親愛なる僕へ殺意をこめて 1話 感想|もうひと盛り上がり欲しいかも?

 

 

するすると進んで行く、見やすいサスペンスだなぁ…。

初回を見た印象としては、そんな感じ。

まぁ、良かった所と気になった所、どちらの意味も含まれているんですけどね。

 

まずは良かった所について書くとするなら…

露骨な"煽り"演出がない事、そこに尽きます。

考察で楽しませる作品って大体、次に何が起こるか想像しやすいくだりを

意図的に引っ張ったり、物語の鍵となる当時の事件を一部切り取った回想を

何度も流したりするのが多いイメージで、

そういった演出をされると個人的には冷めるタイプなんですけど、

本作の場合は溜めずに次々展開していってくれるため、

話の進みの遅さに対するストレスが一切生まれません。

特に、指を切られる、トンカチで殴られる…あの拷問シーンは

見た目からして過激でインパクトに残りやすいので、

あそこで煽ってしまいたくなるものを、事の一部始終を済ませてから

CMに入るという形をとっていたのには好感が持てました。

 

あとは、基本的には主人公中心の物語に終始していた事。

サスペンスモノの初回でありがちな「登場人物の多さ」だけを前面に出して

話を充実させるのではなく、

主人公と〇〇はどういう関係で、馴れ初めはどんな感じで…と

エイジ(山田涼介)と周りの人々との関わりを順序立てて状況紹介していたのが、

見やすさに繋がったと思っています。

 

じゃあ今度は、気になった所はどこなのか?についてなんですが…

先ほど「煽り演出がない」「見やすい」と書きましたが、

それって裏を返せば、「真面目過ぎる」ともとれるんじゃないかなぁと。

つまり、エイジが二重人格だと自覚する過程、

事件きっかけで日常生活に支障をきたし始める流れや、振り回されていく様子など、

事件が起こってからの出来事を順を追って書いているのが原因で、

サスペンスとしては盛り上がりがイマイチ足りない仕上がりになってしまっているんですよね。

同日同時間に放送開始した作品なので、

あえて裏の「ファーストペンギン!」と比較するような事を書きますが…

出だしの掴みは本作の方が良くても、ラストまで見て

「次回も見てみたい」「気になる」と興味を湧かせる展開になっていたのは

そちらの作品だったと思います。

 

部屋からエイジを覗く、

若干唇がカサついた引きこもりの妹?が映るシーンが途中にありましたが、

後の拷問シーン続きのお陰でミステリアスさが薄まってしまったような気がしますし、

ナミ(川栄李奈)にまつわるエピソードも初回で見せ過ぎでした。

例えば…予約が成立して、エイジが約束の場所に入る前(入り口付近)に

ナミがやってきて、急にスタンガンで打たれる流れで一旦終わりにして。

そこからは、父・亀一(遠藤憲一)が意味深な行動をとっている所をチラ見せし、

さっきの引きこもりの女性…

で、次回予告ではなくラストで佐野史郎さんを初登場させる…みたいに、

主題歌に合わせて登場人物を畳み掛けるように見せていく形をとった方が、

サスペンスの醍醐味でもあるワクワク感が生まれたのかもしれません。

 

しかし、普段はオチに持ってくる事が多い二重人格の設定が

出だしから使われている辺り、ミスリードにはなってくるでしょうから…

そう考えると、門脇麦さん、遠藤憲一さん、佐野史郎さん、そして川栄李奈さんと、

個性派揃いのキャスティングで考察する楽しさはありそうです。

ナミについては分かりましたが、まだ脇役に関する情報も少ないですし、

今後も過度に煽ったり引き延ばしたりしない程度に、

じわじわ惹きつけられていくサスペンスになってくれれば…と思います。

 

最後に、「ミステリと言う勿れ」のスタッフが関わられているだけあってか、

(劇伴担当者は違うにしろ)劇伴も悪目立ちしないと良いな…と

視聴前は不安に思っていましたが(苦笑)

全体的に落ち着いたトーンで、登場人物の言動を引き立てるくらいの

塩梅になっていたので、そこも安心しました。

とりあえず、しばらく様子見してみます。

 

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silent 1話 感想|"あの頃"はもうない

 

 

結論から言ってしまうと、私は好きです。

ただ、好き嫌いが分かれる作品なんだろうなぁ…とも思います。

 

と言うのも、狙っているであろうターゲット層が20〜30代の女性…

もっと細分化するなら、20代後半からかな?

それくらい限定づけられている(ように感じる)作風なんですよね。

ターゲット層の中には、当時叶わなかったキラキラした恋愛に

憧れを抱く経験をした人もいれば、ケータイ小説を読んでいた人も多いかもしれない。

その道を通ってきた視聴者なら、脚本家・生方美久さんの紡ぐ小説寄りの独特な台詞回しも

叙情的なストーリー展開もノスタルジックに感じられるんでしょうけど、

一方で、こんなに密度を上げなくても…展開がノロくて退屈…と

受け取る視聴者もいるんだろうなぁと。

見方によって大きく評価が変わりそうな初回でありました。

 

個人的には、人気(ひとけ)のない小さな映画館で、夜の時間帯に

スクリーンでひっそり泣きながら見たい内容でしたね。

CMの入りが頻繁に行われていたのもあって、

ドラマサイズじゃ、この良さが十分に伝わらなさそうで勿体ない…と思えてしまうほどにはね。

 

高校生の頃の連絡手段は携帯電話だったのが、

大人になるとLINE電話が主流になって、LINEでのやり取りがほとんど。

音楽を聴くのはiPodに有線イヤホンだったのが、

今では無線で、片方のイヤホンを落とす事もしばしば。

今も昔もCDショップはあるけれど、CDが売れなくなってしまった時代に。

緑に囲まれたごくありふれた校舎の代わりに、

欲しいものは何でも手に入りそうな充実した街・渋谷が主な生活圏になっている。

 

想(目黒蓮)が何も知らない紬(川口春奈)の前であえて手話を使ったのもそうですが、

モチーフや場所を"過去と現在"で線引きして、意図的に映す事で、

「『大好きな音に包まれていた』あの頃はもう戻ってこない」

「時代の変遷と共に、2人の住む世界も変わってしまった」

切なさやもの悲しさを物語らせている辺り、

視聴者を引き込む"世界観づくり"は結構緻密に作られていて好印象。

 

脚本、演出、演者、劇伴…それぞれ、この先も良いクオリティを保てそうな予感。

しかし、それ以上に、本作が秀作になるか残念に終わるかどうかは、

意外と、手話が使える聴者・正輝(風間俊介)の存在が

鍵を握っているんじゃないかという気がしています。

若い役者さんが多い中で空気を引き締める立ち位置になっていたし、

演技からして、シリアスな方向へと寄せられていましたからね。

…まぁでも、初回を見た感じでは、障がい者は健気な性格で、

彼らを支えるために手話を使っている聴者は良い人だという、

どちらも思いやっている風の悪気のない考えを"偏見"だと

静かに切っていた描写が施されていたので、そこの心配もないのかもしれません。

 

先ほど名前を挙げた生方美久さんは、連続ドラマの脚本を初執筆。

プライム帯の割には、かなり作家性が尊重されていて、

脚本家にとって、ある程度自由に書ける環境になっているのも伝わってきます。

木曜劇場」枠は波はあるものの、

時々異端な作品を生み出すから好きだし、応援したくなるんですよねぇ…。

ここ最近の作品を羅列するなら、「刑事ゆがみ」「隣の家族は青く見える」

モンテ・クリスト伯」「アライブ」かな?(どれも名作入りにしているくらいには好き)

 

実はたま〜に「『刑事ゆがみ』の来年同時期の作品はこれかぁ…」「3年後はこれかぁ…」と

名作を基準に照らし合わせる事があるんですけど、

1つの節目となる5年後の作品が本作なのは、純粋に嬉しいです。

良質な作品だと良いなぁ…。いや、そうであって欲しいですね。

 

「言葉はまるで雪の結晶」の歌詞も衝撃的でした。

早く配信で聴きたいです…!

 

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ファーストペンギン! 1話 感想|大女優誕生の瞬間を見た!ラストでちょっと期待。

 

 

日テレ系列の「news every.」や「news zero」でも取り上げられた

実話をベースにした作品…という事前情報を知った上での視聴だったのですが、

個人的には、途中まではちょっと半信半疑の気持ちで見ちゃってました。

 

うーん…何と言うか、本作を"1本の木"として捉えるとするなら、

葉っぱも枝もある程度ついていて、幹も倒れそうにないくらいには太く育った

ぱっと見は立派な木には見えるんだけれども、

細部をよくよく観察すると、虫に食われた葉っぱや枯れた枝が点在している…みたいな感じ。

つまり、全体を通して見てみればそれなりに楽しめる内容にはなっているものの、

所々で過程がやや唐突に思えたり、どことなく端折られた部分が見受けられたりして、

1つでもそういう気になる所があるとスルー出来ない私としては、

物語の流れは詰めが甘かったのかな?という印象を受けました。

 

例えば…「同じ港での運命の出会い」「子持ちのシングルマザー同士」にピンときて、

さらに機転の効かせた接客を見た時点で

あの人気になるな〜くらいの興味を抱くのならまだ分かるんですが、

会って間もない上に、仕事の腕前もどの程度のものか掴めていないのに、

いきなり将来をかけた漁業の立て直しを持ちかけるのは

いくら何でも"ドラマ的に"出来過ぎていないか?とか。

説明台詞で済ませるのに賛同はしないけれど、序盤に出てきた杉浦(梅沢富美男)と

主人公サイドの関係性の紹介が、徐々に何となく察せられるまでは不足気味だったりだとか。

あとは、統括(伊沢弘)に見せていた資料は企画書なんだろうとは思えても、

訴求力やお魚ボックスを提案する事でのビジョンがイマイチ伝わってこないから、

その後の押印の流れが「〇〇が許可したなら自分も許可するかな…」という

まさしく本編でも描かれていた"同調圧力の世界"を生きる役員さん頼みになっているように

見えてしまっている…とか。

私の理解力のなさや、気にし過ぎな部分があるにしても、

初回を見てとりあえず引っかかったのはそんな所です。

 

ただ、果敢な者が躊躇せず飛び込む事を意味する「ファーストペンギン」を使って

何を描きたいのか?という意思がはっきり見える内容ではありました。

その点では、初回の"掴み"としては概ね成功していたと思います。

特に良かったのは、一番に飛び込んだ勇気を賞賛するスタンスではなく、

主人公の行為を、周りからしたらバカだと笑う人もいる…という現代社会の縮図も、

ファーストペンギンの説明も含めて冷静に、かと言って真面目になり過ぎないように

事業にポップに絡められていた所。

主人公を上げるでもないし、ドタバタっぷりを描く訳でもない。

ベテランならではの仕事観を持った上司だってちゃんといる。←ここ大事

「何かしたい!!」という衝動のままに動き始めた和佳(奈緒)が、

理想と現実の違いに当たって砕けながらも、1つの事業を完成させていく…という

お仕事成長ドラマだと思って見てみたら、今後面白くなっていくのかもしれません。

 

主人公の感情を代弁したかのような歌詞から始まる主題歌と

演技による盛り上げ方も上手かったですねぇ。

正直、途中までは「24時間テレビ」内のSPドラマでやりそうな内容だな〜と

ふんわり思っていたんですが、ラストシーンで「お?」ってなりました。

あれだけ早口で長台詞なのに、方言の抑揚のつけ方も滑舌もしっかりされているから小気味好い。

そう言えば、ドラマ初主演なんですよねぇ。

奈緒さんの大躍進っぷりを楽しむ意味でも、もう少し見てみたいかも…と思わされましたね。

 

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ファーストペンギン! 1話 感想|大女優誕生の瞬間を見た!ラストでちょっと期待。

 

 

日テレ系列の「news every.」や「news zero」でも取り上げられた

実話をベースにした作品…という事前情報を知った上での視聴だったのですが、

個人的には、途中まではちょっと半信半疑の気持ちで見ちゃってました。

 

うーん…何と言うか、本作を"1本の木"として捉えるとするなら、

葉っぱも枝もある程度ついていて、幹も倒れそうにないくらいには太く育った

ぱっと見は立派な木には見えるんだけれども、

細部をよくよく観察すると、虫に食われた葉っぱや枯れた枝が点在している…みたいな感じ。

つまり、全体を通して見てみればそれなりに楽しめる内容にはなっているものの、

所々で過程がやや唐突に思えたり、どことなく端折られた部分が見受けられたりして、

1つでもそういう気になる所があるとスルー出来ない私としては、

物語の流れは詰めが甘かったのかな?という印象を受けました。

 

例えば…「同じ港での運命の出会い」「子持ちのシングルマザー同士」にピンときて、

さらに機転の効かせた接客を見た時点で

あの人気になるな〜くらいの興味を抱くくらいならまだ分かるんですが、

会って間もない上に、仕事の腕前もどの程度のものか掴めていないのに、

いきなり将来をかけた漁業の立て直しを持ちかけるのは

いくら何でも"ドラマ的に"出来過ぎていないか?とか。

説明台詞で済ませるのに賛同はしないけれど、序盤に出てきた杉浦(梅沢富美男)と

主人公サイドの関係性の紹介が、徐々に何となく察せられるまでは不足気味だったりだとか。

あとは、統括(伊沢弘)に見せていた資料は企画書なんだろうとは思えても、

訴求力やお魚ボックスを提案する事でのビジョンがイマイチ伝わってこないから、

その後の押印の流れが「〇〇が許可したなら自分も許可するかな…」という

まさしく本編でも描かれていた"同調圧力の世界"を生きる役員さん頼みになっているように

見えてしまっている…とか。

私の理解力のなさや、気にし過ぎな部分があるにしても、

初回を見てとりあえず引っかかったのはそんな所です。

 

ただ、果敢な者が躊躇せず飛び込む事を意味する「ファーストペンギン」を使って

何を描きたいのか?という意思がはっきり見える内容ではありました。

その点では、初回の"掴み"としては概ね成功していたと思います。

特に良かったのは、一番に飛び込んだ勇気を賞賛するスタンスではなく、

主人公の行為を、周りからしたらバカだと笑う人もいる…という現代社会の縮図も、

ファーストペンギンの説明も含めて冷静に、かと言って真面目になり過ぎないように

事業にポップに絡められていた所。

主人公を上げるでもないし、ドタバタっぷりを描く訳でもない。

ベテランならではの仕事観を持った上司だってちゃんといる。←ここ大事

「何かしたい!!」という衝動のままに動き始めた和佳(奈緒)が、

理想と現実の違いに当たって砕けながらも、1つの事業を完成させていく…という

お仕事成長ドラマだと思って見てみたら、今後面白くなっていくのかもしれません。

 

主人公の感情を代弁したかのような歌詞から始まる主題歌と

演技による盛り上げ方も上手かったですねぇ。

正直、途中までは「24時間テレビ」内のSPドラマでやりそうな内容だな〜と

ふんわり思っていたんですが、ラストシーンで「お?」ってなりました。

あれだけ早口で長台詞なのに、方言の抑揚のつけ方も滑舌もしっかりされているから小気味好い。

そう言えば、ドラマ初主演なんですよねぇ。

奈緒さんの大躍進っぷりを楽しむ意味でも、もう少し見てみたいかも…と思わされましたね。

 

 

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オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ 6話(最終回) 感想|オダギリジョーに驚くオダギリジョー

 

 

集団パフォーマンス…またやりおった〜!(笑)

期待していたものを最後にしっかり見せてもらえた感じですね。

 

トントン牧場ならぬトントン拍子で、終盤で一気に説明台詞やら回想やらで終わらせたのも、

全ての犯人は本作の生み出し人でした!で強引に繋げるのも、

ミステリーを扱う作品としてはタブーではあるんですけども。

あの舞台仕立てにしたのも、「これはあくまでも"作り話"ですよ〜」

「だから肩の力抜いて楽しんで下さいね〜」って視聴者を納得させるためであって、

タブーである事をあえて逆手に取った作戦だったのかもしれませんねぇ。

だって、「説明し過ぎなんじゃないの?」「ちょっとどんどん出てくるじゃん」

「もう見てる人も大分整理出来てると思うから」←何となくしか出来てません…w

といったメタ台詞が続々と飛び交う辺りね…

もうツッコんで!って促しているようなもんですから(笑)

 

そして、個人的にちょっと意外だったのは、

オダギリジョーさんのスタイリッシュな雰囲気を、大オチで自ら披露してきた所。

これは先入観が絡んでくるんですが…

元々の整った容姿とか、そこから漏れ出るミステリアスな一面だとか、

そういう「かっこいい」部分は、ご本人はあまり出す気はなくて

(どちらかと言うと人間臭くありたい…みたいな?イメージ)、

監督や脚本家に求められて初めて"かっこいい自分"を演じられているんじゃないかと

思っていたので、最後の最後にあんなお姿を見られるとは思いもしませんでした。

それってつまりは、"監督・オダギリジョー"さんが"役者・オダギリジョー"さんを、

おふざけと洗練さのどちらの世界にも住む役者さんだって

自己分析しているって事にもなる訳で。

今後自身の制作した作品が増えていくにあたって、本作が、自己研究を高めるための

貴重な資料になるんじゃないかと思うと、それはそれで興味深いです。

 

続編に関しては…今回ばかりは、可能性が低いんじゃないですかねぇ。

神々廻(橋爪功)は偽物でまだ捕まってはいないものの、

前作から続いていた謎も回収してしまったし、犯人も分かってしまったので…

訳の分からない作りだったなりに、

この段階である程度ピリオドをつけられそうな内容だった気がします。

 

正直言うと、もう一回見返さなければならないほど

情報が頭に入ってこない事の方が多かったですが(笑)

こんな豪華キャスティング二度とない!見られるのは今だけ!!な

お祭り感・プレミア感を楽しむ作品ではあるので、その点では今回も満足出来ました。

 

それにしても、松たか子さんと松田兄弟、本当に贅沢なキャスティングをしましたねぇ…

松田兄弟は最終回は3秒くらいのご出演でしたし、

松たか子さんに至っては歌って終わりでしたからw

 

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六本木クラス 13話(最終回) 感想|土下座払い出来ない…それがリアル(泣)

 

 

前回から今回の途中まで、まるで別ドラマのようでしたねぇ。

店の経営がベースとなっていたはずだからさ…

龍河(早乙女太一)、流血するほど頭に強いダメージを負った割に

よくフラつかずに歩いてられるなぁ…とか、みんな一般人なのに喧嘩強くない…?とか、

(一応警察のいる世界線だったけど)人数多い警察たちよりも

葵(平手友梨奈)たちが先に来るのおかしくない?とかいろいろツッコミつつ、

あまりにも風変わりな展開に内心ポカーンとしながら見ておりました。

まさか30分以上、喧嘩のシーンを見せ続けられるとはね。

 

そんな中で、唯一私の心を掴んで離さなかったのは

「最終回」とだけ表示された下部分のテロップ。←そこ?w

切り替えミスった放送事故かな〜と最初は思っていたんですけど、

その次のテロップも「最終回」の文字だけ出ていたんで、

いや、なんか言って!と…もうじわじわ来てしょうがなかったです(笑)

「いよいよクライマックス突入!新の運命やいかに!?」「新がした決断とは…」みたいな

無難な煽り文句で良かったのに。

特に思い浮かばないなら、別に無理して入れる必要もなかったのに…ねw

 

まぁでも、全体的に言えば、人を「見る」「魅せる」ドラマとしては

そこそこ楽しめました。

冒頭でも書いた通り、本筋はあくまでも店の経営を描く物語なので、

料理教室に通って修行する様子もなく腕が上達!とか、

味が想像しづらい奇抜な創作料理であっという間に優勝!とか、

肝心のスキル的な意味合いでの"成長""変化"の部分は端折られた気がしなくはないんですが。

居場所のなかった、孤独を選ぶしかなかった人々が、

誰かと出会い、相手の人柄に大きな影響を受けていく事で、

やがて自分が自分らしくいられる場所を手に入れるようになるまでの葛藤を描く

若者群像劇としては、登場人物にも共感しやすく、丁寧な出来だったと思います。

 

未だに「テセウスの船」での迂闊なイメージが強いからか(笑)

人を受け入れる包容力はあっても、最終回にしてようやく葵が好きだと自覚するほど

恋愛には鈍感な役が、竹内涼真さんにしっくり来ていましたし。

そして何より、今までお見かけした作品だと、大きくてキリッとした目力が印象的な

役者さんとして記憶していた平手友梨奈さんは、本作で本当に良い役をもらえたなぁ…と。

その目力が本作では、人を魅惑していく子猫的なアイコンになっていて、

自分の戦い方も交わし方も知っている、だから堂々と自分らしく生きて行く…という

掴み所のない役柄を色付けしていったのではないかと考えてます。

 

長屋@香川照之さんに関してはね…

土下座させてくれなかったくだりがね…違う意味で切なかったですよ(泣)

土下座しても相手側の傷が和らいだり、何か変わったりする訳ではないというのは

現実世界でもビジネスでも一緒ですからねぇ。

だから、逆にあのシーンは核心を突いているようで、妙に刺さりました。

後半に突入してから役とシンクロするようになりましたけど、

徐々に痩せ細っていく様子を見る限り、恐らく世間の声に耐えながら

精神をすり減らされていた部分もあったのかなぁと思ってます。

香川さんはドラマ界では必要不可欠な方なので、

被害者の方に本当の意味で許しをもらえる日が来たら、また復活していただきたいですね。

 

何はともあれ、最後まで無事に放送していただいた事に感謝です。

 

 

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オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ 5話 感想|意外と繋がってきてる?

 

 

今更って感じですが。

このドラマって豪華キャスティングに目が行きがちですが、

何気にロケーションもパンチ力の強いものが集っているんですよねぇ。

 

例えば…赤と白を基調としたアメリカン風のポップな内装だったり、

花柄で大きな紫の椅子がセッティングされているカフェだったり、

そんな所よく見つけたね!?と思える

宗手(永山瑛太)たちのいるコンクリートと水たまりの跡地だったり、

あとは、ドラム(シシドカフカ)の背景がエスニック風の奇抜な模様だったり。

(↑これに関しては、生演奏を劇伴代わりにするという贅沢感も際立ってましたが…w)

ざっくり言ってしまえば、合同美術展みたいで(笑)

内容を一度見ただけだと情報過多でカオスな印象が先行してしまうのは、

何も親子共演や兄弟共演だけじゃなくて、

1つ1つがアイコン化されているような個性的なロケーションも関係しているのだな…と

気づかされた回ではありましたね。

 

でも、各々の謎も、ぼんやりとでも"繋がり"が見え始めたのは何だか意外でした。

去年放送された回も含めて、

回収しようとしている意図が感じられる内容になっていたのは、今回が初めてですよね。

こんな人いたっけ?な新キャラが登場してくるので、それで霞んではしまうんですけど、

とりあえずは…渡(仲野太賀)が自ら犯人だと名乗り出した理由と

トントン牧場の内部、小西(佐藤浩市)の居場所が分かったのにはスッキリ。

 

ただ、同時に、今回明かされた真相も、今後明かされるであろう真相も、

みんな神々𢌞(橋爪功)の手練れた催眠術が

絡んでいるんじゃないかって気もしております…(笑)

最終回は、催眠術の件が、全ての事柄を解決に向かわせる"切り札"として扱われて

完結しそうな可能性もありますね。

まぁでも、個人的にはミステリー要素よりも、

役者さん方のアドリブや遊び心に乗っかるつもりで本作を見ているので、

インド映画風ダンス並に楽しく終わってくれれば何でも良いですw

 

 

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監察医 朝顔 2022スペシャル 感想|定期的に見たい家族だねぇ…

 

 

冒頭のスタッフクレジットで、脚本家がいつもの根本ノンジさんではなく

本作初担当のお2人だと知り、今までの雰囲気と風変わりしてしまうんじゃないか…と

ちょっと不安に感じながら見始めましたが。

演出家は同じ方なのでそこで"本作らしさ"を保たせつつ、

2時間スペシャルという事で少しアレンジを加えた脚本になっていて、

個人的には2クールの頃よりも完成度の高い内容に仕上がっていたんじゃないかと思います。

 

見ていて気づいたのは…これ、大まかに言えば前後編構成になっているんですよね。

前半は、歳の離れた2人の子供を育てる大変さを経験する母親でもあるし、

遺体にも遺族にも真摯に寄り添う法医学者でもある

朝顔上野樹里)の2つの顔を持つ姿が描かれて。

後半は、平(時任三郎)の認知症が進行してきて、施設問題と、

つぐみ(加藤柚凪)にもいよいよ伝えなければならない時がやってきた…という、

"家族で"次のステージへ向かおうとしている万木家の変化や葛藤する姿が描かれる。

 

前半はホームお仕事ドラマ、後半はホームドラマをガッツリと…で、

こういった2時間スペシャルで多少ジャンルの異なったエピソードを見せるのは

近年ではかなり斬新ですし、

「向き合うべき課題」も、主人公単体と複数とで対比がとれている印象でした。

で…さらによく出来ていたのは、

劇中で茶子先生(山口智子)が代弁していた「そうあって欲しい」という

"願望や希望"を表す言葉が、両方にかかるような内容になっていた事。

前後で描き分けるとなると、話の流れがバラバラになりそうなものですが、

一本の太い軸を設定したお陰で、内容の一体感にも繋がったような気がします。

 

つぐみ(と里美)の成長という視聴者の注目ポイントもあるし、

子供の目線に立って言葉を選んで話し合うとか、朝ごはんを作る時の動線とか、

画面上では描かれていない"日常"も浮かびやすく、

主人公が身近に感じられる生活描写の質の高さを考えると。

やっぱり本作は「北の国から」みたいに、定期的なスペシャルでの放送が

一番合っているんじゃないかって思うんですよねぇ。

実際、久しぶりに万木家の面々を見たら、実家に久々に会いに来た孫(?)を見ているような

ほっこりとした気持ちにさせられましたし。

趣旨が変わってきそうですが…中学生のつぐみも見たいですし(笑)

じいじには微かにでも、症状が良くなる時が再び訪れる事を願って、

また来年か再来年くらいに続編でお会いしたいものです。

 

最後に…平の症状が避けられない段階にまで来ている事を物語らせる

時任三郎さんの若干小刻みに揺れた演技も、

時の変化の速さを感じさせる切り替え演出も、中々グサッと刺さりましたね…。

平が朝の支度をしている姿を最初に見て、あまりにも自然だったものだから

一瞬「あれ?」と思ったのも束の間、

次のシーンでは白髪で目の焦点が合っていない様子が映った時の衝撃は大きかったです。

これから認知症というワードが物語の鍵に後々なってくるのだ…と、

あそこで引き締められた気分でした。

 

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純愛ディソナンス 11話(最終回) 感想|協和音の始まり…ですね。

 

 

お、おう…そうなるのね…な最終回。

前々からバッドエンド説を唱えていた私としては、

あんなにどこもかしこも大団円で綺麗に収まるとは全く想像していませんでしたよ(笑)

まぁ、ある意味「先が読めない」着地点ではありましたけどね…。

 

でも、個人的には、賢治(光石研)が冴(吉川愛)を刺しに行くとか、

階段から突き落とすとか、幸せムードから一変して、

最後の最後で「やはり宿命からそう簡単には逃れられない」というのを物語る

不穏なラストも見てみたかったなぁって気はしてます。

…いや、元々は恋愛モノだから別にそこまで悲劇の方向に行かなくとも、

全部回収する必要はなかったんじゃないですかね。

近年の作品と同じ全11話での放送なのに、

なぜか打ち切りで話数が短縮されて、一気にまとめに入ったように感じてしまうのは、

やっぱり描くべき個々のエピソードを増やし過ぎたのが最大の原因でしょう。

それぞれの物語が絡み合って、化学反応が起こる様は面白く見られたんですが…

登場人物を2〜3人減らす…特にシェアハウス内での三角関係の描写をカットしたら

まだ最終回という名のケースに物がぎゅうぎゅうに詰まるなんて事はなかったのかもしれません。

 

ただ、本作を好意的に見てきた分、今回もポジティブに捉えるとするなら。

人間関係の変化を描く上で、今までの話が「不協和音」ならば、

最終回は「協和音」という表現の仕方も出来るのかなぁ…と。

これはちょっと強引に例えになるかもしれませんが、

正樹がピアノで伴奏する曲は、どの曲も"完成形"になるように

最終的には美しく聞こえる「協和音」に調整されていくのが一般的ですよね。

(不協和音で魅せる音楽もあるにはありますが…とりあえずそれは置いといて。)

本作もそれにちなんで、ドラマまるまる1本を"音楽"だと考えれば、

ハッピーエンドで終わるのも不思議ではないのかも…?と思えている自分もいます。

 

まっ…「親子の物語」である本作に因んで、

息子にらっきょうをよそう賢治の"どこにでもいる家庭的なお父さん"っぽさが見られたのと、

冴の屈託のない笑顔が見られたお陰で、

4割がた「これで良いか〜」って気持ちにはなったんですけどね(笑)

父と楽しく過ごせるのがCM(=妄想の世界)だけだった北都(和田正人)が

ようやく報われ始めた最終回…とも言いましょうw

碓氷家のその後があんなアットホームな感じで見られるとは、何だか意外でした。

 

静(富田靖子)が急に物分かりが良くなったのは、自分に素直についてきてくれる娘は

やっぱり「おもしれー娘」じゃないと気づいたからなのか…とか、

治療費は結局どうなったのかとか、そもそも最初から2人で遠くに引っ越していれば

あんなに面倒な事に巻き込まれなかったんじゃないか…とか、

あとは…海のシーンでのちょっと太って見える衣装問題とか。

↑羽織物が薄紫で、下がベージュのダボっとしたパンツの組み合わせが悪かったのか…??

いろいろツッコミどころはあったものの、

それでも、最終回まで惹きつけるだけの引力を感じさせる作りだった事には間違いありません。

 

ライティングへの強いこだわりはもちろん、

流れただけで哀愁感漂う世界観を作り出してくれる劇伴も、

個人的には少年のイメージがあるHey! Say! JUMPが歌っているとは思えないほど

雰囲気に馴染んでいた主題歌も好きでした。

 

美しい一面よりも醜い一面を見せる事が多かった人間模様の中で、

もがき足掻いていく人々の姿を見守る面白さのある作品だったと思います。

 

 

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家庭教師のトラコ 10話(最終回) 感想|自分が幸せならそれで良いらしい。

 

 

初っ端からこういう否定的な事は書きたくなかったんですが、

なんかね、もう…やっつけ感満載の最終回で…(滝汗)

完走した事を本気で後悔するほどでした……。

 

その決定的な理由としてはやっぱり、主人公の描写の迷走ぶりにあるでしょう。

前回から「キャラ変した」どころか、もう当初の頃と最終回付近とで比べると

思想も行動も何もかも別人のようなんですよね。

例えば、今回なら…

当日結婚式を挙げる予定だった福多の婚約相手・日向子(片山友希)に変な嘘をつき、

福多(中村蒼)を略奪する事で、彼との関係性を取り戻す。

そこには、福多は親に勘当されてしまうのではないかという思いやりや、

婚約相手を傷つけてしまうという配慮は一切含まれていない。

そして、3人のお母さんも出来て、トラコ(橋本愛)だけが幸せを手に入れてハッピーエンド。

 

この一連の流れに、本作のテーマであったはずの「お金」が絡んでいなければ、

もちろん"あの主張"もなかった事になっているし。

これまで子供たちに「正しいお金の使い方」を犯罪行為もしながら教えて、

自分の力で考える機会を与えてきた

家庭教師のトラコ"らしさ"も全くもって感じられません。

なんなら、お金を使って誰かを幸せにしてあげるよりも、自分が幸せならそれで良い…と、

当初と真逆の事を言っているようにも聞こえてしまいました。

 

「正しいお金の使い方を教える訳あり型破り家庭教師」を描く作風を

貫いていけば良かったものの、

そこに後から「児童擁護施設育ち」「孤独な幼少期」「世間への訴え」「母親の危篤」と

主人公に同情させるような情報を次々と付け足していったから、

何がテーマなのかごちゃっとして分かりづらい仕上がりになってしまったんだと思います。

要は…本作でやりたい事、描きたい事が多過ぎたんですよね。

で、それを絞りきれなかった結果、支離滅裂な内容が出来上がった。

型破りな家庭教師の活躍を描きたいのか、

それとも、孤独だった主人公が居場所を見つけ、一人前になるまでの成長記を描きたいのか。

最初からどちらか1本に絞っていれば、

ふわふわした気持ち悪さが残る最終回にはならなかったんじゃないでしょうか。

 

トラコーーーー!!を連呼する演出も、苦笑いものでしたし…

家族の問題を1話ずつ取り上げた構成は何だったのかと思えるくらい、

子供たちのイヤイヤ期もトントン拍子で解決しましたし…

トラコを突き落とした犯人は公式Twitter↓でポロっと補足して終わりでしたし…

(脚本家に物申せるスタッフがいないのを物語っているようなもん…(汗))

う〜ん、この雑な着地っぷり、今期の中ではピカイチかもしれません。

それに、今更ですが、いつにも増して名台詞を言おうとしている感ある

台詞運びも気になりましたね。台本が用意されているのが透けて見えるというか…。

 

とにかく、もし次回作も「〇〇の〇〇(←カタカナ)」という

似たようなタイトルの作品だったら、

私はもう見ない方が良いんじゃないか?と思えてしまうほどの出来でした。

特定のフォーマットから外れた恋愛モノとか、ミステリーとかだったら

まだ興味を持つかもしれませんが…。

もうそろそろ、「家政婦のミタ」系譜とは違ったジャンルの新作も見てみたいというのが

正直な気持ちでもあります。

 

 

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