探偵・由利麟太郎 1話 感想|令和の世界に漂うは古風な雰囲気

 

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最近、CMでよく見かけるな〜…力入れてるんだろうな〜…と思っていた本作

(まぁ、このご時世で春ドラマのCMが流れないからっていうのもあるでしょうが)。

フジテレビの横溝正史作品となると

去年と一昨年の年末にやっていた某有名小説の実写化を彷彿とさせられ、制作局が違うとは言え

今回も大々的に宣伝しておいてガックリさせられてしまうのではないか…なんて

一抹の不安が過ぎりながらの視聴となりましたが、

原作を知らない私でも「ちゃんと忠実に作られているな」と感じさせてくれる

世界観に満足しました。

 

内容自体は約1時間に収めるためなのか、それとも単に私の理解力が悪いのか(多分後者?(苦笑))、

事件の背景や捜査過程が助手の三津木(志尊淳)から語られる形で

情報量がやや過多な印象を受け、自分なりに物語を解釈しながらの視聴となってしまいましたが、

璃子新川優愛)・瑛一(長田也哉)・瑛造(中村育二)の日下家の3人の関係性から

横溝作品らしい容赦ない"闇""ゲスさ"が強く感じられる描写を堪能出来たのは良かったです。

変な泣き落とし演出や同情シーンもなく、事件の後日談にほんの少しの希望をも含ませる

三津木の淡々としたナレーションでオチをつけたのも好感が持てました。

と、同時に、バディ2人のシーンに西部劇風の主題歌を重ねたエンディングは

なぜだかテレ朝木8枠ドラマっぽさもあったけれど…(笑)

 

最初は、なんで吉川晃司さんが主役?なんて思ったりもしましたが、

初回を見る限りは主役に起用したのも頷けるものでした。

恐らく時代設定は令和なのでしょうが、令和なのか昭和なのかがはっきりと分からない

"曖昧さ"がミステリー作品に馴染んでいて逆に惹きつけられましたし、

深緑の映像と日本の伝統的な京都の町並みが

吉川さんの醸し出す渋みをより引き立たせていたと思います。

主役が吉川さんだけだと視聴年齢層は高くなってしまうだろうから、

相棒に志尊淳さんを置く事でバランスをとったキャスティングも良い。

 

劇中で何度も出ていた由利の先端恐怖症の件も気になりますね。

自分で意識的に使う分には平気だけど、急に目の前に向けられると怖くなってしまうのか…?

4・5話の前後編でその症状になったルーツが語られるのか期待しつつ、

次回以降も見て行くつもりです。

 

しかし、もし犬神家の作品がまた今年の年末にやるとしたら、

このスタッフで作ってくれないもんかな…(笑)

 

 

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美食探偵 明智五郎 7話 感想|身近にストーカーがいる事に気付こ?

 

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同じ地下アイドルを扱った「だから私は推しました」を彷彿とさせられる内容。

今回の事件は、メンバー2人によるココ(武田玲奈)への

嫌がらせから来ていて、あのお弁当も明智中村倫也)が事前に

すり替えていたのではないかと踏んでいたんですが、どっちも外れちゃいましたねぇ。

前者は普通に「仲良し3人組で良かった…」で終わるんですけど…

明智さん、前回はともかく、ちょっとポンコツ過ぎやしませんか…?

自分の身の回りに麗しいストーカーがいる事をもう少し自覚した方が

不幸な人は減ると思いまっせ?(汗)

 

ココサイドのストーカー・田畑(森永悠希)と出会う前から発症していた摂食障害

事件のヒントになると思ったらさらっと描かれた程度で終わったし、

「命より夢をとる」と言う割には、自分のアリバイが確保出来てるんだから

黙っていればいいものを(カラオケのカメラで特定されて無理だろうけど)

田畑がやって来た時にステージ上で堂々と打ち明けるのは意味が分からないし…

れいぞう子(仲里依紗)が入っていったダストシュートの遺体を

警察は調べもしなかったのかなど、

今回に関しては全体的に粗が目立ってしまった印象がありました。

復活早々ツッコミだらけですみませんが、

何か疑問に感じた所は文章化出来る範囲でなるべく残したいタイプなもんで…。

 

しかし、そんなツッコミ所はあれど、演出の美しさで許せてしまうのが本作。

マリア(小池栄子)をはじめとしたキャラクター造形は勿論ですが、

かつての明智作品のようなレトロさと現代的な映像が組み合わさった演出が

本作の一番の魅力だと思いながら見ています。

舞台がライブハウスというのも相性が良く、暗い部屋の中で色とりどりの光をちらつかせる事で

妖しげな雰囲気を上手く醸し出せていましたし、

序盤の翼を生やし真っ赤なドレスを着た女の子が吐いているカットも、

そんなか弱そうな女の子が最後には田畑を悪魔のような目で見下すシーンの対比も、

いくつも見とれる部分がありました。

 

とにかく、大きく間が空かないうちにまた新作が見られたのは嬉しいです。

しかし、次回予告を見る限りは、もうクライマックス突入という感じで、

恐らく9話で終わっちゃうのかな?

 

 

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世界は3で出来ている 感想|絶望を味わった人。適応できた人。耐えた人。

 

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これ、いつ撮影したのだろう?とビックリさせられるほど、

今の状況に置かれた人々の心境を代弁してくれているかのようなお話でした。

「緊急事態宣言」解除後の世界。妙〜にリアル。

でもって、寝る前に気軽に見られる良い意味での"軽さ"と

現実を思わせてしんみりさせられる"重さ"のバランスも丁度良い。

 

タイトルの"3"が何の意味を指すのかずっと考えながら見ていましたが、

おそらく、「絶望を味わった長男」「変わりゆく世間の波に乗れた次男」

「何とか耐えられた三男」の3兄弟を通して

今の社会の縮図を俯瞰的に描きたかったのかもしれませんね。

"どんな3ヶ月間を過ごしてきたか"はサラッとしか描かれませんでしたが、

"どんな思いを抱えながら生きてきたか"は林遣都さん演じるそれぞれの役から

醸し出される雰囲気、声のトーン、顔つき、表情…で確かに伝わりました。

 

ぐだっとした勇人とお母さん味ある泰斗の対比も凄かったけれど、

三雄を初めて見た時は本当に「誰!?」って思っちゃったもんなぁ…。

微妙にもう中学生みたいな髪型していて可愛らしかったし、

あのあざといポーズも許せちゃうし。

もう少し三雄の話を聞いてみたかった。でも、長男の言葉には頷きっぱなしでした。

 

「これからどうなるんだろうって5歳みたいな事を考えてしまう」

「でも、人って良いよな。忘れるから。渋谷に人いるもんな。」

世の中がとんでもない事になっているのを知ってはいるものの、

それを完全に受け入れる余裕がないまま、気づいたら何もなかったように

日常が"戻ろう"としている…

この状況の変化にぽかんとした気持ちになっている人、

あんな事やこんな事、解放しちゃって良いの?とビクビクする人、多いと思います。

しかし、勇人と同じく自粛期間を上手く利用して出世出来る人もいる訳で、

世の中には本当にいろんなタイプの人間がいるのだとも痛感させられました。

テレビ業界も"進化"している真っ最中ですよね。

リモート機材で実験的に作ったドラマ、兄弟姉妹夫婦で作ったドラマ、

1人複数役で作ったドラマと、既存の枠に囚われない作品が。

バラエティの方は、例えば、本放送前に見た「VS嵐」の嵐のメンバーの合成も違和感なく、

内容自体も以前の形態に近づけようとするといった、

技術の進歩を感じさせられる番組がどんどん出てきました。

10年くらい前だったらあり得ない事でしょう。

 

話は逸れましたが、「当時(の思い出)があるから今がある」

3人が隠し味入りのバターラーメンを味わう姿と重ねつつ、心の片隅に本作の記憶を残したい…

私にとってそう思わせてくれる作品でした。

一人しか出演されていないのに進行もテンポもスムーズでしたし、

深夜にはちょっと勿体なかったですね。

そして、佐藤仁美さんは声のみという贅沢キャスティング(笑)

佐藤仁美さんバージョンで続編が見てみたいし、

もしそうなったら今度は楽しませる方向に行くのかもなぁ。

 

 


行列の女神〜らーめん才遊記〜 8話(最終回) 感想|ラーメンラブに終わりはない!

 

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あー面白かった!

この枠で久しぶりに最後まで"ワクワク"させられた最終回だったわ。

最終回にして橋爪(高畑淳子)との確執、安本(岡本健一)との過去、

もう一つのワクワクの理由と、描くべきエピソードを一気に詰め込んできたから

無事にまとめられるのかと少し心配だったけれども、そんな考えは野暮でしたね。

ピンチが重なっても、以前自分たちが担当したお客様が

救世主として再び現れて解決…とかではなく、 

徹頭徹尾「チームで原因を考える」「チームで動く」姿勢が

ブレずに描かれていた作りに満足しました。

 

芹沢(鈴木京香)の教えによって変われたゆとり(黒島結菜)達が、

今度は彼女を救う番だと一致団結し、濃口醤油らあめんの対策を練るシーン、

身を犠牲にして退職届を出すシーンは、今までの話の集大成らしいと言えばらしい内容。

しかし、感謝の言葉を送る訳でもなく、嬉し涙を流す訳でもなく、

芹沢が放ったのはこの言葉。

「私に橋爪先生をワクワクさせるラーメンを作れないとでも思ってるの?」

彼女から発せられる言葉にはいつも自信に満ち溢れていて、情に脆い性格じゃなくて、

思った事はバッサリ言い切る凛々しさが本当に好きでした。

 

私が初期の頃から考えている「ドラマBiz」枠の良さは

「暑苦しさを取り除いた見やすい版日曜劇場」だと思っていて、

まだ強力コンテンツの某続編が始まってはいないものの、

本作はそれよりも更に見応えのある出来だった気がします。

誰もが食べた事のある身近な「ラーメン」を

ビジネスと掛け合わせる目の付け所も面白かったですし、

仕事とは?商売とは?を業界用語&図解を多用して堅苦しくせず、

あくまでも個性的なキャラクターの成長物語をベースに落とし込む事で

老若男女学んで楽しめるエンターテインメント作品に

仕上がっていたのも良かったです。

以前にも書きましたが、「こんなビジネスドラマが見たかったのよ!」という期待感は

最後まで裏切られませんでした。

 

序盤の段階では、実は、OP曲がラブサイケデリコ?なんて思っていましたが、

今となっては、バックのユーモラスな場面と共に大人な雰囲気も醸し出させるOPに対して、

結末にスカッとさせられて「あぁ、今回も良いもん見た〜!」という爽やかな余韻に

浸れたまま終われるTHE イナズマ戦隊のロック調のEDのメリハリが

じわじわとクセになりました。

 

声を大にしてラーメンラブを叫ぶシーンで、物語は幕を閉じる。

これで終わりとは言わずに、またいつか真摯に目の前の仕事に打ち込む

大人達の続きが見たいなぁ。

この枠で続編が見たいと思えたのは「ハラスメントゲーム」ぶりだわ〜!

 

 

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美食探偵 明智五郎 特別編 第3夜 感想|来週から再びメインディッシュ!

 

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前回まで志田未来さんの回や仲里依紗さんの回で殺意を募らせる内容を見せてきた分、

予告の「趣向の違った喜劇」がどんなものか想像つかないまま

今回のを見始める事になったけれど…うん、高低差が素晴らしかったわ(笑)

料理番組が始まったかと思ったら、次は6話の振り返りを通して

マリア(小池栄子)の静かな恐ろしさを再び味わうようになるし、

でもって今度は料理当てクイズという珍企画に笑わされるし…で、

シリアスとコメディの激しい切り替わりっぷりにも最後まで惹きつけられました。

 

と同時に、以前に6話の感想で「『女性』のマリアと『女の子』の苺(小芝風花)」

などと書きましたが、2人の対比をさらに感じさせる新たな発見も。

マリアが手を伸ばした時にビクッと怯えた表情を見せる苺…

この1シーンだけで、自分との格差の違いを痛感する苺の気持ちを表現する

小芝風花さん…上手かったですね。

やっぱり、最近CMやいろんなドラマに起用されるのも、しっかり理由がありますね。

 

5話パートの北村有起哉さんに関しては、個人的に認識したのが「アンナチュラル」で

悪役のイメージが付いていた分(ついこの間まで「螢草」も見たので尚更…w)、

顔いっぱいに小麦粉をまぶすというあんなにコミカルな演技が見られるとは…という

驚きでいっぱいでした。

 

再び戻って6話パートの六郎(草川拓弥)くんは…味覚音痴以前に記憶力もなかったですな(笑)

 

来週からはもう放送再開。

明智中村倫也)が劇中で「こういうのも悪くないでしょう?」と言っていましたが、

3週間にわたっての特別編、悪くないでしょうどころか凄く良かったですよ!

視聴者を繋ぎ止めるためには総集編を流せば済むものを、

事件の要点を分かりやすくした総集編6話分+hulu映像6話分で

全く同じものにせず、かつ次回(7話)に向けての前菜となるものを作ろうという

作り手なりの気概が感じられた素敵なおもてなし、ありがとうございました。

そして綺麗な流れで本編にバトンタッチ。空白期間の良い使い方しましたね。

残り4話?のメインディッシュ、楽しみにしております。

 

 

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リモートドラマ Living 3・4話 感想|成功と失敗は隣り合わせの人生

 

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#3「おでんとビール」

 

出演:仲里依紗中尾明慶

 

すごい…演技じゃなくて、日常生活でも

本当にこんな夫婦なんじゃないかと思えてくる(笑)

「ドラマ」という作られた世界で視聴者にそう思わせたら、作り手の勝ちですよねぇ。

 

「美食探偵」のれいぞう子並に放たれる、仲里依紗さんの圧倒的な存在感。

旦那役の中尾明慶さんと交互に飛び交うマシンガントークなどで

夫婦を対等な関係にするのではなく、

あえて奥さん>>>>旦那のアンバランスな関係にした事が

そのままドラマとしての面白さに繋がっていたお話でした。

 

最後は絶対ハッピーエンドで終わらないだろうなぁ…なんて思って見ていましたが、

やっぱり一捻りありましたね。

「やっぱおでんははんぺんだって」

そこか!母音絡みか!という意外性はあったけれど(笑)

 

今再放送されている某タイムスリップドラマのような巻き戻し展開も効いていて、

何したら奥さんの機嫌が悪くなるのか…旦那はどんな失言をしてしまうのか…という

2人の間から醸し出される緊張感をも楽しみました。

 

「落ちた靴下で最後の一滴」…夫婦あるある過ぎてグサッと来ます。

 

 

#4「敬遠」

 

出演:青木崇高、優香(声のみ)

 

1部屋に1人の男性…これが一番リモート要素が強かったですね。

と同時に、過去の自分が映った映像を未来の自分が見るというのには

世にも奇妙な物語」を彷彿とさせられました。

 

「笑ってれば面白いと思ってるんだろうな」

「つまんないな。2秒で分かるだろ」「みんなよく喋るよね〜批判だ批判」

ザッピングしてはいちゃもんつけるシーンが妙に印象に残っていて、

坂元さん自身の今のテレビに対する思いを東山(青木崇高)に

代弁させているように聞こえて笑っていたら…

 

後半にはちょっぴり考えさせられる部分がありましたね。

全力で戦って負けるか、手段を利用して勝つのか、

どっちが後悔しないかどうかなんて、結局の所は分からない…。

成功と失敗は隣り合わせ。

スポーツみたいに、負けても美しい思い出として残る人生だったら良いのに…

なんて思ってしまいました。

 

 

***

 

前回の感想で「『今だから〜』は実験的だったのに対し、本作は挑戦的」などと

書いたものの、全話通して考えてみると、

15分×4本という僅かな話数の中で、自分の思想をどれだけ脚本に反映させられるのかという

坂元裕二さんなりの実験的作品でもあったんじゃないかと思います。

 

個人的には2>3>1>4話の順に好きで、全体的には

「コミカルに見えて実は深い、いや、やっぱりコミカルなのかもしれない」

という印象で見終えたものの、

家の中にいる狭い世界と外の広い世界の対比を緩やかに描いた点で、

同じ時間軸で全く違った生活を送るといった

パラレルワールド的世界観を楽しむ事が出来た作品でした。

 

「今だから〜」もそうでしたが、

こんな時だからこそ、テレビドラマだって、ここまで自由な発想を取り入れて

面白いものが作れるんだぞっていうのを世の中に伝えなくちゃという

ドラマ業界の意気込みが感じられます。

 

最後に、これは偏見かもしれませんが、

90年代がトレンディドラマで恋愛ブームが起こり、

2010年代で社会派のドラマが次々誕生したように、

これからのトレンドは「会話劇」を主体としたドラマになって行くんじゃないかと

ここ最近の作品を見てしみじみ思う時間でもありました…。

 

 

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リモートドラマ Living 1・2話 感想|軸がないようであるのかも

 

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2話構成につき、1話ずつ簡単に感想を書いてから

最後にまとめの形をとる事にします。

 

#1「ネアンデルタール

 

出演:広瀬アリス広瀬すず

 

さて1話。実はリアルタイムで既に見ていたものの、

話の内容が独特過ぎるのでもう一度見てから感想を書こう…と思った理由が

主にこの回だったわけですが…

うん、2回目を見てもよく分からん(笑)

詳しく言うと、坂元さんがこの話を作った意図は何となくは分かったけれど(最後に記述)、

なぜ「ネアンデルタール」の設定にしようとしたのかは謎…という感じ。

でも、二人の間で矢継ぎ早に飛び交う会話がひたすら楽しかった。

色んな感じ取り方があるかもしれませんが、

本作の楽しみ方はそれで良いのだろう…とも思いました。

 

今までにありそうでなかった、広瀬アリスさん&広瀬すずさん姉妹の共演ってだけでも

ワクワクしながら見られましたし、

本当の姉妹や兄弟なだけに会話の"間"のバランスも心地よければ、密になっても安心な点でも、

 「リモート」との相性がバッチリな企画を用意したなぁ…と感心させられた初回でした。

 

冷静で真面目なタイプの役にすずちゃん、

楽観的そうなサバサバした役にアリスちゃんというキャスティングもぴったりでしたね。

特にすずちゃんは「anone」に起用されただけあって、

坂元さんにとっては、今回の設定はあて書きがしやすかったんじゃないかなぁ。

 

 

#2「国境」

 

出演:永山瑛太永山絢斗

 

1話よりもさらにカオスな設定でしたが、

内容自体は世の中の現状を暗喩的に捉えたものになっていた印象。

コロナの新規感染者の行動歴が明らかになった途端、

SNSでその人に対して攻撃&差別的なツイートをしたり、特定しようとしたり、

ハッシュタグを使ってのデモが起こったり…

ここら辺の出来事が、今回の「国境が出来る」話を作るきっかけとなったのかな?と思いました。

(あくまでも個人的考え)

「俺たちなんかよりずっと頭の良い人たちが始めた事だと思う」

という発言も妙に自分の中でしっくり来ちゃいましたね。

 

最初は男子高校生みたいに管理人さんの事で盛り上がる

2人の様子に笑わされたかと思いきや、

戦争の話題になった途端、今まで繋がっていたものがプツンと途切れる

人間関係の恐ろしさも感じさせ、でも最後は同じ釜の飯を食べて仲直り…という

緩急のある内容でした。

 

ところで…永山瑛太さんと永山絢斗さんが兄弟な事が本作を知るまで初耳だったのは

ここだけの話で(笑)

雅史が弟かぁ。そうかぁ…←雅史じゃないw

 

 

***

 

久しぶりの坂元裕二作品が地上波で見られるって事で期待していましたが、

間が空いてもやはり独特の世界観を生み出すセンスは健在でした。

リモートを扱ったドラマとしては、まだ「家政夫のミタゾノ」の方は見ていないものの、

同じNHKの「今だから、新作ドラマ作ってみました」は

リモート機材や通話画面を使って"実験"を思わせる作りに特化していたのに対して、

本作は出来る限り普通のドラマの形に近づけようとする"挑戦"が感じられる

企画だったと思います。

 

1、2話の共通点としては、これまた個人的な考えが強めに出てしまいますが、

きっと「コロナ禍で家にいる機会が多くなった人々」の視点に立って作られた

話だったのかもしれません。テレワーク、休業などなど…

私自身も、緊急事態宣言が出されていた時は、出勤回数が減ってしまったために

家で過ごす機会はよくありましたが、

それと同時に、家にいると外で起こっている出来事が、もしかしたらどこか遠い国の

話なんじゃないかとふと他人事に感じる時もあったりしたんですよねぇ。

凄く能天気な発言ですみませんが…(汗)

何というか、家の中での世界と外の世界が分離しているような感覚。

(自分は大丈夫だと言いたい訳ではなく、勿論、感染防止対策はするように日頃から心がけています。)

 

現在、緊急事態宣言は解除されてひとまず安心ですが、

もしその期間が長引いていたとしたら、

「リモートドラマ=ワンシチュエーションドラマで力を発揮出来る」

新人脚本家を発掘するチャンスにもなったのかもしれませんね。

 

3、4話も楽しみです。

 

 

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行列の女神〜らーめん才遊記〜 7話 感想|ワクワクを追い求め続ける人々

 

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いつも絶大な信頼感を放つエリートのような存在の芹沢(鈴木京香)と河上(杉本哲太)から、

初めて人間味が垣間見えた回でした。

 

ラーメンを慣れた手つきで振舞っていた河上が、実はかつて自分で店を開き、

それが失敗して清流企画で今の仕事をしている事を知り。

そして、芹沢の代表作として出されている濃口醤油らあめんのルーツをも知る。

 

ゆとり(黒島結菜)達にはっきりと物を言わず、あえて考えさせる機会を与える理由も、

自分達が同じように何かに挑戦して、壁にぶつかって…という経験を繰り返しているからであり、

その痛みを分かっているからこそ、誰かの目線に立ってコンサルの仕事が出来るのだ…と

気づかされました。

 

プロになった今でも、芹沢と河上の根底にあるのは

「凡人の闘い方は、歩みを止めない事」。

しかし、努力だけじゃなく、ここまで続けてこられたのは

誰にも負けないと言わんばかりのラーメン愛も大きいのだと思います。

2人がどれだけラーメンに命を懸けてきたかは

今までの真摯な対応や知識の豊富さを見ても伝わるから、

その分、かつて同じフィールドで戦った中原(石黒賢)に「私のライバルなんかじゃない」と

言い放つシーンにはかなりシビれました…。

 

次回はもう最終回。

橋爪(高畑淳子)に難波(松井玲奈)、過去の店員の件と

割とてんこ盛りのようですが、上手くまとまるかな?

 

 

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美食探偵 明智五郎 特別編 第2夜 感想|良心でやったつもりが…

 

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今回は3話と4話の裏側を描く回。

個人的にここの話が今までの中では印象に残っているというのもありますが、

前回よりも特別編を放送する価値があると思える回だったんじゃないでしょうかね。

だって、伊藤(武田真治)とみどり(仲里依紗)に対するイメージが変わりましたもん…。

 

2つのエピソードの共通点は「良心でやったつもりが…」というもの。

伊藤の殺害動機に共感し、良かれと思ってやった証拠隠滅のつもりが、

処理が甘かったのが原因で彼の首を絞める事に繋がってしまい、

その罰として消されてしまったギャルソンと。

田舎のおばちゃんらしい世話焼きな性格が

みどりを知らず知らずに精神的に追い詰める事となってしまった

和宏(落合モトキ)の母(どんぐり)。

本編には一切書かれなかった新たな事実が明かされました。

(えっと…ギャルソンに関しては、あの後4話のように分解したのかしら…なんて思ったり。)

 

みどりの方は、本編時では「姑は決して悪気がなかったはず」と感想には書きましたが、

今回のを見るとますます姑が気の毒に…。

幻聴が聞こえているって事は、直接彼女を追い詰めるような発言は何もしていない訳で、

それを一方的に思い込んで狂ってしまったみどりが

勢いで旦那を殺したと考えると、どちらの立場もちょっと可哀想でなりませんでした。

真面目に捉え過ぎちゃう人だったんでしょうねぇ…。

どうしても母の味付けが良いのなら旦那に全て譲って

自分は自分で作りたいものを作って別飯するなり、

仕送りの回数を減らしてもらうなり…を早い段階からしていれば

殺害には至らなかったかもしれないのに。

夫婦生活の要となる食の価値観が合わないのって何よりもキツイですね。

デートの時点で気付いてはいなかったのかな?

 

しいたけのうま煮入りのハンバーグを食べさせた時の仲里依紗さんの笑顔が、

普通に笑っているんだろうけど狂気を纏っているように見えてしまったり、

どんぐりさんの甲高い特徴的な声が、

みどりにとってはトラウマになってしまうのも納得だったり…

4話に関してはキャスティングの上手さも光りました。

 

苺(小芝風花)の明智中村倫也)に対する想いも、

本編以上に募らせている事がほんの会話から見て取れるので、

それも含めてサイドストーリーだけでも十分面白いです。

huluさんと日テレさん、この機会に地上波放送してくださって感謝!

 

  

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レンタルなんもしない人 8話 感想|みんなちがって、みんないい。

 

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前回に引き続き、別の視点で「誰かの心に自分がいて欲しい」を描いたお話でした。

 

瀬戸(松尾諭)は、優しくて、気遣いが出来て、どんな物事にもマメで…という

周りから見たら完璧な性格の持ち主ではありますが、

それを裏返せば、残念ながら「何の面白味もない」と捉えられてしまうのも事実。

フラれた理由が最終的に文法がめちゃくちゃな手紙だったとは分かっても、

優しい+面白い人なら「真面目になろうとして緊張し過ぎちゃったんだな」で

クスッと出来るし、後々思い出話にも出来るのかもしれないけれど、

瀬戸の場合だと「これは笑って良いやつなのかな?」「怒られないかな?」という

躊躇と気まずさを彼女側は感じていたのだと思います。

そして、前回の感想でも書いた「自分が何か失敗して落ち込んでいる時に限って響く」

エピソードが再び彼を襲ってくるのですね…。

 

あんなに誠実そうで、物腰柔らかに見えた瀬戸が、

森山(増田貴久)になぜ結婚出来たのかを聞いた途端、

徐々に感情そのものをむき出しにしていく姿…

本来の性格とは別人に変わり果ててしまった悲しさがありました。 

"嫉妬"は特別な環境から生まれるものではなく、

やはり日常生活を過ごしていく上で避けて通れないものであって、

神林(葉山奨之)のようにそれを武器にする人も現れる。

今世間で誹謗中傷に関するニュースが話題になっているのもあり、

そこに繋がるきっかけを目の当たりにしてしまったショックも覚えたシーンでした。

 

しかし、ひょんな事から森山の二度目の依頼である中高年の夫婦の結婚式を

一緒に観覧する事に。

夫婦の幸せそうな表情を見たからか、さっきまでの真面目で優しい性格が再び顔を覗かせます。

「今日は本当に良かった。一人だったら落ち込んでた。

慰めたりしない所がありがたい。

僕も微笑みを微笑みで返す日、来るかな。」

その言葉をヒントに、瀬戸を「優しさに優しさがプラスされた人」と例えた森山。

彼の言う通り、直前に悲しい出来事があったら

他人を思いやれる余裕なんてない人の方が多い訳で。

パンケーキを分ける時に相手に生クリームやフルーツを多めにあげて自分はちょびっとな所、

相手の事を親身になって考えてくれる所、計画的にスケジュールを組める所。

瀬戸にとっては無意識でやる行動なのかもしれないけど、今回はたまたま合わなかっただけで、

きっとその良さに気づいてくれる人はいるはずだと願っています。

 

そして最後は、「みんなちがってみんないい」に帰結するような

もやしのエピソードにほっこり。(もやし丼、美味そうだったな…)

彼女は見る目がないと否定する訳でもなく、励ましの言葉を贈る訳でもなく、

ただポツンといるけれど人そのものを見てくれるレンタルさんに、

今回も自身の当時を重ねつつ癒されました。

 

来週から放送は中断となりますが、あと4話"も"あるという喜びを胸に、

再開を気長にお待ちしてます。

 

 

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