其の十五「ゆで卵と福引き」
牧本(西村まさ彦)さんも「当たり前のものがなくなって欲しくない」点では、
満(生田斗真)と同じなんだろうなぁ。
最初は美味しいコーヒーなんてどこにでもあるじゃんと言っていた満が、
約30分の短い放送時間内で自らBarクラッチに出向く形で考えを変える様子は、
描き方次第では都合のいい展開だと捉えてしまいがちなものの。
以前は毎朝コーヒーを出してあげていたほど大切な存在である房枝(原田美枝子)の
牧本に対する想いを聞いて…というのは勿論、
前回の「ジンライムと商店街」での、実家を売ることに反対する…といったエピソードのお陰で、
今回の満の行動に説得力を持たせているようにも思えました。
今までのエピソードの積み重ねが効いています。
房枝が出ている吹き矢大会なのにあまり応援している様子もなく、
満vs綾子(小池栄子)の会話がヒートアップし、
あ、牧本さん優勝してる…とようやく気づく
春海(清原果耶)のシーンには笑わせられました。
満くん、その分析能力と情報収集能力…ニート生活だけじゃ本当に勿体無いと思う(笑)
其の十六「ミカンとコタツ」
この回を見終わって一言。
ああ、"なんか良い"。
もっと見ていたい…。
これだけじゃ感想にならないのでもう少し書き足すとすると、
家族間でのやり取りにクスッとさせられてからの、さりげない「家族愛」で
視聴後にじんわりとした余韻を残す作りが、今回が一番抜群だったこと。
雰囲気がガラッと変わる展開になんの違和感も覚えさせない所は、本当によく出来ています。
出世払い〜♪なんて酷い歌詞でも、それを光司(安田顕)と春海が今でも覚えていて歌っている事から、
ケンカしても口をきかない時期があったとしても、長年の付き合いで築く家族の関係は
根本的にあるものとしてずっと変わらないままなんだろうな…という深さを感じさせる妙。
歌を口ずさむ二人も、動画を見せる房枝も、それを見て泣いてしまう綾子も、ラジカセを買い換える春海も…
「変わらない」を描きつつも「一歩前進していく」という変化も同時に描かれているのも良かったです。
***
前半はしんみりさせられる話が多かったですが、後半からは会話劇が楽しい話が増えてきた傾向にある本作。
後半の中では、個人的に8話はピカイチだった気がします。
「コタツって、戦争をなくす秘密兵器だよね〜」と言う満。確かに一理あります。
でも、現実でもどこかで実際に言っている人がいそうな言葉に感じられるのがまた面白い(笑)
男性に好かれちゃうタイプの房枝さんが魔性の女性だとするなら、
コタツも人をダメにする点では魔性ですねぇ。
ニートブラザーズを結成して、ミカンの歌をノリノリで歌う時の生田斗真さんと安田顕さん。
心から楽しそうだったなぁ。素で笑っているようなところも良かった。
会話がいちいちツボにはまるドラマは、良いドラマ。
「財布の歌」はぜひ配信して欲しい!!
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