G線上のあなたと私 7話 感想|アクシデントやキスシーンに頼らない恋愛でも、ちゃんと切ない凄さ。

 

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「大人になるとき」のサブタイトルに込められた意味。

それは、自身が成長した事をある日実感する「気づき」とも取れるし、

環境や時間の流れを経て自由な時間が増えたという「喜び」とも取れるし、

逆に、大人にならなくちゃ…というケジメを付ける上での「焦り」とも取れる。

その点を鑑みた上で、今回は也映子(波瑠)、幸恵(松下由樹)、真於(桜井ユキ)の

3人それぞれの「変わりゆく現実に地に足をつけて生きる女性像」

描き出した回だと思って見ていました。

 

前回では也映子に対してグサッとくる言葉を残した真於の真意は

「3人が羨ましかったから」…

言動と真逆だったとしても、彼女の背景がこれまでに描かれてきたから、

何となくそんな感情が芽生えてしまうのも分かってしまう過程の上手さ。

也映子との件も、理人(中川大志)が相談してねと言ってきたのにもかかわらず

勝手に去っていこうとする件も、

どこか弱く見られたくなくて、大人ぶろうと自分を立てている所があって。

真於はかつての也映子だったのかもしれません。

 

也映子が言った「人間愛」は、恐らく彼女にとって、

こうあって欲しいという願いのようなもの。

真於を助けられるのは理人しかいないと背中を押したのも、

私の好きな理人でいて欲しいと思った気持ちも決して嘘ではない。

けれども、「願い」は強くなればなるほど、人間にとっては手の打ちどころがない

厄介な感情をも生み出すのもまた事実…

胸を苦しそうに抑える也映子に、こちらもキュッとした心地になってしまって…

どうか何事も起きないまま帰ってきて…!と、願わずにはいられないラストでした。

 

前回の感想で「恋愛ドラマとは括れない」と書きましたが、

恋愛至上主義という訳でもなく、けれどもメインじゃないからって雑に扱わず、

「心が揺れ動く瞬間」として様々な人間関係を通して

機敏な変化が描けている所は、本当によく出来ていると思います。

最近は、恋愛ドラマとガッツリうたっていても、

要となる登場人物の心情がまともに描けていない作品があったり、

逆にラブコメディ路線で、壁ドンやキスシーン、〇〇対決に頼って

キュンキュンさせる作品が増えてきたりする中、

(勿論、貶している訳ではなく、ラブコメも独自の世界観を突き詰めていけば

化けて面白くなる作品もある…というのを見て経験した上で例を挙げています。)

ここまで"魅せられる"恋愛描写は、本当に珍しい。

 

幸恵が階段で倒れて病院行き…という安易なアクシデント展開にしなければ、

女性同士が嫉妬をむき出しにする喧嘩や修羅場がないのも、好感の持てる作品。

 

世代ごとに共感出来る部分があれば、続きを早く見たくさせる盛り上げ所や

ほんの胸キュン要素もあるのに、何で視聴率が6%台なのかが不思議で堪らなくて…

恋愛ドラマが苦手だったとしても本作なら老若男女楽しめると思うのに。

今からでも期間限定とかで良いから、

1話からTVerで一挙放送やりません?

 

 

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