プリズム 6話 感想|ユリとすずらんのような関係になれたら

 

 

ポップコーンのくだりが微笑ましい。

以前の感想でも、3人で仕事の休憩中に

おにぎりを食べているシーンについて言及したんですけど、

本作はそんな何気ない日常を尊いものに見せるのが上手いなぁ…とつくづく思います。

それは「演技している」と感じさせない、役者さんの自然体さも関係してはいるんですが、

そこからさらにキスシーンを盛り込んだり、胸キュン要素をスローモーションで撮ったり…など、

作りようによってはいくらでも甘くてドラマチックなラブストーリーに出来るものを、

徹底して"心情"を深く掘り下げようという事に終始している

作り手の真摯な姿勢が大きいのかもしれません。

 

球根に毒を持ったすずらんがユリを守っている…という話もタメになりつつ、

今回の内容を立体的に見せるキーアイテムとしても上手く活かされていた気がします。

元々は"そういう関係"に憧れを抱いていた悠麿(森山未來)が、

自分の代わりに実って欲しくて皐月(杉咲花)に託そうとした所から出た豆知識ですが、

広義的に言えば、それは皐月と陸(藤原季節)の関係性だけに留まらず、

皐月と綾花(石井杏奈)、皐月と梨沙子若村麻由美)、梨沙子と耕太郎(吉田栄作)の

関係性にも当てはまるんじゃないかなぁって思うんですよね。

 

やっとの思いでチャンスを掴んだにもかかわらず、

夢を諦め別の道へと進んだ皐月の方が充実していそうだと気づき、

いつしかプライドが芽生えて、相手と自分を比べては嫉妬する日々を送ってしまっていた綾花。

以前は帰省すら拒み、母親とはなるべく距離をとろうとしていた皐月。

そして…愛人がいるという事実のみを知り、「騙された」という悔しさが先行して、

旦那が入院するまではずっと疎遠だった梨沙子

でも、今では関係がこじれる事なく、お互いに仲を取り戻しつつある。

それは文字通り「隣り合っている」から。

 

信爾(岡田義徳)が「分からない事でもなんでも聞いて、たくさん話したら、

不安も消えていた」と言っていたように、

ありのままの気持ちを話して相手と向き合ってみようとする行為は、

年齢も性別も恋愛も超えて、全ての人々が出来る事で。

向き合ってみようとするのに比例して関係性もどんどん深まっていくのが、

人間ならではの凄味ではあるんですよね。

純粋に"パートナー"として共存し合えたらどんなに素敵か…という、

"人との繋がり"の持つ可能性や希望の兆しを感じさせる内容にまとまっていたと思います。

 

特に梨沙子と耕太郎の件なんて、皐月が病院前にいる母親を呼ばなければ、

梨沙子が顔見合わせをしに旦那の自宅までお願いしに行くなんて事はなかったでしょうからね。

今までの様子から考えると、あそこまで変われたのが本当に信じられなくて…

「私も一緒に説明するから」「それが…本当の"皐月のため"って事だと思う」と話してみてからの

主題歌のタイミングと言い、その言葉が刺さったともとれる耕太郎の横顔のアップと言い、

ラストには泣かされてしまいました。

 

今回は陸のカミングアウトから始まって、

台詞を紡ぐのには最も難しく、慎重さが問われる内容だったと思いますが、

カミングアウトされて複雑な感情を抱いている人も、前を向こうとしている人も

どの立場も否定する事なく、あくまでも「相手はなぜその気持ちになっているのか」を

尊重しようとしているのが伝わる言葉選びが随所に施されていたのも良かったです。

そして、今更ですが、主題歌を歌う原由子さんの声も、本作の世界観にぴったりなんですよね。

毎回放送が終わった時は、自然とサビの歌詞を口ずさんでしまう自分がいます(笑)

 

 

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魔法のリノベ 6話 感想|真飛さんのイキイキした姿を堪能したかった…

 

 

プライベートの話も本筋を食うくらい盛り込む点では、

なんとな〜く「オールドルーキー」と同じ匂いがしてきましたな…(汗)

 

今回の案件は、まだまだ懲りない様子の寅之介(落合モトキ)も

相談役として同行するという設定が入っていたから、あの流れになるのも仕方ないにしても。

結局どちらをメインにしたいのか、分かりづらくなってしまいましたね。

前回から引き続き、因縁の弟と決着をつける所を魅せたいのか?

それとも、不動産業界のお仕事ドラマの中では斬新な

ナチュラルボーンマドリスト」だと自負するお客さんの話を魅せたいのか?

本来、本作が引き立たせるべき内容は後者なはずなんですが…

今回はこの2つが同時並行して描かれていたため、

話全体の輪郭がぼやけていたような印象を受けました。

 

で、さらにそれに追い打ちをかけるのは、有川(原田泰造)の復讐心と、

竜之介(吉野北人)とミコト(SUMIRE)を巻き込んだ四角関係。

有川の件に関しては、小梅(波瑠)や久保寺(金子大地)に対して

恨みをぶつける様子が多々見られたため、覚悟していた部分はあったんですが…

一番「なんで!?」と思うのは、四角関係について。

う〜ん…悪いんですが、恋愛要素を今から膨らませた所で、

ラストに胸キュン演出を持ってきて、1人を取り合うくだりが生まれて、当て馬の存在が出来て、

恋人同士は仕事とプライベートの切り替えが出来なくなって、徐々に気まずくなって…など、

ここ数年でテンプレート化しつつある話を見せられて終わりな気がするんですよねぇ。

後半戦突入だと言うのに、メインの話の腰を折ってまでやる事ではないでしょう。

きっと"大人の事情"が関係しているんでしょうけど、それにしてもやり過ぎですね…。

 

さて…ポジティブな事も書きたいので、諸々のツッコミはここまでにしておいて(苦笑)

メインエピソードの感想を書くとするなら、

エンディング含めて、今までのお客さんの中でも、

自分の理想のリノベーションが出来て充実した日々を送れているのが伝わる

飯星(真飛聖)のイキイキとした表情が見られたのは良かったです。

そして、特に重要性はなく、どちらかと言うとギャグ的要素として扱われていた

印象の強かった山登りのくだりも、今回は最も上手く絡められていた気がします。

一旦リノベは忘れてリフレッシュしてみる様子を描写したお陰で、

何となくうやむやにしていた「なぜ個性的な間取りに惹かれるのか?」の答えを

導き出すまでの"自分探し"的な意味合いも兼ねられていたし、

小梅(波瑠)の成長にも繋がった。

「変わった間取りの家に住む」よりも「自分だけの間取りを作る」方が楽しいという

答えに辿り着くのに、納得のいく流れになっていたと思います。

 

メインエピソードがせっかく面白いだけに、

もっとお客さんとのやり取りに尺を割いて欲しいんですけどねぇ。

本作も、何だか味付けが勿体ないです。

今回の内容をざっくり一言で言うなら…

今後どんな話が描かれるのかを紹介する"予告映像"を

1時間使ってお届けした…って感じでしょうか。

 

 

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オールドルーキー 8話 感想|メインエピソードから漂う昔の月9感。

 

 

これ以上言及しても今までと同じ印象を持ちそうな

果奈子(榮倉奈々)絡みの家庭パートは、今更でも適当に流す事に決めたんですが…

う〜ん、それにしても、今回の話は全体的にあっちこっちで

散漫としていたのが気になりましたね。

 

その大きな理由としては、前回の終盤で「それはどうかな?」という台詞があったように、

新町(綾野剛)の目覚ましい活躍に対して

1人喜ばしく思っていない高柳(反町隆史)の"思惑"描写を

露骨に強調し始めたから…でしょうか。

まぁ…信頼関係の構築よりも会社の利益を重要視している社長だから、

今の所、彼の自由なやり方が気に食わなくて嫉妬している…みたいな

単純な動機しか見えてこなくて、イマイチ興味が湧かないっていうのもあるんですが(汗)

個人的には、第1章で話の腰を折っていると感じたサッカーへの"未練"のくだりと

同じ匂いがするんですよねぇ。

 

メインエピソードと並行して"縦軸"を盛り込んでいくやり方は否定しませんし、

連続ドラマの特性上、仕方ない部分はあるんでしょうけれども。

そういった構成は、メインエピソードを充実した内容に仕立てて初めて

"次回への引き"になって、作品への期待度を高めていくものだと思っています。

言い換えると、そこがしっかり面白くないと、

付随してくる設定がみんな、話への没入感を薄める要因となって邪魔臭く感じてしまうんです。

今回で言えば…先ほど書いた高柳の嫉妬や、相変わらずの家庭パートはもちろん、

社員でのコミカルなやり取りが頻繁に挿入されていた上に、

塔子(芳根京子)が担当する案件と新町が担当する案件という

結果的に何の関連性もなかった話を同時に描いた内容になっていて、

「結局、どれを1番に目立たせたいの?」と疑問に思いながら

どこにも集中出来ずに見終えてしまいました。

 

麻生(渡辺翔太)のプロ転向の件に特に進展がないまま次回に続くんだったら、

別に複数案件で見せる必要はなかったですよね。

そして、主人公の見せ場をどうしても作りたかったんでしょうけど、

今回は塔子メイン回にして、彼女自身の成長や学びを重点的に描けば良いものを、

そこに主人公を中途半端に介入させて、あたかも「自分のお陰で交渉成立出来ました」風に

見せていたのも、話をややこしくさせていた原因かもしれません。

肝心のメインエピソードも…

宮野(大谷亮介)の監督としての責任感のなさとか、

告白からのサーブの流れが、どストレートな恋愛モノがまだ放送されていた

時期の月9(真っ先に思い出したのは「ブザー・ビート」w)を彷彿とさせたとか、

結末が軽く収まり過ぎて何だかなぁ…って感じでしたね。

 

恐らくあと2話かぁ…。

"マネジメント"で良かったのは6,7話くらいで、

構成も設定も上手く整理出来ないまま終わってしまいそうな…(汗)

 

 

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テッパチ! 7話 感想|先輩たちに支えられて学んで行くのね〜

 

 

なんだかんだで見続けてますよ。

今回から第二部で、部署に配属してからの話という事で

"お仕事ドラマ"らしくはなってきて、まずは一安心…ですね。

初っ端から水鉄砲だの、ボディビルだの、ふざけるくだりが続いたので、

「またこの体育会系ノリで行くのか…」と最初はげんなりしていたものの。

数々のジャンルの作品をこなす中堅どころの役者さんでキャストを一新したお陰か、

中盤〜終盤にかけての"実は出来る先輩"のメリハリっぷりに拍車がかかり、

これなら、自衛隊の環境の中でいろんな事を吸収して学んで行く

宙(町田啓太)の成長をまともに見られそうだという期待が湧いてきました。

 

ただ、第一部の仲間から続投しているのは馬場(佐野勇斗)だけで、

他の面々は"その後"への言及がほとんどないくらいには

第一部とは別物の話として扱っているとなると、

あたかも青春群像劇風に見せていた仲間たちの描写は抑えめにして

もう少し主人公に焦点を当てて、

今回の内容を3話か4話辺りから始めても良かったのかな?という気もします。

まぁ…あの軽い雰囲気が6話まで続いて、

もう良いや…って視聴離脱していった方も多いのもありますけど(苦笑)

生半可な気持ちで入隊した彼が本物の"テッパチ"になるまでの話を描くとするなら、

第二部からの話が本番だとは思うのでね。

 

内容自体に関しては、避難誘導・災害救助業務をする際のガイドラインやマニュアルで

やってはダメな行為を事前に指導されないものなのか?とか、

なんで誰にも連絡せずにその場を離れるかな…(無線は?)とか、

そもそも、現場未経験の新人になんで単独でやらせたんだろうとか

いろいろツッコミどころはありましたが。

でも…個人的には、先輩たちの中で一番義理堅そうな大木(久保田悠来)の

「何もしていない訳じゃない」という励ましの言葉には、不覚にも泣かされました。

自分の対応に非があった事を認め、反省ざるを得ない状況で、

唯一肯定してくれる存在がいると知る…そんな温かみのある話には弱いのです(笑)

 

桜間(白石麻衣)との恋愛模様はまだ続くかもしれませんが、

とりあえずは、"先輩を見て学ぶ"お仕事ドラマとして、第一部より見やすくなりそうです。

ちなみに、次回以降も感想を書くかどうかは分かりません。

 

最後に…桐山漣さんがおっさん!?(笑)

調べてみたら確かにアラフォーでしたけど、おじさんには見えませんな…w

 

 

↓ちなみに…2話(+3話ちょこっと)の感想はこちら↓

 

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純愛ディソナンス 6話 感想|毒牙を剥き出しにした愛菜美が今回のMVP!

 

 

いやぁ…凄いですね。

「感情の底も見えてこないから、誰が一番怖いのかが計り知れない」とは書いたけれども、

まさか今回になって急に、その肝心の本心が見えにくい2人だった

路加(佐藤隆太)と愛菜美(比嘉愛未)が本領発揮してくるとは思いもしませんでしたよ。

あ…正しく言えば、愛菜美の毒牙の向け方が強烈過ぎて、

路加の裏切りが霞むくらいだったかな(笑)

冒頭のシーンにあった正樹(中島裕翔)が紙で手を切った時の傷が

"前触れ"として良い味わいを生み出していて、

あんな些細な傷でも痛みが気になって、日常生活にも影響を与えてしまうように、

彼女が彼を束縛してどんどん離れられないようにしていくんだろうな…と思うと

ゾゾッとしてしまいました。

 

感情をじっとり…ねっとり…と見せていけばいくほど

"迂闊に近づけない女"感を滲ませていく比嘉愛未さんと、

剥き出しの感情で怒ったり泣いたりと、喜怒哀楽をはっきり示している

吉川愛さんの演技の対比も興味深く視聴。

興味深いと言えば…正樹視点で展開される、ラストの演出の畳がけも凄かったですね。

今回のテーマである「人生は、何を選択するかで全てが変わる」になぞって、

ガラスに正樹を映して分身に見せる事で、

「ここまで来てしまった自分」と「やり直せていたかもしれない自分」を表現。

そして切ないのは、"後悔""絶望"の表現の仕方が

冴や愛菜美との思い出を回想で振り返って終わり…じゃなくて、

冴との関係を断ち切ったのは自分である事、

愛菜美との結婚が足枷になって、冴の気持ちに気づこうともしなかった無力さを

強調するために、実際には知らない冴と慎太郎(高橋優斗)が手を繋いでいる様子を

フェードアウトするように、2つのシーンを重ね合わせた所…。

あえて涙を流す表情を映さないカットも、彼は今何を考えていて、

どんな感情が襲ってきているんだろう…と、想像を膨らませるものになっていました。

 

今回の演出家は初担当の菊川誠さんでしたが、

正樹の立場を思うと、中々容赦ない作りでしたね。

あまりの切なさに、一瞬、死を選んでしまうのではないか?と過ってしまうほどでした。

次回以降、彼がどう動くのかが気になります。

 

一方で、個人的に本筋からちょっとズレている気がするのは、

静(富田靖子)のお金絡みの描写について。

今の所、冴と正樹の恋愛を描くのに特に関係なさそうで、

ただ周り(と出番を心待ちにしている視聴者の心)を引っ掻き回して

楽しませるだけの要素に思えるんですが、本筋と繋がる時が来るんでしょうかね?

でも、静のスマホに謎の人物から冴の写真が送られてきている事が判明したので、

そことお金のくだりが結びつく展開があれば…と、期待はしております。

 

 

最後に…5年間を描くスピンオフをTVerで配信する件に関してですが、

個人的には、テレビドラマはテレビドラマ内で完結して欲しいなぁというのが

正直な気持ちですね。

私は頻繁にTVerを利用しない方なので、噂が出てくるまで知りませんでした。

知らずに完走してしまう視聴者も多いかもしれません。

某月額配信サービスのように、本家では大きく活躍しない脇役を主演にして

本家の内容からはみ出したサイドストーリーを配信する分には悪くないでしょうけど、

"1つの話"を見たかどうかで、

視聴者のドラマの見方や、登場人物に対しての印象が左右されるような内容は、

テレビドラマ内にちゃんと含めるべきだと思います。

 

…丸々そこで掘り下げられるとなると、きっと、

冴が実家を出て行ってシェアハウスするまでの流れとか、

路加が崖っぷちから社長に上り詰めた経緯とか、

見ながら「いつの間に!?」と思っていたものが詳しく描かれるんでしょうね。

ざっと時間を確認したら約15分間だったので、

それならある程度は盛り込めただろうに…とツッコミたくもなるんですが(笑)

まぁ、無料で見せてもらえるだけ良心的だと捉えて、後日チェックしてみます。

う〜んでもね…これは本当に自分勝手なんですが、TVerに見に行くのに"手間"を感じて

ちと面倒臭いなぁって気持ちも出てきちゃうんですよねぇw

 

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家庭教師のトラコ 5話 感想|トラコの思惑…ちょっと見えてきた?

 

 

やはり前回から形が定まってきて、見やすくなりましたね。

トラブルが勃発し、親子関係にヒビが入りそうな所を

トラコ(橋本愛)が介入してまるっと解決する…というやり口は

同じ脚本家の過去作「家政婦のミタ」と似てはいるものの、

今回は、前回では少し欠けていた"家庭教師らしさ"が垣間見えた内容になっていました。

 

主人公の設定が特に活かされていて面白かったのは、

智代(板谷由夏)が遺書を何度も添削してもらうくだり。

仕事で書類を作る時に、商品をアピールする文章を考えたり、

印象に残った映画や本、行った場所の感想を日記に書き残したりする人は多いかもしれませんが、

それも画面に向かって取り組むだけで終わるだろうし。

そもそも、大人になってから「自分の気持ちを自由に紙に書き起こす」なんて行為は

中々しないだろうなぁ…と、見ながら思えてしまったんですよね。

トラコが赤ペンで細かく修正を入れる所は、

夏休みや授業参観の際に出される作文の宿題を彷彿とさせて懐かしい。

子供の頃によく指導されていた事を、大人になって一から指導される…という可笑しさは

家族に「お金=人生」を学ばせるトラコだからこそ成せる業ですし、

劇中にもあった「学校では教えてもらえない事を学ぶ」を、

生きていく上で避けて通れない進学・冠婚葬祭・終活といった"通過儀礼"と絡めながら、

表現方法を模索して行っている最中なのだと感じさせる仕上がりだったと思います。

 

ただ、そうなると、初回から3話まで、子供をターゲットにした話を描く必要性は

あんまりなかったんじゃないかなぁ?って気はするんですよね。

前回の感想でも書いたように、子供と大人で抱えている悩みや不安は桁違いで、

積んできた人生経験にも差がある以上、

大人の話の方がどうしても、社会的なネタを盛り込んで内容も膨らませやすければ

解決方法も幅を広げられやすいから。

母親と子供の話を逆にするか…極端に言えば、前回を初回にした方が(言い過ぎ??)

本作の方向性が早い段階で掴めたのではないかと思ってます。

そりゃあ"家庭教師"…"家庭"を再生させる専門の教師とも言えるから、

子供を教育するくだりを入れてもおかしくはないんですけど…

わざわざ1話ずつ深掘りするほどでもないのかな?というのが個人的な考えです。

 

トラコが3つの家族に接近する動機に関しては、ここまで焦らし描写が続きましたが、

今回で「お?」と思わせる要素が出てきましたね。

3つの家族の共通点は、みんな感情的になりやすく、

視野が狭くなって、子供を大切にする事を疎かにしがち。

トラコの持っていた紙ペラが、今回智代の添削を厳しく指導した理由でしょうし、

自身の母親に対しての言動からして、どうやら根深い恨みがある様子。

復讐…ですかね?

まぁでも、次回から後半戦でもありますし、

断片的な情報のチラ見せばかりで飽きてしまう前に

そろそろ真に迫る展開があって欲しいものです。

引っ張れば引っ張っただけ「ああ、そうなのね」と思う可能性も高くなるので…(苦笑)

あとは、3つの家族の変化を1つずつ…という構成にこだわらず、

"味変"として、トラコを信頼するようになった3人(3つの家族)が一緒になって

何か行動を起こすような回があっても良いのかもしれません。

 

 

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プリズム 5話 感想|他人には推し量れない"相手を想う気持ち"の線引き

 

 

今回は何だか、核心を突く台詞が多かったですね…。

中でも、一番ハッとさせられたのは

「やっぱり普通ってさ、結局、誰かが作った基準でしかないよね」

という悠麿(森山未來)の言葉。

 

生きてきた時代も、年代も、住んでいる環境も

バラバラの人たちが同じ1つの星にいるのだから、

人それぞれ「普通」の尺度は違っていて当たり前ですし、

彼の言う通り、誰かの考える「普通」が最も正解って事もないんですけど。

「普通」に囚われ過ぎて、浮かないようにそれに合わせなきゃいけない…っていう

生き方になってしまうのが、残念ながら、現代社会では付き物なんですよね。

 

そう考えさせられるきっかけ作りとして、婚姻関係のないパートナーがもたらす影響を

"問題提起"ではなく、あくまでもさらっとメインエピソードに溶け込ませるように

取り入れてきたのも良く出来ていたなぁと。

「私が一生面倒見る」と言い切ってくれる人が、家族として見なされない悔しさ。

同性婚を受け入れる証明書を発行してくれる公的機関がまだまだ少ないという現実。

耕太郎(吉田栄作)が入院したケースだけに限らず、

あらゆる場所で"壁"にぶち当たったり、自分たちの居場所のなさを痛感したりする経験は

今までにもたくさん味わってきたのだろうという事が

耕太郎のしわの刻まれた細い手の長めのカットで察せられて、

何だか胸がキュッとなってしまいました…。

 

一方で、耕太郎に気持ちをぶつけたお陰で、初めて心が少しだけ軽くなったように見えた

妻・梨沙子若村麻由美)の立場も、決して"悪"ではないんですよね。

夫が今でも当時の家族での思い出を、パートナーに嬉しそうに語り続けるのと同じで、

梨沙子も夫と娘を愛し続けているし、想い続けている。

"想い"がまだ残っていれば、騙された…と感じてしまうのは自然現象だと思います。

でも、長く親身に寄り添ってきた関係性だったから、

耕太郎が誰も騙していないという事は梨沙子自身も分かってはいて。

分かってはいるんだけど、2人に近づいたら自分の気持ちが否定されそうで怖くて…

そんな彼女に必要なのは、背中を押してくれる存在だった。

 

相手を想う気持ちの何が嘘で、何が本当かなんて、自分以外の他人には推し量れない。

「誰にも言えない苦しみを溢してみる大切さ」は、昨日のドラマでも描かれてましたね。

新たな関係を築いた者、懐かしい思い出を支えに生きている者…

どの登場人物にも平等に寄り添い、様々な心情を深掘りする事で生まれる豊かさを

感じさせてくれるお話だったと思います。

そして、水川(岡田義徳)が梨沙子に本音を伝えるシーンでかかっていた

鉄筋風(?)の軽やかな劇伴には、かなり救われた感覚がしました。

前回の感想でも書いたように、書き方次第によってはドロドロした雰囲気にもなるだろうに、

それとは真逆の心地良さが終始滲み出ている作風が良いんですよね。

 

次回は、バトンタッチした陸(藤原季節)がいよいよカミングアウトする時。

ドキドキもんです…。

 

 

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純愛ディソナンス 5話 感想|吹っかける路加と迫り来る母親

 

 

冴(吉川愛)と正樹(中島裕翔)のシーンだけは"純愛"を保っていたけれども、

今回は全体的に言えば、劇中でも「毒牙が迫り来る」というモノローグがあったように、

各々の登場人物が冴と正樹の関係性を侵食し始める…といった感じでしたね。

つまり、大きな進展はなし。

後半戦に入るタイミングで、最終回に向けての種蒔き回とも言いましょうか。

でも、唯一儚さを感じさせる2人が、アクの強い面々に翻弄されていく構図はやっぱり面白く、

今回もヒヤヒヤさせられながら、あっという間に見終える事が出来ました。

 

愛菜美(比嘉愛未)が慎太郎(高橋優斗)に接近したり、

アシスタントという形で冴を利用して、最終的に罠にかけようとする意図はまだ分かるんです。

ただ…一番意味不明 ←褒めてる なのは、路加(佐藤隆太)と愛菜美の2人の関わり。

両者ともなぜ関係を持とうとする事を全く拒まないのか?なんですよねぇ(特に路加)。

で…彼の場合、冴と正樹の関係を壊すのを楽しんでいるようにも見えます。

彼女が異性として気になっているとか、嫉妬しているとかそういう訳ではないし、

その行為の動機も、かつて自分を惨めな目に遭わせた

賢治(光石研)への復讐から来てはいるんでしょうけど、

なぜそんなに遠回りを…?それとも彼にも何か深い因縁があるとか…?なんて、

いろんな謎が出てきます。

おまけに、今回再登場した静(富田靖子)はまだちょい出し状態で、

大きなバッグ抱えていた辺り、大金を横領して逃げたようにも思えますし…

まだまだ分からない事だらけです。

 

本作の登場人物って、1つ1つの言動で何を企んでいるのか、何を考えているのか

良い意味で掴めないのもそうなんですが、

感情の底も見えてこないから、誰が一番怖いのかが計り知れなくて、

そこが「もっと見たい」という視聴意欲に繋がってくるんですよね。

静はかつて感情を大爆発していたけれども、

彼女とは別ベクトルで"本性"を見せてくる人が出てくるのかもしれないし、

そのギャップの強さに慄いてしまう事だってあるのかもしれない。

みんなどことなく影のヴェールに包まれているような気がして、

いつ"本性"をさらけ出すのか…と「怖いもの見たさ」でワクワクしている自分がいます。

 

二面性と言えば、5年後に突入してからずっと言及できずにいたんですが、

愛菜美との前では自然体でいるようで無意識に取り繕っているのに対して、

冴との前ではナチュラルな声色や表情が隠しきれずにこぼれ落ちてしまう

正樹の"人間らしさ"が、冴との恋愛への感情移入度をグッと高めていて良いですよね。

冴は冴で透明感をまとっているから、つい引き込まれちゃう。

次回からまたガンガン攻めた話になってくるでしょうかね?期待しています。

 

最後に余談ですが…

静が冴に引き剥がされてまず机にしがみつく辺り、

妖怪っぽさが出ていて最高でした(笑)←あくまでもご本人ではなく役に対して

晴翔(藤原大祐)に家を案内された時のぱちくり目も、

少女漫画ちっくな動作なのが余計にゾゾっとさせられましたわ〜w

富田靖子さん…恐るべし。

 

 

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魔法のリノベ 5話 感想|泰造さんはもはや魔王なのよw

 

 

前回と前々回は、本作の持ち味である優しくほっこりしたお仕事パートに

ギスギスした恋の三角関係という、

ジャンルも雰囲気も全く異なったエピソードを頻繁に絡めてくるものだから、

個人的にはどうも話が噛み合っていないぎこちなさを感じて

あまり集中して見れずにいたのですが…。

今後の展開の仕方によっては、下手したら、

トラブルを引き起こしがちな久保寺(金子大地)と桜子(北香耶)のポジションが

寅之介(落合モトキ)に交代しただけになるのでは?と思わなくもないんですが、

今回はちゃんと"家族"の物語として、軸のある内容に仕上がっていた気がします。

 

家を出た鎌田の娘・深雪(村川絵梨)が父のリノベーションに口出しし、

家を出た寅之介が突然実家に押しかけて来ては、仕事のライバルとしても接近する。

そして、そんな弟を怒れない玄之介(間宮祥太朗)と、

家に留まる理由を中々言えずにいた鎌田(岩松了)と、海は嫌だと言う息子。

各々の状況や心情描写から2つの構図を浮かび上がらせ、

最終的にはみんなひっくるめて「怒るべき所は怒り、話し合うべき所は話し合え」という、

ちょっとした"優しい教訓"めいた話に綺麗に着地する流れも上手かったですし、

複数のエピソードも、中盤まで「こんなにボリューミーでまとまるの?」と半ば不安だったのを

忘れるくらい、無理なくリンクされていた印象がありました。

 

コメディ部分の見せ方に関しては、何だか久しぶりに笑いにギアがかかってるな…

まるふくの面々や鎌田家の会話劇にめちゃくちゃキレを感じるなぁ…

と思いながら見ていたいんですが、後で確認したら、

初回と2話の演出を担当されていた瑠東東一郎監督が再び戻られたんですね。

通りで、納得です。

特に「一発屋って事なんじゃない?」「誰がムササビじゃ!」という局を超えたネタなんて、

コメディ作品を代表作に持つ監督ならではの特権ですからね(笑)

脚本家やプロデューサーに某作品を担当された方がいるなら分かるにせよ、

誰も関わっていないんだから凄いですよ。

役者さんのイキイキとされた演技も、今回も楽しみました。

原田泰造さんは魔物というより…もはや魔王の表情でしたなw

 

次回のゲストは真飛聖さん。

呉服屋のリノベーション…じゃなくて、

間取りにうるさいマドリストのリノベーションをするらしい。

最近、別枠から別枠へと短期間でゲスト出演する役者さんが多いのは

気のせいでしょうかね?

 

 

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オールドルーキー 7話 感想|梅屋敷が初めて見せた涙

 

 

ザ・王道の展開。でも、マネジメントの話で初めて涙腺に来てしまいましたなぁ…。

高柳(反町隆史)が3人に「吉木がパラリンピック選手だというのは捨てて、

一アスリートとしてリスペクトしろ」と言っていたシーンがあったんですが、

その言葉がただの"ドラマ用台詞"では終わらず、

終盤の試合シーンを長めに映してくれる所や演出にも

しっかり反映された作りになっていたのが良かったですね。

 

特に、天井に向かって高く上げるボールをスローモーションで撮ってからの

ショットの緩急のつけ方には、テニスだろうが車椅子テニスだろうが関係なく

「私たちは今"1つの試合"を見届けている」そんな臨場感を感じさせました。

そして…車椅子で動くカットも度々見せて、このスポーツの凄みも届ける。

メインエピソードに関しては、1人の選手に向き合う姿を描くという点では

今までの中で一番力の入ったエピソードだったんじゃないかと思います。

 

吉木(福山翔大)があそこまで自分を追い込むほどの背景は掘り下げられなかったし、

実際の選手ならもっといろんな事を抱えているんだろうけども、

世相を織り交ぜながら、「ああ、彼も目の前で苦しむ人を何人も見てきたんだろうなぁ」

「それが今の彼にとってプレッシャーになっているのかも」とは何となく察せられる

台詞運びも上手いです。

で…もう1つ上手いなぁと思ったのは、

いつもは何かと公私の"私(プライベート)"で話の腰を折りがちな本作でも、

今回の場合は、物語を引き立てるようにサブエピソードを絡ませていた所。

…梅屋敷(増田貴久)と姪っ子の件ですね。

 

まずは「アスリート人生を退いても幅広く活躍できる者」である新町(綾野剛)と、

「アスリート人生を退いたら将来の選択肢が限られている者」である吉木で対比をとり、

絶望感や焦燥感を漂わせてから、最終的に「夢与える者」である吉木と

「夢憧れる者」である姪・桜(池端杏慈)の2人を対比した話へと

グラデーションを重ねていく。

そう…大枠で言えば、2組(4人)に共通しているのは「セカンドキャリア」なんですよね。

そんな2組の関係性を描いた事で、前半〜中盤の吉木の心情の揺れ動きも

物語上でちゃんと意味のあるものになり、

結果、見応えや視聴後の爽やかな余韻に繋がったんじゃないかという気がします。

 

まぁ…冒頭で「メインエピソードに関しては」と書いたのも理由はあって。

今回は「セカンドキャリア」が共通項の2組の対比から織り成すドラマを面白く見ただけに、

合間合間に挟まれる果奈子(榮倉奈々)のシンデレラストーリーが夢物語に映って

本筋の話の腰を折ってしまった感は否めませんでしたけどね。

だって…いくら彼女もセカンドキャリアを歩んでいるにしても、

"ブランド"を使って、トントン拍子で上手くいってますから(苦笑)

彼女のシーンだけが軽くて、どうも浮いて見えるのです。

 

中盤まではそこが気になりましたが、試合シーンと、初めて見せた梅屋敷の泣き姿に

感情が持って行かれて忘れかけたので、まぁ良いかぁ…という自分もいますw

これを機に、梅屋敷ももう少し仕事に誠意を見せてくれますように。

 

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