関係性もニュアンスがちょっと違う。

前者の方はなんとなく「まめ夫」の4人のような

一言では簡単に表しきれない関係になって行って、

"お友達から"始める後者の方は

もしかしたら米粒くらいの可能性はありそうな予感がさせられました。

 

結局「リコカツ=離婚活動」をしていたのはその2組だった訳ですが、

パリ研修の3年間、婚姻届を出して正式に結婚するのを待ち続けた

咲と紘一の様子を見てみる限りは、

「リコカツ=遠距Re婚活動」の意味合いも含まれていたのかもなぁ…と。

価値観も職業も交わる事がないほど違う場所にいる2人が再婚を決意し、

再婚するにあたって、相手に相応しい人になるために自分を磨いていく過程も描く。

平成までのラブストーリーなら、プロポーズして両想いだと知ったらハッピーエンド!で

通用したと思うけれど、令和になって共働きも増えてきた今、そうは行かない。

元々離婚に踏み切った理由は、今の仕事に誇りを持っている所にあったので、

どちらかが妥協するのでもなく

お互いに話し合って双方納得の行く結論に収まったのは良かったです。

そして、時間経過もちらっとだけ描いて「◯年後」で場面転換出来たと思うけれど、

カウントダウンに合わせて2人の3年間もちゃんと見せてくれたのも嬉しかった!

 

水無月山田幸男先生(白洲迅)の方は、

咲(北川景子)と紘一(永山瑛太)への応援の仕方が回りくどくて(笑)

所持する事で2人の思い出である家を守ろうとしてくれたのはありがたいけど、

本人達からしたらやっぱり面倒くさい。

でも、そんな彼も最終的には家を手放す事となったし、

一ノ瀬(田辺桃子)も筑前煮を差し入れとして同僚に振る舞うようになったし…

今まで2人を掻き回してきた脇役は皆それぞれ落ち着くべき所に落ち着いて。

いろんな形の"けじめ"が描かれ、それも通常時間内で上手くまとめられていた

最終回になっていたと思います。

 

一体どういう展開になるのか、期待半分不安半分で見始めた本作でしたが、

これはドラマ史において中々意欲的な作品だったんじゃないでしょうか。

ただの群像劇ではなく、両親の様子を通して

離婚を「人生でいつか訪れるかもしれない選択」という身近なものとして描写する。

極論を言ってしまえば、咲と紘一は、"もう1人の"私たち…でもあったのかな。

見ていくうちに「私だったらこうする!」って考えが出てくるんだけど、

2人が自分の考えと違う方向に行き始めると

もどかしい気持ちになってしまう=感情移入させられてしまう点においてもよく出来ていました。

オリジナルっていうのがまた凄いし、

個人的には今まではっきり面白いとは言い難かった、ちょっと惜しい作品が多かった感じのした

脚本家・泉澤陽子さんに対する印象も変わった気がします。

 

そして、この作品で、

時にはすっぴんに近いメイクで自然体な咲を演じてみせた北川景子さんも、

演技の幅広さを感じさせた永山瑛太さんも、もっと好きな役者さんになりましたね。

咲のふとんにもぐる紘一なんかは…わんこみたいで本当に可愛らしかったなぁ。

もうこの不器用で一途で可愛い2人に会えないと思うと寂しい。

SPで良いので、新婚生活とか、子育てとか…その後の様子も見たいです!

 

 

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コントが始まる 9話 感想|勝敗なんてつけなくて良い

 

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「夢って、追いかけない方が良いの?」

この言葉を聞いた時、うわぁ…残酷な視点盛り込んでくるなぁ…と。

まだ希望を持ち続けたい年頃の小学生がそれを言ってしまうっていうのもあるけど、

真壁夫婦の出産に立ち会っていた時に生まれた太一(伊藤駿太)が…

っていうのがまたグサッとくる。

 

そうだよなぁ。子供だと人生経験があまりにも少ないから、

物事の裏側までは察する事が出来ない。

試合の勝ち負けじゃないけど、

子供の時にいっぱい遊ぶであろうゲームの「ゲームオーバー」とも似ている。

勝ったら&ステージをクリアしたら成功。負けたら&クリア出来なかったら失敗。

若ければ若いほど勝敗をつけやすい。

でも…そんなはっきりとした子供の視点が描かれたからこそ、

以前の里穂子(有村架純)の「10年間の頑張りが無駄になるとは限らない」ももちろん、

「負けたって事が失敗とは限らない」「人間関係をいくつ築けたかが勝敗を決めるんだと思う」

と話す俊太(神木隆之介)の考え方にも、

酸いも甘いも嚙み分けてきた者ならではの奥深さが増した気がします。

"勝敗"に対して、1つの意味しか知らない子供と、複数の意味を知っている大人の対比…

バーベキューでのくだりは、とても惹きつけられるものでした。

太一くんは今はちんぷんかんぷんでも、俊太の言葉の意図が分かる時がいつか来るはず。

 

"終わり"を彷彿とさせる残り火や、カップに少し残ったコーヒーのカットを

時々挿入していた演出も、もうすぐ解散を迎えるマクベスを表しているようで印象的。

でも、彼らにとっては"終わり"ではない。

焚いている火が消えそうになっていたらまた点ければ良いし、

昔を懐かしんではじっくり語り合う機会はまた訪れるかもしれないし、

飲み干したコーヒーは、春斗(菅田将暉)がネタ作りをする原動力に変わっている。

 

そうそう、俊春(毎熊克哉)について触れてくれていたのも良かったです。

彼の就職先がブラック企業なんじゃないかと少し不安だったんですけど、

そこで働く事に対する想いを聞く限りだと、もう心配はいらないみたいですね。

周りの大切な人を満足させてみて、そういう生き方が出来た時に初めて

自分を満足させられる気がする…の部分が、

昔も今もマネージャーとして尽くしてきたつむぎ(古川琴音)と重なりました。

彼もマルチ商法にハマって仕事も友達も失って、どん底状態に陥って引きこもり…なんていう

一見"負けた"と捉えられる経験を過ごしてきたけど、

その充電期間が今の自分に繋がっている。

春斗だけが何も進路が決まっていない状態ですが、

彼のように、一旦立ち止まって休んでみるのもアリなのかも…とも思わされました。

 

コントの方は、2人の様子の実況=サッカーの試合の実況、司会者=歯科医者と

2つの意味がかけられているのも面白かったです。

厳格な父親を演じる潤平(仲野太賀)…きっとその役に愛着が湧いてしまうでしょうねぇ。

 

次回は最終回って事で…

解散が失敗じゃないとは分かっていても、春斗大好きな2人のエピソードを見てからだと

やっぱり寂しいものはありますよ…(泣)

 

 

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