「まさかこんな事は起きないだろう」という油断が引き起こした医療ミス。
食塩水とアルコールを取り違えてしまった背景には医者の過剰労働があり、
この失敗を未来に活かす事が大切だ…といった
いつもの希望のあるラストで締めた訳ですが、
個人的には、ミステリーの捻り方的にも、遺族側の心情的にも
ちょっと釈然としない感じだったかなぁ。
本当にアルコールだとしたら匂いで分かるだろうから、
そういう意味でも前回の感想で触れた「紫の炎」に目を付け。
調べてみてセシウムがその色になり、医療業界で使われているとも分かった事から、
(ソースはこちら)→・セシウム - Wikipedia ・家庭でトライ!キッチンで炎色反応
真奈子(松雪泰子)達が「なぜ炎が出て、なぜ紫色だったのか?」
「その成分は何なのか?」を探る実証をする展開になるのだと想像していました。
しかし、実際にはストレートに容器の取り違えだった事が明かされ、
この多くの視聴者が読みやすいミステリー要素ならば
前後編にしなくても良かったのでは?と思ってしまいました。
(前後編にしたもう1つの理由としては、守康(寺脇康文)の件もあっただろうけど。)
そして、今回の事件が引き起こした原因を「過剰労働」だとした真奈子。
う〜ん、遺族側からしたら、それなら仕方ないね とはならないと思うんですよね。
大切な人が帰らぬ人となった今、ミスはミスなのに変わりなくて、
大体、病院の事情なんて知ったこっちゃないでしょうし。
展開としても隠蔽の件は二の次にして(という表現が合ってるか分かりませんが)
過剰労働が最大のヒューマンエラーだった…みたいな描かれ方だったのが
少し気の毒な感じがしました。
好意的に見ているポイントその2の、どの立場の人々にも必ずフォローを入れる…
というのも、遺族側にはなかったのも不思議。
面白い事には面白いし、本作なりの良さもあるのですが、
凄く面白い!までに行かないのは、脚本とキャラクターの全体的な軽さ、
そしてテレ朝ドラマを彷彿とさせる作りにあるのかなぁ…と思ってます。
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